映画音楽 『雨に唄えば』


映画:「時計仕掛けのオレンジ」
"A Clockwork Orange"
曲名:Singin' in the Rain

<解説>
 人心の荒廃した近未来のイギリスを背景に、ウルトラ・バイオレンスとベートーベンを生きがいとする青年アレックス(マルカム・マクダウェル)の活躍を描く問題作。昼は学校にも行かず、夜は仲間とドライブしながら、行きずりに略奪と暴行を繰り返すアレックスとその仲間の姿は公開当時にセンセーションをまきおこした。その後、世界各国でティーンエージャーの犯罪が勃発し、映画は現実を先取りしたとして今日ではその先見性が評価されている。(若者による行きずりの暴力的犯罪は、日本でも「おやじ狩り」として現実のものとなっている。)仲間とともに押し入った住宅で、アレックスは「雨に唄えば」を歌いながら、夫の目の前で妻をレイプする。その後、刑務所に入ったり、犯罪者から暴力性を去勢する新療法の実験台になったりと様々な経験を重ねるが、結局アレックスは元の暴力人間に戻る。仕事と名誉を保証され、ウルトラバイオレンスの妄想に浸るアレックスのラストにもこの歌は再び流れる。レイプのシーンでアレックスが何を歌うかはシナリオには書かれていなかった。リハーサルの際にキューブリックから「自分の好きな歌を歌うように」と指示され、マルコム・マクダウェルが歌詞を全部知っている唯一の歌として歌ってみせたのが「雨に唄えば」だったという。キューブリックはその歌を気に入り、その日のうちにそれを映画で使うための著作権の手続きをとった。明るい朗らかな歌だけに、映画の暴力シーンの陰惨さが強く伝わってくる名選曲である。

I'm singin' in the rain
Just singin' in the rain
What a glorious feelin'
I'm happy again
I'm laughin' at clouds
So dark up above
The sun's in my heart
And I'm ready for love

Let the stormy clouds chase
Everyone from the place
Come on with the rain
I've a smile on my face
I'll walk down the lane
With a happy refrain
Just singin'
Singin' in the rain

Dancin' in the rain
Ya dee da da da da
I'm happy again
I'm singin' and dancin' in the rain

I'm dancin' and singin' in the rain
 

僕は雨の中で唄っている
ただ雨の中で唄っているだけさ
なんて素敵な気分なんだろう
また幸せになれたんだ
僕は雨雲に笑いかける
空は暗く曇っているけれど
僕の心にはお日様が照ってる
新しい恋にはぴったりだ

嵐はそのまま吹かせよう
みんなはあわてて逃げている
けれど雨が降っても
僕は笑顔を浮かべている
道をずっと歩きながら
口から出るのは楽しいメロディ
僕はただ雨の中で唄っているだけさ

雨の中で踊っている
ラララ・・・
また幸せになれたんだ
僕は雨の中で唄ったり、踊ったりしてるのさ

僕は雨の中で踊ったり、唄ったりしてるのさ


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98年9月15日作成