toshiくんのAZ−1
製作開始
最終的にボディ全体にまで手を入れてしまったので、全部レポートしていると非常に長くなってしまいます。そこで作業的にも一番苦労し、純正パーツを生かしていないフロントカウルについて、レポートしたいと思います。他の部分で聞きたい事等ありましたらメールでも下さい。
まずはもとのボディに水をかけ、サランラップを密着させます。そしてサランラップの上から発泡ウレタンを発泡させます。こうすれば、もとのボディに傷や汚れをつけることなく、取り外しが可能になります。もちろんやめたければ、やめることも可能。(ただし、日光などによってウレタンが収縮するので、一旦外すと次につけた時ピッタリくっつかなくなります)

作り始め・・・発泡ウレタンで形を作っているところ
形が出来たらFRPを貼っていきますが、この時に直に張り付けていくと、ウレタンを浸食してしまい、せっかく作ったラインもぐちゃちゃになってしまいます。(なりました)この後、パテを使いに使いまくってラインを修正したのですが、お金は掛かるは重くはなるは・・・おまけに作業は大変だし、最悪の状態に陥ってしまいました。さらにこの間に、デザインのバランスを取るため、作業はボディ全体にまで及んでしまったのです。(爆)

FRPを貼り付けたら、ラインがぐちゃぐちゃに
仕上がったフロントカウルはなんと15kg!重いです!純正と比べて5kg位しか変わらないと思いますが、1人で持つのは大変です。そこで、型を取ってFRPだけのものにすればかなり軽くなると思ったので、FRPの型どりをやってみました。基本的にはペーパー1000番位まで仕上げてつるつるにして離型材をつけてというようになると思うのですが、ボクの場合は次に紹介するやり方(自作・ワンオフ向き)でやりました。フロントカウルの重さも約8kg。前に比べて軽くなって満足してます。
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ようやく形ができてきました | フロントカウル、バンパーをFRPに交換しました |
おいしいネタ?
今思うと、フロントカウルはかなり苦労したのですが、そこまで苦労もせずに作る方法があるので紹介します。ここまで大げさな物を作らないにしても、FRPで自作する時には活用できると思います。大したことではないのですが、それはポリプロピレン製のうすっぺらいテープ。よくダンボール箱等の包装用に使われているアレです。D2なんかで、『OPPテープ 包装用』っていうのが売っています。このテープがつるんつるんなのでFRPの離型に活躍してくれます。
では、どうするかというと・・・発泡ウレタンは、いくら形をつくっても発泡したときのす穴が無数に空いてしまいます。これを塞ぐのにパテ等で埋めていっても相当時間が掛かるし、強度の問題も出てくると思います。(ちなみにここで使っている発泡ウレタンは自動車用ではなく園芸・造形用です)となると、やはりFRPしかないのですが、直に貼ると浸食してしまう・・・そこでテープの登場、というわけです。FRPを貼る面にテープを貼っておけば、発泡ウレタンを浸食することなく、離型もいとも簡単に出来ます。そうしてできたメス型の方にもまたテープを貼ってやれば、FRP一体物に変換完了です。テープの跡でいっぱいになるので修正が必要になりますが、発泡ウレタンの状態からいきなりメス型がとれるのは自作派にとって大きなメリットではないかと思います。また、もう一つのメリットとして、はがしやすいということがあります。表面つるつるといえばガムテープ(紙の)もそうですが、これははがすとき破れたり糊が残ったりするので使えません。一方OPPテープの方は、そう言うことは全くありません。純正塗装面に貼っても無傷ではがせるような気がします。(保証は出来ないけど)とにかく自分が作業するにあたって無くてはならない物になってしまいました。ちなみにリヤなんかはこのテープを利用しまくりで、フェンダーなんかはダンボール+発泡ウレタンからFRPに変換しています。作業スピードも格段にアップしました。

同時進行でリアも作っていきます。リアを包んでいるのが例のOPPテープです。
ついに完成
やっぱりトミーカイラZZに似ていますかねぇ。全くと言っていいほど意識してないんですが・・・全体のデザインのバランスを取っていくうちにこんな形になりました。
フロントのヘッドライト周りはAZ−1のノーマルでいう「まゆ毛」みたいなカバーを作るつもりです。
斜め後ろからみたフロントカウルがDINOっぽい。かなり気に入ってるところです。
佃煮直前でフロントバンパーとカウルを分けたところ
なによりも、ワイド&ローを意識して作りました。リヤフェンダーをエンジンフードのラインに合わせたため、かなり腰高になっているのですがサイドダクトの大型化・リヤバンパーダクトの追加・テールランプの2灯化・内側スムージング(あえてダクトにしない)などでカムフラージュしています。
これだけやっても、制作費は20万円弱だと思います。それでもかなり失敗していたので、もっと安く仕上げることも可能だと思います。
製作期間約5ヶ月、毎日毎日同じような事が繰り返され、作業は寒い夜遅くまで続き、失敗に次ぐ失敗で嫌なときもあったけど(愚痴)なんとか完成しました。完成といってもまだまだ仕上げの甘いところもたくさんあり、これから徐々に進化させていくのは必至です。でも、とにかく完成してホッとしました。作り始めた頃の写真を見ると「バカな事を・・・」と思わずにはいられませんが、作るのに夢中になって本当に楽しんでいたと言うのは間違い有りません。これからも何かやるとは思いますが、みなさん暖かく見守ってやって下さい。感想とかあったらメールでも下さい。お願いします。kyorohamu@nyc.odn.ne.jp