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2300//細田さん、いいかげんにして下さい。 (1999/05/23 17:09:36)
MAIL::三枝
すがやさんは、ニフィティでは、特定の作家名を挙げずに時代小説全般の話として「年齢と経るに伴って」とお話されていましたよ。
今回、それがある特定の傾向のある作家の時代小説にかぎることであったと、解説を付け加えられたわけです。
読み違えも何も、書かれていなかったことを読みとることは(私を含め)誰にも不可能です。

ところで、質問には答えて頂いておりません。私がいる場所では議論にならないので発言しないという話は、どうなったのでしょうか?
私の誤読ですか? 何か「特別な条件下では」発言しても議論になると? しかし書かれていないその特別な条件を読みとることは(私も含めて)誰にも不可能でしょう。
説明して下さい。

2299//細田さんに返信です (1999/05/23 16:51:16)
http://member.nifty.ne.jp/msugaya/ MAIL::すがやみつる

>「ヤングアダルト」→「ミステリ」→「時代小説」と、年齢にそって流れる

自分では、似たことを書いた記憶はあるのですが、これが普遍的なものとして語ったかどうかは記憶にありません。「ヤングアダルト」という言葉を使ったことがあるのかなあ。「ジュニア小説」を隠れて読んだ世代なものでして(^_^;)。

>1・すがやさんの、ご自身による要旨(発言#2288)を拝見しますと、時代小説、
>それも「池波正太郎、藤沢周平氏らの作品」に限定しての時代小説にオジさんに
>なってから趣味が流れたのは、あくまでも個人的な体験のようなもののように思
>えるのですが、そこらへんはいかがでしょうか。

これは個人的な体験ですね。ただし、クラス会などで同級生と話したりすると、同じような人が何人かいました。で、そのきっかけになるのは、上司や取引先の人から薦められたり、あるいは日本経済新聞、「プレジデント」「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」といった新聞、雑誌の書評欄で知って……というパターンが多いようです。
オジサンだって本は読んでます。ただし、「話題になっている本を読んでおかないと、世の中についていけない」という強迫観念で本を読む人が、ぼくの知り合いにもかなりいます。「読んだこと」よりも「買ったこと/目を通したこと」の方が大事であって、内容は二の次という場合が多いのですが、このような人たちのおかげでベストセラーが生まれているのも事実でしょう。

>2・その個人的な体験(趣味の移行)は、説として一般的なものに成り得る(人
>間は一般的に、年を取ると時代小説を読むようになる)とお考えでしょうか、あ
>るいはすがやさん個人の実体験以上のものには成り得ないとお考えでしょうか。

ぼくの個人的な体験が普遍的なものになるとは思えませんが、周囲にいる同年齢の人たちと話をしていても、同じような人が多いですね。

ぼくは小学生の頃には山手樹一郎(なぜか家にあった)、中学生から高校生にかけては山田風太郎(「伊賀の影丸」にアイデアがそっくりで、びっくりした)、高校生の終わり頃には司馬遼太郎、20歳頃には柴田錬三郎といった方々の作品を集中的に読んでいましたから、少し変わり種といっていいでしょう。

でも、とくに時代小説体験のなかった人でも、40歳を過ぎた頃から、ふと時代小説に手を出して、ハマる……という例は多いようです。最近ですと隆慶一郎、池宮彰一郎といった方々の作品が、そんな役割を果たしているように思います。経済小説、ビジネス小説からの転向組が多いのではないでしょうか。

>3・すがやさんのお考えとして、オジさんが読む(読むようになる)時代小説と
>は「池波正太郎、藤沢周平氏らの作品」でしょうか、それとも「時代小説全般」
>でしょうか。

一口に時代小説といっても、伝奇小説から歴史小説まで、官能ものから人情噺まで、時代&歴史小説の中だけでジャンル論争ができるくらいに幅が広いですから、一口に断言はできません。とくにバブル崩壊以後は、経営術、人心掌握術の教科書代わりに、サラリーマンたちが、こぞって特定の時代・歴史小説を読む……という傾向も少なくなっていると思います。

