新聞記事のHPへの転載が訴訟になったケース
The Los Angeles Times and The Washington Post filed a copyright-infringement lawsuit against a Web site that posts their articles without permission. (from NY times.1998.10.01)

ニューヨークタイムスによるとロサンジェルスタイムスとワシントンポストは、長期間にわたり大量の記事を使用したとしてFree Republic comのJim Robinsonをロサンジェルス連邦裁判所に訴えた。Jim Robinsonは、憲法の表現の自由と著作権法のfair use条項によって保証されていると主張している。

この事件は、問題になったFree Republic comを見ると単純にRobinsonがこれらの新聞の記事を転載したというものではなさそうである。このサイトには会員が自由に書き込むことが出きる電子会議が用意されていて、そこに書き込まれたarticleの中に新聞の記事を転載したものがあったということのようである。

したがって単純にRobinsonを被告とすることで良いかは当然争われる。本来相手にすべきは、そのarticleを書いた個々人ではないかということである。これはAOLの事件が参考になる。

また、そもそも、インターネットの会議室やパソコン通信のBBSにはしばしばその参加者によってマスコミの記事が持ち込まれることがある。日本の著作権法で許容されている引用の範囲内かどうか疑問なケースも少なくない。しかし、通常は新聞社等も監視が行き届かず、被害額も僅少なので見過ごされているのが実状である。但し、富山大学の小倉教授が朝日新聞から抗議を受けたことはある。

ニューヨークタイムスの記事の中で。
"It's a very important lawsuit because it's a question that needs to be settled," said John Shepard Wiley Jr., a law professor at the University of California at Los Angeles.
は、注目すべきである。解決されなければならない問題として重要な訴訟だとしているのは、インターネットの慣習のようなものとしてこのような転載は許容できるのではないかとも思われるからであろう。

一般の市民が利益を目的とせずに議論用の会議室やBBSに書き込むことはネットワークではよくあることである。また、他のユーザーもそれを見ることによって新聞を読まなくなることもないと云う意味で著作権の侵害としては軽微である。また、会議室全体をひとつの著作物ととらえ個々のarticleはその一部であってひとつのarticleをみれば著作権法上禁止されている転載に見えても全体としては論評のための引用とも考えられる。ネットワークの発展のためにはこの程度のものは許容すべきともいえる。

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