IN側タンク部分のクーラント温度は?
まずAZ−1の場合だ。実測値がある。写真左から、水温計・サーモスタット直後・ラジエタータンク直前の各温度になっている。水温計の針が中央付近で、サーモスタット直後の温度は電動ファンスイッチがONになる92℃程度となっている。その際のラジエター直前の温度は63℃ほどになる。
サーモスタット直後とラジエタータンク直前の温度に30℃ほどの差がある。これはラジエターまでの配管が長いため、途中で冷却されたと考えられる。
ではアトレーはどうか。アトレーの場合、エンジンが運転席下にあることから、ラジエターまでの距離がFF車より長くなっている。
最後はFF車のワークス。エンジンからラジエターまでの距離が最も短いことは自明だ。
ここでエンジンからラジエターまでの距離と、ラジエタータンク直前の温度(電動ファンスイッチが入った時)を、推定値を含めてまとめてみる。
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エンジンからラジエターまでの距離 |
ラジエタータンク直前の温度 |
ワークス |
0.3mぐらい |
90℃(推定) |
アトレー |
約1mぐらい?? |
80℃ぐらい?? |
AZ−1 |
約3m(実測値) |
63℃(実測値) |
ワークスのラジエタータンク直前の温度は、エンジンからラジエターまでの距離が非常に短いことから、AZ−1でのサーモスタット直後の温度(実測値)とほぼ同じなのは間違いない。
アトレーのラジエタータンク直前の温度は、ワークスとAZ−1のエンジンからラジエターまでの距離と温度の関係を踏まえると、80℃とみればいいのではないか。
次頁では、以上の実測値・推定値をもとに、ラジエタータンク直前の温度とラジエタータンク部分の劣化をまとめなおす。