読書ノート2009年〜2016年

読書ノート2017年以降

今日は2009年2月8日、日曜日

AJFの中では「若手」と言えそうな会員の本が何点か出ました。



今日は2009年6月28日、日曜日

辻村英之さんの新刊「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」を読みました。

第2章 「キリマンジャロ」の生産者たち 「顔の見える関係」のために
は、キリマンジャロ山麓のコーヒー生産者たちの生活、学校への期待、都市で暮らしつつ農村に寄与する人々の姿をくっきりと描いており、僕自身は直接会ったことのない人々の存在を身近に感じます。

第5章 ポスト構造調整とフェア・トレード 生産者たちの不利な状況の改善
で紹介されている政府、協同組合、小農民がそれぞれに「市場の圧力」に立ち向かっている姿に、心強い思いをしました。

4月に読んだ西真如著「現代アフリカの公共性−エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践」の一節を、大学の授業で教材として使いました。

首都アジスアベバに住む人々が故郷の地に道路や学校を作るために立ち上げたグラゲ道路建設協会、アジスアベバの人々の多くが参加する様々な葬儀講の活動を、引き裂かれた社会をつなぎとめる努力、構成員とそうではない人との間の線引きに常に揺らぎを抱え込む共同体のあり方という視点から読み解いた興味深い本です。

目 次
第1章 「それは可能だ」
第2章 差異・配分・公共性
第3章 アフリカの市民社会とエスニシティ−「貧困」と「欠如」を問い直す試み
第4章 エチオピアとその首都アジスアベバ、および南部諸民族州の概要
第5章 国民統合とエスニシティ−何がエチオピアの社会を引き裂いてきたのか
第6章 エンパワーメントの政治実践−グラゲ道路建設協会の活動
第7章 真のエンパワーメントを求めて?
第8章 他者を排除する/他者に配慮する共同体
結論

著者が調査している地域で起きた新たな「民族」の誕生と民族に基づく自治体の分裂という事態は、ユーゴスラビア連邦崩壊後に進行してきた事態、ロシア連邦におけるチェチェン共和国独立闘争、グルジア共和国における南オセチア紛争などを思い浮かべさせます。住民投票によって自治体が分裂したケースは、この地域にとどまらないとも報告されています。興味深いことです。

葬儀講に関する報告と論考を読みながら、二つのことが思い浮かびました。

一つは、一昨年、在日カメルーン人協会とAJFとで取り組んだ在日カメルーン人コミュニティに向けたエイズ啓発ワークショップです。

カメルーンからHIV陽性者ネットワークの活動家を招いて実施したこの啓発ワークショップは、在日カメルーン人協会が直面したメンバーのエイズによる死と故郷への遺体送致という事態があったことから始まった取り組みの一環です。遺体送致にあたっては、協会で資金を出し合ったという話が思い浮かびました。

もう一つは、被差別部落を対象に行われた同和対策事業の中で、墓地整備、納骨堂新設などが重要な取り組みとして行われたという印象です。



今日は2009年11月29日、日曜日

mixiの日記に書いたことを、まとめました。

モンサントの下の世界(Le Monde selon Monsanto)

今年1月、明治学院大学で開かれた遺伝子組み換え作物に関するセミナーで、フランスでは空港の書店で山積みにされているという「モンサントの下の世界(Le Monde selon Monsanto)」を教えてもらいました。昨年、同じタイトルのビデオと本が出て話題になったようです。サブ・タイトルが「ダイオキシンから遺伝子組み換え作物まで:あなたの全てを求める多国籍企業の実態(De la dioxine aux OGM, une multinationale qui vous veut du bien)」となっています。

かねてから気になっていたことが書かれているようで、今年の夏に出版される英訳本を待てず、慣れないフランス語で読んでいます。2月に本が届いたと思ったら、3月初めにはポケット判が出たよとの案内が送られてきました。僕の持っている本は、大判のペーパーバックで20ユーロ、新たに出たポケット判は12ユーロとかなり安くなっています。

読み取れた範囲では、モンサントは、PCB、ベトナムで枯れ葉剤として使われたオレンジ剤、現在の遺伝子組み換え作物と関わりの深い除草剤ラウンドアップ(コロンビアでは、2000年〜2006年にコカを枯れさせるために大量に空中散布され、人権問題になっています)、牛の成長ホルモン、そして遺伝子組み換え作物の種子を作ってきました。

現在、米国でPCB汚染でゴースト・タウン化した街の人々がモンサントを相手にクラス・アクションを闘っています。フランスでもローヌ川の PCB汚染に関する警告が出されており、ノルウェー政府は、PCB製造メーカーにフィヨルド汚染を解決するための資金拠出を命じているそうです。

日本でも一部では有名なシュマイザーさんの裁判についてもまとめられています。米国内でもモンサントに訴えられた、モンサントを訴えたという裁判はたくさんあることがよくわかりました。

隣人の畑で作っているラウンドアップ耐性大豆の花粉が舞い込んだり、種そのものが入り込んだりして、「遺伝子汚染」が進む状況が詳しく描かれています。関連資料そのものは、英語でたくさん出されています。

cf. Rich Weiss "Seeds of discord : Monsanto's gene police raise alarm on farmer's rights, rural tradition" The Washington Post 3 Feb. 1999

アベンティスが開発したスターリンク・コーンのことを覚えている人はいますか?日本ではコーンを使ったお菓子にスターリンク・コーンが使われているのが判明してけっこうな騒ぎになりました。

スターリンク、コーンで検索をかけたら、いくつか出てきました。

モンサントが開発したラウンドアップ耐性小麦は、ヨーロッパ、日本、韓国の製粉業者が購入しないと明言したことで、導入が阻まれました。

国をあげて遺伝子組み換え大豆を導入したアルゼンチンでは、

  1. 遺伝子組み換え大豆の特許使用料請求
  2. 大豆一色になってしまったための食料輸入
  3. これまで開発の対象とならなかったボリビア国境へ広がる半乾燥地帯での共有地囲い込みと使い捨て大豆耕作(2年で収量が大きく減ってしまう)
  4. ラウンドアップによる環境汚染、人的被害
  5. ラウンドアップ耐性大豆の「雑草化」

といった問題が起きていると書かれています。

最後の章に紹介された数字によると、2006年、モンサントの売り上げ73億ドルのうち、ラウンドアップの売り上げが22億ドル。ラウンドアップ耐性大豆、トウモロコシ、菜種の栽培面積が広がれば広がるほどラウンドアップの売り上げが伸びるという仕組みです。

こうしたモンサントの経営状況を、とある社会的責任投資の格付け機関はCCC(最悪)と格付けしています。遺伝子組換え作物の輸入規制もしくは表示義務付けを行っている国が35カ国。米国内でも表示義務付けを望む声は80〜90%に達しており、FDAの姿勢がモンサント寄りから少し中立的になるだけでモンサントの売り上げが大きく動く可能性が高いというのです。

遺伝子組み換え作物いらないキャンペーンのウェブサイトによると、昨年秋、モンサントは乳牛用の成長ホルモン市場から撤退しました。消費者が望まない製品を売り続けることはできないことがはっきりしたわけです(そもそも、モンサントが成長ホルモン市場を創り出した時の最高経営責任者は、「自分は成長ホルモンを使用した乳牛による乳製品を購入しない」と明言しています)。



今日は2010年4月21日、水曜日

教育開発の専門家で、ガーナでの調査・研究などを重ねてきた山田肖子さん(名古屋大学大学院国際協力研究科教員)の新刊『国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場』を読みました。

「はじめに」に

「なぜ国際協力をするのか」、「何のための教育なのか」についての自問自答を、公然と書いてしまった代物

とあるように、山田さん自身の経験や考えの変遷の振り返りがうかがえるところが、実に面白い本になっています。

たとえば10pには、

私自身、まさにこうした(国際協力に関わる大学院が創られ、留学制度が整えられるという)時代背景のなかから輩出された人材である。私は学部生のときは法学部で、国際経済法のゼミに所属していた。もともと教育学部出身でもない私が、教育開発専門家として育っていったのは、この分野ですでに出来上がった人材が不足していて、活躍の場が与えられたからでもあったし、そうして仕事をするなかで、より高度な知識を身につけようと留学を考えると、奨学金制度が用意されていたからでもある。

という記述があります。自分自身のことを「人材」ととらえる距離感、重要ですね。

また、12pに

私は自分にも一端の責任があるかもしれないと思うのだが、情報が豊富になった分、悩んだり求めたりする前に、教科書的な答えが与えられ、教育開発の正解はこれで、それに対する理由付けはこう、とパターン化して覚えてしまう傾向があるような気がするのである。

と書かれているのを読むと、「教科書的な答え」を検討するところから大学院での研究が始まると思っていたので、びっくりしました(これまで読んだいくつかの修士論文の中で、先行研究の整理をしている部分はどれもたいへん役立ちました)。

終章の

大きな問題は、教育開発をやろうとする人々が、意外と日本の教育政策や現状に疎いことだ。他人の国の教育問題を云々する前に、自分の国の教育行政制度がどうなっていて、自分の身近なところにどんな教育問題があるのかを考えたことがなければ、どうして飛行機で何時間も飛ばなければ行けない国の教育問題が理解できるだろう。何かを理解するためには、自分のなかに、新しい知識や情報を関連付けられる基礎知識がなければならない。日本にも、学校を中退した人のためのノンフォーマル教育はある。そういう人はなぜ中退することになり、なぜまた教育を受けたいと思ったのだろう。そこで教えている教師はどんな課題ややり甲斐を感じているのだろう。あるいは、日本でも、ニューカマーの子どもたちは、日本語で学ぶことが困難で、学校になじめなかったりする。そういう子どものたちのために、日本語の習得を支援しながら、学校の勉強を教えてくれる特別教室もある。日本で、日本語を話せない子たちが抱える問題を知る努力をしたら、アフリカの他言語社会での教育についても、想像力が少し働くのではないか。

という記述には、山田さんが直面している大学院教育の現場の課題が凝縮されているのかな、なんて考えてしまいました。

皆さんの感想も聞きたいです。

国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場
山田肖子著 創成社 800円+税 新書判 230p 2009年11月
[amazon]

アフリカNOW No.90(2011年発行)に掲載した以下の誌上討議もぜひ一読を!

教育開発:今日の現状と挑戦
山田肖子著『国際協力と学校』をめぐる討論
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/africa-now/no90/top3.html



今日は2010年4月27日、火曜日

忙しくなると、遠くへ出かけたり、長時間を費やす遊びに没入したりすることができないので、半ば逃避的に読書量が増える。というわけで、年度末で片づけなければならない仕事が押し寄せてきた3月に、何冊も本を読んでいた。

1月

  • 張り込み姫 君たちに明日はない3 垣根涼介著 新潮社
    第3話「みんなの力」を3度読み返した。

  • 逝かない身体 ALS的日常を生きる 川口有美子著 医学書院
    なつかしい名前が出てきました。
    「第2章 湿った身体の記録」は、人に関わる仕事をする人、福祉機器に関わる仕事をする人にとって必読。

  • リハビリの夜 熊谷晋一郎著 医学書院
    183pに、注射器を口にくわえた写真があり、その下に以下の文章があった。

     その結果、採血に関しては、注射器の陰圧は口を使い、左手で皮膚のテンションを調節し、ひじの角度は補助者の身体を使うというふうに運動を組み替え、採血が行えるようになった。ただ、吸血鬼を髣髴とさせるような「口を使って血を吸う様子」は評判が悪く、その後、人手に余裕のあるときにはシリンジも補助者にひいてもらうようになったが、救急などで手が足りないときには、今でも口が出る。
    便意との付き合い方を書き綴った「便意という他者」(第六章 隙間に「自由」が宿る)に、あれこれと思った。

    「原稿を書き終えてほっと一息ついたころ、とつぜん左手のしびれははじまった。」と書き出された「あとがき」にある、次の文章にしびれた。

     本書の最後では、衰えについてなんだか達観したようなことを書いてしまったけれど、この件を通して私は、「ああ、自分は、まだ生きたいんだなあ」ということを実感した。こうやって、ままならない二次障害に実際に襲われてはじめて、「生きたい、生きたい」ともがく自分を、あらためて突きつけられたのである。

  • 小林多喜二 21世紀にどう読むか ノーマ・フィールド著 岩波新書
    昨年秋、映画『蟹工船』を見たのをきっかけに、手に取った。著者は、日本語を学び、日本文学を論じている人だが、日本語でこれだけまとまった文章を書くのは初めてだという。小林多喜二に向ける視線のやさしさを文章の端々に感じた。

  • ルポ貧困大国アメリカII 堤未果著 岩波新書
    『ルポ貧困大国アメリカ』では、貧しい人々ほど肥満になる仕組みの解明が衝撃的だった。
    IIでは、公的な健康保険制度がないために、医者の処方を受けずに薬局で買ってきた薬を子どもにのませるため誤用による事故、過剰摂取による事故が多いという記述を読みながら、構造調整以降の途上国、とりわけアフリカ諸国で学校・病院へ行けなくなってしまったため、教師や医師への期待感・信頼感自体が失われてしまっている状況とあまり変わらないのではないかと感じ、暗澹たる気分になってしまった。
    また、刑務所経営が、ローリスク・ハイリターンの投資先として注目されているという話を読むと、なんとも言えない気分だ。

2月

  • どんとこい 貧困 湯浅誠著 理論社
    よりみちパンセ・シリーズの1冊。わかりやすい文章・例証と、粘り強い論理構成に、改めて感心した。友達は、「溜め」の六角形を何度か書いたそうだ。

  • 南アフリカの衝撃 平野克己著 日本経済新聞出版社
    大学の研究員として滞在したプレトリアでの貸し家の体験が重たい。

  • 生きるって人とつながることだ! 福島智著 素朴社
    一昨年、博士号を得て教授になったこともあり、生井さんの本、お母さんの本と出ました。エッセイ集「渡辺荘の宇宙人」改訂新版にあたるこの本もすごくおもしろいです。

3月

  • ヒガシくんのタタカイ 群ようこ著 ハルキ文庫
    この著者は、普通の人のとまどいの描き方が、すごい。

  • 開発と国家 アフリカ政治経済論序説 高橋基樹著 勁草書房
    ケニア独立前後の農業政策・経済政策の「成功」とその後の経済失速が一つながりのものであることを解き明かしている後半部分を、興味深く読みました。経済は、ごくごく細部を見れば一定の法則性に従って繰り返されている現象のようですが、政策・制度・人々の期待や予想によって大きく左右される点に注目すれば、同じことが繰り返されることはない歴史現象の一つではないかと、改めて感じました。 [2010年7月19日]9月に、都内で著者への公開インタビューを行います。関心のある人は、AJF事務局(info@ajf.gr.jp、電話03-3834-6902)へ連絡下さい。

  • 森の小さな〈ハンター〉たち 亀井伸孝著 京都大学学術出版会
    10億を超えたアフリカの人口の過半数は15歳以下、アフリカの子どもに関わる報告やニュースがもっともっと紹介されてもいいのではと感じています。そうした中、2006年に『アフリカのろう者と手話の歴史 A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』を書いた亀井伸孝さんが、子どもに関わる興味深い本を出しました。
    [2010年7月19日]近々、著者への公開インタビューを中心に、「アフリカ子ども学」について考える集まりを開きます。関心を持った人は、AJF事務局(info@ajf.gr.jp、電話03-3834-6902)へ連絡下さい。

  • 津軽 斜陽の家 太宰治を生んだ「地主貴族」の光芒 鎌田慧著 講談社文庫
    『自動車絶望工場』を書いていた頃、知りあった青森出身の人のエピソードが、印象的です。 危険な歌 八木啓代著 幻冬舎文庫
    机の上の本を動かしていたら出てきたので、久しぶりに読みました。
    サンディニスタが選挙で負けた時のことを書いた章、「最後の勝利まで、負け続けなければならない階級」にとって、何が重要かを、実にわかりやすく記しています。
    キューバのミュージシャンが、キューバにいるからこそ仕事がある、という時期がやってきた頃を記した章も、実に興味深いです。
    最近、カストロの妹がフロリダで「キューバには自由がない」と言ったことがけっこう大きなニュースになりました。鳩山兄弟を見ればわかるように、兄弟姉妹でも考え方、目指す先が違うのが普通だし、むしろ、近親者だからこそ「ねたみ」だとか「うらみ」だとかが積もるものらしいですね。
    アマゾンでは「出品者からお求めいただけます。」となっているので、皆さんに手に取ってもらうのは簡単ではなさそうです。
    近くの図書館の蔵書目録チェックしてみて、出てきたらぜひ読んでください。

  • 早稲田と慶応 名門私大の栄光と影 橘木俊詔著 講談社現代新書
    早稲田のマスプロ指向、慶応の階層固定化、そして早慶ともに世界の超一流となるための研究への注力の必要という課題が提示されていて興味深かった。
    1979年、共通一次テストの開始で、両校のステータスがそれまで以上に高まったというあたりの分析も興味深い。
    この著者なので、貧困家庭の子どもがどうやったら大学に行けるのか、という問いに関する考察・提言も欲しかった。
    はるか昔、早稲田の入試を受けた時のことを思い出した。
    細長い問題用紙(B4サイズの用紙を縦方向に2枚つぎあわせた位の長さだったような記憶がある)だったこと、英語の問題の半分が長文読解問題で「ラッキー」と思ったこと、第一志望の物理学科ではなく第二志望の数学科合格だったこと、そして国立大学の合格発表前だった入学金支払いを親に対して希望したところかなえてくれなかったこと・・・。
    国立の入学金が12,000円、授業料が年間36,000円に対して、早稲田の初年度納入金が計80万円くらいだった。
    僕が大学に入った年に、国立大学の授業料が3倍になったことを改めて知った。在学中に、2.6倍になるというので授業料値上げ反対の決議を学生大会であげたが、それ以上の闘争にはならなかった。
    今では、私立の学費は国立の1.6倍くらいだという。
    国立の学費、そんなにも高くなったんだなと、びっくりした。

  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか 藤田弘夫著 中公新書
    藤木久志著『飢餓と戦争の戦国を行く』(朝日選書)に、この本のことが出ていてびっくりして読んだ。

  • 監督 挫折と栄光の箱根駅伝 川嶋伸次著 バジリコ
    手に取ったら、おもしろくて読んでしまった。かつて大学の陸上競技部で一緒に走ったこともある仲間が、旭化成陸上部でも走っていたことを思い出した。

  • 堂島物語 富樫倫太郎著 毎日新聞社

  • いのちの米 堂島物語 富樫倫太郎著 毎日新聞社
    続編『堂島出世物語』も読まなくては。

  • 北里マドンナ 氷室冴子著 コバルト文庫
    部屋の中から出てきたので、またまた読んだ。4度目?5度目? 『なぎさボーイ』『多恵子ガール』もこの本も、お風呂の中で何度も読んだので、かなりよれている。

  • 知的財産権のグローバル化 医薬品アクセスとTRIPS協定 山根裕子著 岩波書店
    2001年11月、世界貿易機関(WTO)ドーハ閣僚級会議で採択された「公衆衛生とTRIPS協定に関する閣僚宣言」が、その後の知的財産権めぐる論議に及ぼした波紋の大きさを伝える興味深い記録。重刷がかかっているにもかかわらず、事実誤認、記述の間違いがあるのが残念。

4月

  • La population dans l‘histore de Europa

  • 日露戦争と日本軍隊 大江志乃夫著 立風書房
    『東アジア史としての日清戦争』、『日露戦争の軍事史的研究』、『世界史としての日露戦争』も読まなくては。

  • 国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場 山田肖子著 創成社新書
    ML、mixiで紹介したら、何点か動いた。

  • 天空の陣風 宮本昌孝著 祥伝社

  • 心では重すぎる 大沢在昌著 文春文庫

  • 失恋延長戦 山本幸久著 祥伝社

  • 砂漠に生きる女たち カラハリ狩猟採集民の日常と儀礼 今村薫著 どうぶつ社
    亀井伸孝著『森の小さな〈ハンター〉たち』を読んだところだったので、「おわりに」にある
    「さて、あんたは乾いたところへ行きたいか、それとも湿ったところへ行きたいか」と尋ねられた
    という記述に、思わず笑ってしまいました。
    また
    ひたすら人々の行動を観察してはノートに記録した
    という記述を読みながら、スケッチはしなかったのだろうか?と疑問に思いました。
    狩りの季節になると、チームを組んだ男たちが何日も村を離れることや、少女たちが自分たち用の小屋を造ることなど、よく似た行動が記録されていることから、亀井君が滞在した森の中の村の女性たちも、採集活動に出たときにはこんなことをやっているのかなと、ついつい考えそうになっている自分に気が付きました。

    定住してこなかった人々の生活を知ることは、むずかしいことだなと改めて感じました。
    日本でも、魚を追って日本列島づたいに移動していた漁労民、山間部を移動しながら木工に従事していた人々、村々をたどりながら芸能で身を立てていた人々の暮らし、考えを追いかける仕事が細々と続けられています。 BORDER ヒートアイランド4 垣根涼介著 文藝春秋
    垣根涼介のもう一つのシリーズ。こんなこと書かれると、次があるのかと、心配になるじゃないか! 沼地のある森を抜けて 梨木香歩著 新潮文庫


今日は2010年7月11日、日曜日

夜になると涼しいので、よく眠れている。

4月

  • 楊令伝13 北方謙三著 集英社
    14巻は、7月出版?

