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米国のネットワーク上の人権団体として著名な"Center for Democracy and Technology(CDT)"が、米大統領候補者たちの個人情報保護の程度を評価しているとCNETが伝えています。
この調査と評価はCDTのサイトに公表されていますが、さまざまな問題を含むものです。
2000年の米大統領選挙に向けて各候補者がweb上にホームページを開設し、そこでボランティアの募集や寄付金集めをしているのですが、200ドル以上の寄付には、選挙法上の報告義務がありますから、サイトでは寄付者にクレジットカード番号と同時に氏名、住所、勤務先、職業、そのほかを尋ねています。また、ボランティアに対しても連絡用に氏名だけでなく電話番号、メールアドレスなどを尋ねています。候補者たちはこのように個人情報を収集しているのですが、過去においては、このような情報が選挙とは関係なく使用されたり、販売されたと告発された例があります。 "In the past, however, campaigns have been accused of selling or trading the names and information of their contributors and volunteers for purposes unrelated to the explicit reason for which this information was collected." この調査では、候補者のサイトのホーム、ボランティア募集、寄付金募集の3カ所のページについてprivacy policyが掲示されているかどうかで、8月27日現在で次のように評価しています。 A:3つのページすべてにprivcy plicy が掲載されている。 B:個人情報を収集しているページにだけ掲載されている。 C:いずれか1ヶ所に掲載されている。 F:どこにも掲載されていない。 +-は見やすさを考慮 その結果は、最後に引用した表の通りで、かなりひどい状態です。Aは11人中、John McCainとAl Goreの2人だけ、Bが2人、Cが1人で残りはFというものです。Aの2人は、米国政界でも情報通信分野に詳しいと定評がありますから、当然ですが、それ以外の候補者については、プライバシーの保護を口では言いながら実際にはこの程度という少々みっともない結果です。 米国政府の個人情報保護のガイドラインであるsafe harborとそのFAQはEUとの交渉の過程で詳細化されているのですが、なお、EUの基準とはやや離れており、また人権団体もその点を批判しているのが現状です。そこでCDTとしては各候補者のprivcy policyの内容にわたって評価したかったようですが、privacy plicy自体を掲載してない候補者が多すぎてまだその段階にはないというものです。 この結果について大統領候補者たちのプライバシーに対する意識の低さやその公約が実のないものだと批判することは可能ですが、もう少し別のEUとの交渉という観点から見ることも可能です。 EU指令に基づいてEUと米国の間では個人情報保護に関する話し合いが継続しています。米国がEU指令が要求する「個人情報を適切に保護している地域」にあたるかどうかについての交渉で、当たらないとなればEU諸国から個人情報を米国に送信することができなくなり、電子商取引その他に大きな影響を及ぼすことになります。 この交渉は6月のサミット前に決着する予定でしたが、今秋決着を目指してなお話し合いが継続しています。その過程で米国政府は個人情報保護のガイドラインとしてsafe harborを示しているのですが、なおEUは納得していません。話し合いでは自主規制であるsafe harborにおいてどのように実効性を担保するかという点に焦点が集まっています。しかし、EUはもう一つ別の見方をしているようです。ガイドラインとしてどんなに厳格なものが作られたとしても、それを実際に多くの企業や団体が採用し、普及しなければ意味はないわけで、EUはsafe harborの内容と同時に社会的なルールとして実質的に定着するかどうかを注視していると思われます。米国政府もその点は理解しており、産業界への働きかけなども積極的に行っているようです。 そのような状況下で次期大統領候補たちのサイトの現状がこの程度であるというのは、かなり問題を含むと言えます。EUから見た場合、候補者たちでさえこのレベルでは、一般への普及はまだ遠い話しと理解するかもしれません。それでは日本はどうでしょうか。EU指令の影響を受けるのはわが国も同様です。 わが国も米国と同様、自主規制のガイドラインを作成し、それによって個人情報保護を図る政策です。これは、社会的ルールとして普及すれば優れた考え方です。プライバシーの概念が曖昧なこと及び情報流通による経済活動の活性化とのバランスを取る必要があることからすれば、最小限度を法律で強行する方式よりも柔軟かつ適切に個人情報を保護することができるからです。 わが国のガイドラインとしてはJIS Q 15001が公表されています。これはiso9000などと同様、マネジメントシステムとして継続的に個人情報保護の向上を図るもので米国のシールプログラムなどにはない特長を持っています。しかし、その場合にも米国同様どの程度実質的に普及しているかという点が問われることになると思います。 その意味ではわが国の政治家、政府関係者、官庁、自治体などのサイトがprivacy policyをどの程度掲示しているかは重要な意味を持つ可能性があります。最近では国会議員がホームページを開設する例も少なくありませんが、そこでの個人情報の扱いについて注目してみる必要があるかもしれません。 (from CDT "A First Test: The Candidates and Their Privacy Policies")。
* While Mr. Forbes does not have an explicit privacy policy on his Volunteer page, privacy is mentioned in the introduction. ** Despite separate navigation on his home page, Senator Hatch has one page for both Volunteers and Contributions. This page links to a separate privacy policy. |
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