1983.01.01
労組機関紙・新年挨拶

冬の旅人  春の宿


チェーンストア業界冬景色
「ニチイ、ユニー合併か?」 昨年末、こんな衝撃的なニュースが、新聞報道を通して業界を駆け巡りました。
様々な形で業界再編が噂されていたとはいえ、活字になって目に飛び込んでくれば、あらためて今日の私たちの業界環境の厳しさを実感せざるをえません。
「個人消費の長期低迷」「スーパー各社の採算悪化が表面化」「”生き残り競争”のための業界再編」等々の言葉が、日常用語として語られています。まさに『冬の時代』の到来なのでしょう。

流動化の波
世の中の従来の枠組みが、あらゆる局面で流動化しつつあります。
「自由貿易体制下の保護貿易主義の台頭」「石油エネルギー依存の脱却と代替エネルギーの開発」「OA革命やロボット化による労働力の変革」「労働界の再編と全民労協の発足」「中高齢化と労働条件の枠組み変更」等々・・・。
決して無縁ではないこうした流動化の波を、私たちは身を縮めて過ぎ去るのを待つべきなのでしょうか?

「鈴木・先送り内閣」のツケ
鈴木内閣が崩壊しました。「先送り内閣」と呼ばれ、困難な経済環境下での難問を先送りすることで延命してきた内閣でした。その鈴木内閣のツケが、長期不況、増税、福祉切捨てなど国民へのしわよせという形で回されようとしています。
「冬の時代」の流動化の荒波に、身をかがめて難問を先送りすることのツケは、将来「より大きな犠牲」という請求書を受け取ることにならないでしょうか?

「春の宿」をめざして
ようやく乗越えた「時間外管理」「就業パターン制」という課題に引き続いて、さらに人事諸制度を中心とした労働条件の枠組み変更に取り組まねばなりません。
すでに私たちは、「冬の時代」という直視せざるをえない現実と、避けることのできない中高齢化の大波を前にして、「春の宿」をめざして確実な歩みを始めました。

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