5月

  • 早雲の軍配者 富樫倫太郎著 中央公論新社
    藤木久志さんの仕事(生業としての戦争、戦国時代の奴隷狩りetc)に学んだ作品としても興味深い

  • テンペスト 池上永一著 角川グループパブリッシング
    かなり分厚い2段組み2巻本。読み出すと止まらない。

  • Sms Uprising: Mobile Activism in Africa Sokari Ekine編 Pambazuka Press
    携帯電話の普及がアフリカ諸国の社会運動におよぼした影響、可能性を追求するレポート
    以下の記述がありました。
    For example 'e-agriculture' is increasingly being used to improve agricultural production. E-agricultural initiatives have played a key role in addressing the information gap to enable women, as the main contributors to the agricultural sector, to improve their productivity. Women and rural communities are able to access information on improving the quality of their products, acquiring improved seeds and crop varieties, information on where they can obtain materials and equipment, disease and pest control, soil management and conservation, and how to improve their production skills, (8 Women in Uganda: mobile activism for networking and advocacy)
    上記パラグラフを含む文章によれば、ウガンダでは農村部住民の80%が女性だそうです。
    この本の随所に、市場情報を得るために携帯電話が活用されていることが紹介されており、農業と情報の関係を改めて痛感しているところです。
    また、女性の携帯電話利用が情報取得やネットワーク構築につながる可能性とその際の課題を提示する記述もあちこちに見られます。
    パソコンでインターネット・アクセスという、日本では当たり前になっている(それが困難な人たちとの間のデジタル・デバイドが問題になっていますが)ことが非常に困難な状況の中での携帯電話の可能性、興味深いです。

  • 都市の村人たち−イタリア系アメリカ人の階級文化と都市再開発 ハーバート・J.ガンズ (著), 松本 康 (翻訳) ハーベスト社

  • クラバート オトフリート=プロイスラー (著), ヘルベルト=ホルツィング (イラスト), 中村 浩三 (翻訳) 偕成社

  • アグリーガール ジョイス・キャロル オーツ (著), Joyce Carol Oates (原著), 神戸 万知 (翻訳) 理論社

  • 先住民と国民国家 中央アメリカのグローバルヒストリー 小澤卓也著 有志舎

  • 部落の歴史像 東日本から起源と社会的性格を探る 藤沢靖介著 解放出版社

6月

  • ニグロ、ダンス、抵抗−17〜19世紀カリブ海地域奴隷制史 ガブリエル アンチオープ (著), Gabriel Entiope (原著), 石塚 道子 (翻訳) 人文書院

  • 抵抗と協働の野生動物保護 アフリカのワイルドライフ・マネージメントの現場から 西崎伸子著 昭和堂
    野生動物保護区の存在を正当化するために、保護当局は、資源は国家が排他的に所有・管理し、住民は環境の破壊者であるという一連の論理を主張してきた。センレケ・サンクチュアリでも、エチオピア野生動物保護局(EWCO)は、ハーテビーストの個体数が減少したのは、アルシ・オモロによる密猟や、サンクチュアリでの家畜放牧に原因があるとして、彼らを非難してきた。(107p) 在日 姜尚中著 講談社
    この人と同じ高校に通った。高校時代のことはほとんど出てこない。高校のすぐ隣だった熊大生協へ残飯を受け取りに行くシーンに、花村萬月「ゲルマニウムの夜」が思い浮かんでしまった。

  • Thabo Mbeki and the Battle for the Soul of the ANC William Mervin Gumede (著) Zed Books

  • ゆりかごで眠れ 垣根涼介著 中央公論新社
    著者も書いているように『ワイルド・ソウル』と対になる作品
    コロンビアの描写、これでいいのか、と気になる。

  • ぼくは8歳、エイズで死んでいくぼくの話を聞いて。−南アフリカの570万人のHIV感染者と140万のエイズ孤児たち 青木美由紀著 合同出版
    南アフリカ最北部、農業に不向きなために、アパルトヘイト体制の南アでは黒人のための「ホームランド」に指定された地域が大部分を占めるリンポポ州で2年間、地元のNGOと一緒にエイズ啓発、HIV陽性者支援の取り組みを行ってきた青木さんの体験・実感がことばのはしばしに感じられる本です。
    青木さんは、南アで、「アフリカには2種類の人間しかいません。HIVとともに生きる人、そしてエイズの影響を受けている人たちです」と書かれた本を見て、「なんて大げさなんだろう」と思ったと書いています。
    日本で暮らしている私たちには、HIVとともに生きる人もエイズの影響を受けている人たちもなかなか見えません。しかし、青木さんが南アで暮らし始めた頃はまだ、普通の人たちがエイズ治療を受けることはたいへん困難で、「知り合うそばから人々が亡くなって」いったそうです。同じ頃、南アに囲まれた小国レソトで国際協力活動に従事していた甲斐田さんは、毎週土曜日にお葬式が開かれていたことを、アフリカNOWのために書いてくれました。
    当然のことながら、こうした現実を、人々は黙視していたわけではありません。この本は、HIV陽性者が中心となった運動体による取り組みや、世界的なエイズ対策に資金を提供する仕組みについても紹介しています。
    「期待される日本のリーダーシップ」を、この本の小見出しに終わらせないために、どんな取り組みが必要かについては、現在、gCOE生存学在籍の新山君が書いている本に期待したいと思います。
    折しも、韓国、中国の市民社会代表と一緒に、世界エイズ・結核・マラリア対策基金第3期増資会議に向けた戦略会議、日本政府への働きかけが進められています。こうした取り組みについても、アフリカNOWで特集を組みたいと考えています。

7月

  • Food Rebellions! Crisis and the Hunger for Justice Eric Holt-Gimenez and Raj Patel Food First Books
    この本によれば、世界最大の食料輸出国である米国には、2種類のFood Desertがある。
    一つは、米国中西部から南部にかけての「穀倉地帯」で、人口密度の低いこの地域に住まざるを得ない農業労働者や失業者たちは、車がなければ日々の食料を購入することもままならず、燃料価格そして食料価格の高騰は、彼らの生活を直撃した。
    もう一つは、都市の低所得者居住地域です。購買力の弱い低所得者を主要な顧客とする小規模店舗がなくなっただけでなく、かつては進出したスーパーマーケットも撤退して、新鮮な食料を入手できない地区が広がっている。
    そうした地域では、食事にバランスが良くないことに起因する疾病の発生率が、そうではない地域に比べかなり高い。
    郊外にショッピング・モールが作られるごとに、市街地から店舗がなくなっていく状況は、日本でも同様に進行しており、「買い物難民」問題として注目されている。
    食料危機と買い物難民、もっとつなげて考える必要がある。

    以下、"Food Rebellions! Crisis and the Hunger for Justice"の目次です。

    Foreword by Walden Bello
    1 Introductio to the Global Food Crisis

    Part One - The Real Story Behind The World Food Crisis
    2 Hunger, Harvests and Profits: The Tragic Records of the Global Food Crisis
    3 Root Causes: How the Industrial Agrifoods Complex Ate the Global South
    4 The Overproductio of Hunger: Uncle Sam's Farm and Food Bill
    5 Agrofuels: A Bad idea at the Worst Possible Time
    6 Summining Up the Crisis

    Part Two - What We Can Do About It
    7 Overcoming the Crisis: Transforming the Food System
    8 Africa and the End of Hunger
    9 The Challenge of Food Sovereignty in Northern Countries
    10 Epilogue

    7では、世銀・UNDP・FAOほかのジョイント・イニシアティブであるthe International Assessment of Agricultural Knowledge, Science and Technology for Development (IAASTD) が準備し、2008年4月、南ア・ジョハネスバーグで採択されたレポートが小規模農家による有機農業を含む取り組みを重視したために、無視されている状況を伝えている。

    the International Assessment of Agricultural Knowledge, Science and Technology for Development
     http://www.agassessment.org/

  • 児童虐待と動物虐待 三島亜紀子著 青弓社
    2005年、購入した時にリストしたものの、ずっと机の上で眠っていた。「児童虐待」という概念で何が課題化されたのかを考える際には、動物虐待をめぐる状況を参照することにも意味があると感じた。

  • どうしてアフリカ?どうして図書館? さくま ゆみこ (著), 沢田 としき (イラスト) あかね書房


今日は2010年7月19日、月曜日

連休は今日まで。

7月 続き

  • De la Francafrique a la Mafiafrique FRANCOIS-XAVIER VERSCHAVE
    フランサフリック−アフリカを食いものにするフランス』著者の講演録。仏領アフリカの独立で誕生した国々へのフランスの介入を振り返り、タックス・ヘイブンが先進国の人権保障制度・社会保障制度を掘り崩す仕組みを明らかにする興味深い講演と質疑を収める。

  • ヤングアダルト パパ 山本幸久著 角川書店

  • ボスニア内戦 グローバリゼーションとカオスの民族化 佐原徹哉著 有志舎
    三者三様のジェノサイド言説を持つセルビア人、クロアチア人、ボスニア人の共通性に注目し、政治的な立場の「違い」を求めた時に宗教、文字表記、民族によりどころを求めていく姿をあぶり出していく作業の成果。


今日は2010年8月3日、月曜日

一昨日、久しぶりに近くの区立図書館で本を借りた本、黒田日出男著『江戸図屏風の謎を解く』を読んだ。

歴史を明らかにするためには研究者同士の「論争」が必要不可欠なのであり、それは、当然、「平和」な記述ではありえない。批判のプロセスは歴史を推理する思考の展開なのであり、謎を解くための思考のプロセスである。私の叙述スタイルは、そうした論争相手となる研究者とのやりとりを包み隠さず、というよりもはっきりと示しながら推理していくものだ。

2010年6月に出版される本だから、あえて「あとがき」にこんなことを書くのかな、書かざるをえないのかな、と思った。



今日は2010年8月10日、火曜日

10年近く前、セネガルで入手してきたと手渡されたENDA-GRAF "Pauvrete, decentralisation et changement social; elements pour la reconstruction d'une Societe Politique"(貧困、分権化、社会変革;政治的社会再構築のための諸要素、1999年9月出版)をやっと読みました。

最近、自分なりの経験を通して感じていることが明快なことばで書かれているので、なるほどこういう言い方をするのか、と思いながら読みました。

貧困を、pauvrete economique、pauvrete relationnelle、pauvrete culturelle、pauvrete symboliqueの4つの側面で表現しているのを見て、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅さん(「よりみちパンセ どんとこい 貧困」面白いです)が貧困を5つの排除で定義しているのを思い浮かべました。

この本にあるpauvrete symboliqueと、湯浅さん「自分からの排除」とがどう重なり、どう違うか、特に集団に関する感覚の違いが興味深いです。該当部分を、抜き書き(ワード・ファイル)しました。読んでみてください。 貧困は権力の集中と深く関わっており、政治的な分権化にとどまらず、上記4つの領域で分権化(脱中心化と言った方が良いかもしれない)を進めることが貧困問題の解決には重要という指摘はたいへん重要だと思います。



今日は2010年8月20日、金曜日

立岩さんの理論社ウェブサイトでの連載が、やっと本になりました。といっても、ずいぶんと手が入り、連載で触れられていた学校に関する考察は、次の本で踏み込むということで、今回、全面カットだとのこと。

人間の条件 そんなものない
立岩真也著 理論社 1500円+税 四六判 392p [amazon]

中学生をも想定読者としたシリーズでどんな書き方をしたのかなと興味津々読んでいくと、この件については○○ページへ、こちらのことは△△ぺーじへ進むというすごろく方式で書かれていました。

『私的所有論』、『自由の平等』からの計9ページほど引用したあと、

「解説」しようとも思ったのだが、やはりいらないように思った。
と書かれているところが、印象的です。

135p〜136pには以下の記述もあります。

 言われたのは、自分が作り、作るがゆえに自由に処分してもよいものこそがその人のものであるということだった。その自分が売買の対象にしてよいものは、自分にとっての手段だろう。その人にとって手段であるものについて、それをその人が独占してよいという理由がなければ − ない − その人だけのものにするべきだという理由はない。すると、それはその人固有のものではなく、分配の対象になると言える。つまり、自分にとって手段でありだからコントロールでき譲渡してもよいと思うものはその人固有のものではなく、他人たちもまたそれを請求してもらってもよいものである。こうなる。
 他方、その人が制御し、切り離し、譲り渡してしまいたいと思わないものについては、その人の存在を尊重すべきであるのなら、他人もまたその譲渡を要求してはならないということになるのではないか。
 ようやくパズルがはまったと思った。そのことを書けばよいのだと思った。こうして私はようやく、一九八五年にどうにもまとまらずに終わった修士論文の続きというか、ひとまとまりの話ができるように思った。そこで二、三年、今まで書いてきたものをつなぎあわせ、新たな文章を書いて、一九九七年に『私的所有論』を出してもらった。出版社にお願いして出してもらったもので、書き手が一冊あたり千円払っても − 「学術書」ではそんなことはよくある − 六千円(+税)もする高い本だったが、以外にも多くの人に読んでもらうことができた。一冊ずつ著者が支払うというのも第一刷(略)だけだったから、やがて私の赤字も減っていって、黒字に転じた。めでたいことだった。
* 『私的所有論』僕は、2度、福島智さん(東大教授、盲ろう者)のゼミで読みました。

立岩さんは、アフリカとの関わりについて、こんな風に書いています。

 XII[2]「材料(知識含む)を分ける」でも言うように、特許という制度は、一面では、一定の時間が過ぎたらもう誰が使ってもよいことにしようというきまりだとも言える。だから、とくに特許をやり玉にあげたいわけではない。ただこういうきまりがあって、作って売れる人が限られてそれでとても困ったことが起こることは、実際にある。突然、深刻な話になるが、そしてこの同じ話を私はもう十回、までは行っていないけれど、書いているが、アフリカ、とくにサハラ砂漠より南のアフリカで、エイズになって亡くなる人がとてもたくさんいる。正確な数などわからないのだが、年に約三百万の人が亡くなっていると言われる。何年か前の九月にニューヨークのビルが崩れ落ちて亡くなった人たちの倍の数の人たちが、毎日なくなっている。しかしエイズなら仕方がない、かかったら死んでしまう病気なのだから、ということではない。HIV/エイズは、かかったらなおりきることはないのだが、うまく薬を組み合わせて使えば発症や症状の進行をおさえることができるようになっている。しかし、その薬の値段が高くて使えず、亡くなっている。
 いつもこういう話は、アフリカは貧しいから、で片づけられる。その事実認識そのものは間違っていない。ただとりあえず薬だけの問題に限れば、もっと多くのところで作って売ってよいようになれば、値段は安くなり、今のように多くの人が死ぬことはない。そうすればよいはずだ。この話はXII[2]で続ける。

先週、アフリカNOW第88号の発送をすませて行った外房と行き帰りの電車の中で、時代小説を読みました。



今日は2010年9月11日、土曜日

1973年の9月11日から37年目の、2001年の9月11日から9年目の9・11。

祖国の大地深く、叫びが沸き起こる。
夜明けを告げられて、チリ人民は歌う。
血塗られた祖国を、我らは思い起こし、
ひざを屈するより、我らは死を選ぶ。
ベンセレーモス、ベンセレーモス。

歌詞もうろ覚えのこの歌は、「国際学連の歌」と一緒に1976年10月21日に、誘われて参加したデモの際に初めて歌ったように記憶している。

8月に読んだ本の続き

9月に入って読んだ本



今日は2010年12月23日、木曜日

名古屋市営地下鉄に国際協力NGOが企画した「赤ちゃんの指、5本ずつありますか?」というコピーの入ったポスターが下げられ、抗議を受けて取り下げられたという一件に、『五体不満足』をみんな読んでいないのかな、と疑問に感じた。

職場にやってくる大学生のインターンに聞いたら、読んだことない、とのことだった。やはり世代的なものなんだ。

『五体不満足』の著者は、今年3月まで杉並区で小学校教師をしていた。一度、大学を卒業し、同じ大学に通っていた人と結婚したというところまでしか知らなかったが、教員免状を得るために再度大学に行き、晴れて教師になったというのだ。

3年間の小学校教師体験を込めた新刊『だいじょうぶ3組』は、彼しか書けない作品だ。障害者が教師としてやってきたことで、ダウン症のお姉ちゃんに対する周囲の視線に傷ついていた少女が、そのことを語りはじめるなんて、できすぎじゃないのと思いつつ、こうあって欲しいよなという気持ちを揺さぶる。

電動車いすを使う先生が、クラスの子どもたちの思いに引っ張られて(最後は文字通り推され引かれて)一緒に高尾山へ遠足するという話の伏線にあたる、足をくじいた子どもを隣のクラスの担任が負ぶって登るというシーンに、まだ大学生だった時に、知り合いたちがやっていたサマースクールで登った八ケ岳で、足をくじいた子どもをおんぶして下山したことを思い出した。交代でおんぶしていた仲間、彼と一緒になったサマースクール・スタッフ、京都からサマースクールに参加するというので東京駅まで迎えに行った子、今、どうしているのかな。

一つ思い出すと、その次もという感じで、こんなことも思い出してしまった。

車いす登山につきあったことはないが、車いす使用者と一緒に温泉に行ったことがある。谷あいの建て増しを繰り返した旅館内では、車いすが使えなかった。狭い風呂場のすのこの上で、二人でしばらく寝転がっていたのが気持ちよかった。

これだけで終わることができるといいのだが、脳性マヒ者・村田さんの介助者として、一緒に温泉に行った人が、「お風呂ですべって、だっこしていた村田さん、頭を打った」とかけてきた電話を受けたことも思い出してしまった。この時の事故で村田さんは亡くなった。介助をしていた人に大きな傷を残しただろうと思う。



今日は2011年1月24日、月曜日

アフリカに関わる活動をしているミーシャが作ったNGO・mudef事務局長の長島美紀さんが書いた博士論文『FGM(女性性器損傷)とジェンダーに基づく迫害概念をめぐる諸問題−フェミニズム国際法の視点からの一考察−』を読みました。

長島さんは、FGM廃絶を支援する女たちの会(WAAF)の代表を務めたこともあり、AJF会報『アフリカNOW』第73号に「スーダンにおけるFGMへの人びとの意識」を投稿してくれたこともあります。

博士論文のまえがきと結論にスーダン調査で会った人びととの対話が記されており、当事者との対話が大きな経験になったことが感じられました。

第3章第3節カシンジャ裁判に関する記述、特に104pの以下の部分が印象に残りました。

カシンジャ自身、自伝で述べているように、事件当時本人にはFGMについて明確な理解はなかった。FGMという用語の説明をバッシャーから受ける程だったのである。
 カシンジャにとって、FGMは難民認定の事由であると、十分に理解ができていた訳ではなかった。このことは、支援者なくしてジェンダーに基づく迫害の概念を活用した申請は不可能であったことを意味している。

 判例では研究者やフェミニストたちの議論が中心を占めた。しかし、当の個人が議論から疎外され、本人の理解の範疇になかったことは、ジェンダーに基づく迫害が内包している特殊性を意味している。

この記述を読んで、障害者運動の中で出された「私たち抜きで私たちのことを決めるな!」ということばが頭に浮かびました。

長島さんは、結論として

  • 世界保健機関(WHO)の下に調査・研究機関を設置し継続的に調査・研究の成果を発信していくこと
  • 当該国での当事者による努力・工夫を支援していくこと
  • 緊急避難的なFGM・ジェンダーに基づく迫害を要件とする難民認定を行うこと

を提起しています。

当事者たちがその場にとどまって改革を進めていくための情報提供はじめとする支援の必要性を確認することが、なによりも重要という指摘は、先日、参加したJAICAF国際シンポジウム「私たちとアフリカ」で、基調講演をしたベナンのNGO・ソンガイ代表のNzamujoさん、パネリストとして登壇したアジマンさんが、口をそろえてアフリカ人の考えていることに耳を傾け、彼らと一緒に考えながら取り組みを進めて欲しい、語っていたこととも重なっているな、と感じています。



今日は2011年7月22日、金曜日

大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)を読みました。

両腕に点々と、内出血のようなしこり、紅い斑点が出現してから、筋膜炎脂肪織炎症候群および皮膚筋炎との診断がつくまでに1年、検査入院からステロイド治療のための入院に移行して、計9ヶ月の入院生活、「実家に帰りなさい」と主治医に言われる中、とあることをきっかけに病院近くに部屋を探して契約し、住民票と社会保険に関わる書類一切合切を移動させて新生活に入るという一連過程を、本人が書いた希有な本です。

100万回の「よくなってます」より、1回の「よくやってます」、と主治医に言って欲しいというつぶやきが印象に残ります。

病状が悪化するまでタイ・ビルマ国境の難民キャンプへ向かおうとしていた難民研究者が、直面した日本の医療現場、難病者をめぐる状況、そして社会保障制度のややこしさに、スーパー医療者、「がんばったのね」と言ってくれるケア・マネージャーとの遭遇を力に挑む姿に感動する一方で、ここまでがんばらないと「生きたい(かも)」とすら言えないのか、とも思います。

8月7日(日)、東京・池袋のリブロ池袋店で開かれる「開沼博さん、大野更紗さんトークイベント 「フクシマ」から考える」に行こうと思っています。



今日は2011年8月7日、日曜日

行こうかと思っていた「開沼博さん、大野更紗さんトークイベント 「フクシマ」から考える」、チケット売り切れだった。

先日、たまたま手に取った小路幸也『うたうひと』、佐藤多佳子『サマータイム』、どちらも音楽との関わりを中心にした小説だった。おもしろかった。

一瞬の風になれ(全3巻)の著者でもある佐藤多佳子には『聖夜 − School and Music』、『第二音楽室 − School and Music』という作品もある。どれも、僕の好みにあっている。



