6月明石例会

 6月17日(日) 明石せり市とれとれ魚料理+宮川先生さよなら講演
■5月17日、いつもながら几帳面な岡さんからの6月例会の案内メールを受信。1ヵ月後の今日、岡さんのメールを手にしてJR明石駅に向かう。集合時間の11時の少し前に到着。JR明石駅改札付近の広々とした構内には、既にメンバー達が集合。ここで例によって本日の参加者紹介。本日のメインゲストの宮川さんをはじめ、川島さん、井上さん、竹内さん、森さん、岸さん、池田さん、矢野さん、佐渡さんに初参加の川村さん(竹内さんの友人)、北村さん(竹内さんの義理の兄弟)、日高の総勢12名が第一部参加の面々である。
■明石駅から南へ徒歩10分、目的地の明石港に到着。今回のイベントは明石漁港昼網のセリ市見学である。帰港したばかりの漁船から次々と獲物が水揚げされている。
セリ市では大卸業者の2社が船主から預かった漁獲を個別にセリにかける。我が宮川さんは、その1社の神港魚類鰍フ役員でもある。場立ちの従業員や、顔見知りの仲買人らしき人たちが、次々に宮川さんに声をかける。セリが始まるまでのひと時、第一部参加者で漁港をバックに恒例の記念写真(右画像)。
ほどなく市場を二分する形で各々のセリが始まる。ナンバーカードをつけた濃紺の野球帽(仲買人資格を証明する制帽なのです)を被った仲買人たちがそれぞれにお目当てのセリに参加する。セリに掛けられるトロ箱が次々とセリ台に載せられる。鉤手で台を叩きながら、場立ちが仲買人たちに値決めを促す掛け声を浴びせる。(下の左静止画像と本邦初公開の右の音声付動画像)「ッチャーエーカー!ッチャーエーカー!」「ナンボー!ナンボー!」「サイコーサイコー」。(門外漢の筆者が聞き取れた掛け声を文字にするとかくのごとくになった)。早いテンポの掛け声に釣られるかのように仲買人たちが符牒である独特の指の動きを示す。示された合図の全貌を見て取った場立ちが瞬時にセリ落としてゆく。神業という他はない。30分余りで神港魚類のセリが終了。もう一方の明石丸海のセリはさらに10分ほどして終了した。セリのスピードに違いがあるとのこと。
■セリ終了後、宮川さんからNoカード26の仲買人さんを紹介される(下左画像)。今日の例会会場の相撲茶屋「振分」の経営者にして「鮮魚中卸・滑ロ大」社長の角谷さんとのこと。セリ落とされた数個のトロ箱のトレトレの魚介(下中央の画像)が、本日の我々の昼食素材である旨のお告げに、一同の口から思わず漏れる感嘆の雄叫び。
■しからばここは十分な腹ごなしをというわけで会場までの道のりを大回りして、かの「魚の棚商店街」(右画像)の散策に。
各商店には先ほどセリ落とされたばかりの魚介が既に店頭に並べられている。揚げたての串挿しの「蛸天」がお昼をとっくに過ぎた空きっ腹を直撃する。思わず買い注文。近くを散策中の井上さん、佐渡さん共々食べ歩き。
■1時過ぎ、会場の「振分」に到着。出迎えの角谷社長から「今しばらく調理の時間が必要」とのこと。本日のメインエベントであるセミナー開催に絶好のタイミングのアナウンスである。
セミナー開始直前に第二部参加の府録、生原、荒賀(初参加)の各氏が到着。
宮川講師による「明石お魚セミナー」の開始。「明石の魚と潮、そして漁業環境の現状と将来について」と題するセミナーレジュメが配られる。宮川先生の気合の入り方と思い入れの深さが伝わってくる。神港魚類株ュ行の「魚のイラスト下敷き」と62種もの魚にまつわる情報を詰め込んだ「魚のお話」の冊子も提供される。「魚のお話」の大部分は宮川さん自身の執筆とのこと。ちなみに『蛸』のリストには「旬」「語源」「種類」「漁獲量」「産卵」「漁法」などの記述とともに芭蕉の次の句が添えられている。
「蛸壺や はかなき夢を 夏の月」(捕らえられたことも知らず、海底の蛸壺から月を見上げる蛸 その蛸の運命を・・・)。歴史を愛し、文学に親しむ宮川さんの面目躍如というべきか。
■30分程の講演であった。海の穀倉地帯である明石の潮の特色、海洋生物の生産ピラミッド等の植物連鎖の大切さ、地球温暖化や諫早湾干拓等に見られる環境破壊のもたらす魚への影響等々・・・。
宮川さんが歩んできたサラリーマン人生の集大成とも言える報告でもあったのだろうか。大阪さくら会も環境問題にも目を向けるべきではとの問題提起もあった。定年を迎え、長かった単身赴任を終え、古巣の関東に戻るに当たっての我々への重いメッセージと受け止めたい。
■席をかえ、いよいよ新鮮魚介の大宴会コースに突入。鯛、ハモ、飯蛸、子海老、蛸、はまち、カレイ、オコゼ、太刀魚、穴子、サザエ等々・・・。それらの魚介が刺身、焼き物、煮物、笹漬け、吸い物、天ぷら等に調理され次から次に登場する。かってこれほどの魚料理尽くしを味わったことがない。左右の画像はそのホンノ一部である(すべてを掲載するには画像が重過ぎました)。
最後に用意された「握り」については一同「お持ち帰り」を要望。かくして一同は「お父さん1人で贅沢して・・・」という家族の非難をかわせる強力なネタを手にすることになった(下の画像「振分」前記念写真で全員手にしているビニールバッグである)。
■限りない満足感と満腹感に浸りながら、最後の盛り上がりを迎える。宮川先生の「魚のお話」出版記念サイン会である。セリ市見学に始まり、講演に大宴会とゲストの筈の宮川さんにまたとない貴重な体験コースのお世話を頂いた。参加者一人一人の冊子に記されたサインは、今日の思い出とともに宮川さんのさくら会での存在感をあらためて思い起こすメッセージとなるに違いない。
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