I have landed

2010年11月14日、2003年6月10日更新

先日からこの本を読んでいる。
"Natural History"に300号連載したエッセーを中心に、新聞・雑誌等に掲載された文章をまとめたエッセー集だ。
読んで、目に入ったこと、心に残ったことを、書き留めておく。

冒頭、この本の出版社(Random House)が刊行しているグールドの本のリストが載っている。トップに置かれている「Ontogeny and Phylogeny」は、訳本「個体発生と系統発生」を、高校で生物を教えていた友人の本棚で見て、気になって読んだ覚えがある。
早川書房から出ている翻訳で読んだものは、

ペーパーバックかハードカバーを読んだものは、

買ったまま、自室か職場に積んだままになっているのが

  • Finders Keepers
  • The Lying Stones of Marrakech
  • The Structure of Evolutionary Theory

ということになる。

本のタイトルともなった最初のエッセー「I have landed」は、1901年ハンガリーから米国に移民してきた著者の祖父(その時14歳)が、書き残した英語練習ノートにあったことばだ。著者は、「文法的には間違っているが、14歳でハンガリーから米国に移った直後に書いたことばとしてはよく書けているし、気分が伝わってくる」とタイトルに選んだ理由を書いている。

"The Darwinian Gentleman at Marx's Funeral: Revolving Evolution's Oddest Coupling"とタイトルされた、カール・マルクスの埋葬に参列した9人目の男をテーマにしたエッセーも収録されている。60歳を超えた亡命老革命家と20代後半のイギリス貴族で新進生物学徒がそれぞれ相手にどのような印象を抱きつつ付き合ったのかを想像する著者の筆は暖かい。グールドの周りでも、世俗的な出自や所属階級の違い以上に、新奇なもの、知的なものへの憧れにおける共感で人がひかれあい、楽しい時間を持つことができる、というメッセージを発せずにはいられない状況があったのだろうか?

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