今日は2012年4月13日、金曜日

「戦争体験」の戦後史−世代・教養・イデオロギー
福間良明著 中公新書 882円(税込み) 286p 2009年3月 amazon

1977年、僕は五十嵐顕さんの最後の学生の一人だった。

235p
こうした議論は、若い世代に限らなかった。1916年生まれの五十嵐顯は、『きけわだつみのこえ』に収められた学徒兵木村久夫(BC級戦犯として、チャンギー刑務所で刑死)の遺書を分析しながら、学徒兵の戦争責任について議論した。五十嵐は1990年の論文「『きけわだつみのこえ』をいかに聴くか」のなかで、こう記している。

戦没学生が手記に表現するか表現しないかを別として、戦争の過程全体について歴史的真理の認識をもっていたかどうか。彼らがあたえられた環境の中で自己自身を持し、自己自身の戦いをたたかったことを私は重視するのですが、そういう事態の由来について、戦争そのものの原因と責任について彼等は認識を持つ努力をおこなったかどうか。あたえられた状況が、まだ確定したものとならず、それが若干の可能性ある状態から、現実の過程へと決定される過程、いいかえれば戦争自体の原因とその責任の所在にたいする知的責任の問題なのです。ひとたび戦争がはじめられるや、このような問題は論議されることは不可能なのです。これは彼等が遺していった課題です。

五十嵐は、1941年に東京帝国大学文学部を繰り上げ卒業後、陸軍に入隊し、陸軍豊橋予備士官学校を首席で卒業、その後、南方軍幹部養成候補生隊区隊長を務めた。五十嵐の回想によれば、「侵略戦争の兵士、それも積極的なリーダー」であったという。
戦後、五十嵐はマルクス主義の立場から教育学を研究し、1977年まで東京大学教育学部で教鞭をとった。だが、それは五十嵐にとって戦時下の自らの責任を不問に付すことでもあったという。五十嵐は1990年代前半に知人に宛てた書簡のなかで、「私は定年で東大を止めるまで民主主義のために働いていたつもりでしたが、過去に参加した侵略戦争参加にともなう意識・無意識の罪、責任を放棄していたに気づきました」「私の軍歴にふくまれ、そこに潜む戦争責任の問題に一顧だにせず、教育改革の流れにのって、戦後の研究者生活に入ったのです」と記していた(安川寿之輔「五十嵐さんが残したもの」)。


今日は2012年4月21日、土曜日

昨日の朝、本棚で氷室冴子『冬のディーン 夏のナタリー』(コバルト文庫 1〜3)がほこりまみれになっているのを見つけた。

夜、帰ってきて読み始めたら止まらず、一気に3冊読んでしまった。

30年近く前、活動仲間が、こんな手紙が来た、と別れを告げる手紙を見せてくれた時のことを思い出してしまった。




今日は2012年4月24日、火曜日

4月になって非常勤講師を務める大学の図書館が使えるようになったので、橋本健二さんの著作をまとめて借りた。以下は、光文社から出た『新しい階級社会 新しい階級闘争』(現時点では、アマゾンでは「出品者からお求めいただけます。」となっている)の一部。

69p

7 格差論争は形を変えた階級闘争
 もはや、格差論争というものの本質は明らかだろう。それは、形を変えた階級闘争なのである。
 一般に階級闘争とは、異なる階級に属し、しかもそれぞれの対立する利害を認識した者どうしが、自分の利害の実現のために闘うことをいう。それは、何も革命闘争のような激しい争いだけを指すのではない。たとえば、経営者と労働組合が賃上げをめぐって争うのは、典型的な階級闘争である。
 しかし、このように階級闘争が成立するためには、当事者たちがお互いの利害の対立を認識しているということが前提となる。利害に対立がないと考えている者どうしの間には、階級闘争は成立しにくい。たとえば、お互いを親子のように考え、そのとおりに行動している経営者と労働者の間には、少なくとも目立った形での階級闘争は成立しない。お互いが平等な関係にあると考えている者どうしの間にも、階級闘争は成立しない。
 だから、労働者たちを階級闘争から遠ざけるためには、経営者と労働者は一体のものであり、そこに利害の対立はないと考えさせるよう仕向ければよい。事実、これまで多くの日本企業では、労使協調のイデオロギーや、労働組合と会社組織が一体化し、労働組合幹部がやがて管理職・経営者に登用されるようなシステムが、このような役割を果たしてきた。これを背景に、「日本には階級がない」という暗黙の了解も形成されてきた。
 ところが近年急速に進行し始めた格差拡大は、「日本には階級がない」という、これまで成立していた暗黙の了解に、疑念を生じさせるようになった。それを階級と呼ぶか、それとも「勝ち組・負け組」「上流・下流」などと呼ぶかはともかく、日本の社会には大きな格差があり、人々は利害の異なるいくつかのグループに訳へだてられているという見方が、にわかにリアリティを持ち始めたのである。
 フランスの社会学者ピエール・ブルデューは、「階級が存在するかしないかということは、政治闘争の主要な争点のひとつである」と指摘した。現実には格差や不平等があるにもかかわらず、「日本には階級がない」というのが社会的合意になっているとしたら、「負け組」や「下流」などの下層階級が自分たちの利害を実現することは困難である。そもそも、そこには利害の対立はないのだから、「勝ち組」や「上流」に配分を要求する根拠がない。だから、下層階級が利害を実現するためには、「階級は存在する」という合意を作ることが先決になる。これが下層階級にとって、階級闘争の第一歩になる。
 反対に「勝ち組」「上流」などの上層階級は、階級の存在を否定しようとする。格差拡大は見せかけであり、多少の貧富の格差はあっても、利害の対立はない。しかも、上層階級がその能力を十二分に発揮することによって社会全体が豊かになるのだから、格差は必要である。したがって政府も格差を縮小させたり、配分を変更したりする必要はない。財界と政府は、このように主張する。それは、下層階級から配分の変更を求められないようにするための、容赦ない階級闘争の一部である。
 階級闘争に対するブルデューのような考え方は、西欧の社会学者や思想家には、しばしばみられるものだが、日本では「観念論」と批判されることが多かった。階級というのは客観的な存在であり、科学的な見方さえすれば必ず認識できる、考えられてきたからである。



今日は2012年5月5日、土曜日

新しい階級社会 新しい階級闘争』続き。

85p

現代の貧困研究を代表する英国の社会政策学者ピーター・タウンゼントは、標準的な生活様式、つまりその社会で一般論な慣習になっている生活の仕方を送ることができるかどうかを基準として、貧困を定義した。彼はこの立場から、人々の生活状態について詳細な調査を行っているが、その設問の中には「子どもを医院に連れて行ったことがあるか」「保険に入っているか」「親戚や友人を家に招いたことがあるか」「ふだん肉を食べるか」「晴れた日と雨の日それぞれに使う靴をもっているか」などという項目が入っている。
いずれも餓死するかしないかに関わるようなものではないが、こうした行動をするのが普通の生活様式というものなのであり、ここから脱落している状態を「貧困」とみなすのである。
国によって生活様式は違うから、日本で調査する場合には日本の生活様式を前提とした調査が必要になる。実際、いろいろな工夫をした調査が行なわれている。これらの調査では、収入額や耐久消費財の所有状況などのほかに、「冠婚葬祭への出席とご祝儀」「晴れ着や礼服の有無」「正月の習慣」など、いかにも日本的な習慣も項目に含まれている場合がある。晴れ着や礼服がなければ、冠婚葬祭や正月の集まりにも出席しにくいから、普通の人付き合いをすることが困難になっていく。これが、貧困というものなのである。



今日は2012年5月19日、土曜日

"ACCESS TO KNOWLEDGE IN THE AGE OF INTELLECTUAL PROPERTY"(Zone Books)収録'Open-Access Publishing: From Principles to Practice'から

Over the last thirty years, authors publishing in academic journals have routinely been asked to assign their copyrights to publishers seeking exclusive distribution rights. Publishers, in turn, have been able to set the price of subscriptions to what the market (institutional libraries, mostly) can bear, and while there have been more and more journals, their prices have steadily increased. Libraries' budgets, however, have decreased or at best have remained static, and funding the cost of journals has eaten up an increasing percentage of them. University librarian David W. Lewis states: "Today the annual value of the peer-reviewed journal market is estimated at UK pond 25 billion ($50 billion), and consists of 23,700 journals, which between them publish 1.59 million articles a year." As he points out, if these journals are too expensive for the developed world, one can imagine the access problems faced by researchers and institutions in developing countries*.

* "We need to begin with a fundamental fact - the cost of scholarly journals has increased at 10 percent per year for the last three decades. This is over six times the rate of general inflation and over two-and-a-half times the rate of increase of the cost of health care. Between 1975 and 2005 the average cost of a gallon of unleaded regular gasoline rose from 55 cents to $1.82. If the gallon of gas has increased in price at the same rate as chemistry and physics journals over this periods it would have reached $12.43 in 2005, and would be over $14.50 today." David W. Lewism "Library Budgets, Open Access, and the Future of Scholarly Communication: Transformations in Academic Publishing," C&RL News 69, no5 (May 2008), available on-line at
http://crln.acrl.org/content/69/5/271.full.pdf+html



今日は2012年6月23日、土曜日

6月5日から11日まで、検査のために入院した。

病室で、検査室に呼ばれるのを待っている間に、読んだ本。

  • 変化を生きぬくブッシュマン−開発政策と先住民運動のはざまで−
    丸山淳子著 世界思想社 5,040円(税込み) A5判 352p [amazon]
    著者に、ボツワナ政府が進めている携帯電話による情報保障政策により、先住民の中で起きている新しい動きを、AJF会報「アフリカNOW」で紹介してくれるようお願いした。
    7月発行の第95号に掲載予定

  • ボツワナを知るための52章
    池谷和信編著 明石書店 2,100円(税込み) 四六判 336p [amazon]
    気候、地理、歴史、文化、食べもの・・・ボツワナのことをほとんど何も知らなかったことが、よくわかった。

  • 創造するアフリカ農民−紛争国周辺農村を生き抜く生計戦略

  • 村尾るみこ著 昭和堂 5,775円(税込み) A5判 326p [amazon]
    10年は一つの地域の変遷を見るには短いことがよくわかる。
    去年10月、拓殖大国際学部で開いたセミナーの際に聞いた、キャッサバの生産、加工を、「制約下に置かれた人びとの生存戦略」として捉える視点が興味深い。

  • アフリカと世界
    川端正久・落合雄彦編著 晃洋書房 4,725円(税込み) A5判 420p [amazon]
    ベナンの公選市長の積極的な自治体外交を描く「第5章 市長から見た地方分権化時代の政治と世界」、たいへん興味深い。
    「第6章 ケニアにおける所有、境界および暴力」の最後に付された註が気になる。
    26)アフリカにおける若者の失業と暴力への傾斜の問題については、既に1980年代から大きな問題となっているが、1990年代以降にはさらに国際開発の実務上、また学術研究上、最も喫緊の課題の1つとなっていると言ってよいだろう。

  • 『医療機器と一緒に 街で暮らすために』シンポジウム報告書 震災と停電をどう生き延びたか〜福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザーらを招いて
    権藤眞由美・野崎泰伸編 2012年3月31日 生存学研究センター報告18 A5判 192p
    本文がアップされている。
    http://www.arsvi.com/b2010/1203gm.htm



今日は2013年1月3日、木曜日

去年10月15日から26日まで、肝ガン手術のために入院した。

17日の手術日、午前8時30分に教授回診を受け、ICUに持ち込む着替え類を入れた袋を看護師さんに渡した後は、ストレッチャーに乗って手術室へ移動し、ストレッチャーから手術用ベッドに移されて麻酔の注射を受けているうちに眠ってしまっていた。目が開いたらまだ手術室で、再度ストレッチャーに乗せられて移った同じフロアのICUのベッドから見えた時計の針は午後4時半を指していた。

翌18日、入院した病室のあるフロアへ移され、その日はナース・ステーション隣の集中看護ベッドで過ごしたが、看護師さんが病室から本を持って来てくれたので、講談社版『日本の歴史』の第8巻を読むことができた。

病室のベッドに移った後、今江祥智の小説、今はなき技術と人間社の支援読者をやっていたころに送られてきた元技術訓練大学校長の遺稿集などを読んだが、本のタイトルを忘れてしまった。

  • 日本の歴史8 古代天皇制を考える 古代史の論点
    大津透ほか著 講談社

この年末年始に読んだ本。

  • 5年3組リョウタ組 石田衣良著 角川文庫 [amazon]
    母子施設長の友人もおもしろいと言って読んでいた。

  • 東京バンドワゴン 小路幸也著 集英社文庫 [amazon]
    この著者の話題のシリーズ第一弾、やっと読みました。

  • フェルマーの最終定理 サイモン・シン著 青木薫訳 新潮文庫 [amazon]
    机の上で横になったままの遠山啓『初等整数論』が気になってきた。

  • 諸刃の燕 多田容子著 集英社文庫 [amazon]
    この著者の本、久しぶりでした。

  • オヤジ・エイジ・ロックンロール 熊谷達也著 実業之日本社文庫 [amazon]
    同世代の最近気になる作家の本。

  • 風に桜の舞う道で 竹内真著 新潮文庫 [amazon]
    一気に読んでしまった。

  • ツリーハウス 角田光代著 文藝春秋 [amazon]
    学生時代、とある教師が呼びかけていた「家族三代の教育を聞き取り、たどる」という作業、思い出した。



今日は2013年1月15日、火曜日

小路幸也『東京バンドワゴン』は大家族だからこそ問題解決の道が開ける物語、角田光代『ツリーハウス』は大家族の持つうっとうしさ、引き起こす問題を描きつつ大家族の持つ力の回復の可能性を示して終わる物語、と整理していいのだろう。

iPod、メモを作るには便利。

  • シー・ラブズ・ユー 小路幸也著 集英社文庫 [amazon]

  • "The contemporary history of Latin America" Tulio Halperin Donghi [amazon]
     [amazon US]
    1952年にボリビアで起きた広範な社会変革をめざす「革命」、1968年にペルーでクーデターを挙行した軍部の目指したもの、1950年代に伸長したアジェンデ率いるチリ社会党と共産党との関係など、どんどん気になることがいっぱい。

  • マイ・ブルー・ヘブン 小路幸也著 集英社文庫 [amazon]

  • オール・マイ・ラビング 小路幸也著 集英社文庫 [amazon]



今日は2013年3月3日、日曜日

1月末から2月にかけて読んだ本。

  • 展覧会いまだ準備中 山本幸久著 中央公論新社 [amazon]

  • 家族性分業論前哨 立岩真也著 生活書院 [amazon]

  • 生きのびるための犯罪(みち) 上岡陽江+ダルク女性ハウス著 イースト・プレス [amazon]

  • 陽子の一日 南木佳士著 文藝春秋 [amazon]

  • 空の拳 角田光代著 日本経済新聞出版社 [amazon]

  • ピストルと荊冠 角岡伸彦著 講談社 [amazon]

  • ムラサキ いろがさね裏源氏 柏木いずみ著 文春文庫 [amazon]

  • 闘う区長 保坂展人著 集英社新書 [amazon]

  • 信長の城 千田嘉博著 岩波新書 [amazon]

  • 出雲と大和−−古代国家の原像をたずねて 村井康彦著 岩波新書 [amazon]

  • 王妃の帰還 柚木麻子著 実業之日本社 [amazon]

  • 文壇アイドル論 斎藤美奈子著 岩波書店 [amazon]

  • 一瞬の風になれ 1〜3 佐藤多佳子著 講談社 [amazon]

  • 政治的思考 杉田敦著 岩波新書 [amazon]



今日は2013年3月11日、月曜日

昨日のお昼までは、こんなに気温が上がるの! だった。夕方から寒さが募り、今朝はグッと寒かった。




今日は2013年3月20日、水曜日

手に取った本を読み返したら、どちらもおもしろかった。

  • 毛皮交易が創る世界 ハドソン湾からユーラシアへ 木村和男著 岩波書店 [amazon]
    140p
    アメリカ船が広州で積みこんだ中国産品の中では、やはり茶が筆頭で、金額で五分の三、量の十分の九(1820年代初め)を占める。当時アメリカ人はまだ完全には「コーヒー党」に転じておらず、紅茶より緑茶、特に熈春茶の新茶を好んでいた。

  • ゆびさきの宇宙 福島智・盲ろうを生きて 生井久美子著 岩波書店 [amazon]

  • 床屋さんへちょっと 山本幸久著 集英社文庫 [amazon]


今日は2013年3月31日、日曜日

  • ヒカル いろがさね裏源氏 柏木いずみ著 文春文庫 [amazon]

  • 幸福トラベラー 山本幸久著 ポプラ社 [amazon]

  • 差異と平等−−障害とケア/有償と無償 立岩真也+堀田義太郎著 生活書院 [amazon]

  • 東北の歴史再発見 国際化の時代をみつめて 渡辺信夫編 河出書房新社 [amazon]

  • 検証 東日本大震災時の流言・デマ 荻上チキ著 光文社新書 [amazon]


今日は2013年4月7日、日曜日

  • 堂島物語 いのちの米 富樫倫太郎著 毎日新聞社 [amazon]
    手元にあるのは毎日新聞社刊のハードカバー。中公文庫で「堂島物語1〜6」として刊行された。「いのちの米」は3・4巻。 堂島物語 富樫倫太郎著 毎日新聞社 [amazon]


今日は2013年4月16日、火曜日

  • 第二音楽室 School and Music 佐藤多佳子著 文藝春秋 [amazon]

  • 聖夜 School and Music 佐藤多佳子著 文藝春秋 [amazon]

  • 十七歳の軌跡 橋口譲二著 文藝春秋 [amazon]


今日は2013年4月23日、火曜日

  • 六本指のゴルトベルク 青柳いづみこ著 岩波書店 [amazon]中公文庫

  • 高木貞治 近代日本数学の父 高瀬正仁著 岩波新書 [amazon]
    明治初期、創成期の中学の教科書が英語の輸入本だったことを知って驚いた。
     30p
     英語のスペリングに苦しむ
     高木貞治によると、テキストはいわゆる「原書」で、バーレーの万国史・・・

  • 秘剣こいわらい 松宮宏著 講談社文庫 [amazon]

  • 歴史のなかの大地動乱−−奈良・平安の地震と天皇 保立道久著 岩波新書 [amazon]
    桓武が遷都した平安京は、地震と雷神の巣だった!
    仁明、清和は、地震の活動期に在位したばかりに、地震に追い立てられるようにして退位しただけでなく、若くして死んでしまった。
    地震への恐れの背景にある、雷神、地震神、火山神の神話世界も興味深い。


今日は2013年4月27日、土曜日

  • オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 小路幸也著 集英社文庫 [amazon]

  • 赤紙と徴兵: 105歳最後の兵事係の証言から 吉田敏浩著 彩流社 [amazon]
    1930年代、中国へ軍を動員して戦線を拡大していた時代には、激励のために出征兵士を見送りをするようにと指導していた軍・政府が、1940年代に入り、アジア太平洋戦争に向かって動き出すと、見送りは防諜に差し支えるからやってはいけない、徴兵・招集を受けた人は深夜行動することと命じていたことに、驚いた。


今日は2013年4月30日、火曜日

  • バイバイ・フォギーデイ 熊谷達也著 講談社 [amazon]
    函館の人たちは、こんなにグルメなんだろうか?
    憲法第9条だけに焦点を絞った「憲法改正」国民投票に高校3年生が参加することになったという想定で出てくる9条論議、参考になった。

  • 花咲小路四丁目の聖人 小路幸也著 ポプラ社 [amazon]


今日は2013年5月24日、金曜日

  • カネと文学 日本近代文学の経済学 山本芳明著 新潮社 [amazon]

  • 新・現代アフリカ入門−−人々が変える大陸 勝俣誠著 岩波新書 [amazon]
    読んで、2005年に会ったことのあるジョグ・ファルさんが亡くなったことを知り、びっくりしました。

    ajf-infoに、2005年3月9日、ファルさんを囲んで話した時のことを投稿しています。
    ----
    ファルさん来日後の団体訪問などの都合で直前まで日程を確定できなかったため直前のアナウンスになってしまいましたが、9日のミニ交流会に10人近い参加がありました。
    2時間近く、さまざまな質問が出てきた交流会でした。
    参加した方々はぜひ感想・報告を投稿してください。
    以下、司会・進行役としての報告と個人的な感想です。

    午前中からお昼にかけての訪問を終えたファルさんが3時30分ごろ丸幸ビルに到着するまでに、6人が交流会に参加するためにやってきていました。AJF事務局にいた3人を含めた9人とファルさん、アテンドの2人で計11人が交流会に参加しました。
    まず、司会を担当した僕が、ファルさんも参加する11日(金)・12日(土)に明治学院大学で開かれるシンポジウムの説明と参加呼びかけをしました。
    引き続き、参加者全員から所属先や関心のあることに触れながら一言ずつ自己紹介をしてもらいました。
    ファルさんは、大きな国内市場・地域市場にアクセスできるインドの農民運動、農産物市場と比較しながら、地域市場が小さい西アフリカ諸国の農業・農産物がグローバリゼーションの荒波によりダイレクトにさらされていることを報告しました。
    セネガルでは鶏肉の生産が年間40%くらいの割合で進んできたのに、EU諸国からより安価な鶏肉の輸入が急増して生産が伸び悩み始めていること、セネガル川流域の灌漑農業地域で生産している米よりも安価なタイ米の輸入も増えていること、などが報告されました。
    こうした状況を打ち破るためには、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)15カ国による2億4000万人の共同市場を実現することが必要だと語っていました。
    この共同市場構築にとっての大きな課題の一つに流通インフラ整備があること、そして農村支援策と道路建設などのインフラ整備などさまざまな課題に総合的な取り組みが必要であることを提起していました。
    ----

    ファルさんはガンで亡くなったとのことです。
    同書には、2004年に来日して明治学院大学で話をしたマリの社会人類学者パスカル・クリバリーさんも「今は亡き」人として、その遺したものが紹介されています。
    亡くなられたファルさん、クリバリーさん、今年1月に来日してくれたママドゥさんら、勝俣さんが出会ってきた、アフリカについて考える際に頭に浮かぶ人たちのことをもっと聞きたい、書いて欲しいと思っています。

  • 愛は苦手 山本幸久著 新潮文庫 [amazon]

  • ピストルズ 阿部和重著 講談社 [amazon]

  • 東京プリズン 赤坂真理著 河出書房新社 [amazon]

  • 海が創る文明−インド洋海域世界の歴史 家島彦一著 朝日新聞出版 [amazon]

  • トウモロコシの先住民とコーヒーの国民 人類学が書きえなかった「未開」社会 中田英樹著 有志舎 [amazon]
    「南」との関係が見えてきて、どう収まりを付けたらいいのかわからなくなって躓いたロサーレスの話に、あれやこれやが頭に浮かんできました。
    ルワンダの「ガチャチャ」を考える時、ルワンダからコンゴ東部に押し出された戦争、そしてそこからルワンダへ人々が帰って来るというプロセスを抜きには「ガチャチャ」が成り立たないのではないかという話をした会員に、以下のメールを送ったところです。

    ----
    連続公開セミナー「飢餓を考えるヒント」で話してもらったこともある中田英樹さんが『トウモロコシの先住民とコーヒーの国民 人類学が書きえなかった「未開」社会』(有志舎)で、先住民たちが「村」の境界を超えて広がる「共有地」で自ら食べるトウモロコシだけでなく家畜のための飼い葉を得てきた歴史を紹介しているのを読み、能登の時国家にまつわる「発見」を連想した。

    時国家に関しては、回船業者として残した記録が読み解かれたことで実態が見えてきたわけだが、グアテマラの先住民の村に関しては、スペイン語の読み書きができ土地登記の業務にも携わったことのある先住民の「調査協力者」が遺した記録を中田さんが読み解いて僕らの前に提示してくれている。

    この「調査協力者」を、『ロビンソン・クルーソー』の中でロビンソンとフライデーの関係が、ロビンソンにとっての「私の従僕フライデー」と描かれたことにならって、「私の従僕」と書き残した「人類学者」に怒りを覚えた。

    とはいえ「調査協力者」ロサーレスはシカゴ大学に留学して晴れて「人類学者」に成り上がり、彼を「私の従僕」と呼んだ「人類学者」の論文を始めとするシカゴ大学人類学部の業績を次々とスペイン語に翻訳してグアテマラで紹介していった。

    これは果たして過去の物語なのだろうか?

