【9月20日(水)〜30日(土)】

病名:頚部リンパ節炎
 ってことで6日間の入院生活を終えてやっともどってまいりました。いやあの台風非難の前からずっと調子は悪かったんだけどさ。22日にファンタジーノベル大賞授賞式と鮎川賞をはしごしてカラオケ行って帰ってきて、翌日のお昼は京大SF研OB・藤田雅也のファンタジーノベル大賞優秀賞受賞を祝う内輪の昼食会に出て、ひさしぶりの人々と旧交をあたため、このあたりはまあとくに異状もなかったんすけど、その夕方、いったん別れてひとりになったとたんにくらくら。ノドの痛みが急激に拡大して水も飲めない状態に突入。こりゃあかんわとおうちに帰って寝てたのに全然よくならなくて、翌朝、行きつけの新葛西病院に行こうとしたら日曜日で、「今日は内科の先生がお休みです」。しょうがないから休日診療やってる近所のべつの病院に行ってクスリもらってきたけどぜんぜんよくならない。
 あー今日は神田で麻雀大会で西原理恵子(土佐女子中退)が大金背負っておれさまを待ってるってのによーとうめきながらも起き上がれず、座薬(解熱剤ね)を挿入しつつひたすら眠る。もう唾も飲み込めない状態で、脱水症状は進むばかり。
 月曜の朝いちばんで新葛西病院にスクーターで乗りつけて、喘息でかかりつけの先生に診てもらうとその場で採血されて、「白血球が多いですね。ふつうは一万越えたら即入院なんですけど、一万六千七百ありますねー。盲腸だったらすぐ手術ですよ」
 ってことで、抗生物質注射と点滴でなんとか……というもくろみはあえなく潰え去り、午後から入院ってわけさ。
「はやくても退院までに四、五日はかかります」
 とか脅されたんで、んじゃ仕事できる部屋じゃないとなーってことで個室を希望すると、
「特別室が空いてまして、ここは一泊分の差額が2万円の部屋なんですけどね、ずーっと空いたままなんで、いまなら半額の一万円でいいそうです」
「んじゃそれでおねがいします」
 とゆーなんか得した気分ってやつで、和室つきのスイートルーム住まいの人になる。といってもこのころになると日曜日にもらったクスリが切れてきて症状は悪化の一途(考えてみるとクスリはあれでも効いてたわけである)。そのままへろへろ状態で点滴受けて一日うつらうつら。あいかわらずなんにも食べられないのでどんどん痩せる。頚部リンパ節炎ダイエットってやつですか。
 まあしかし抗生物質の威力ではやくも2日めにはかなり腫れが引き、流動食ならオッケー。3日めにはふつうにご飯が食べられるようになってやれやれ。しかし午前6時半には朝食が運ばれてきてしまうので夜11時には寝てしまう生活で、がんがん本は読めるものの仕事にならないー。なんだかんだで朝と夜の点滴のあいだはテキトーに外出して仕事したりメール読んだりしてましたが、ダイナブックが活躍する局面はほとんどなく(やっぱベッドの上だと真剣に原稿を書こうという気力が起きない)そのあおりで仕事がたまりまくり。ようやくお許しが出て土曜日に退院したんだけど、あー月曜までにかかなきゃいけないのがインターネットサーファーの日記原稿、シネマハウスの東野圭吾論、ドゥームズデイ・ブックのあとがき、オブスキュア・インクの裏インターネット本のコラム、メディアフロントの連載、ゲームウォーカーの次世代ソフトレビュー……と総計50枚超。なので日記を書いてる場合ではないのである。つーことで今日はここまでだ。
 あ、末筆になりましたが、お見舞いに来て下さった斎門雷人さま、中村宏美さま、白石朗さま、嘉藤景子さま、酒井昭伸さま、どうもありがとうございました。対談をすっとばしてしまった我孫子武丸さま、大原まり子さま、たいへん申しわけありませんでした。