MP3の機器、音楽著作権の訴訟で出荷停止
Battle flares over digital music
RIAA wins first Rio battle
Judge Delays Digital Player
米国レコード産業協会(The Recording Industry Association of America's =RIAA)が10月9日にシリコンバレーのハイテク企業であるダイヤモンドマルチメディア社の「Rio PMP300 player」をThe American Home Recording Act違反を理由に出荷差し止めを提訴。中央カリフォルニア連邦地裁はダイヤモンドマルチメディア社に対して10日間の出荷停止を命じた。

Rioは、音楽データをファイルに圧縮するMP3(MPEG 1,Audio Layer 3)を使ったもので、ユーザーはインターネット上のファイルをダウンロードし、Rioにデータを登録して60分間再生することができる。その音質は十分に音楽マニアを満足させることができるとされている。また、The American Home Recording Act は、その内容の詳細は不明だが、DATによる音楽データのコピーについて規定したもので、機器メーカー等があらかじめ著作権料を支払うことで個人による音楽データのコピーと著作権者の利益を調整するものと考えられる。

ダイヤモンドマルチメディア社は、RioはDATのように音楽データをコピーするものではなく、パソコンからデータを取り出して演奏するに過ぎない。また The American Home Recording Act はコンピュータの周辺機器を対象にしていないと主張している。

CNETは「RIAA wins first Rio battle」と報じているが、この10日間の出荷停止をもってRIAAの勝利と見るのはやや早計で、裁判所は RIAA に対して、ダイヤモンドマルチメディア社の損害を担保するために50万ドルの供託を命じており、また、出荷停止も仮処分を出すまでの一時的な処分である。

いわば単なる再生装置に過ぎないRioを録音・再生装置であるDATと法的に同視できるかはたしかに疑問がある。さらにパソコンを使ったオーディオ処理はDATなどと異なり汎用的であって例えばテレビ電話など音楽著作権とは無関係な分野にも及ぶため主として音楽を対象とするDATと同様の規制に馴染むかは考慮の必要がある。

しかし、米議会はインターネットとの関係で著作権を保護するためフェアユースの範囲を制限する法律を通過させている。これは、ネットワークにおける電子商取引を念頭に置いたものであり、Rioの問題もネットワークを前提としない The American Home Recording Act の解釈では違反がないとしても、だからといって著作権者の利益を考慮しなくてよいというものではない。

ニューヨークタイムスが、Cary H. Sherman(senior executive vice president and general counsel of RIAA) のインタービューとして
「この訴訟はデジタル音楽の配布を止めることが目的ではなく、著作権者をよりよく保護した電子商取引を開発するための時間をレコード業界・コンピュータ業界に与えるためのものである。私たちは、コンテンツの保護技術をどのように提供するかの問題解決を両業界が進めることを望んでいる。」
と伝えている点が重要である。

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