  • フロム・ミー・トゥー・ユー 小路幸也著 集英社 [amazon]


今日は2013年6月4日、火曜日

  • わが盲想 ムハマド・オマル・アブディン著 ポプラ社 [amazon]
    あちこちで紹介したので、僕の周りだけでも25冊以上、売れています。昨日も隣の職場の人が、届くのを待ってるのと言っていました。

  • 生の技法−家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版 生活書院 [amazon]
    初版が出た時に読んで以来の再読。初版の倍近くの分量になっている。

  • 犬身(上・下) 松浦理英子著 朝日文庫 [amazon]


今日は2013年6月15日、土曜日

  • シューカツ! 石田衣良著 文藝春秋 [amazon]

  • ランチのアッコちゃん 柚木麻子著 双葉社 [amazon]


今日は2013年6月25日、火曜日

  • 『孤独に応答する孤独−釜ヶ崎・アフリカから−』報告書 こえとことばとこころの部屋 PDF

  • レディ・マドンナ 小路幸也著 集英社 [amazon]

  • レーン ランナー3 あさのあつこ著 幻冬舎 [amazon]

  • ドンナビアンカ 誉田哲也著 新潮社 [amazon]


今日は2013年7月16日、火曜日

  • 図書室のキリギリス 竹内真著 双葉社 [amazon]

  • 翔る合戦屋 北沢秋著 双葉社 [amazon]

  • 調律師 熊谷達也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道シックスティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道セブンティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道エイティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • あん ドリアン助川著 ポプラ社 [amazon]

  • 農業を買い支える仕組み フェア・トレードと産消提携 辻村英之著 太田出版 [amazon]
    タンザニア・ルカニ村の人々の教育支出を支えるコーヒー栽培に関心を持ったことからコーヒーの適正価格での輸入にも関わるようになった辻村さんのフェアー・トレード論。
    前半は、ルカニ村からのコーヒー輸入に関わって見えてきたフェアー・トレードをめぐる議論、課題を紹介。後半は、日本における生産者と消費者の連携をめざす取り組みを追いかけた記録。

  • チョコレートの町 飛鳥井千砂著 双葉文庫 [amazon]

  • パパは今日、運動会 山本幸久著 筑摩書房 [amazon]


今日は2013年8月4日 日曜日



今日は2013年8月18日 日曜日

  • 増山超能力師事務所 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 海域から見た歴史−インド洋と地中海を結ぶ交流史 家島彦一著 名古屋大学出版会 [amazon]

  • 量子革命:アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 マンジット クマール著 青木薫訳 新潮社 [amazon]
    量子力学をめぐる論争の双方の旗手が、ドイツ及び米国における原爆製造計画の渦中に入って行く過程が気になった。特に、論争で歩調を揃えてアインシュタインと対峙してきたボーアとハイゼンベルグがそれぞれ米国とドイツの原爆製造計画に大きな影響を及ぼしたことに注目した記録まとめも読みたいと思った。

  • 生物多様性を育む食と農 住民主体の種子管理を支える知恵と仕組み 西川芳昭編著 コモンズ [amazon]
    町の種屋さんを訪ねた記録、在来品種の由来をたどる調査、興味深い。


今日は2013年8月20日 火曜日

  • テンペスト 池上永一著 角川グループパブリッシング [amazon]
    目に入ったので手に取ったら、止まらなくなった。

  • 大江戸釣客伝 夢枕漠著 講談社文庫 [amazon]


今日は2013年9月2日 月曜日

  • 岳飛伝 六 転遠の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 天地明察 冲方丁著 角川文庫 [amazon]

  • 光秀の定理(レンマ) 垣根涼介著 角川書店 [amazon]


今日は2013年9月16日 月曜日

  • わが盲想 ムハマド・オマル・アブディン著 ポプラ社 [amazon]
    『支援』第4号のためにブックガイドを書くことになっている。どこから書こうかと改めて迷う。

  • 新徴組 佐藤賢一著 新潮社 [amazon]
    京都の新撰組・江戸の新徴組、新撰組の沖田総司・新徴組にいた総司の兄林太郎、会津戦争を戦って破れ降伏した会津藩・秋田戦線で無敗のまま降伏した庄内藩、いくつもの対比が興味深い。鶴岡に生まれ育った著者ならではの作品なのだろう。

  • 信長の城 千田嘉博著 岩波新書 [amazon]
    再読。大名と有力家臣の館がそれぞれに自立した形で並んでいた清洲城から信長のいる城を中心に裾野に直属の部下たちの屋敷が壁のように並ぶ小牧山城への移転という展開に、武田勝頼が新府城を築いた時の狙いもこの辺りにあったのかと改めて思った。

  • ボーダー ヒートアイランド4 垣根涼介著 文藝春秋 [amazon]
    このシリーズ、これ以上の展開は難しそうだ。

  • 模索する一九三〇年代 日米関係と陸軍中堅層 加藤陽子著 [amazon]
    たまたま図書館で手に取った本。引き込まれて読んでしまった。


今日は2013年10月4日 金曜日

  • (株)貧困大国アメリカ 堤未果著 岩波新書 [amazon]
    食の安全性、食料安全保障、食料主権に関わる内容。読んでいて気が重くなり、なかなか読み進められなかった。

  • 難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル 仁藤夢乃著 英治出版 [amazon]
    高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を受けてAO入試で大学へという人、どのくらいいるのかな?と改めて思った。収録されているAO入試の小論文に感心した。
    昨日参加した福島ゼミに、大検で資格を取った後3年ほどゲーム会社で働き、その後大学の法学部へ進学して現在法科大学院生という人が参加していた。これからが楽しみだ。


今日は2013年10月15日 火曜日

  • 円周率が歩んだ道 上野健爾著 岩波書店 [amazon]
    内接多角形、外接多角形の外縁の長さの計算から生まれた公式によって円周率の近似値を計算していることを知った。

  • 障害のある子の親である私たち 福井公子著 生活書院 [amazon]
    子どもが入るかもしれない施設を訪ねる。施設の建物や雰囲気はそれぞれに違うけれど、行き帰りにセイタカアワダチソウを必ず見る。という内容のエッセイに何とも言えない気持ちになっている。

  • 戦車のような彼女たち 上遠野浩平著 講談社 [amazon]

  • てのひらの父 大沼紀子著 ポプラ社 [amazon]

  • ふたごと教育: 双生児研究から見える個性 東京大学教育学部附属中等教育学校編 東京大学出版会 [amazon]
    40年近く前、山中湖にある大学の寮で寮委員(という名の雑用係)をしていた時に、この学校の演劇部が合宿にやってきた。で、仲良くなった中学生のふたごと一緒に撮った写真があったことを思い出した。
    別の合宿参加者の家に家庭教師に行くことにもなった。参加者本人ではなくお姉さんの家庭教師だった。高校1年生の英語のサブ・リーダーを一緒に読んだことと高校の文化祭に行ったことを覚えている。

  • 弩 下川博著 講談社文庫 [amazon]

  • 青嵐の譜 天野純希著 集英社 [amazon]


今日は2013年11月5日 火曜日

  • 朝鮮人のみた中世日本 関周一著 吉川弘文館 [amazon]

  • 磁力と重力の発見 山本義隆著 みすず書房 [amazon]
    全3巻。デカルトがはまったエーテル空間という話を思い出した。

  • ウエストサイドソウル 西方之魂 花村萬月著 講談社文庫 [amazon]
    おもしろい!

  • 鋼鉄のワルキューレ 水樹ケイ著 学研 [amazon]
    上遠野浩平著『戦車のような彼女たち』と一緒に読むと実に興味深い。

  • 自由こそ治療だ−イタリア精神病院解体のレポート ジル シュミット著 半田文穂訳 社会評論社 [amazon]
    1985年に翻訳・出版された本なので、レポート自体は1970年代の取り組みの報告。それでも、今読んでも、いや今だからこそ勇気づけられる。
    ----
     保健局長のトマズィーニ氏と私は、同じ考えと同じ感覚をもっていることで、よい知り合いとなった。彼が私のところへやってきて、この実験に参加してくれるように言った時、何の危惧も生じなかった。しかし私たちが労働者たちとはじめての会合をもった時、すぐにもう心配が生じた。つまり、彼らはギョッとして、何だって、われわれが〈気狂い〉と一緒に働かなくてはいけないんだ、と尋ねてくる。
     私は、でもやってみようじゃないか、けして気狂いなんかじゃなくて、みんな他の人と同じ生きる権利をもった若者だとわかるよ、と話し、そこからはじまったのだ。
     私たちの所へやってきた若者は非常に大変な、適応しにくい若者たちであった。トマズィーニは彼らを、洋服も、靴もなく、個室に閉鎖され、真に生き続けるに値しない状態で生きてきた、悲惨な寮から連れてきたのだ。彼らの一人は聾唖者と言われていたマッシミアーニだ。本人は今私たちのところにおり、風呂に入って、歌を歌い、笑い、ふざける。聾でも、唖でもなく、全くお決まりの医学的発想でそうされてしまったのだ。
     この若者たちの真の治療者は、すなわち医師たちではなく、労働者なのだ。そして私にとって真の治療者とは、いつも労働者であるだろう。つまり、若者たちと一緒に親しく生き、働く人々であろう。(173p)

  • 真夜中のパン屋 午前3時の眠り姫 大沼紀子著 ポプラ文庫 [amazon]
    第4弾。午前6時までは書いてくれるのかな?


今日は2013年11月16日 土曜日

  • 武士道シックスティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道セブンティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道エイティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 日本の奨学金これでいいのか! 奨学金という名の貧困ビジネス 奨学金問題対策全国会議編 あけび書房 [amazon]
    貸与の奨学金なんてあり得ない、という点、しっかりと知ってもらう必要があります。奨学金という名の教育ローンを拡大しつつ進められてきた学費値上げ、その背景にある教育予算切り詰め政策を問題にしていく論理、みんなで考えていくことが重要と感じました。

  • 生活保護で生きちゃおう! 雨宮処凛・和久井みちる/文 さいきまこ/漫画 あけび書房 [amazon]
    依存に関わる証言、よく言ってくれたと感じています。

  • 花咲小路一丁目の刑事 小路幸也着 ポプラ社 [amazon]
    花咲小路四丁目の聖人の続編。


今日は2013年12月14日 土曜日

  • 裂果 趙襄子伝 塚本青史著 NHK出版 [amazon]

  • 岳飛伝 七 縣軍の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 北条早雲 青春飛翔編 冨樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • 早雲の軍配者 冨樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • 憲法という作為−−「人」と「市民」の連関と緊張 樋口陽一著 岩波書店 [amazon]
    26p
    フランスの公立中学校の女生徒が、学校側の指示に反して授業中にスカーフをとらなかったという出来事が、一九八九年に、大きな波紋を引き起こした。フランスの共和主義伝統にとって核心の地位を占める政教分離(laicite)の原則は、公教育の場面に宗教性を導き入れることを拒否するのに対し、他方で、信教の自由からすれば、信仰の標識としてのスカーフを着用する自由が主張されるからである。

    71p
    それに対し競争制限型規制は、例えば「健康で文化的な最低限度の生活」という実質価値の実現を目ざしている。また、労働力取引の場面での競争制限型規制は、とりもなおさず、労働基本権の承認を意味する。団結権は、組合による労働力取引の独占をみとめることによって、労働力取引の自由を制限しようとするものにほかならないからである。労働力取引の場面では前述のように競争制限型の規制を承認し(団結による取引独占の承認)、営業活動の場面では競争促進型の規制を設ける(独占禁止)、という組み合わせが、20世紀後半の経済先進国たることの指標であった。その逆の組み合わせ(団結のに禁止・抑制と営業独占の放任・奨励)が、しばしば、いわゆる開発独裁を特徴づける。

    89p
    欧米の場合、「教育の自由」「国家からの自由」と公教育の必要性とがぶつかり合う形で公教育が成立したことは、日本との重要な違いである。多くの場合、子どもたちを社会化(socialize)して世の中に送り出す役割を本質的に担っていたのはキリスト教であった。その教会と一体化した親が、親の信教の自由、そして教育する自由を主張し、彼らが、親そして教会、すなわち宗教の影響力から子どもを切りはなして国民主権下の市民教育をしようとする世俗権力とぶつかり合う、というのが古典的な構図である。この構図が典型的にあらわれたのは、第三共和制のフランス、すなわち1880年代から1905年の政教分離法に至る時期であった。さらに第二次大戦後も、私立学校すなわち宗教性を持った学校に対する補助金の問題にみられるように、完全には決着しているとはいえない問題なのである。

  • 福祉と贈与−−全身性障害者・新田勲と介護者たち 深田耕一郎著 生活書院 [amazon]
    新田さんの場合、Misao Hashimotoさん「アイドルスケジュール敢行中!!」にあたるのは恋愛なのかな?
    中西正司さんは、運動以外にもやりたいことがあるから「割り切った関係の介助」を求め、新田さんは生きることと運動とが重なっているから「義理と人情、愛の空間を育む介助者との関係」を求めたのかとも思った。


今日は2013年12月28日 土曜日

  • 竹に紅虎 下川博著 講談社 [amazon]

  • ステップ 重松清著 中公文庫 [amazon]


今日は2013年12月31日 火曜日

  • 日本の中世12 村の戦争と平和 坂田聡・榎原雅治・稲葉継陽著 中央公論新社 [amazon]
    日本中世を特色付ける家制度、村の誕生そして自前の武力による自力救済の行き詰まりの中で芽生えた平和への希求を掬い取った近世権力の誕生の背景が感じられる。

  • クマムシ?! 小さな怪物 鈴木忠著 岩波書店 [amazon]
    久しぶりに手に取ったらおもしろかった。


今日は2014年2月16日 日曜日

  • 鴨川食堂 柏井壽著 小学館 [amazon]

  • はなとゆめ 冲方丁著 角川書店 [amazon]

  • ろう文化の歴史と展望 パディ・ラッド著, 森壮也監訳, 長尾絵衣子・古谷和仁・増田恵里子・柳沢圭子翻訳 明石書店 [amazon]

  • キシャツー 小路幸也著 河出書房新社 [amazon]

  • 江戸切絵図貼交屏風 辻邦生著 文藝春秋 [amazon]

  • その手をにぎりたい 柚木麻子著 小学館 [amazon]

  • 黄泉がえり 梶尾真治著 新潮文庫 [amazon]


今日は2014年3月10日 月曜日

  • 春、戻る 瀬尾まいこ著 集英社 [amazon]

  • 岳飛伝 八 龍蟠の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 邂逅の森 熊谷達也著 文春文庫 [amazon]

  • スタンダップタブル! 甲子園ステージ 小路幸也著 [amazon]


今日は2014年3月29日 土曜日

  • 武田家滅亡 伊東潤著 角川文庫 [amazon]

  • 札幌アンダーソング 小路幸也著 角川書店 [amazon]

  • 神楽坂のマリエ ヤッさんII 原宏一著 双葉社 [amazon]


今日は2014年4月21日 月曜日

  • 盤上に散る 塩田武士著 講談社 [amazon]
    盤上のアルファ』が下敷き。面白い。

  • 南海の翼 長宗我部元親正伝 天野純希著 集英社文庫 [amazon]

  • 造反有理 精神医療現代史へ 立岩真也著 青土社 [amazon]
    106pに「病棟の中に入ったのはたまにビラを印刷するために使わせてもらうといった時ぐらい」とあるのを読みながら、多分、同じ印刷室で夜な夜な印刷機を回していた頃のこと、そこで知りあい、後に結婚式にも参加したことのある病者のこと、ガリ版刷りの新田絹子『私は人形じゃない』を手にとったこと、永山則夫と施設夜間中学編・発行『チャリップ』を読んだこと、病院で活動している人たちと一緒に2晩煮込んだ牛肉を食べたこと、塩鮭の頭と野菜を煮込んでいた大きなブイヨン鍋のこと・・・を思い出した。
    1978年の5月だっただろうか、文学部のとある学科の学友会委員(他学部の「自治委員」)が、教授会との交渉だったか、学生大会だったかの後、「今夜はきついので、レンガに泊めてもらうことになっている」と言うのを聞いて感じた不思議な感覚、今も覚えている。
    そういえば、一時期、介助に入っていたCP者が入院していたので、病室のベッドで寝たこともあったんだ、と今、思い出した。

    1978年、産経新聞の「不法占拠」キャンペーンを背景に、衆議院に関係者が呼ばれたことと思い、検索をかけたところ、以下のやりとりを見つけた。
    西岡武夫議員が先頭に立って調査団がやってきた時のことを思い出した。

    第084回国会 決算委員会 第14号
    http://kokkai.ndl.go.jp/・・・/084/0410/08406060410014a.html
    ○砂田国務大臣:去る五月十五日、衆議院決算委員会の委員長及び委員各位が、東京大学におきます国有財産及び物品管理の状況等視察のために東京大学に赴かれました節、学生等の妨害によって調査の円滑な実施が妨げられましたことは、きわめて遺憾な事態でございます。文部大臣として、本日改めて委員長並びに委員各位に対し遺憾の意を表する次第でございます。

    ○馬場(猪)委員 去る四月十一日にも東大精神病棟の問題について御質問がありました。そして、いまも議論を伺っておりました。四月十一日の大学局長や会計検査院の方々の答弁、そしていまの学長の答弁なんか聞いておりますと、占拠だ占拠だと言って騒ぎ立てておりまするけれども、実際には大学当局がお入りになって調査もなさっておる、そしてまた会計検査院が調査に行く自由も確保されておる、たまたまそのときには何かの理由で、あるいはその精神病棟の先生方の中か学生さんかわかりませんし、あるいはひょっとしたらそのときにあったデモに参加した人たちがこれを阻止したのかしれませんけれども、そういう事態はあったにしろ、いまのお話を聞いておりますと、学問の自由も教育も、そして診療もちっとも妨げられておらない、こういうふうに受け取れるのですが、占拠という事実があるのでしょうか。
    ○向坊参考人 占拠というのは、解釈の問題もございまして、精神神経科におきまして、たとえば意見の違うとはっきりわかっている人が行きますと、これはもう議論を吹っかけられるということでなかなか入れない。議論で入れない。ロックしておるわけでもなんでもございません。
     それから、現在のところ分担教官が三人お入りになりまして診療会議というのをなさいますが、そういうのは全く自由に入れるわけです。病室も研究室も皆自由にお入りになれます。そういう意味で占拠ではないということも言えますし、意見の違う者は議論を吹っかけて入れないようにするという意味で、これは占拠という見方もできるかと思うのです。文学部の場合もそうでございまして、文学部長室に学生がおりますけれども、ロックしているわけではないので、文学部長が来られると議論を吹っかけるということで議論が延々と続きますので、文学部長はなかなかお仕事が正常にできない。そういう意味ではこれは見方によっては占拠であり、見方によっては自由に出入りできるという意味で占拠ではないわけです。そういう意味で、解釈の点もございますけれども、そういう状況がいまのところ精神神経科の病棟部分と文学部にあるということは事実でございます。

