ラジエターの劣化と走行距離との関係のまとめ

 手短に結論をまとめると、以下の通りとなる。
 1.AZ−1のラジエターは、走行距離20万キロ程度では問題無く使える、
 2.ラジエターコアに穴が開かないならば、40万キロ程度が交換時期と考えられる。
 3.30万キロ程度で、ラジエターを180度回転させてIN側とOUT側を反対にすれば、交換時期は60万キロ程度に延びるなるかも。



 さて、走行距離とタンク部分との劣化の関係を見てみよう。

   23万キロ   45万キロ 
 タンク外側 
 タンク内側 


 ラジエターのクーラント漏れは、以下のプロセスで発生すると考えられる。
1.走行距離が増えるに従って、タンク内側の温度の高い部分、即ちクーラントの入り口付近からクラックが入っていく。
2.さらに走行距離が増えると、タンク外側表面にもクラックが入っていく。タンク内側のクラックはさらに多く、深くなる。
3.最終的に、内側のクラックが外側に通じることで、漏れが発生する。。



 繰り返しになるが、
 1.AZ−1のラジエターは、走行距離20万キロ程度では問題無く使える、
 2.ラジエターコアに穴があかなければ、40万キロ程度が交換時期と考えられる。
 3.30万キロ程度で、ラジエターを180度回転させてIN側とOUT側を反対にすれば、交換時期は60万キロ程度に延びるなるかも(コアに穴があかなければ)。


 最後になるが、もしコアに穴があいてラジエターを交換する場合は、ラジエターのタンク部分とそのパッキンは回収しておこう。タンク部分とパッキンがあれば、仮にタンクが欠品になってしまったとしても純正と同じラジエターを再制作できるので。
 ラジエター屋は、AZ−1のラジエターが回転対称であるということ・ラジエターとエンジンとの距離があることを全く意識していないはずなので、コアがダメ=タンク部分もダメという認識でいる。が、AZ−1の場合はその認識が成り立たないので、実体としてタンク部分とパッキンは再利用できるのだ。
 また念のため走行距離に関わりなく、機会があればラジエターのタンク部分を見て、劣化した時に現れる特徴的な模様がタンク表面に出ていないか確認してほしい。


 次回は、以前紹介したアトレーやワークスのラジエタータンクの劣化度合いとも比較することで、ラジエタータンクを劣化させる因子を特定していく。