藤沢周平氏だけをとってみても、市井ものから伝奇小説、「87分署」のアイソラの街を江戸に置き換えたようなハードボイルドタッチのものなど、いろいろです。ただし藤沢氏の作品には、派閥争いに敗れた側の人物が主人公だったり、老境小説というようなものもあったりしますが、けっして景気のよくないこちらのシミジミした作品群に根強いファンがついているのも事実でしょう。本来、静かにひそやかに読まれる作家だったのに、突然にして脚光を浴びるようになったのは、亡くなる直前に「プレジデント」が特集してからのように思います。ぼくは「プレジデント」が藤沢氏の特集を組んだとき、バブルの崩壊とリストラの時代の到来を実感したものでした。


2298//書き忘れたけど… (1999/05/23 12:29:41)
MAIL::海法 紀光
ジャンル分けってのは、重なっていいジャンル分けをする時と、排他的なジャンル分けをする時と二つがあります。

どっちの意味のジャンル分けがより正しいかあるいはどっちでもいいかってのは、人によって色々ありますが、少なくとも

この話はSFか? って聞かれた時と
この話はSFとファンタジーのどっちだ?って聞かれた時じゃ、答えが違ってくるのは当然です。

グィンやDがSFか?って話についても、どっちの文脈で答えるかによって違ってくると思われます。
大森さんの#1054は、排他的なジャンル分けを意識していますね。ファンタジー、ホラーと比べて、よりSFと呼べるかどうか、という。

2297//すがやみつるさんに質問です (1999/05/23 12:03:24)
MAIL::細田

あー、本来なら「オジさんと時代小説との関係に関する疑問」なんて無難かつ優雅なタイトルのほうがいいんでしょうが、すがやさんがご覧になるかどうか不明なので。

>ヤングアダルトを読んだ世代が時代小説に逃げているというのは本当でしょうか?(発言#2279)

の、小林泰三さんの質問に対する、三枝さんの、

>「ヤングアダルト」→「ミステリ」→「時代小説」と、年齢にそって流れる(発言#2280)

という発言(考え)が、発言#2284によると、「時代小説というのは、若い頃は読みたいと思わないのに、その内大変良いもののような気がして来る」そうだ、という、すがやみつるさんの「意見」に依拠しているらしいんですが(三枝さんにオジさんの知り合い、というか考えを聞ける人間が一人しかいないとは思えないのに、すがやさん一人の考えに依拠して珍説を立てるのにも、だいぶ無理はあると思いますが、それはさておき)、まず基本部分で、すがやさんの「意見」に対する三枝さんの誤読があったかどうか、元発言者の発言の意図をお伺いしたい、と思いまして。

1・すがやさんの、ご自身による要旨(発言#2288)を拝見しますと、時代小説、それも「池波正太郎、藤沢周平氏らの作品」に限定しての時代小説にオジさんになってから趣味が流れたのは、あくまでも個人的な体験のようなもののように思えるのですが、そこらへんはいかがでしょうか。

2・その個人的な体験(趣味の移行)は、説として一般的なものに成り得る(人間は一般的に、年を取ると時代小説を読むようになる)とお考えでしょうか、あるいはすがやさん個人の実体験以上のものには成り得ないとお考えでしょうか。

3・すがやさんのお考えとして、オジさんが読む(読むようになる)時代小説とは「池波正太郎、藤沢周平氏らの作品」でしょうか、それとも「時代小説全般」でしょうか。

#2288における、三枝さんの「時代小説というのは、若い頃は読みたいと思わないのに、その内大変良いもののような気がして来る」という、すがやさんの発言の「引用」は、発言#2288を拝見しますと、三枝さんの誤読か、故意の「論」に関するミス・ディレクションかは不明ですが、「(池波正太郎、藤沢周平氏らの)時代小説というのは、若い頃は読みたいと思わないのに、その内大変良いもののような気がして来る(個人的にはそうだった)」という、カッコ部分の含みを省いた、大変粗雑なもののように思えてしまったもので。