  • ラン 森絵都著 角川文庫 [amazon]
    ハードカバーも復刊されている。

  • 上野池之端 鱗や繁盛記 西條奈加著 新潮社 [amazon]


今日は2014年4月29日 火曜日

  • 介助者たちは、どう生きていくのか−障害者の地域自立生活と介助という営み 渡邉琢著 生活書院 [amazon]

  • 風に桜の舞う道で 竹内真著 新潮文庫 [amazon]


今日は2014年4月29日 火曜日

  • オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン 小路幸也著 集英社 [amazon]

  • ふらんす−「知」の日常をあるく 樋口陽一著 平凡社 [amazon]


今日は2014年5月6日 火曜日

  • 虹色にランドスケープ 熊谷達也著 文春文庫 [amazon]

  • ヤッさん 原宏一著 集英社文庫 [amazon]

  • テンペスタ〜天然がぶり寄り娘と正義の七日間〜 深水黎一郎著 幻冬舎 [amazon]

  • ラプソディー・イン・ラブ 小路幸也著 PHP文芸文庫 [amazon]

  • コンカツ? 石田衣良著 文藝春秋 [amazon]

  • バージンパンケーキ国分寺 雪舟えま著 早川書房 [amazon]

  • スパイクを買いに はらだみずき著 角川文庫 [amazon]


今日は2014年5月11日 日曜日

  • 貨幣システムの世界史 〈非対称性〉をよむ 黒田明伸著 岩波書店 [amazon]
    リンク先は、今年3月に出た増補新版。僕が読んだのは2003年に出た初版。

  • 神楽坂のマリエ ヤッさんII 原宏一著 双葉社 [amazon]


今日は2014年6月4日 水曜日

  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部 酒見健一著 文春文庫 [amazon]

  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第弍部 酒見健一著 文春文庫 [amazon]

  • 岳飛伝 九 曉角の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 閻魔の世直し 善人長屋 西條奈加著 [amazon]

  • 迷子の王様 君たちに明日はない5 垣根涼介著 新潮社 [amazon]

  • 居酒屋ぼったくり 秋川滝美著 アルファポリス [amazon]


今日は2014年7月7日 月曜日

  • 佳代のキッチン 原宏一著 祥伝社文庫 [amazon]

  • 御師 弥五郎 お伊勢参り道中記 西條奈加著 祥伝社文庫 [amazon]

  • 3年7組食物調理科 須藤靖貴著 講談社 [amazon]

  • 大関が消えた夏 須藤靖貴著 PHP研究所 [amazon]

  • 抱きしめたい 須藤靖貴著 講談社文庫 [amazon]

  • スクールセイバー 須藤靖貴著 小学館文庫 [amazon]

  • バリアフリーのその先へ! 車いすの3.11 朝霧裕著 岩波書店 [amazon]
    80p
     暮らしぶりや収入の違いが生む心理的摩擦は恐ろしい。私は体力がないためにフルタイムの一般就業ができないのだが、以前、家に来ていた介助者たちから生活保護や障害基礎年金を受給していることを理由に、いじめを受けていた時期があった。その人たちは、仕事や家庭生活でのストレスのはけ口のように、私の人格を傷つけるような言葉を口にしていた。
     「障害者って私らトイレ違って、毎日家にいて遊んでいるだけでお金が貰えて、マジ羨ましい」。
     「働かないで贅沢な暮らしをしているんだから、福祉施設に入ったほうがいいんじゃない?」
     「歌だって本だって、売れてもいないものをいつまでやるの。障害年金で生活しているんだから、お金にならないものは早く止めなよ」。
     介助者が障害当事者にこんなことを言うとは、信じられないかもしれない。しかし、、このいじめは日常的に長期間続いた。その人たちの価値観では、健常者の一般職、フルタイムの企業勤めのみが「働くこと」「いいこと」「正しいこと」で、それに当てはまらない、年金や生活保護を受給している人や介護を要する人は、バカにしても傷つけてもいい人間なのだと考えていることが伝わってきた。その人たちの介助の仕事はボランティアなのではなく、公費(介護料)で給与が出ている。しかし、それにもかかわらず、介助も日を追うごとに、
     「してやっているのに」
    という態度になってきた。そして一つ一つに、「働いていないんだから」「年金で暮らしているんだから」「生活保護なのに」という言葉が伴っていた。
     当時、私にとって唯一の救いは、障害を持つ仲間と会うことだった。しかしそれにしても、
     「生活保護を受けている人が、外食なんかしていいの?」
    と罪人を叱責するように言われたりもした。
     居宅介助は、基本的に介助者と障害当事者が家の中で、一対一で向かい合っているわけだから、私には逃げ場がなかった。それらの言葉は介助の合間に巧妙に、他の人のいない家の中でだけ言われていた。介護事務所の社長に訴え出ても、はじめは私が大げさに言っているのだろうと思われるだけで、信じて貰えなかった。
     そうした状態が約二年間続いたが、その期間は地獄のようだった。一時期は気持ちが塞ぎ、夜は眠れず、食事も取れなくなり、うつ病になって精神科に通院していた。しかし一番恐ろしかったのは、繰り返し自分を否定する言葉ばかりを浴びせられているうちに、
     (私にも悪い所があるんじゃないか)
     (介助でお世話になってきた人が言うのだから、そうなのかもしれない)
    と、自分で自分を信じられなくなっていったことだ。そして私が口を噤んで下を向けば向くほど、事態は急速に悪くなっていった。
     それでも私が強い態度に出られなかったのは、
     (この人たちに介助を頼まなければ、今日の介助者がいないんだから)
    という、身体的不利。それだけだった。
     その頃の私は自信がなく、自分の意志が薄弱で、人の言葉や視線に、常にビクビクしていた。介助者同士や親しい友だち同士が携帯電話でやり取りをしていれば、
     (また陰で私の悪口を言っているんだ)
    と怯え、
     (私は今、人さまに恥ずかしい生活をしているんだ。健常者と同じように働けない私は、恥ずかしい人間なんだ・・・)
    と、自分を認識するようになっていった。そのうち、
     (たとえ友だちに相談しても、「あなたにも悪いところがあるんじゃないの?」と、まともに聞いてもらえないかもしれない)
    と思い込んでもがき、現状から抜け出したいのに、誰にも相談できないという異常な心理状態になった。介助者にも友だちにも「顔色を窺う」という接し方しかできなくなり、しかしそこまで行ってもなおも誰にも言えないまま、著書の出版やライブを、
     (この場を失くしたら私は死ぬ)と、必死の思いでこなしていた。今から見て、その頃の私は別人のように暗く、他人のように遠い。

  • ワーカーズ・ダイジェスト 津村記久子著 集英社文庫 [amazon]


今日は2014年7月19日 土曜日

  • ミュージック・ブレス・ユー 津村記久子著 角川文庫 [amazon]

  • 金春屋ゴメス 西條奈加著 新潮文庫 [amazon]

  • 金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚 新潮文庫 [amazon]

  • ともにがんばりましょう 塩田武士著 講談社 [amazon]

  • むつかしきこと承り候 公事指南控帳 岩井三四二著 集英社 [amazon]

  • しのびよる月 逢坂剛著 集英社文庫 [amazon]

  • バイバイ 鷺沢萠著 角川書店 [amazon]

  • 鬼が泣く 中山伊織仕置伺帳 富樫倫太郎著 祥伝社 [amazon]

  • 血と涙のナガランド 語ることを許されなかった民族の物語 カカ・D・イラル著/木村真希子・南風島渉翻訳 コモンズ [amazon]

  • 感染遊戯 誉田哲也著 光文社文庫 [amazon]


今日は2014年9月10日 水曜日

  • うどんの時間 山下貴光著 文芸社 [amazon]

  • ソウルメイト 馳星周著 集英社 [amazon]

  • 荻窪シェアハウス小助川 小路幸也著 新潮文庫 [amazon]

  • 迷子の王様 君たちに明日はない5 垣根涼介著 新潮社 [amazon]

  • 君たちに明日はない 垣根涼介著 新潮文庫 [amazon]

  • 弩 下川博著 講談社文庫 [amazon]

  • 新宿鮫 絆回廊 大沢在昌著 光文社 [amazon]

  • 鈴河岸物語 半村良著 祥伝社 [amazon]

  • 夜を待ちながら 北方謙三著 幻冬舎文庫 [amazon]

  • 俺はどしゃぶり 須藤靖貴著 光文社文庫 [amazon]

  • 女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち 仁藤夢乃著 光文社新書 [amazon]

  • 金春屋ゴメス 西條奈加著 新潮文庫 [amazon]

  • 金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚 新潮文庫 [amazon]

  • 難病カルテ 蒔田備憲(まさのり)著 生活書院 [amazon]

  • 日本における作業療法の現代史 田島明子著 生活書院 [amazon]

  • 岳飛伝 十 天雷の章 北方謙三著 集英社 [amazon]


今日は2014年9月17日 水曜日

  • 鴨川食堂おかわり 柏井壽著 小学館 [amazon]

  • さいとう市立さいとう高校野球部 甲子園でエースしちゃいました あさのあつこ著 講談社 [amazon]

  • うつろ屋軍師 簑輪諒著 学研マーケティング [amazon]


今日は2014年9月22日 月曜日

  • 光と音のない世界で 盲ろうの東大教授・福島智物語 池田まき子著 岩崎書店 [amazon]
    先週末届いたので、土日で読んだ。『ゆびさきの宇宙 福島智・盲ろうを生きて』に生井さんはどう書いているのか、と気になって、読み比べてしまった。


今日は2014年10月1日 水曜日

  • ひとりで苦しまないための「痛みの哲学」 熊谷晋一郎対談集 青土社 [amazon]
    86p
    熊谷 私は性的欲望の対象になりたいほうなので、ちょっと特殊かもしれない。
    上野 話がいいところに来ましたね。特殊ではないと思いますよ。私は今日は欲望と快楽の話をしたいと思っていました。今のあなたの話だと、男性障害者のあがりは「健常男性並みに性的欲望の主体になりた」ということだと。女性から愛されたり、向こうから寄ってこられたら最高かもしれないけれど、それができなければ最悪の場合にはお金を出して言うことを聞いてくれる女性を買ってもかまわないとさえ思う。いすれの形であれ、性的欲望の主体になりたいと思う。それと女性障害者にとって性的欲望の客体になりたいというのはまったく非対称だと思いますが、そもそも欲望の主体になるということは一体どういうことなのだろうか。
     ジェンダー非対称性のもとでは、男は欲望の主体という役割を引き受け、そのことが男性性の担保になっている。一方で女性は欲望の客体という役割を引き受け、それが女性性の担保になっている。これは非対称だと思ったリブの女たちは、今から40年も前に、女も欲望の主体になるべきだと考えて、標語を掲げました。「抱かれる女から、抱く女へ」と。それでいろいろ実践してみたのですが、やってみた後で述懐したことには、「以前のほうが快楽は深かったわ」と。どう思われます?
    熊谷 自分に引きつけて考えると、そうだろうなという気はします。

  • 知の散歩道 深尾幸市著 私家版
    「少年時代から活字が好きで、後年折りに触れて新聞・雑誌などに投稿し、つたない文章ながら採用されたものも幾つかある。近年まとめておきたいとの気持ちが強くなってきたので、手元に残っている掲載記事を中心に小冊子を編もうとの思いに至った。」という著者による四六判390pという立派な本
    1980年から3年間、当時在籍していたユニチカから派遣されてナイジェリア・カドナで4,000人を雇用する合弁企業で勤務していた頃の記録(約50p)、非常に興味深い。


今日は2014年10月15日 水曜日

  • あとより恋の責めくれば 御家人南畝先生 竹田真砂子著 集英社文庫 [amazon]

  • 雷神の筒 山本兼一著 集英社文庫 [amazon]

  • 居酒屋ぼったくり2  秋川滝美著 アルファポリス [amazon]


今日は2014年12月12日 金曜日

  • 魔女の笑窪 大沢在昌著 文春文庫 [amazon]

  • さいとう市立さいとう高校野球部 あさのあつこ著 講談社 [amazon]

  • 出星前夜 飯嶋和一著 小学館文庫 [amazon]

  • 顧みられない熱帯病と国際協力:ブルーリ潰瘍支援における小規模NGOのアプローチ 新山智基著 学文社 [amazon]

  • 転び坂 旗本・与一郎 羽多雄太著 角川文庫 [amazon]

  • 始祖鳥記 飯嶋和一著 小学館文庫 [amazon]

  • 俺俺 星野智幸著 新潮文庫 [amazon]

  • 日本の血友病者の歴史 他者歓待・社会参加・抗議運動 北村健太郎著 生活書院 [amazon]

  • シーセッド ヒーセッド 柴田よしき著 講談社文庫 [amazon]

  • ミレニアム3部作 スティーグ・ラーソン著 早川文庫 [amazon]

  • 死の自己決定権のゆくえ 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植 児玉真美著 大月書店 [amazon]

  • 岳飛伝 十一 烽燧の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 僕は勉強ができない 山田詠美著 新潮文庫 [amazon]

  • おしまいのデート 瀬尾まいこ著 集英文庫 [amazon]

  • 素数の音楽 マーカス・デュ・ソートイ著 富永星訳 新潮文庫 [amazon]

  • まるまるの毬 西條奈加著 講談社 [amazon]


今日は2014年12月19日 金曜日

  • 南を考える14 日本の今をどう読むか 明治学院大学国際平和研究所(PRIME) PRIME
    167p
    トマス・ポッゲの社会批判
    勝俣 ありがとうございます。プラトンはまだ勉強していないんですけど、最初のご質問は正義論でロールズとアマルティア・センが出てきたんですけど、僕は両方とも入門部分をちらっと読んだだけでした。よく言われている分配の正義とか。僕はこれにコメントをつけろと言われても、両方ともそんなにちゃんと読んでいません。ただ、僕の周りにそういうことを研究している人が結構いるんですけど。
     ただ一つ共通点があるのは、アマルティア・センもロールズも、いわゆる資本主義を前提としたぎりぎりの自由主義の中で富の分配みたいなものを考えろというところにおいて、抽象度が高過ぎるんですね。アマルティア・センが自己実現とかエンタイトルメントとかというときに、僕らはこれを一体どうやって現実の社会で活用したらいいかというときに、迷います。経済学の中でも開発論で引用する人はすごく多いんですね。だけど、それが本当に使えるものだろうかと。あらゆる社会科学というのは、現状の社会にある強烈な批判ないし今を突き放すことによって次の世界を描くという。僕はちょっと勉強不足ですけども、それがお二人のおのおのの著作を引用する中に見られない。むしろロールズの中の弟子で最近出たトマス・ポッゲ。彼はロールズの弟子だったという人で、いま本が出ているんですね(注14)。それは南と北との不平等、国家間の不平等自身に切り込んでいるんですよ。僕がそれをちらっと見た限りではおもしろそうな人で、リアルな世界を自分の学んできたものとつなげるとどういうふうに解釈できるか。いかに現代社会が不平等な社会かということを、彼は国連のいろんな文書とかそういうのを引用しながら論理学から言って。今のところ、それぐらいしか言えないんですけど。これから勉強させてもらいます。
    168p
    注14 立岩真也監訳『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか - 世界的貧困と人権』生活書院


今日は2014年12月26日 金曜日

  • 出ふるさと記 池内紀著 新潮社 [amazon]

  • 弩 下川博著 講談社文庫 [amazon]
    手に取ったらまたまた読んでしまった。

  • どまんなか 須藤靖貴著 講談社文庫 [amazon]
    文庫本で3冊

  • 北条早雲 悪人覚醒篇 冨樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]


今日は2015年1月1日 木曜日

  • 織田信長 神田千里著 ちくま新書 [amazon]
    友達のブログで知って読んだ。「天下」の意味する範囲が畿内に限定されるという論証が興味深い。


今日は2015年1月6日 火曜日

  • 一夢庵風流記 隆慶一郎著 新潮文庫 [amazon]
    以前、読んだと思っていたが、違っていたのかも。

  • ウエストサイドソウル 西方之魂 花村萬月著 講談社文庫 [amazon]
    またまた読んだ。


今日は2015年1月17日 土曜日

  • 天地明察 冲方丁著 角川文庫 [amazon]

  • 夜の橋 藤沢周平著 中公文庫 [amazon]

  • 武士道セブンティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]


今日は2015年1月27日 火曜日

  • 武士道エイティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 武士道シックスティーン 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 歌舞伎町セブン 誉田哲也著 中公文庫 [amazon]


今日は2015年2月2日 月曜日

  • 現代アフリカ経済論 北川勝彦・高橋基樹編 ミネルヴァ書房 [amazon]
    2004年の『アフリカ経済論』から10年、執筆者を大きく入れ替えて出された『現代アフリカ経済論』は、編著者による「はしがき」によれば「北アフリカに視野を広げ,アフリカ大陸全体を一個のまとまった対象として議論」し、また「過去から変動を重ねてきたアフリカ大陸の諸問題を活写していきたい」という狙いで書かれたものであり、「序章 アフリカとはどのような大陸か」から始まり「第1部 アフリカ経済と世界史」「第2部 経済のグローバル化とアフリカ」「第3部 社会の変容とアフリカ経済」の3部構成となっている。
    『アフリカ経済論』では一章があてられていたエイズ問題と経済の課題に関して、この本では「第9章 アフリカにおける社会経済変動と人間の安全保障」に以下の記述がある。

     1980年代から90年代にかけて東南部を中心としてエイズがアフリカ社会に蔓延した。エイズをはじめとする感染症の猛威は依然としてアフリカ社会を苦しめ続けているが,他方で蔓延を抑え,治療法を改善・普及させるための数々の努力が行われている。(248p)
     乳幼児死亡率の上昇や出生時平均余命の短縮で表される健康状態の悪化は,かなりの程度,エイズ(後天的免疫不全症候群)の蔓延を直接的原因としていると考えられる。健康状態が悪化している国が,20世紀末にエイズが猛威をふるった南部アフリカから東アフリカ,中部アフリカにかけての地域に多いのは、その証拠であろう。
     エイズに関しては,国際社会およびアフリカ諸国における多大な努力が傾けられ,感染防止・治療の改善や知識の普及についても一定のシンポが見られた。そのことが、2つの指標の悪化が2000年以降に食い止められたことに反映されているのかもしれない。しかし、新しい感染者の数はわずかに減ったにすぎず,サハラ以南のアフリカにおけるエイズ・ウイルスの感染者は2011年でも成人人口の約5%に上り,その比率は世界で最も高い。特に南部アフリカでは依然として感染者の成人人口に占める比率の高い国が多い。約26%のスワジランドをはじめ,レソト,ボツワナ,南アフリカでは15%を超えている。そのことがこれらの国々の平均余命にも大きな影響を与えていることは明らかであろう。経済的に脆弱な女性や貧困層,若年層に感染する人々が多いこと,そうした層が治療に困難を来すことは21世紀になる以前と変わっていない。エイズの治療にかかる費用や,働き手を失うことの影響は,とりわけ貧困な世帯に大きな負担となっている。
     エイズへの誤解やエイズ感染者への社会的偏見も根強く,治療技術が進展しているにもかかわらず,過度に恐怖の対象になっているために,開かれたかたちでエイズ対策を行うことが依然として難しい。アフリカにおいてはエイズばかりでなく,マラリア,結核,黄熱病,チフスなどの感染症も人びとの安全保障を脅かす大きな原因となっている。(257-258p)

    「アフリカ経済論」の該当章にあった「現代の黒死病」というような前途に大きな不安を投げかけることばが使われるような状況からすれば,困難であるが対策が進んでいるという記述が可能になったと言えるのだろう。
    通読して感じたのは,以下の2つ。
    ・55の国・(アフリカ連合の認める政府がある)地域を対象とした「アフリカ経済論」という括りはかなり無理があるのではないか
    ・マクロな数字では捉えがたい、人びとの生活と経済活動についての記述を出発点にした経済論が必要

  • エボラの正体 デビッド・クアメン著 山本光伸 翻訳 西原智昭 解説 日経BP [amazon]
    132p
    ウイルスが我々の後を追っているのではなく、我々のほうが何らかの形でウイルスに近づいているのだ。それがどんな動物であれ、我々が保有宿主に干渉することで、ウイルスに感染の機会を提供しているのである。
    175p
    しばらくの間プロスパーは本を片手にもったまま立ち、それを開いてゴリラたちの名前を見せてくれた。エボラなどの人獣共通感染症を研究する科学者たちが、注意深い観察と思考モデル、そしてデータをもとに突き止めた事実を、彼は心で理解している。ヒト、ゴリラ、チンパンジー、コウモリ、齧歯類、サル、そしてウイルス。我々はそれらすべてと共存している。

  • ヒトリシズカ 誉田哲也著 双葉文庫 [amazon]

  • 弾正星 花村萬月著 小学館 [amazon]


