YahooがGeoCitiesを合併
 CNETをはじめ、米国のオンラインニュースは Yahoo が GeoCities を株価の評価で35億6千万ドルで合併したことを大きく伝えています。ほかのポータルサイトが情報面を重視しているのに対してGeoCitiesは世界的にユーザーのコミュニティー展開している点に特徴がある企業です。

 最近では @Home が Excite を67億ドルで、また AOL が Netscape を42億ドルで買収したことが、話題になっていますが、買収規模としてはこれらに次ぐもので、円に換算すると約4000億円という金額は、フォードがボルボを買収した金額の2分の1を越えると考えるとその規模の大きさがよく分かります。もっともYahooが現金で支出するのではなく新株を発行するに過ぎない資本取引だからこそできる話なのかもしれません。

 この合併の特徴をどのようにとらえるかは色々な見方があると思いますが、私は次の2点が上げられると思います。

・コミュニティー系のインターネットビジネスに対する評価であること
 ポータルサイトではサーチエンジンを中心にニュース、ショッピングなどを並べてユーザを集めているのですが、GeoCitiesはそれらのポータルサイトとは明らかに異なり、ユーザにコミュニケーションスペースを提供してきました。したがってこの35億6千万ドルとという資本取引上の評価は、ユーザのコミュニケーションによるコミュニティーのビジネスサイドからの初めての評価です。わが国のネットワーク関係者のコミュニティーに対するビジネス的評価はあまり高くないのと対照的ともいえます。
 わが国でのコミュニティーの評価が高くないのは、NIFTY-Serveなどのパソコン通信系を除くと純粋にインターネット上で成功した例がないこと、また、それを成功させるノウハウをもった専門家が少ないことなどが上げられます。しかし、いずれは、わが国でも同様の発展を遂げていくと予想されます(この分野を専門の1つとする私の希望的観測もあります)。
・インターネットの中で成長した企業同士の合併である
 @Home はCATVの会社でありしかもその背後にはAT&Tという巨人が控えていますが、いずれもインターネットの中で成長した企業ではありません。また AOL もパソコン通信から発展した企業であり、インターネットに対してはオープンな姿勢を取りだしたのは昨年の後半に過ぎません。それまではAOLの大半のコンテンツ群はファイャウォールの中にあって、インターネットからも利用できるというに過ぎませんでした。
これに対して今回の両者は純粋にインターネットの中で急成長を遂げてきた企業です。両者のトップはそれぞれ
Yahoo chief executive Tim Koogle said in a statement. "Through this acquisition, we are accelerating our global leadership position by combining two of the Web's strongest brands and most heavily used services into one powerful offering." と
GeoCities CEO Tom Evans said in a statement. "This combination will allow us to accelerate our offerings to GeoCities and Yahoo users worldwide."
のように半ば定番のコメントを出していますが、インターネットを知っている企業同士の合併だけにうまくすれば、コメント通りの結果が得られるかもしれません。

さらに細かく分析するときりがありませんが、ほかのポータルと比較してかなり良好なコミュニティーを作り上げつつあった Yahoo がこの合併に踏み切ったことも考えてみる必要があるでしょう。

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