2296//grepしまくり (1999/05/23 10:37:40)
MAIL::海法 紀光
>面倒くさいのでログにあたりませんが、私が「SFでしょう」と
>言ったのに対して、大森望さんが「SFではない。吸血鬼が出て
>来るんだから」という御意見でしたね。

ログに当たりました。大森さんの発言というのは、
http://www.ltokyo.com/ohmori/dengon1100.html#msg1054
です。

引用
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基準はけっこう簡単で、宇宙人、ロケット、タイムマシン、超能力、未来、パラレルワールド、改変歴史が出てくればだいたいSFでしょう。吸血鬼、狼男、幽霊はだいたいホラー。
菊地秀行の『吸血鬼ハンターD』がSFじゃないと言われるのはまあしょうがないのでは。
ふつうでないことが起きる小説をぜんぶSFだと言ってると、ファンタジーやホラーの人に怒られるので。オレ的には「ふつうでないこと」の背後に理屈があるかどうかが重要なんですが、一般的にはガジェットで判断してもいい気がしますね。

ジャンルの拡大期には、「これは××じゃない」って人がたくさん出るもので、いまはホラーとミステリがそれに該当するのでは。「スター・ウォーズ」のころは、「スター・ウォーズ」なんかSFじゃないって人もいたくらいで。
今のSFはそれと逆に、あれもSF、これもSFと言わなきゃいけない立場だと、個人的には思ってますが。
--
引用終わり

普通、作品はメインのガジェットで判断される。Dには遺伝子操作なり核戦争後の世界なりというガジェットもあるが、メインは吸血鬼なのでファンタジー/ホラー系だろうと。
逆を言えば、SFファンがSFを判断する材料として「グィンはSFだけど、Dは違う」って言ってるとは取れません。
「普通はメインのガジェットで判断されるよなぁ」って文脈なら、グィンはやっぱり異世界ファンタジーであってSFじゃないし、「SFでもある」って人なら、DもSFと認める可能性は十分にあります。
「DはSFじゃないけど、グィンはSFだ」につながる文章ではありません。

>ちなみにグィンサーガがSFである理由は「ガジェットがSF」

ガジェットがSF…というのは、上記に書いた通り。Dは違うって話じゃありません。

>「SFMのSF人気投票で上位に上がった」からだそうです。(これも過去ログにあります。)
http://www.ltokyo.com/ohmori/dengon2100.html#msg2034
(たかはしさんの発言より)
>オレの中の心の狭い定義では、グインは異世界ファンタジーです。積極的にSFと
>呼ぶことはありませんが、SFと呼ばれることはまぁいいんじゃないかと。
>なるほど。ちなみにこの前SFマガジンで行われたオールタイムベストでは、グインは20位に入ってました。

「なるほど。ちなみに…」ってだけですね。積極的な根拠じゃない。
で、この項のたかはしさんの文章の趣旨は「細かいジャンル分けにこだわらず、もっと色々なものをSFと認めよう」というものでした。それはつまり、グィンを入れて、Dは入れないって話じゃないですよね>たかはしさん

要するに、メインのガジェットじゃないからSFじゃない、あるいはプロパーなSFじゃない。もしくはSFガジェットが入ってるからSF。…という3種類の評価があり得ますが、どちらにせよグィンだけがDよりSFって評価は今のところ誰も主張してません。

2295//SFと名乗ると売れない理由は (1999/05/23 09:00:10)
MAIL::三枝
》しかし、「SFファン」でなくてもSFを買っているのなら「SFと名乗っていると売れない」ことにはならないような気もします。

ここで言われる「SF」は、もちろん、「パラサイト・イブ」や「スキップ」「ブギーポップ」のような、「SFと名乗らないSF」のことではありませんね?
で、SFファン以外がどの程度「SFと名乗っているSF」を買っているのかはしりませんが、SFと名乗ると売れない(という話が本当だとして、その)原因は、SFと名乗っているSFは買わない人達が、SFと名乗ってあっても買っていく人達よりたくさんいるから、ではないでしょうか?
もしそれが本当なら、ジャンルの名前を変えるのは、それほど悪い手でもないと思いますがね。

