2004年7月例会

 あなたも食べている遺伝子組み換え食品
■今回の例会は、環境問題に並々ならぬ関心を寄せる森さんが、かねてから是非実現したいというテーマで開催された。以下は、例会案内による森さんからのメッセージである。
 「今年、BSEや鳥インフルエンザなど危ない食物について世間で騒がれました。ところが、最近、遺伝子組み換え食品が日本にもかなり入ってきているにもかかわらず、その危険性についてはあまり知られておりません。『今だけでなく、次世代に向けて安全な食べ物は何なのか。』『どうすれば安心して食べることができるのか』についてお話していただきます。」
■講師は森さんの職場の同期入社の友人でもある千里山生活協同組合元理事の池山恵子さん。
 男性メンバーにはどちらかと言えば、馴染みの薄い「遺伝子組替え食品」というテーマを理解する上で、配付していただいた豊富な資料は大いに役立った。
 以下は、池山講師のスピーチ概要である。
◇遺伝子組み換えとは
「ある生物の特定の遺伝子だけを取り出して他の生物の遺伝子に組み込み、自然界では起こり得ない新しい生命体を作り出す技術」「同一品種内で交配を重ねる品種改良と他種の遺伝子を直接組み込む遺伝子組み換え技術とは本質的に異なる」
◇日本の現状
「大豆、とうもろこし、ジャガイモ、なたね等の輸入作物とその加工食品の多くに遺伝子組み換え食品が食卓に登場してきている」「日本は食料自給率が極端に低く、大半の食品を輸入に頼っている。その結果、日本人と日本の家畜は、世界で最も多くの遺伝子組み換え食品を食べている。」「BSEや鳥インフルエンザのように目に見えないだけ、知らず知らずに拡大している」「最近話題になった『青いバラ』も遺伝子組み換え技術によるもの」
◇何が問題か
「除草剤や殺虫毒素残留の食物を食べる危険性」「組み換え作物の花粉が及ぼす生態系への影響」「益虫が被害を受けることで虫や鳥などに影響を及ぼし生態系を壊す懸念」等々。
◇表示制度
「遺伝子組み換え食品であることの表示義務は、日本は欧州に比べはるかに遅れている」「そのため遺伝子組み換え食品を食べたくないという消費者の権利は守られていない」
 最後にインパクトのある次のような締めくくりの言葉が述べられた。「殺虫剤を使用していないのにトウモロコシに飛んできた虫が、バタバタと死んでいます。このトウモロコシが今までのものと同じものだと思えますか?」
■愛する家族の台所を預かる主婦の立場から、全力投球で関わってきた体験に裏打ちされた真摯なスピーチだった。
 10年前、スーパー業界に身を置く立場で、消費者と企業の架け橋ということを強く意識した時期があった。意を決して消費生活アドバイザーの通信教育を受講し、2年がかりでその資格を取得した。私にとって今回の例会は、当時の気持ちをあらためて呼び起こすものだった。
第2部 郷土料理対抗戦「紀州料理 vs 加賀料理」
■第二部の懇親会の盛り上りは、恒例の料理長自慢の郷土料理対抗戦で幕を開ける。やなぎ店長のお品書きの発表。今回のテーマは「紀州料理vs加賀料理」である。
 今回、調達して頂いた地酒は、石川地酒「純米酒・菊姫(画像@)」である。最初のおつまみ「生蕎麦唐揚げA」と最後の「大皿仕上げ蕎麦K」は「蕎麦や・本店やなぎ」の定番料理。この間を、紀州料理と加賀料理の逸品が覇を競う。(画像の料理と添付番号はテーブルへの着席順である)
 西方・紀州料理のラインナップはいきなり登場の「トロと赤身の本まぐろのお刺身B」に始まり、「高野山胡麻豆腐D」、「紀州梅干の天ぷら料理G」(初めての不思議な味覚体験だった)、「金山寺味噌J」の面々。
 対する東方・加賀料理は「連子鯛網焼きC」、「ホタルイカ沖漬E」、「鴨自部煮F」、「鱧チクH」、「鱒押寿司I」、そしてデザートの「石川産・西瓜」と続く。
 こうしてあらためて振り返ってみると、「限られた予算の中で、よくぞこれだけ趣向を凝らした品揃えをして頂いたものだ!」という感がひとしお。料理長に感謝。
■スピーチ後のしばしの懇親。そして久々の参加者からの近況報告。
 京都府庁の竹内さんは昨年7月の講演以来、1年ぶりの参加。奇しくも前回講演の環境問題と共通のテーマでの参加となった。
 広報担当の竹内さんからは「自殺遺伝子の怖さが印象的」というスピーチの几帳面な感想コメントが。
 例会欠席の事情が通風だったという盛田さんからは、元気な回復ぶりで通風対策のあれこれが。
 ケーキ屋さんの中村さんは、食品を扱う仕事がら、今日のスピーチが大いに考えさせられたとのこと。
■ちなみに今回の参加者は、川島、井上、日高、竹内(佳)、森、生原、麻生、盛田、吉川、福井、北村、中村、竹内(賢)、浦濱、高見の15名の皆さんだった。

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