偶然行ったタワレコでの特集、「無人島に持って行きたいこの3枚」……良く耳にする言葉ではある。
しかし、いまのさるこには何だかむなしく響くのであった。
そう、あれは忘れもしない3月29日午後7時、有珠山噴火の恐れにより、病院の患者を無事に避難させた後のことである。地震はどんどん大きくなり、地割れも始まったため、とうとう避難命令が発令され、住みなれた我が家を残して避難することとなってしまった。荷造りに残された時間は、たったの20分…。あせる気持ちを必死に押さえつけ、手当たり次第に荷物を鞄の中に詰めて行く。通帳や金銭…あと15分…、衣類や洗面道具…あと5分…、刻々と期限の時間が迫るなか、ふと
CDに手が伸びた。大事な思い出のCD達…しかしそんなには持っていけないし…震える手でとっさに4枚をわしづかみにし、鞄に詰め込み車で虻田へと向かい、避難所での眠れない一夜を過ごした。次の日自宅待機の指示がでたため、札幌に戻りほっと一息ついたさるこ。鞄を開けると選りすぐりの愛しい
CD達の姿が見える。持ってきて良かったよう、などとひとり言をいいつつさっそく「MAIKING THE ROAD」をかけようとしたその時、思わずムンクと化した。「なんぢゃこりゃああああああああ!!!」
そこにはファンタスティックデザインズの姿が燦然と光っていたのであたのだった。そういえば、さるこには
CDを他のケースにいれてそのままにしておく癖があった。ファンタは嫌いではない、でも…うあああああ。つっつかつっつかと際限なく続く『ブーメラン』のイントロを聞きながら、脱力感にさいなまれるさるこであった。
「早く我が家に戻りたいぜ。」
教訓:
CDはちゃんと元のケースに戻しませう。続く