2294//RE:再びDに関して (1999/05/23 08:31:28)
MAIL::三枝
過去ログ全体をざっと眺めてもらえば、Dに限らず、「SF」という定義がSFのファンの間でも大変曖昧でいいかげんであることがわかりますので、読んでみることをおすすめしますよ、カルクックさん。
その「全体を見ての」結論なのですが。私の発言は。
ちなみにグィンサーガがSFである理由は「ガジェットがSF」「SFMのSF人気投票で上位に上がった」からだそうです。(これも過去ログにあります。)

で、DがSFでないから、グィンサーガもSFではないと思いませんか? 科学的であることからはあまりに遠い。でも、ガジェットはSF。
この二つの作品間の扱いの差が、私にはわからない。説得力のある理由が他に考えられないのですよ。
カルクックさんは、どうお考えですか? あなた個人の御意見が伺いたいです。あなたにとっては、どちらもSFですか? 他の方は? もしDがSFでないなら、それはどうして? そして、グインサーガがSFなら、それはどうして?

さらにもっと疑問なのが、「Y」をSFだと仰っていることですね、大森さんは。あれはファンタジーでしょう。科学的な説明が一切なく、信じる者は救われる。
(もし、「あれはSFでない、これはSFでない」と選んでいれば、真っ先に除外されるはず。ネタも「時間移動(もしくは平行世界)」だけの話だし。)

2293//再びDに関して (1999/05/23 07:53:21)
MAIL::カレクック

1・それがSFであるか否か、を問題にしているのは三枝さん(SFファンではないかた?)一人
2・それがSFでない、と語っているのは大森さん(SFファン、というか明らかにSF業界人)一人
3・大森さんがそれを「SFでない」と言っている根拠(論拠)は、「吸血鬼が出てくるから」

以上のことから、「SFの最大の問題(悲劇)は、「SFMに載るような話がSFだ」と、一般に(場合によればSFファンにも)思われているところ」「だから「グィン・サーガ」がSFで「吸血鬼ハンターD」がSFで ないとかいう、わけわからん基準になっている」(2263)という意見には、いささか無理があるように思われます(過去ログ読んでないので、2290の要旨にもとづく判断)。

大森さんがDをSFでないと言っている根拠が「SFマガジンに載っていないから」だったら、多少は分かりやすくなるんですが。

2292//なんだか (1999/05/23 01:29:01)
MAIL::Δ
ガンダムの登場がキーのような気がしてきました。

この時点で「ガンダムもSF」ということにして
うまく取り込んでいれば…。勿論、「宇宙の戦士」
の紹介とかは多かったと思うし、そこからSFに
入った人も多かったとは思いますが、そういった人
も「ガンダムはSFでない」のだから「私はSFファ
ンにはならない」気持ちになってしまったかも知れま
せん。

しかし、「SFファン」でなくてもSFを買っているの
なら「SFと名乗っていると売れない」ことにはならない
ような気もします。

2291//訂正、2289。 (1999/05/23 00:38:31)
MAIL::三枝
ごめんなさい、2289はミスです。
2290//RE:Dに関して (1999/05/23 00:36:09)
MAIL::三枝
面倒くさいのでログにあたりませんが、私が「SFでしょう」と言ったのに対して、大森望さんが「SFではない。吸血鬼が出て来るんだから」という御意見でしたね。
その前に、大森さんはSFの定義をガジェットで見るのが大まかには適当ではないかと提案していました。
で、ガジェット的にはDはSFなのですが、大森さんがあれを何だと考えていらっしゃるのかまでは、伺っていません。(「吸血鬼が出るんだから」ってことだから、場合によればホラーなのか? いや、いくらなんでも、そりゃあ、ありえないな。)

2289//RE:Dに関して (1999/05/23 00:35:09)
MAIL::三枝
面倒くさいのでログにあたりませんが、私が「SFでしょう」と言ったのに対して、大森望さんが「SFではない。吸血鬼が出て来るんだから」という御意見でしたね。
その前に、大森さんはSFの定義をガジェットで見るのが大まかには適当ではないかと提案していました。
で、ガジェット的にはDはSFなのですが、大森さんがあれを何だ

