■8月16日から三日間のお盆休みだった。久々に夫婦で日帰り小旅行に出かけることにした。ドライブガイドを買うついでに見つけたのが、「関西・まちなみ&山里散策」というガイドブック。オヤジ世代の郷愁を誘う関西の24の町並みや山里の散策ルートの案内書である。これはイイ!リタイヤ後も睨んで早速購入。今回の旅先は、「かやぶきの里、美山町」である。
■ところで、事前調査のつもりでインターネットで「美山町」をキーワードに検索をした。検索された美山町は福井県。『京都府だとばかり思ってたのに・・・。ヘ〜ッ福井県だったんだ。』と勝手に納得しながらページを繰ってみる。どうもおかしい。結局、検索画面に戻ってみてようやくわかった。ナント美山町は二つあったのだ。しかも京都府と福井県という隣接府県だけに紛らわしい。
■3月にマイカーを買換えた。装備したカーナビの最新機能を本格的に試してみるという楽しみもあった。
7時30分の早目の出発を予定し、7時前、取扱説明書片手にカーナビの目的地設定を試みる。行先の電話番号を入力するだけで、簡単に設定できる。訪問予定先を順番に入力すれば順路設定も可能だ。
出発と同時にディスプレイの地図の道路上にブルーで順路が示される。同時にボイスアナウンスでそのつどガイダンスされる。道を間違えても、間違った地点からの目的地への最適経路が瞬時に示される。
これはなかなかの優れもの!夫婦だけの遠乗りドライブでは、道路地図を挟んで、車内はしばしば険悪な雰囲気に陥っていた。「地図の読めない女」に「話を聞かない男」が苛立ちを募らせていた。今回は全くその心配はない。「地図を読みまくるカーナビ」が、助手席の役割を見事に演じていた。
■カーナビ様のご指示に従って、舞鶴自動車道を篠山ICで降り、国道沿いに目的地をめざす。美山町に入ってから意外と時間がかかる。2時間30分ほどのドライブで10時前に美山町北の萱葺き集落に到着。最も大きい収容能力の「食事処きたむら」の駐車場停める。生憎の雨模様で観光客もまばら。まずは萱葺きの里の全景を遠望。「関西・まちなみ&山里散策」お勧めの由良川に架かる「長除大橋」という小さな橋からの遠望はサスガ。
■集落入口のメインストリートから左回りに観光スポットを巡った。稲荷神社の境内には樹齢400年といわれると栃の木そそり立つ。八幡神社への道中で目にした里山の風景は日本の原風景そのものだった。昔はどこの村にもあっただろう「鎮守の杜」を思わせる「八幡神社」。それぞれに毎年、夏休みを親戚の山里で遊んだ子供の頃の思い出を髣髴させる限りなく懐かしい光景だ。
■観光スポットのメインはやはり美山民俗資料館だろう。200年前の中層階層の農家の遺構だったという。3年前に火災で母屋を焼失し、昨年復元されたとのこと。母屋に入ると、住民と思しきおばあちゃんが囲炉裏の前の小机で受付をしている。訪問者は入館料と引き換えに出されたお茶を味わいながら、しばしおばあちゃんとの歓談の時をすごすようだ。母屋を中心に裏手の土蔵、向いの納屋を見て回る。圧巻は母屋の二階屋根裏から見る萱葺きの裏側だろう。職人たちの技を感じさせるホンンモノの手ごたえがある。
■11時半頃、民俗資料館を後に駐車場に向かう。隣接の「食事処きたむら」で早目の昼食をとることにした。地元のそば粉を使った手打ち蕎麦がお勧めのようだ。注文の「手打ち蕎麦定食」についているご飯の姿が珍しい。聞いてみると「きびの実」ご飯とのこと。コシのある蕎麦を堪能し帰路に。途中、美山町と和知町の境にある大野ダムを散策。ダムの堤からの時雨模様の展望は、深山幽谷の世界。

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