会場で見つけた怪しい車、その1

 こういう車のイベントには、普段見かけることのない車がやってくる。それを見るのも楽しみの1つである。ここではそんな怪しい車を紹介したい。

 ここはギャラリー用の駐車場。怪しい車が紛れ込んでいる可能性が高い。今回はたくさんの車がやってきた。ほぼ満車/空車枠が少ない状況だった。



 ちなみに、マツダ車以外も多かった。マツダファンのフェスタといいつつ、マツダの宣伝の場でもあるので、他銘柄車がたくさんいたほうがいい。




 そんな中、怪しい車を見つけた。フォードのプローブである。ナンバーは2桁。塗装などは傷んでいるが、傷みの進行を最小限に抑えつつ、現状維持ペースで大事に乗っているんだろうなあと感じた。




 塗装の傷みの他、本革シートも割れなどが発生していた。が、これはやむを得ないし、本当に本革シートである証でもある。現在の車の本革シートは「なんちゃって本革シート」で、ほとんどがフェイクレザーで作られている。本革が使われている部分は、シートクッションとシートバックの一部だけ。
 なぜこんなことになっているかというと、シート表皮に割れなどの劣化が発生しにくくするためだ。フェイクレザーなら割れにくい。特にランバーサポートの部分は、どの本革シートでも傷みやすく、実際この車でも劣化が激しい。劣化がたくさん発生している本革シートとは、品質が悪いシートではなく本当に本革シートなのである。



 あと、超珍しいものが付いていた。Aピラーにシートベルトが付いていることがわかるだろうか。これ、日米自動車摩擦が激しかった頃の名残といっていいもので、車に乗り込むと矢印部分がBピラー側に移動し、シートベルトが装着されるというギミック。



 そもそも何でこんなギミックがあるかというと、日本からの小型車輸出に苦しむアメリカが自国の自動車業界を保護するため、事実上の非関税障壁としてこんなものを義務づけたためだ。

 そのロジックはこうだ。
 1. 小型車は車が小さいので衝突事故を起こすと危ない。
 2. 危ないから強制的にシートベルトを装着させて搭乗者を保護する装置が必要だ。

 当のアメリカ人からしても、あまりにあんまりな非関税障壁だったのだろう、90年代の一部の時期にしか装着されなかった。