2288//時代小説はオジサンの読物? (1999/05/22 16:11:53)
http://member.nifty.ne.jp/msugaya/ MAIL::すがやみつる
》これは、ニフティの会議室で「すがやみつる」さんという漫画家から小説家に転向した方の発言で読みました。
》時代小説というのは、若い頃は読みたいと思わないのに、その内大変良いもののような気がして来るそうです。(あたしは、まだその年齢になっていないので、正否は断言できないな……^^;;)

突然名前が出てきたので驚きましたが、この「時代小説」は、池波正太郎、藤沢周平氏らの作品ですね。時代小説そのものについていえば、たとえば『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』などは、団塊の世代の高校生には必読書のようになってもいました。あとは、こっそり山田風太郎氏の忍法モノを読むとかですね(山田風太郎、大藪春彦両氏は、読んでいることを人にいうのがはばかられる作家だったんです。角川文庫に入るまでは)。

『剣客商売』などは連載されていた「小説新潮」をずっと買っていたのに、面白さがわからず、飛ばして読んでいました。年齢の離れた若い嫁を持つスーパー爺さんの話など、ピンと来なかったんです。ぼくが中間小説誌を熱心に読みはじめたのは1969年からですが、この頃、「小説現代」ではネオ時代小説ともいえる笹沢佐保氏の『見返り峠の落日』や『中山峠に地獄を見た』が掲載され(「少年マガジン」で上村一夫氏によってマンガ化もされた)、『木枯らし紋次郎』の連載がスタートします。ヤクザの持っている刀は、刃も満足についていなくて、しかも埃まみれの道中合羽の上からでは、こんな刀では「斬る」こともできず、叩き殺すというのが正しかった……なんて記述を読んで、「おお、すげー」と喜びながら愛読しておりました。

池波作品に見られる「白と黒の間の灰色の部分に真実がある……」といった含蓄のある言葉など、20歳前後の若者には理解不能だったわけです。ところが40歳過ぎて、ふと『鬼平犯科帳』を手にしてみたら、これが面白いのなんのって。文庫になっていたものを1日5冊ずつ読み、文庫化されていないものはソフトカバー版で読むハメになりました。『剣客商売』も、若い嫁さんを持ち、剣の達人で、しかも情にも厚く、うまそうなものばかり食べているスーパー爺さんの活躍が実にうらやましい……。これを面白がるってのは、感性がオジサン化してきたんだなあ……と悲しくもなりましたが(^_^;)。田沼意次の政治を肯定する描写もあるなど、ある意味で「すごく日本的」であり、これが酸いも甘いも体験してきた社会人の皆さんに愛読される理由のひとつにもなっているように思います。


2287//Dに関して (1999/05/22 14:22:33)
MAIL::カレクック
「これはSFかファンタジーか」という話が、いつごろ、どのあたりで出ていたか知りたいです。どういう結論になったのか、ってのも。


2286//社会人とマンガとの関係 (1999/05/22 10:34:53)
MAIL::無名
http://www.dai-ichi-life.co.jp/LDI/report/rp9704b.htm
2285//RE:小説と漫画 (1999/05/22 09:04:54)
MAIL::三枝
それが本当だとしたら、「おじさんは時間がもったいなく、おばさんはお金がもったいない」んでしょう。
漫画は小説と比べて短時間で読めるけれど、小説文庫本の値段と漫画雑誌の値段はほぼ同じくらい。それを良いと考えるか、もったいないと考えるか、ですね。

私個人は、「男はおじさんになると本を読まないなる」と言うより、「フルタイムで責任のある仕事につくと、人は本を読まなくなる」と考えています。性別の問題ではなく、時間がもったいなくなる条件があるかどうか、ですね。
で、時間に余裕があるのは、専業主婦とかパートの主婦、就職前の学生、仕事をリタイアしたあとの老人で、そういった人達が本を読んでいるのでしょう。

2284//で、本題は?>小林さん (1999/05/22 08:56:45)
MAIL::三枝
》探してみたのですが、SF だと思っている方と思っていない方の両方がおられるようです。