今日は2015年3月15日 日曜日

  • 地域と障害 しがらみを編みなおす わらじの会編 現代書館 [amazon]
    125p 生死の橋の憩い
    光子さんがごく近いうちに亡くなることは誰しもわかっていた。でもこの時間を誰しも大切に思っていた。意識のない光子さんは、呼吸器をつけ、点滴をし、導尿をし、心電図などのモニターをつけていた。光子さん自身がこのような状態を、尊厳がないとか尊厳があるとかどのように考えていたかは知らない。付き添う私たちもそんなことは考えなかった。いま、尊厳死とか、後期高齢者医療制度でどのように死ぬか自己決定をするような制度がつくられているが、欠けているのは、まるで一人で生き、死んでいくかのように考えられていることだ。他者は、迷惑をかけるかどうかの存在としてしか考えられていない。確かに動けなくなったり、認知症になったり、入院が長びいたり、自分のことが十分にできなかったりすれば、周りの人の手を煩わせるし、今までの生活自体もあやうくさせることがある。でもそれらは、単純に「迷惑」という言葉でくくれない豊かさをも内包しているのではないだろうか。
    医師として病院勤務の経験しかなかったらこんな風に考えたかどうか。

    127p
    妹の幸子さんは、乳がんになり、その後一年二か月の間、私たちや社協のヘルパーさんの介助や訪問看護師の看護を受けながら、自らが大家でもある生活ホームで過ごし、そして亡くなった。2000年のことである。この年は、わらじの会関係でほかに七人が亡くなった。

  • フリーターズフリー 第1号

  • 若者の労働運動 橋口昌治著 生活書院 [amazon]

  • 岳飛伝 十二 飄風の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

【2007年10月に書いたメール】
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科の島田周平さんの本が今年2月に「アフリカ可能性を生きる農民―環境-国家-村の比較生態研究」(京都大学学術出版会)、9月に「現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み」(古今書院)と出ています。
先日、「現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み」を手にして、特に第9章、第10章を読みながら考えたことを紹介します。
この本は、島田さんが1991年からザンビアのC村で取り組んできた調査の過程で知ったこと、感じたことをまとめたもので、ザンビアについて知識のない僕にとってはエッセイ集的な読み方のできる、読みやすい本でした。
C村の成り立ち、土地をめぐる争いなどの叙述も非常に興味深いものですが、『第9章 村の政治と人権』は、外国人による農村調査が国際人権NGOまた開発支援NGOの登場につながって村の政治と人権に大きな影響を及ぼしたことを描き、『第10章 「過剰な死」の影響』はエイズが農村の人々の生活に及ぼす影響を具体的に記していて、特に関心を覚えました。
島田さんたちが研究成果を還元するために執筆してザンビアの大学に寄贈したレポートを参考に開発NGOが村の有力者を避けて村人に直接アプローチしたことが引き起こした波紋、また島田さんたちが調査への協力者を通して村の学校修復のために寄付したことが協力者の「追放」問題に発展したことにびっくりしました。第10章としてまとめられた文章にいたるいくつかの文章や報告(2002年のレポート、2005年のアフリカ学会「女性とエイズ」での報告、昨年出版された「アフリカとアジア」に収録された論考)を読んだだけでは、理解できなかったことが、C村調査の全体像の中で少し判ったような気もします。

NGOスタッフとしての活動経験の長い人に書評を書いて欲しいなと思っています。皆さんもどうぞ一読を。

現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み
島田周平著 古今書院 ¥3,675 B6判 182p 2007年9月 [amazon]



今日は2015年4月1日 水曜日

  • フォー・ディア・ライフ 柴田よしき著 講談社文庫 [amazon]

  • 居酒屋ぼったくり3 秋山滝美著 アルファポリス [amazon]

  • 鵺の鳴く夜を正しく恐れるために−野宿の人びととともに歩んだ20年 稲葉剛著 エディマン [amazon]

  • 札幌アンダーソング間奏曲 小路幸也著 角川書店 [amazon]

  • 生活保護から考える 稲葉剛著 岩波新書 [amazon]
    110-113pに紹介されている「生活保護世帯の高校生の声」、新聞記事になったものを授業で読んだ。

  • 鈴河岸物語 半村良著 祥伝社 [amazon]


今日は2015年4月6日 月曜日

  • キング・メイカー 水原秀策著 双葉文庫 [amazon]

  • いのちの米 堂島物語 富樫倫太郎著 毎日新聞社 [amazon]


今日は2015年4月12日 日曜日

  • 真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ 大沼紀子著 ポプラ文庫 [amazon]

  • 真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 大沼紀子著 ポプラ文庫 [amazon]

  • 真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 大沼紀子著 ポプラ文庫 [amazon]

  • 戦士ジャンヌ・ダルクの炎上と復活 竹下節子著 白水社 [amazon]


今日は2015年5月9日 土曜日

  • かつお節と日本人 宮内泰介・藤林泰著 岩波新書 [amazon]

  • 農山村は消滅しない 小田切徳美著 岩波新書 [amazon]

  • 貧困、紛争、ジェンダー―アフリカにとっての比較政治学 戸田真紀子著 晃洋書房 [amazon]
    106p
    例えば,2014年現在,ブラジル政府と共同で日本政府がモザンビークで進めていうODAプロジェクトの「プロサバンナ」計画について,日本の研究者やNGO関係者,モザンビークの農民代表は反対の意思表示をしている。日本の商社やブラジルのアグリビジネスが大きな利益をあげるだろうが,土地を奪われ飢えに直面するかもしれないモザンビークの小規模農家にとっては死活問題である。モザンビークでつつしまやかに生活をしてきた人びとを犠牲にしてまで日本人は安い豆腐や納豆を食べたいと思うだろうか.

    130p
    ナイジェリアの外貨収入の95%を稼ぎ出すまでになった石油産出地域(ナイジャー・デルタ)では,イジョ人の武装勢力と連邦政府の対立が続いてきた.石油施設襲撃,技術者や労働者の誘拐が続出し,Shellやエクソン・モービル,シェブロンなどの生産は大きく落ち込んだ.治安の悪化,外資の減少,国際的評価の低下に直面したヤラドゥア大統領は武装グループに対する恩赦を決定したのである(2009年6月25日署名).
     しかし、恩赦に先立つ5月14-17日,陸・海・空軍の統合機動部隊は,デルタ州の多くのコミュニティを攻撃し,老人や妊婦や子どもを含む多くの市民を虐殺した.武装グループの中で最大の「ナイジャー・デルタ解放運動」に対する掃討作戦に,一般市民が巻き込まれたことについて,「1億2000万人の国民の平和のためなら,2000万人のナイジャー・デルタの住民が犠牲になっても構わない」という北部出身議員の発言が,同じナイジェリア人でありながら同胞意識の感じられない地域間の温度差を物語っている.

  • ノー・タイム・トゥ・ルーズ ― エボラとエイズと国際政治 ピーター・ピオット著, 宮田一雄・大村朋子・樽井正義翻訳 慶應義塾大学出版会 [amazon]


今日は2015年5月19日 火曜日

  • ガーナNOW! 女子大生は見た 矢達侑子著 NPO法人開発メディア [BCCKS]

  • イングランド社会史 エイザ・ブリッグズ著 今井宏・中野春夫・中野香織訳 筑摩書房 [amazon]

  • 1からわかる図書館の障害者サービス 誰もが使える図書館を目指して 佐藤聖一著 学文社 [amazon]

  • 越境する障害者 アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌 戸田美佳子著 明石書店 [amazon]
    地域と障害 しがらみを編みなおす』(わらじの会 現代書館)に描かれた1960年代半ばベッドタウン化が進む東京近郊で、それまで豆の選り分けや糸紡ぎなどの労働に携わっていた肢体不自由の姉妹が、同じく「農家の半端仕事、半端家事」の担い手であった祖母と一緒に一室に押し込められてしまっていく様を思い浮かべてしまいました。こうした日本においてもかってあった人と仕事とつながり方も参照しながら考察が深められていくのを見たい、と感じました。

  • 三日月が丸くなるまで 小十郎始末記 宇江佐真理著 角川文庫 [amazon]

  • ゆびさきの宇宙 福島智・盲ろうを生きて 生井久美子著 岩波現代文庫 [amazon]

  • 乱世の英雄 海音寺潮五郎著 文春文庫 [amazon]

  • 忍者だもの 忍法小説五番勝負 新潮文庫 [amazon]


今日は2015年5月29日 金曜日

  • 被曝評価と科学的方法 牧野淳一郎著 岩波書店 [amazon]

  • 岳飛伝 十三 蒼波の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • ぼくの命は言葉とともにある (9歳で失明、18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり、考えてきたこと) 福島智著 致知出版 [amazon]

  • いま、松下竜一を読む−−やさしさは強靭な抵抗力となりうるか 下嶋哲朗著 岩波書店 [amazon]


今日は2015年6月11日 木曜日

  • 海が聞こえる 氷室冴子著 徳間文庫 [amazon]

  • 海が聞こえる〈2〉アイがあるから 氷室冴子著 徳間文庫 [amazon]

  • ココア共和国の近代−コートジボワールの結社史と統合的革命 佐藤章著 アジア経済研究所 [amazon]
    56p
    コートジボワール植民地は1893年に創設され,20世紀初頭にかけてその領土がほぼ今日のかたちで画定された

    57p
    1923年から1948年に至る25年のあいだ,コートジボワールが今日のブルキナファソの大部分を含むかたちで存在していたことは,独立後の政治経済情勢を考えるうえで重要な出来事である。

    131p
    コートジボワールの国家運営に参画した支配層は,もっぱら高級官僚であることにのみ社会経済的基盤を有する者たちであった。

  • おしゃべりなコンピューター 音声合成技術の現在と未来 山岸順一, 徳田恵一, 戸田智基, みわよしこ著 [amazon]


今日は2015年7月1日 水曜日

  • 沼地のある森を抜けて 梨木香歩著 新潮文庫 [amazon]

  • ティーンズ・エッジ・ロックンロール 熊谷達也著 実業之日本社 [amazon]

  • 断髪のモダンガール 森まゆみ著 文藝春秋 [amazon]
    35p
    日露開戦にあたり、「君死にたまふこと勿れ」を歌って、乱臣、賊子とののしられた。家を継いだ弟が新妻を置いて戦場に赴くのをいたむ詩だが、
    旅順の城はほろぶとも、
    ほろびずとても、何事ぞ、
     (中略)
    すめらみことは、戦ひに
    おほみづからは出でまさね

  • 桜子姫悲恋剣 藤水名子著 ソニーマガジンズ [amazon]

  • 用心棒日月抄 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]

  • 黒龍の柩 北方謙三著 幻冬舎文庫 [amazon]

  • 用心棒日月抄 兇刃 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]


今日は2015年7月20日 月曜日

  • 日本農業近代化の研究 〔近代稲作農業の発展論理〕 穐本洋哉著 藤原書店 [amazon]

  • インドネシアのファッション・デザイナーたち−多文化性・伝統・グローバル化を読み解く 松本由香著 ナカニシヤ出版 [amazon]


今日は2015年8月3日 月曜日

  • 火の国の城 池波正太郎著 文春文庫 [amazon]

  • ハウジングプア 稲葉剛著 山吹書房 [amazon]

  • ことばのバリアフリー−−情報保障とコミュニケーションの障害学 あべやすし著 生活書院 [amazon]

  • 精神医療サバイバル−人薬に支えられて− はたよしえ著 解放出版社 [amazon]

  • 聞かれるままに 北沢恒彦著 思想の科学


今日は2015年8月18日 火曜日

  • 武士道ジェネレーション 誉田哲也著 文藝春秋 [amazon]

  • 放課後の厨房男子 秋川滝美著 幻冬舎 [amazon]

  • 新徴組 佐藤賢一著 新潮社 [amazon]


今日は2015年8月24日 月曜日

  • 博士論文『冷戦終結後の開発・安全保障言説における人間像 −小型武器規制・通常兵器移転規制の事例から−』 榎本珠良筆

  • じーさん武勇伝 竹内真著 講談社文庫 [amazon]

  • 女信長 佐藤賢一著 新潮文庫 [amazon]


今日は2015年8月31日 月曜日

  • Qrosの女 誉田哲也著 講談社 [amazon]

  • シンメトリー 誉田哲也著 光文社文庫 [amazon]

  • バイバイ・フォギーデイ 熊谷達也著 講談社 [amazon]

  • ティーンズ・エッジ・ロックンロール 熊谷達也著 実業之日本社 [amazon]

  • 岳飛伝 十四 撃撞の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 小太郎の左腕 和田竜著 小学館文庫 [amazon]


今日は2015年9月16日 水曜日

  • 錏娥哢奼 花村萬月著 集英社文庫 [amazon]

  • 蜩ノ記 葉室麟著 祥伝文庫 [amazon]

  • ラプソディ・イン・ラブ 小路幸也著 PHP文芸文庫 [amazon]

  • 戦国大名と読書 小和田哲男著 柏書房 [amazon]

  • 原発をつくらせない人びと−−祝島から未来へ 山秋真著 岩波新書 [amazon]

  • 東京スタンピード 森達也著 毎日新聞社 [amazon]


今日は2015年9月27日 日曜日

  • 用心棒日月抄 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]

  • 弩 下川博著 講談社文庫 [amazon]

  • 用心棒日月抄 孤剣 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]

  • 用心棒日月抄 刺客 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]

  • 不可能を可能に 点字の世界を駆けぬける 田中徹二著 岩波新書 [amazon]
    日本点字図書館が取り組んできたアジア諸国の視覚障害者支援プログラム、たいへん参考になる。
    第6章 国境を超えて
    1 国際協力事業を始める
     丸山一郎さんとの出会い/ネパールへ/グエン・バン・ホンさんのこと
    2 アジアでのパソコン指導
     コンピュータ点字製作技術指導の講習会/池田輝子ICT事業/日本への留学生、海外への留学生

  • 思い出袋 鶴見俊輔著 岩波新書 [amazon]
    米国で下宿したヤング家の家族との交流
    小学校の同級生だった永井道夫、中井英夫に関する思い出
    ジャカルタの海軍武官府に関わる記憶
    イシの聴き取りをした男、それを本にした連れ合い、物語に仕立てた娘

    アマゾンのレビューから
    内容的には、氏の数多くの著作とかぶる部分も多いが、氏の若々しい思考(特に日本の学校教育批判)と堅忍不抜の立ち位置(特に阿部定賛歌)を感得することができる。

    「大学とは、私の定義によれば、個人を時代のレヴェルになめす働きを担う機関である」(81頁)。
    「相手の言うことをゆっくりきかずに「あなたはまちがっている」と決めつけるのは、自分のただひとつの解釈によって相手をたたきのめす習慣で、それが欧米から日本に移ってきて、学校秀才のあいだに広く行われる」(120頁)。
    「阿部定は、自分の行為が自分にもたらした罰を受けとめて、悔いるところがない。阿部定は私にとって、国家純粋化とはちがう生きかたを、自分の行為の帰結としてしっかり生きる人に思われる。断じて国家を絶対化しない立場を選ぼうと私が志すとき、今も阿部定は好きな人である」(128頁)。
    「日米交換船に乗るかときかれたとき、乗ると答えたのは、日本国家に対する忠誠心からではない。なにか底に、別のものがあった。国家に対する無条件の忠誠を誓わずに生きる自分を、国家の中に置く望み」(225頁)。
    それにしても、留学当初英語が不得手であった氏が、勉強を重ねて高熱のため教室で昏倒し、「一週間ほどして教室に出てゆくと、英語がわかっていた。口をあけると、日本語が出ない」(188頁)という挿話には驚いた。一見悠々たる氏の語り口の背後にある経験の豊かさそして苛烈さにこころしながら味読したい一書である。

  • 地域に希望あり−−まち・人・仕事を創る 大江正章著 岩波新書 [amazon]
    55p
    2003年には村民の所得確保をめざして、約60キロ離れた廿日市市(広島県)にアンテナショップ(店舗面積150平方メートル)を出店した。人口1800人(当時)の小さな村にとって、この規模の品物をそろえるのは容易ではない。
     だが、柿木村の農業の特徴は単作による特産品振興ではなく、山の幸や川の幸、野菜、加工品など地域資源を活かした食べものづくりである。たとえば、有機米や餅、多品種の有機野菜や山菜、天然酵母のパン、手作り豆腐、味噌、各種漬物、干し椎茸、生芋こんにゃく、鮎、猪肉などだ。自給の延長だからこそ、店舗が成り立ち、手間をかけて作るものを消費者が支持する。現在、7人の職員が働き、売り上げは毎年6000万〜7000万円に達する。
    62p
    担当者によれば、当初は普及指導員に兼業農家支援に対するアレルギーがあったが、Iターン者が農業や地域の担い手になる現実を見て、こうした反応は少なくなったという。

    63p
    これまでの農業者育成は、もっぱら専業農家を対象としてきた。だが、耕地面積が狭く、大規模農業が成立しない中山間地域は、昔から林業や公務員などとの兼業で生きており、半農半X支援のほうがリアリティをもつ。

    159p
     安藝奈穂子(1958年生まれ)はA街区のマンションの完成と同時に、6階に入居した。彼女は先天的に骨が弱い。思春期までは、くしゃみをしても骨折するほどだった。病名は骨形成不全症、ずっと車椅子生活だ。両親と一緒の予定だったが、ともに亡くなり、単身生活である。以前の家では一人で外出できなかった。いまは、エレベーターに乗って、いつでも外出できる。
     「自分の意思で、車椅子に乗ってコーヒー飲みに行ったり買い物に行ったりできる。新鮮でした。小さなことだけど、とてもうれしかった。お茶を買ってきてもらうのと、自分で買いに行くのでは、全然意味が違います」
     高齢者が暮らしやすい住居やまちは、障がい者も暮らしやすい。5階にも9階にも、車椅子利用者が暮らしているという。彼女はほぼ毎日、外出する。買い物に行くスーパーの店員とは顔なじみ。高いところに置かれた商品は届かないが、取ってもらえる。「みんなが大事にしてくれる」と笑顔で語った。
     「落ち込んだとき、下へ降りていくとにぎやかですから、気持ちが晴れます。演奏会とか楽しいし、年末には餅つきもある。別の世界が広がっていて、気分転換になります。最近は体力が落ちて不安もあるけれど、ずっとここで暮らしたい」
     奈穂子が生まれたころは、障がい者を隠そうとする時代だった。同年代のぼくには、実感としてよくわかる。彼女はいま、他人に見えるところで生活するのが大切だと考えている。

    244p
    ⑤頼りにできる知人や制度の多さ−−依存し合わない自立は単なる孤立


今日は2015年9月29日 火曜日

  • 威風堂々うかれ昭和史 小松左京著 中央公論新社 [amazon]
    高橋和巳と一緒に文芸誌を出す文学青年だったということを初めて知った。
    連れ合いさんに読んでもらうために書いたという『日本アパッチ族』、ずいぶん昔に読んだことを思い出した。開高健『日本三文オペラ』も読んだ覚えがある。

  • すぐそばにある「貧困」 大西連著 ポプラ社 [amazon]


今日は2015年10月6日 火曜日

  • ナチス・ドイツの有機農業−「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」 藤原辰史著 柏書房 [amazon]
    133p 数字の桁が違う 3桁?

