明日香亮のつぶやき日記

2000年11月
11月1日(水)ミッションの終了と始まり
■11月1日、フォード・ジャパンの関西拠点である「フォードOSAKA」の入社式に上司の常務とともに招かれた。子会社の「フォード関西」が母体の会社である。フォード・ジャパンの営業戦略転換が明らかになった頃からの1年以上に渡る交渉の到達点であった。フォード・ジャパンは直営4店舗を手に入れ、フォード車販売に特化するというポジションチェンジを加速した。当社は本業関連度の薄い不採算化した自動車販売事業から撤収を果たした。営業譲渡に伴い59名の従業員が新会社に移籍した。
17:30頃、大阪ヒルトンホテルを会場に、従業員71名とその家族の出席のもと入社セレモニーがスタート。世界フォードのプロモーションビデオに続き、新会社のプレジデントであるマイケル・ブリルマイヤーのスピーチ。幾度となく交渉の場で議論を闘わせた相手である。マイクの愛称で呼ばれた40才半ばの好漢。不愉快な場面に出くわすと顔が見る間に赤くなるが、グッと言葉を飲み込んでしまう「Noと言えないアメリカ人」だった。新会社の方針を幾分気負いを込めて語ったマイクのスピーチは通訳を間に挟んで30分を超えるものだった。店舗毎に従業員全員にマイクから社章が授与され、店長が決意を語る。昨日まで子会社の仲間だったメンバーたちの力強い堂々たるスピーチだ。
フォードジャパンの岩国社長の来賓挨拶。「今日から皆さんは、世界で35万人いるフォードグループの一員になりました。新会社を家族に誇れる会社にします。社会に存在感のある会社にします。」家族同伴の入社式を発案したのは岩国社長とのこと。世界最大の自動車メーカーのひとつに仲間たちが再雇用されるという選択肢が決して間違いではなかったとの思いがよぎる。
19:00過ぎ、会場を移しての入社レセプション。岩国社長、マイク・プレジデント、当社常務、今日から新会社の専務となったフォード関西社長等がテーブルを囲む。司会役の菅野女史が遅れて着席。実務協議ではハードなネゴを展開した20台後半のキャリアガールである。英会話をこなし実務にも長けた手強い相手であったが、今となっては戦友の感がある。
会食とゲームに興じた2時間足らずがあっという間に過ぎ、散会。外資の雰囲気を一杯ちりばめた入社式が終了し、フォード関西営業譲渡の実務サポートという私のミッションも名実ともに終了した。
■11月1日、今日から私の勤務先は我孫子事務所でなく花園本部になった。所属部署も関連事業管理部から人事統括部に変わった。20数社の子会社に出向中の本社社員の出向先への転籍推進が、私に与えられた新たなミッションである。本業の業績不振は目を覆うばかりである。経費構造の抜本改革が求められている。来年2月期からの連結決算を控えてグループレベルでの人材と人件費の効率化が課題となった。来年2月には役職定年を迎える。2年半の関連事業管理部の経験を活かし、自分自身も含めた「子会社転籍問題」を担当することになる。
■11月1日は、私にとって記念すべき日となった。ひとつのミッションが終了し、そして新たなミッションが始まった。

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