圭子の夢は夜ひらく
 
〜藤  圭子〜
 

  
 
 赤く咲くのは  けしの花
白く咲くのは 百合の花
どう咲きゃいいのさ  この私
夢は夜ひらく
 
 
70年安保の年。 
ベトナム戦争の激化。 
大阪万博。 
  
そんな時代、 
背景真っ黒、ピンスポットで白いギターをつまびきながら 
少女がドスをきかせて歌った。 
  
藤圭子。宇多田ヒカルのかぁちゃん。 
阿久悠は、「人々は、この少女の歌と姿に、時代の怨みめいたものを重ねたのである」という。 
  
アンパン7歳。 
でも、この曲は覚えている。 
わけもわからず「アンポハンタイ」という言葉も使っていた。
 
十五 十六 十七と
私の人生暗かった
過去はどんなに暗くとも
夢は夜ひらく
                 
「どう咲きゃいいのさこの私」と「過去はどんなに暗くとも」が、 
何を信じていいのかわからない時代の中でキーワードになったと阿久悠はいう。 

今こんな曲が世の中に出ると 
「くらぁ〜」 
の一言でおわるだろう。 
  
ところで、丸亀ユニオンでは、この曲を便利に使おうとした経緯がある。 
数え歌特集と題して、こんなメドレーをやろうとした。 

(複数あるものは内1曲) 

 [1] 春一番、アタックNo.1、1月1日 

 [2] 2人は若い、ふたりでお酒を、あずさ2号、バビル2世 

 [3] 3年目の浮気、旅姿三人男、高校3年生、ルパン3世 

 [4] 4つのお願い、四季の歌 

 [5] フィンガー5もの、5 Spot After Dark、五木の子守歌 

 [6] 六本木心中、六本木純情派 

 [7] ウルトラセブン(決定) 

 [8] エイトマン、ハチのムサシは死んだのさ 

 [9] サイボーグ009、ベートーベンの第9交響曲 

 [10] 十戒、美しい十代 

 [16] ナイナイ16 

 [17] 17歳、17の夏 

 [15、16、17] 圭子の夢は夜ひらく  

 [22] 22歳の別れ 

 [28] 鉄人28号 

 [38] てんとう虫のサンバ 

 [99] 思い出の九十九里浜 

 [365] 365歩のマーチ 

 [999] 銀河鉄道999 

 [1000] 千曲川 

 [10000] 君の瞳は一万ボルト、アルプス一万尺 

 [37458] みなしごハッチ 

 [50000] 五万節 

 [1000000] 百万本のバラ 

 [∞(無限大)] どうにもとまらない  

この企画はあまりの物量にアレンジャーが悲鳴をあげ没になった。