  • カブラの冬−第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆 藤原辰史著 人文書院 [amazon]
    76p
    1915年には約5000万トンだったのが、1916年には26万トン → 2600万トン(?)
    cf. Race to the Front: The Foundations of Coaliation Race Strategy in the Great War
     by Kevin D. Stubbs

  • 座談の思想 鶴見太郎著 新潮社 [amazon]
    1975年3月、合宿を終えて帰郷する際、静岡駅で夜行列車を待ちながら竹内好の本(著作集?評論集?)を読んだことを思い出した。
    日本政治思想史を専門とする丸山真男の「夜店」芸(裏芸?)『現代政治の思想と行動』、分厚い本を買って読んだことも思い出した。今も新装版が発行されているんだ・・・


今日は2015年10月8日 木曜日

  • 稲の大東亜共栄圏−帝国日本の「緑の革命」 藤原辰史著 吉川弘文館 [amazon]
    文字通り、緑の革命の前史

  • 生き残る 沖縄・チビチリガマの闘争 下嶋哲郎著 晶文社 [amazon]
    1991年出版の本。近くの公共図書館に所蔵されていた。


今日は2015年10月11日 日曜日

  • 僕らの青春 下町高校野球部物語 半村良著 河出書房新社 [amazon]

  • 夢見族の冒険 半村良著 中公文庫 [amazon]

  • アイドルワイルド! 花村萬月著 祥伝社 [amazon]


今日は2015年10月27日 火曜日

  • 食べること考えること 藤原辰史著 共和国 [amazon]

  • 食の共同体 − 動員から連帯へ 池上甲一・岩崎正弥・原山浩介・藤原辰史著 ナカニシヤ出版 [amazon]

  • うれし たのし ウミウシ 中嶋康裕著 岩波書店 [amazon]


今日は2015年11月8日 日曜日

  • ナチスのキッチン 藤原辰史著 水声社 [amazon]

  • 朝鮮と日本に生きる −− 済州島から猪飼野へ 金時鐘著 岩波新書 [amazon]


今日は2015年11月26日 木曜日

  • いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加著 東京創元社 [amazon]

  • 北条早雲 悪人覚醒篇 富樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • 銀漢の譜 葉室麟著 文春文庫 [amazon]

  • 散り椿 葉室麟著 角川文庫 [amazon]

  • シャングリ・ラ 池上永一著 角川文庫 [amazon]


今日は2015年12月11日 金曜日

  • スタンダップダブル 小路幸也著 ハルキ文庫 [amazon]

  • 築地の門出 ヤッさん3 原宏一著 双葉社 [amazon]

  • 岳飛伝 十五 照影の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • カイシャデイズ 山本幸久著 文春文庫 [amazon]

  • 荻窪シェアハウス小助川 小路幸也著 新潮文庫 [amazon]

  • 肥満と飢餓−−世界フード・ビジネスの不幸のシステム ラジ・パテル著 佐久間智子訳 作品社 [amazon]

  • スタンダップダブル 甲子園ステージ 小路幸也著 角川春樹事務所 [amazon]

  • SRO V ボディファーム 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • ベッド・サバイバル 有馬さつき著 講談社X文庫 [amazon]

  • 金春屋ゴメス 西條奈加著 新潮文庫 [amazon]


今日は2016年1月5日 火曜日

  • 東京ピーターパン 小路幸也著 角川文庫 [amazon]

  • 房子という女 − SRO episode0 富樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • 幸せの条件 誉田哲也著 中公文庫 [amazon]

  • ヒトラーに抵抗した人々 − 反ナチ市民の勇気とは何か 對馬達雄著 中公新書 [amazon]

  • 中山間地域の「買い物弱者」を支える: 移動販売・買い物代行・送迎バス・店舗設置 関満博著 新評論 [amazon]

  • 六〇年安保−−1960年前後 (ひとびとの精神史 第3巻) 栗原彬編 岩波書店 [amazon]

  • 東京ローカルサイキック 山本幸久著 徳間書店 [amazon]

  • SRO−警視庁広域捜査専任特別調査室〈1〉 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • 一匹羊 山本幸久著 光文社文庫 [amazon]


今日は2016年1月12日 火曜日

  • ラブファイト 聖母少女 まきのえり著 講談社文庫[Kindle版] [amazon]

  • なかで、ごめんね 花村萬月著 講談社 [amazon]

  • アル中予備軍の子供たち 鈴木みち子著 現代書館 [amazon]
    26年前、この著者がつながっていた人たちはどうしているのか、すごく気になる。

  • 遠い場所の記憶 自伝 エドワード・W・サイード著 中野真紀子訳 みすず書房 [amazon]
    第一次世界大戦に米軍兵士として従軍し米国市民権を持つパレスチナ人の父親の子どもを「米国人」にするという方針とそれを支える財力の持つ力の下で育った少年の日々が鮮やかに描かれる。
    1948年に帰るところではなくなってしまったエルサレム、父親の会社のためにサインした書類のため15年間足を踏み入れることができなくなったカイロ、レバノン内戦勃発によってパレスチナ人が身を置くスペースも立ち入る余地もなくなってしまったズール。1990年に始まる白血病との闘病の中で、どこも遠い場所になってしまった土地での思い出が鮮明に甦るのを書き留めた記録。


今日は2016年2月9日 火曜日

  • SRO II 死の天使 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • 狛犬ジョンの軌跡 垣根涼介著 光文社文庫 [amazon]

  • SRO III キラークイーン 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • 黙示録 池上永一著 角川書店 [amazon]

  • 都立桃耳高校 神様おねがい!篇 群ようこ著 新潮文庫 [amazon]

  • 学校のセンセイ 飛鳥井千砂著 ボブラ文庫 [amazon]

  • トロイメライ 池上永一著 角川文庫 [amazon]

  • トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ 池上永一著 角川書店 [amazon]

  • SRO V ボディファーム 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • 越境者の政治史 アジア太平洋における日本人の移民と植民 塩出浩之著 名古屋大学出版会 [amazon]

  • SRO IV 黒い羊 富樫倫太郎著 中公文庫 [amazon]

  • GA・SHIN 我神 花村萬月著 集英社 [amazon]

  • 天地明察 冲方丁著 角川文庫 [amazon]

  • 真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ 大沼紹子著 ポプラ文庫 [amazon]


今日は2016年2月16日 火曜日

  • 隠し剣弧剣抄 藤沢周平著 文春文庫 [amazon]

  • 隠し剣秋風抄 藤沢周平著 文春文庫 [amazon]

  • 生活安全課0係 ヘッドゲーム 富樫倫太郎著 祥伝社文庫 [amazon]

  • グラウンドの空 あさのあつこ著 角川文庫 [amazon]

  • 大震災の生存学 天田城介+渡辺克典編著 青弓社 [amazon]

  • 原発事故はなぜくりかえすのか 高木仁三郎著 岩波新書 [amazon]
    アマゾンの書評で、「そして注目すべきは152ページの表です。」と注目を呼びかけている人がいた。全く同感。内部告発によってこの表にまとめられた事故は明るみに出た。そのことにくり返し思いをはせる必要がある。


今日は2016年3月4日 金曜日

  • グラウンドの空 あさのあつこ著 角川文庫 [amazon]

  • 岳飛伝 十六 戎旌の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • 北条早雲 相模侵攻編 富樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • アフリカの「障害と開発」 SDGsに向けて 森壮也編 アジア経済研究所 [amazon]
    123p
    (2008年の国勢調査時に)調査員として選ばれたあるひとりのろう者によると、 彼は耳の聞こえない人への聞き取りを担当したのではなく,通訳もなしに他の聴 者と同じ調査をおこなったという。一方,手話が使用できるのはこの人一人だっ たので,手話を知らない大多数の調査員にとっては,耳の聞こえない調査対象者 から十分な聞き取りができたは疑わしい。このろう者は,自分が調査員として選 ばれたのは、手話によるコミュニケーションができるという理由ではなく,単に 調査員のなかに障害当事者が参加しているということをアリバイとして残したかったのだろうと語っていた(2013年8月,宮本による聞き取り)。

    128-129pp(第4章 ケニアにおける障害者の法的権利と当事者運動)
    障害者自身が社会参加を求めるものとしておこなわれた運動のなかで特筆すべき 出来事が1964年におこった。障害者のグループがナイロビのステートハウス(現 在の大統領官邸)の前で夜を徹してのデモを行い、当時の大統領ジョモ・ケニ ヤッタに対して、障害者が社会参画から阻害されている状況を改善してほしいと 求めたのである(AFUP 2007, 32)
    * AFUP (African Union of the Blind) 2007. State of Disabled Peoples Rights in Kenya (2007) Report, Nairobi: African Union of the Blind

    264p
    1990年代前半の憲法制定過程では障害者運動と同性愛者権利運動が共闘し,進歩的な差別禁止条項を勝ち取ったことについては上で述べた。HIV陽性者運動の初期のリーダーは男性同性愛者が中心であり,同性愛者権利運動とHIV陽性者運動とはリーダーシップにおける連続性がある。しかし、憲法制定以降,障害者運動とHIV陽性者運動との距離は広がっている。これは,両者の,ムベキ元大統領との対照的な関係にも負っているかもしれない。すなわち,ムベキはOSDPを副大統領府に設置し,その後自身の大統領就任にあわせて同オフィスを大統領府に移すなど,障害者運動・政策のパトロン的な存在であった(Matsebula 2004)。他方で代表的なHIV陽性者の当事者運動である治療行動キャンペーン(Treatment Action Campaign: TAC)は,ムベキ元大統領とは犬猿の仲であった。DPSAが,ムベキの理解のもと,当事者代表を政府内各所に送り込むことで政策的影響力を確保する戦略をとったのに対して,TACは独立した私印社会組織として政府のHIV/エイズ政策批判を行い,大衆的な示威行動や,政府を相手取った憲法裁判を通じて公的な坑HIV薬供給体制を求める要求を実現した(Makino 2009)。

  • 生活安全課0係 ファイアーボール 富樫倫太郎著 祥伝社文庫 [amazon]

  • くせものの譜 簑輪諒著 学研プラス [amazon]


今日は2016年3月10日 木曜日

  • 穂足のちから 梶尾真治著 新潮文庫 [amazon]
    稲垣足穂を思い出させる標題、戦前活躍したSF作家の名前そのままの海野十三郎といった登場人物のネーミングと、僕の動いていた範囲とは違う熊本市が舞台になっているのに惹かれた。

  • DEAF ADWOA BENEWAA Florence Serwaa Oteng Kumasi Catholic Press
    結婚した相手はどうなったんだ?

  • 院政と平氏、鎌倉政権 日本の中世〈8〉 上横手雅敬・勝山清次・元木泰雄著 [amazon]
    同じシリーズの『戦国乱世を生きる力』を読み始めた。

  • 生活安全課0係 バタフライ 富樫倫太郎著 祥伝社文庫 [amazon]

  • 野宿と暴力を考える−「ホームレスと出会う子どもたち」上映会+講演会− 上智大学グローバル・コンサーン研究所 上智大学グローバル・コンサーン研究所


今日は2016年3月24日 木曜日

  • 図書館のキリギリス 竹内真著 双葉文庫 [amazon]

  • 貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち 藤田孝典著 講談社現代新書 [amazon]
    61p
    社会福祉の対象となる若者たちの現状に鑑みると、何らかの支援施策を多様に用意しなければ、社会の持続可能性がなくなってしまうのではないかと危惧している。持続可能性がないとは、ひとことで言えば、社会が存続できるか否かの瀬戸際に来ているということだ。若者の貧困や生活のしにくさは、個人的な問題ではなく、社会問題として改善するレベルまで来たということである。

  • 下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 藤田孝典著 朝日新書 [amazon]

  • 真夜中のパン屋 午前4時の共犯者 大沼紀子著 ポプラ文庫 [amazon]

  • 決闘の辻 藤沢周平著 講談社文庫Kindle版 [amazon]


今日は2016年4月7日 木曜日

  • ホラベンチャー 竹内真著 双葉社 [amazon]

  • スタンダップダブル 甲子園ステージ 小路幸也著 角川春樹事務所 [amazon]

  • チームFについて あさのあつこ著 角川春樹事務所 [amazon]

  • 北条早雲 青春飛翔編 冨樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • 北条早雲 悪人覚醒篇 冨樫倫太郎著 中央公論新社 [amazon]

  • フィールドの見方 (FENICS 100万人のフィールドワーカーシリーズ) 増田研・梶丸岳・椎野若菜編 古今書院 [amazon]
    145p
    彼ら(ビレッジヘルスボランティア)に参加を呼びかけて質問紙調査の調査員になってもらったが、質問紙の標準化は一筋縄ではいかなかった。国際機関の質問紙には調査開始時刻と調査終了時刻の記入欄があるが、誰も時計を持っていない。また、「いつ発熱しましたか」「発熱して何日後に受診しましたが」という2つの簡単な質問でも混乱が生じた。発熱した日と受診した日という過去の2つの時点が出てくることが問題だった。時計なしでの生活が当たり前の彼らは、私たちとは時間に対する感覚が違っているのだろう。過去の2つの時点の時間間隔というのは私たちには実体のごとく日常生活に溶け込んでいるが、じつは抽象概念なのだ。結局「いつ発熱しましたか」「その後受診しましたか」「発熱したその日に受診しましたか」「発熱した次の日に受診しましたか」「発熱して2日以上経って受診しましたか」と、より具体的に聞いていけば混乱しないことがわかった。このようにして、質問文と回答の選択肢を何度も改変することとなった。たとえそれが測定したい項目だったとしても、調査員であるヘルスボランティアに少しでも混乱を招くような質問は断念せざるを得なかった。(塚原高広「ひとり学際研究のすすめ」)
    168p
    1歳の娘が数カ月入院し、入院先の病院が、小児の入院時に付添いを義務づけていたため、娘とともに私自身も病院に長く寝泊まりするという稀有な経験を得た。患者側に立って初めて経験した病院は、医療従事者側にいたときとは少々異なって見える。お互い長期入院者同士である同室者はしだいに家族同然の付き合いになり、それぞれの家族の苦労が直に伝わってくる。各家庭の苦労は千差万別、みな何かを犠牲にして入院生活を送っている。病室では医師や看護師などの医療従事者への評価が話題になることも多く、その評価はときとして辛辣な意見も含まれる。(駒澤大佐「日本の病院とケニアの小島にて」)
    195p
    生物医学モデルの医療協力は、予防接種を普及させ、保健施設を建設し、看護師を派遣し、保健ワーカーを育成し、知識の啓発活動を実施し、と数多くの有益な活動を継続させてきた。これだけやっても住民が病院で出産しないのは、あるいは、病気になった子どもを病院に連れてこないのは何故か。そこには当該地域で病気や医療を解釈し受け入れるための一定の型があるのであって、そこに馴染ませることができないかぎり生物医学モデルだけを暴走させるわけにはいかないのだ。(増田研「マラリア研究をめぐるアプローチいろいろ」)


今日は2016年4月22日 金曜日

  • 張り込み姫−君たちに明日はない〈3〉 垣根涼介著 新潮文庫 [amazon]

  • バルチック艦隊 日本海海戦までの航跡 大江志乃夫著 中公新書 [amazon]

  • スタンダップダブル 小路幸也著 ハルキ文庫 [amazon]

  • 悪役レスラーは笑う−「卑劣なジャップ」グレート東郷 森達也著 岩波新書 [amazon]


今日は2016年5月2日 月曜日

  • 恭一郎と七人の叔母 小路幸也著 徳間書店 [amazon]

  • 戦国大名の正体−家中粛清と権威志向 鍛代敏雄著 中公新書 [amazon]

  • 生きて帰ってきた男−−ある日本兵の戦争と戦後 小熊英二著 岩波新書 [amazon]
    93p
    多少知恵遅れだったから

    結核療養所に関する記述、重要。

  • ウェルカム・ホーム 鷺沢萠著 新潮社 [amazon]
    明日は入院というので、机の上を整理していたら出てきた。何度目か覚えていないが読み出したら止まらなくなって病院へ持って行って読んだ。

  • ケニアへかけた虹の橋: 30年の国際ボランティア活動 NPO法人「少年ケニヤの友」編 春風社 [amazon]
    アマゾンに掲載された紹介文が熱い!
    少年ケニヤの友千葉理事長の本の出版、少年ケニヤの友解散の経緯をつづった文章が日経新聞に掲載された。
     ケニアの大地 希望まく NPOで衛生環境改善や孤児支援、文化交流も

  • 土と生きる−−循環農場から 小泉英政著 岩波新書 [amazon]
    前後して小熊英二『生きて帰ってきた男−−ある日本兵の戦争と戦後』を読んだら、北海道と1968年でつながっていることを感じた。

  • アフリカの老人−老いの制度と力をめぐる民族誌 田川玄・慶田勝彦・花渕馨也編著 九州大学出版会 [amazon]
    去年5月、日本アフリカ学会で開かれた「アフリカの高齢者」フォーラムでの論議とは違ったアプローチで興味深い。
    2012年11月、セミナーで耳にした「タバコ耕作が広がり、耕作地を広げる農民たちの中では、仕事ができない老人を邪魔者扱いする言動も広がっている」という報告が思い出された。

  • 瞽女うた ジェラルド・グローマー著 岩波新書 [amazon]

  • 南アフリカの経済社会変容 牧野久美子・佐藤千鶴子編 アジア経済研究所 [amazon]
    バルク買いのワインを調製しブランドで売るという「あぶく商売」のその後が気になる。
    牧野久美子「第9章 HIV/エイズ政策とグローバル・ガバナンス」、来週月曜日の授業で、どんな風に触れたものか・・・

  • 真剣に話しましょう 小熊英二対談集 新曜社 [amazon]


今日は2016年5月16日 月曜日

  • 地方自治と脱原発 若狭湾の地域経済をめぐって 小野一著 社会評論社 [amazon]

  • 虹色にランドスケープ 熊谷達也著 文春文庫 [amazon]

  • 秘密 池波正太郎著 文春文庫 [amazon]

  • むらと原発 猪瀬浩平著 農山漁村文化協会 [amazon]


今日は2016年5月22日 日曜日

  • 古代東アジアの女帝 入江曜子著 岩波新書 [amazon]

  • 生活安全課0係 スローダンサー 富樫倫太郎著 祥伝社文庫 [amazon]

  • われらのアメリカ万華鏡 伊高浩昭著 立教大学ラテンアメリカ研究所 伊高浩昭ブログ:現代ラテンアメリカ情勢
    87p
    第7講 アフリカとラテンアメリカ
    OAUからAUへ/ポルトガルの政変/五〇周年記念首脳会費/下手な日本外交/ラテンアメリカ/カストロの英雄主義/三大陸人民連帯機構/ブラジルの存在感/コロンビア和平交渉/土地問題で合意/元大統領メネムの裁判/ウルグアイ
    198p
    ピノチェー逮捕
    ところで、民政移管後の民主化過程が進みながら、軍政期の人道犯罪の解明は進みませんでした。政権を離れた後もピノチェーが陸軍司令官、次いで終身上院議員の地位を確保し、免罪特権を維持しながら、政権に睨みを利かせていたからです。お手盛りの軍政憲法の規定に守られて、チレという国家の中に、軍部という別の国家をつくって老後の人生を現役のまま謳歌していたのでした。
    ところが落とし穴がありました。軍政時代にスペイン人のカトリック尼僧がチレで殺される事件がありました。スペインの有名な判事バルタサル・ガルソンがこの事件の責任者としてピノチェーを追及していました。ガルソンはピノチェーが出国する機会を狙っていました。そして、健康診断のためにロンドンに滞在中だったピノチェーを、ブレア政権下の英当局に逮捕してもらったのです。ピノチェーは1998年10月から2000年3月までの一年半近く、ロンドン近郊で軟禁されていました。
    211p
    政府発表によれば資金繰りに苦しんだフネスは大企業に5パーセントの法人税をかけ、これを社会政策に投入しました。中小零細企業と農業協同組合優先の公共事業および農業生産を敢行しました。これによって失業が減りました。新企業13000社が生まれ、113000人が雇用されました。ALBA食糧計画の支援で食糧輸入も減りました。インゲンマメとトウモロコシは自給自足に近づき、米作も進んでいます。貧困率は2009〜13年に38パーセントから29パーセントに減りました。極貧率は12パーセントから6パーセントに半減しました。08年には富裕層がGDPの63パーセントを握っていましたが、(続く)


今日は2016年5月25日 水曜日

  • カストロとフランコ−−冷戦期外交の舞台裏 細田晴子著 ちくま新書 [amazon]
    158p
    冷戦とキューバの国際主義
     1970年代のアフリカ南西部のアンゴラ危機に際して、キューバは派兵した。そのときカストロは「我々はラテンアフリカ人である」と述べている。事実この際は、自分たちのルーツであるアンゴラの危機と捉え、多くのキューバ人が駆けつけた。
     カストロは冷戦のさなかに、米国ともソ連とも異なる「独自外交」を目指していたのである。カストロは、自分がソ連の操り人形ではないこと、そのように見られることに憤慨していると何度も公言していた。結果的に米国から離れてソ連からの支援を受けるようになっても、ソ連の手先として戦ったのではなかった。白人でもない、帝国に虐げられた、ラテンアメリカとアフリカ文化の交差するところのキューバ人として戦ったのである。東西対立とは異なる南北問題、帝国主義との戦いを念頭に、国際主義を掲げての戦いだった。
     なお、アフリカで難を逃れた孤児たちを教育するための学校建設が発端となり、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの若者が学ぶ「青年の島」(モンカダ兵営襲撃後、フィデルらが捉えられていたピノス島のことであり、日系人も多く住む)に「国際主義学校」がつくられた(現在では国際性情勢の変化、経済危機などもあり閉校されている)。
     キューバは国際主義をもってここから「革命の輸出」を行っていた。この国際主義は、現在の後発医薬品などの研究開発・輸出、医師の「輸出」へつながっていくののである。
     医療分野でのキューバの国際貢献は、すでに1960年代からアフリカやラテンアメリカに対して行われていた。冷戦終焉後、21世紀の現在も、インド洋大津波やハイチ地震などの際に医療関係者を派遣しており、2014年のアフリカにおけるエボラ出血熱の流行にあたっても、多数の医療関係者を迅速に派遣している。もちろんこの「医療外交」の裏には経済・財政的なメリットもある。たとえばベネズエラへの医療援助の裏では石油との交換も約束されており、こうしたところに国際主義の多面性を見ることができる。

    *生存学ウェブサイト『アフリカ関連情報データベース』から
    http://www.arsvi.com/i/2saf1980s.htm#19841104
    1984/11/4
    アンゴラと南ア、キューバ兵撤退合意か ナミビア独立急展開。
    日本経済新聞
    ロンドン三日=武市特派員
     フィナンシャル・タイムズ紙によると、アフリカ南部の共産主義国、アンゴラが同国に駐留させている約二万五千人のキューバ軍を撤退させ、南ア側もアンゴラ南部から撤兵することで両国が基本的合意に達した模様である。これにより両国の谷間で自治権が奪われていたナミビアの独立問題が今後、急テンポで具体化する見通しとなってきた。
     アンゴラはソ連の支援を得て七五年十一月にポルトガルから独立を宣言、同月末には新政権安定化のため同じ共産主義のキューバ軍が進駐した。しかし、アンゴラがアパルトヘイト(人種隔離政策)を理由に南アを激しく非難、さらに南アの反政府ゲリラがアンゴラ南部に拠点を作ったことから両国の間で戦争が繰り返され、このあおりでナミビアは八三年一月以降、南アの完全な支配下におかれてきた。
     両国がここへきて歩み寄ったのは、キューバ軍を撤退させない限り和平の糸口はないとして仲介に入った米国のアンゴラ説得工作が功を奏したものとみられる。完全な合意が成立するためには一ー二カ月の時間が必要とみられる。

