鍛造ナイフ教室

火床 鍛造

 12月8日に、講師として、長野在住の全日本刀匠会賛助会員 町田一止さんを招いて開催しました。町田さんは、ストックアンドリムーバブルのラブレススタイルに疑問を持ち、独自のナイフ作りを指向しています。ステンレスのブレードに刃先部分をステンレス鋼を溶接して、日本刀のように粘りと切れ味を探求したり、ダマスカスを自分で打って独自の模様を表したりしてきました。最近では、日本の刃物の原点である日本刀の手法を模索しています。正倉院御物の刀子を再現することにもチャレンジしています。玉鋼を使って、土置きした本焼きで、研ぎも関の日本刀研ぎ師に委託しています。鞘の装飾は、彫金や螺鈿の技巧をこらして、すばらしい作品を作っています。

 10月に出来たばかりの火床を使い、木炭を細かく割って横からブロアで空気を送り込みます。

代表的な鍛造用材料の性質

まずは、材料の性質の勉強からです。火花試験での材料の見分け方、熱処理の仕方などを学びました。

白紙1号これは白紙1号、炭素量1.3〜1.4%です。ペーパーで削ると、火花が盛大に出ます。線香花火のように枝分かれが3段くらいあります。


白紙3号これは白紙2号、炭素量1.1〜1.2%です。ペーパーで削ると、火花が出ますが、1号ほどではありません。線香花火のように枝分かれが2段くらいでしょうか。
青紙3号これは青紙2号、炭素量1.1〜1.2%です。ペーパーで削ると、さらさら削れて、火花がほとんど出ません。白紙と同じ炭素量なのに不思議です。


鍛造実習

鍛造鍛造 町田さんは、重い鎚をとんとんとリズミカルに振り下ろしながら、左手でナイフの裏表をひっくり返し、見る間に思い通りの形に仕上げていきます。実演の後、クラブ員がチャレンジしましたが、なかなか思い通りに行かず、結局助けてもらっていました。