  • 手話を生きる−−少数言語が多数派日本語と出会うところで 斉藤道雄著 みすず書房 [amazon]
    123p
     日本手話の発見
     日本ではじめて、ろう者がろう者の手話、日本手話を「発見」したのは1991年のことではないだろうか。
     この年、ろう者であるネイティブ・サイナーの木村晴美は、東京で開かれた第11回世界ろう者会議に参加していた。国立障害者リハビリテーションセンター学院教員として、手話通訳の養成にあたっている木村は、偶然立ち寄った分科会で見たひとりの手話通訳の手話に「衝撃」を受けたという。それはほかのどの会場の通訳ともちがっていた。
     わかるのである。
     日本語を翻訳した手話が、自然に、「ダイレクトに頭にすんなり」入ってくる。こんな手話通訳をそれまで見たことがなかった。いったい誰なのだろうと思って聞くと、一緒にいたスタッフが、あれは仙台の半澤啓子という人だと教えてくれた。

     それまで私が見てきた手話通訳者は・・・・・そのままではメッセージが頭に入らないので、頭の中でいったん、日本語の文章に組み立てるという再構築が必要だった。それなのに、半澤さんの通訳だとそういう再構築は不要で、メッセージがそのまま頭にはいり、しかも心地よい。疲れない。私は、その分科会にいる間、半澤さんの、華麗でいて、よくわかる通訳に目を奪われていた。(木村晴美『日本手話とろう文化−−ろう者はストレンジャー』生活書院、2007年、54-55p) 
    143p
     とてもたいへんな境遇におかれたろう学校の子どもたちは、よくチック症状を呈する。この生徒も小学生のころは首をかしげる、肩をすくめるといったチック症状が顕著だった。明晴学園ができ、主で学べるようになってからは水をえた魚となり、チック症状もいつのまにか消えている。
     中学部を卒業する直前に行ったインタビューで、後半のろう児に贈る言葉はないかと聞くと、何の脈絡もなく、ひとことこういいきっている。
      手話を生きること。そのことをつたえたいと思います。
     手話通訳はこのひとことを、その場では「手話は、生きること」と訳している。けれどもそれでは意味が通じないので、あとで「あれは、「手話で生きること」でしょうかね」といっていた。そうすると彼の決然とした雰囲気は伝わらないので、ここでは「手話を生きること」と訳している。
     インタビューはつづいて、それは手話をたいせつにすることですかと尋ねると、そうですねとうなずきながら、彼はどこか不満げな様子だった。たいせつというよりも、もっと重大なことなんだといいたそうな顔つきだった。


今日は2016年5月29日 月曜日

  • 岳飛伝 十七 星斗の章 北方謙三著 集英社 [amazon]

  • ことばは光 福島智著 道友社 [amazon]
    ひとつ目は、聴力を全て失い押し寄せる不安に包まれていた高校3年生の福島さんの訴えを聞き支援の取り組みを始めた小島純郎さん(当時、千葉大文学部教授)のことばです。
    19p
    障害者は社会から弱い存在と見られています。でも、たとえば盲ろう者は、二つの重荷を背負って生きる一種の英雄だと思うのです。その重荷を少しでも一緒に持ちたい。
    * 日本でリハビリテーションを広げるのに功績あったとされる上田敏(うえださとし:1984年東京大学教授・リハビリテーション部部長。1986年 - 1987年日本リハビリテーション医学会会長)の著作に「不幸の複合体」ということばが使われていると知り強い違和感を感じていたところ、小島さんのことばを知って向かい合うことばを得た気分です。

    ふたつ目は、福島さんの高校時代の担任で、福島さんの大学へ行きたいという希望を支える活動に関わってきた塩谷さんから聞いたことをまとめた部分です。
    144p
     話は塩谷先生の若いころにに戻る。先の三原山のエピソードの後、先生は早稲田大学に入学する。そして、同級生になった全盲の男性と、たまたま知りあった。
     その男性は沖縄出身で、子供のころ戦時中の不発弾が暴発して失明した。まだ返還前の沖縄から苦労して東京の大学に入ったのに、点字の教科書がない。
     塩谷先生は彼のために教科書を作ろうと、点字を学び、同時に点訳グループも結成する。ところが、その全盲の彼は、四年生の八月十五日に陸橋から飛び降りて自殺してしまう・・・・・。
    * 僕が行った大学は、1977年に初めて全盲の学生を受け入れた。当時、点字友の会の活動が活発になったと聞きました。その学生が進学すると予想された、僕らがいつもたむろしていた学部の建物の一部が改装されて対面朗読室になったことを覚えています。

    みっつめ、以下を読んで、大学生の時、留年して障害者運動に関わり始めたころ、父親に「中学生の時、家庭訪問に来た担任が、龍一郎君は成績はいいがクラスメイトに冷たいようだ、と言っていたのに、ずいぶんな変わりようだな」と皮肉っぽく言われたことを思い出してしまいました。
    202p
    しんどさをしっかり受け止めた人は、他人が抱えているしんどさについても敏感になると思います。もちろんすべてが順調なら、それはそれでいいんですが、そういう人生を歩んできた人は、他人が抱えているしんどさに鈍感になってしまうじゃないかと思います。そしてその人自身の人生も、厚みのないものになる可能性があるんじゃないかという気がしますね。
    * 反差別運動、障害者運動と関わっていなかったら、今も僕は「他人の抱えているしんどさについて」もっと鈍感で、もっと薄っぺらな人生をおくっていたのかな、と思ってしまいました。

  • 埋み火 日明恩著 双葉文庫 [amazon]

  • ロード&ゴー 日明恩著 双葉文庫 [amazon]


今日は2016年6月9日 木曜日

  • 迫り来る革命 レーニンを繰り返す スラヴォイ・ジジェク著 長原豊訳 岩波書店 [amazon]
    200p
    マイクロソフト社の独占から得られた教訓は、まさにレーニンのそれではないのか?国家装置をかいしてこの独占と闘うよりも(マイクロソフト社の分割という裁判所命令を思い起こして欲しい)、マイクロソフト社を誰もが自由にアクセスできるように

  • 第一次世界大戦史 風刺画とともに見る指導者たち 飯倉章著 中公新書 [amazon]

  • 世襲格差社会 機会は不平等なのか 橘木俊詔・参鍋篤司著 中公新書 [amazon]

  • 手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生 荒美有紀著 朝日新聞出版 [amazon]
    荒さんが福島智さんのことを知っている病院の臨床心理士を通して盲ろう者支援センターにつながったことを知り、昔読んだ論文で大田区のケースワーカーが青い芝の会の立ち上げを本人たちに勧めただけでなく「結婚したければ生活保護をとればいい」と書類の作り方を教えたという話が頭に浮かびました。で、改めて「仲介者」としての専門家、ボランティアの役割の重要さを感じました。


今日は2016年6月14日 火曜日

  • 江戸の災害史−徳川日本の経験に学ぶ 倉地克直著 中公新書 [amazon]


今日は2016年7月4日 月曜日

  • ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン 小路幸也著 集英社 [amazon]

  • ストレンジャー・イン・パラダイス 小路幸也著 中央公論新社 [amazon]

  • The Dispossessed Ursula K. Le Guin著 Harper Perennial [amazon]
    テーブルの本の山の下から、これが出てきた。
    40年前、京都にいた友達がやってきて、一緒にその頃銀座にあったイエナへ行った時、勧められて買った本だ。
    そのまま10年近く眠らせていたが、何の機会だったか忘れたが、手に取ったら面白くて読んだ。
    この本の簡明な文体になじむと英文も書けるようになるかなと考えて、何ページか書き写したことも思い出した。
    またまた読み始めたら面白くて、10日ほど持ち歩いて読んだ。
    冷戦、ベルリンの壁etcが実際にあった時代の作品なんだと実感しながら読んだ。
    描かれている社会生活とそれを支えるツール、今ならまた違った書き方になるのか、そんなに違わないのかな、と考えながら読んだ。

  • 思想を織る 武谷三男著 朝日新聞社 [amazon]
    部屋を片付けていたら出てきた
    新刊で買って読んだ本だから、ほぼ30年前に読んでいる。
    30年ぶりに読んで、この人の本を読むようになって僕はずいぶんとたくさんのことを学んだのだなと改めて感じた。
    40年前、大学3年生の秋、講演のお願いをしに会いに行った時のことも思い出した。
    戦時中の留置所ぐらしの影響もあって足が良くなかったのに加え視力も落ちてきたので講演は断っている、とのことだったが、小一時間ほど時間をとって僕の話を聞いてくれた。で、「他にやりたいことがはっきりとあるのなら大学へ行かずにそれをやればいい。そうではなく、漠然と大学はいやだと思っているのだったら、その気持ちを抱えたまま他の人と同じように学校へ通ってごらん」というアドバイスをしてくれた。
    仕事部屋として借りている部屋で、武谷さんしかいなかったので、立ってお茶を淹れてくれたことも印象に残っている。

  • 戦国武将の実力 − 111人の通信簿 小和田哲男著 中公新書 [amazon]


今日は2016年7月18日 月曜日

  • 小説家の姉と 小路幸也著 宝島社 [amazon]

  • ポジティブ・アクション −−「法による平等」の技法 辻村みよ子著 岩波新書 [amazon]
    62p-67p

    (4)アフリカ諸国
     1960年代から70年代にかけて欧州の植民地支配を脱して多くが独立を果たしたアフリカ諸国は、今日ではジェンダー平等政策の点でも飛躍的な発展を遂げています。世界の女性議員比率ランキングで、2003年に北欧諸国を追い越しトップに立ったルワンダ(56.3%)、4位に位置する南アフリカ共和国(44.4%)をはじめ、30%を超える上位26位内(2011年6月末現在、カッコ内は女性議員比率)には、クオータ制を採用した国として、モザンビーク(39.2%)、アンゴラ(36.6%)、タンザニア(36.0%)、ウガンダ(34.9%)、エクアドル(32.3%)、ブルンジ(32.1%)、マケドニア(30.9%)、ギアナ(30.0%)の10か国が入っています。
     ちなみにサハラ砂漠以南のアフリカ全体では、クオータ制採用率は、45か国中18か国と、40%にものぼっていますが、これは南部アフリカ開発共同体が1997年に宣言を発し、2005年までに意思決定過程の女性比率を30%にする目標を掲げたことに起因しています。
     以下では、このうちの代表的な例として、ルワンダと南アフリカ共和国の場合をみておきましょう。

    ルワンダ共和国
     ドイツとベルギーの植民地であったルワンダは、1961年に国民投票で共和制を樹立し、翌年独立しました。ツチ族とフツ族の抗争から1990年に内戦がおこり、国連が介入して停戦となりましたが、100万人近いツチ族等の虐殺が行われました。2003年に施行されたルワンダ共和国憲法では、大統領を元首とする共和制を採用し、基本原則に関する9条4項には、「法治国家の建設、多元的で民主的な政体、すべてのルワンダ人とりわけ男女間の平等は、意思決定機関の少なくとも30%のポストを女性に与えることを確保することによってもたらされる」と定めています。
     ルワンダ議会は下院と上院の二院から成りますが、下院では、08年9月総選挙の結果、女性議員が56.3%を占めました。下院は、選挙で選ばれる80人の議員(任期は5年)で構成され、その内訳は、憲法76条で次のように定められています。
     (1)53人は、憲法77条の規定(比例代表制)にしたがって直接選挙で選出される。(2)24人は各地方(Province)と首都キガリから2人ずつ選出される女性議員。その選出は、各州(District)・各市・キガリ市の議会、および地方・州・キガリ市・地区の女性団体の執行評議会のメンバーからなる拡大委員会により間接選挙で行う。(3)2人は、全国青年評議会から選ばれる。(4)1人は、障がい者協会の連合会から選出。投票は2回に分かれ、まず直接選挙で(1)の53人の議席が比例代表制によって政党擁立の候補から決定された後、(2)(3)(4)の間接選挙が、政党とはかかわりなく実施されます。
     この規定では、女性、青年(未成年者)、障がい者にそれぞれ議席の30%、2.5%、1.25%が割り当てられています。あわせて、(1)の比例代表選挙でもジェンダー平等が明示されており(77条3項)、青年・障がい者からも女性が選ばれた結果、03年9月の総選挙では、最終的に女性の国会議員が39人(48.8%)、08年9月総選挙では、45人が当選して、最終的に世界で唯一、かつ初めて、女性議員が総議席の過半数を占める56.3%となりました。
     上院については、議席数が26で、少なくとも30%が女性であることが明示されています(82条)。そのうえで、26人の議員のうち、(1)12人は各地方と首都キガリから1人ずつ選出され、(2)8人が、大統領によって歴史的に廃除されてきた地域から任命。(3)4人が政党の連合体から選出。(4)1人が、助教授以上または研究員の資格をもつ者から国立大学・研究所内で選出。(5)1人が助教授以上または研究員の資格をもつ者から私立大学・研究所内で選出されます。このような選挙方法によってルワンダの女性上院議員は、03年総選挙で9人選出され、比率は34.6%となりました。
     ルワンダの憲法では、これらのクオータ制は、一部の人種や部族に権力が集中することを防ぐものであることが明確にされており、54条では、政治機構が、人種・民族・部族・氏族・地域・性別・宗教その他の差別をもたらす区分に由来して組織されることを禁じています。これによって、政府にも、あらゆる地域、民族、宗教が代表される仕組みが確保されています。
     このように、ルワンダの「議席リザーブ制」は、民族対立と虐殺からの復興をめざす、人口1030万人(2010年)の多宗教・多言語の発展途上国において、代表の多様性を確保するために確立されたものであり、きわめて特有のものです。このようなクオータのが、ルワンダ憲法にも明記されている国民主権規定(その普遍性、主権者人民の不可分性)と抵触する危険はありますが、一方で、憲法が掲げる基本原則のなかに、少数民族・ら、み部族に対する差別の根絶と国民統合の確保、権力の均衡、「多元的な民主制」などが明示されたことにより、整合的に解釈することができると思われます。現代の多元主義・多文化主義的な国家の運営において、一つのモデルとなる憲法であるといえるでしょう。

    南アフリカ共和国
     南アフリカ共和国の場合は、ルワンダとは違って、憲法や法律によって強制されたクオータ制を採用しているわけではありません。
     南アフリカでは、1990年代のアパルトヘイトの崩壊後、96年に新憲法が制定され、女性の参政権確立が明記されました。この過程で、支配政党ANC(アフリカ民族会議)が自発的クオータ制を採用し、女性議員候補者枠を候補枠の30%に増加させたことが大きな意味をもちました。このANCを中心とする国民統一政府は、ジェンダー平等委員会や、女性の地位局を設置して、公共部門の女性管理職登用のみならず、各部門の女性の雇用比率を30%以上にする目標などを明示し、人種差別撤廃のための運動とあわせてジェンダー平等のためのポジティブ・アクションを多用しました。
     2009年には女性候補者の割当比率を50%に拡大し、これによって下院定数の44.5%の女性議員を当選させて、世界3位になりました。わずか17年前の1994年に世界141位であった国で、03年には14位、09年4月選挙で3位(2011年6月末現在は4位)になった経緯は、注目すべきものといえるでしょう。

  • 家族のシナリオ 小野寺史宜著 祥伝社 [amazon]

  • ずんずん! 山本一力著 中央公論新社 [amazon]


今日は2016年9月20日 火曜日

  • 占領と平和−“戦後”という経験 道場親信著 青土社 [amazon]
    道場さんにもっと話を聞きたいと思っていたところに訃報が・・・
    冥福を祈ります。

  • 陰陽寮 怨霊篇 富樫倫太郎著 トクマノベルス [amazon]

  • 焦土の記憶 沖縄・広島・長崎に映る戦後 福間良明著 新曜社 [amazon]

  • 室町無頼 垣根涼介著 新潮社 [amazon]

  • 幹事のアッコちゃん 柚木麻子著 双葉社 [amazon]

  • 監督が好き 首藤靖貴著 ハルキ文庫 [amazon]

  • 英仏百年戦争 佐藤賢一著 集英社新書 [amazon]

  • シャバはつらいよ 大野更紗著 ポプラ社 [amazon]
    食事を摂らないと薬をのめない、そんな状態の中で遭遇した東日本大震災。SNSでつぶやいたら食べ物を買ってきてくれる人が何人もいた。「災害ユートピア」はすぐそこにあった。

  • 放課後の音符(キイノート) 山田詠美著 新潮文庫 [amazon]
    部屋を片付けていたら出てきた。読み始めたらとまらなくなった。

  • 空へ向かう花 小路幸也著 講談社 [amazon]

  • 残響 柴田よしき著 新潮文庫 [amazon]

  • 多恵子ガール 氷室冴子著 コバルト文庫 [amazon]


今日は2016年10月10日 月曜日

  • われらは愛と正義を否定する 横田弘・立岩真也・臼井正樹 生活書院 [amazon]
    86p 上 左から3行目
    行間なし

    90p 下
    左から4行目
    行間なし

    122p 28
    一月月号 → 一月号

    124p 35
    稲場雅樹 → 稲場雅紀

    179p しゅうねんへの言及
    僕と同じ歳の高橋秀年
    → 富士学園との関わり

    その先の「九州へ行ってアフリカの支援のこととかやっている元法学部の女性」→大倉純子さん

  • 風流太平記 山本周五郎著 新潮文庫 [amazon]

  • 〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 兵藤裕己著 講談社学術文庫 [amazon]

  • 上野池之端 鱗や繁盛記 西條奈加著 新潮文庫 [amazon]

  • 禿鷹の夜 逢坂剛著 文春文庫 [amazon]

  • 江戸のパスポート: 旅の不安はどう解消されたか 柴田純著 吉川弘文館 [amazon]



今日は2016年10月20日 木曜日

  • 人斬り半次郎 幕末編 池波正太郎著 新潮文庫 [amazon]

  • 明るい夜に出かけて 佐藤多佳子著 新潮社 [amazon]

  • 鳥獣害−−動物たちと、どう向きあうか 祖田修著 岩波新書 [amazon]

  • 用心棒日月抄 孤剣 藤沢周平著 新潮文庫 [amazon]



今日は2016年10月22日 土曜日

  • テンペスタ 最後の七日間 深水黎一郎著 幻冬舎文庫 [amazon]

  • 神様がくれた指 佐藤多佳子著 新潮文庫 [amazon]



今日は2016年11月15日 火曜日

  • 天晴れアヒルバス 山本幸久著 実業之日本社 [amazon]
    世田谷線小説と接続!

  • 渋谷に里帰り 山本幸久著 新潮文庫 [amazon]
    大学生の頃、ウロウロしていた渋谷を思い出す。

  • 早坂家の三姉妹 小路幸也著 徳間文庫 [amazon]

  • ママの狙撃銃 荻原浩著 双葉文庫 [amazon]

  • 無防備都市 禿鷹の夜2 逢坂剛著 文春文庫 [amazon]

  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争 麻田雅文著 中公新書 [amazon]

  • あなたを認知症と呼ぶ前に−−〈かわし合う〉私とあなたのフィールドワーク 出口泰靖著 生活書院 [amazon]



今日は2016年12月4日 日曜日

  • 聖夜 佐藤多佳子著 文春文庫 [amazon]

  • 第二音楽室 佐藤多佳子著 文春文庫 [amazon]

  • 最弱フットガールズ 三岡雅晃著 徳間文庫 [amazon]

  • 自閉症連続体の時代 立岩真也著 みすず書房 [amazon]
    212p
    1 なぜ括り出されたのか
     近代社会において必然的に障害が損な場所に置かれるということに加え、さらに発達障害が現れるにあたっては、それに加わる事情があるように思う。そしてそれは「括り出し」とそのうえでの括り出された人々の困難を一方では示すのだが、他方で同時に、社会全体としての余剰・余裕を示しており、ゆえに基本的には無理してそこに適応する必要がないこと、それでも各自が十分にやっていけることを示すものでもあると考える。

    250p
    4 撤退してもかまわないことが示されている
     まず一つ、「発達障害」の人に限らないのだが、無理して参加しなければならないほどこの社会は人手にまったく困っていないということである。だからこそ「発達障害者」という仕分けが起こっているのでもある。このことも述べた。根気はいるがたんたんとやっていく仕事、黙ってやっていけばよい仕事がーー一部コンピュータ関連等ではそうした仕事が新たに起こったのではあったが、総体としてはーー減った。そのようにして生産力が増大し、とくに今あげたような仕事をする人が不要になり、人手がますます余るようになった。それは「不適応」な人たちが目立つことでもあり、その人たちをなんとかしようという動きにつながるものでもあった。
     この現象は、たしかに私たちの社会の所有の仕組みのもとでは、不利な人を生み出す。だからその「対策」も講じられようとする。しかしもとから考えればこれは、人がしなくてよいことが増え、人が余っているということである。これは基本的にはよいことなのだ。そこから考えるべきである。

  • カイシャデイズ 山本幸久著 文春文庫 [amazon]

  • 支援vol.6 「支援」編集委員会 生活書院 [amazon]

  • ズレてる支援!−−知的障害/自閉の人たちの自立生活と重度訪問介護の対象 寺本晃久・岡部耕典・岩橋誠治・末永弘著 生活書院 [amazon]
    「支援vol.6」に掲載された深田耕一郎による書評も一読を勧めたい。

  • 出雲国誕生 大橋泰夫著 吉川弘文館 [amazon]

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アマゾンのアソシエイツになりました。
昨年、亡くなったスティーブン・J・グールドの本を買ってもらいたいと思っています。
紹介文をボチボチ書いていくつもりです。まずはアマゾンのサイトでのグールドの本の紹介を読んでください。
Ngugiさんの本も、アマゾンで探してください。



作成:2014.5.2
by 斉藤龍一郎 僕あてのメール