ええ、そうです。「グィンサーガ」の場合、「SFではない」という意見に対しては反論が出たのですが、他のファンタジーに関しては、「じゃあ、どこで区切るのか?」と、改めて私が問わない限り、「SFじゃない」という意見に対して疑問を提示した人がいなかったのです。
ですから、「グインサーガ」のみ、特別扱いされる理由は何なのか?と。
また、「SF」のベストを選ぶ際、不思議なことに、「グインサーガ」のみ、ファンタジーでありながら顔を出す傾向にあるようですが。
小林さんはその理由がわかりますか?

》例えば、宇宙船が出てくるとか?

ガジェット的にもっとSFなファンタジーはたくさんあるのです。

》つまらないのに、なぜ大変話題になり、売れたのでしょう?

実験的に新規なので話題になり、あとは筒井康隆の本なら何でも買う人によって、それなりの冊数出たのだと思います。

》なぜ SFジャンル外で絶賛されたのでしょう?

実験的価値で、絶賛されたのでしょうね。純文学系、社会学系から。

》新聞連載されたのなら、なおさら買う前につまらないことはわかるはずなのに。

新聞小説を読む人と、新聞小説を買う人は、ずれているのだそうです。最近では「失楽園」ですが。新聞上で読んだのは男性、本を買ったのは女性だそうです。
「朝のガスパール」の場合、新聞上で読んだのは普通の大人、本を買った人は旧来の筒井氏の顧客でしょう。(筒井氏の本の中で特に飛び抜けて売れたとは聞いていませんので。)
で、新聞連載を読んだ人は感じたと思うのです。「あんなにつまらないのに、ベストセラーになるのか(当時もう、筒井氏の本は、出せば必ずベストセラーになっていたはず)。SFというジャンルは私にはわからない」と。

》ところで、『朝のガスパール』は日常を出発点にするという「サイフィクト」の条件を満たしているように思えます。これが「サイフィクト」に含まれない理由は何でしょう?

「徐々に異世界へと巻き込まれる」という「徐々に」「巻き込まれ」ではないからでしょう。
なぜなら「朝のガスパール」において、異世界は最初から唐突に存在しているのです。現実世界と平行して。それの境目が「突然」ぐちゃぐちゃになるだけです。
サイフィクトの条件とは怖ろしくずれていますね。

》由来していないでしょう。
》例えば、森岡浩之さんはどこからみても、SF 畑出身ですが、ご著書の「星界の紋章」は20万部以上売れています。

顧客層の違いでしょう。森岡さんの本は、ミステリ読みの好むタイプではないので。むしろ、ヤングアダルト系の読者があと一歩純SFよりに寄った位置にあるように思います。
ですから、彼の本を角川スニーカーとか、ぱふとかでコマーシャルしてみるとか、もっと大々的にアニメ化してみると、もう数十万部売れるかもしれませんね。

》読者が梅原さんのデビューがSFだったと判断した材料は何でしょう?

梅原さんがSFではないとお考えですか? その理由は? 彼の書くもの、どう見てもSFですが。

》「SF大賞」の帯はつけられてなかったのですか。だとすると、賞の効果が出なかったとしても無理はありませんね。

帯はつけられたようですね。しかし、すぐにはずされた。(多くの人が気づいていない。)
やはり「SF大賞」という言葉には効果がないのでは?

》少女小説ブームが起こったのですか。その直後とはどの直後?

「子供が漫画読まない」ということが、大人の共通理解になってしまった頃です。(共通理解になると、「本は読まない」という嘆きはむしろ沈静化するのです。今更何を言ってもということでしょう。)
しかし、とっくに死んだと思われていた少女小説が突然売れ出し、出版業界では大変慌てたらしいです。

》読書に費やす時間が限られているとすれば、両者の売れ行きに負の相関関係があると考えても不思議ではありません。

本当に? あるジャンルを読む人は、別のジャンルも読んでいる可能性が高かったりするのが、私の経験ですが。そういうのは、時間でどう説明するのでしょう?

》「うちの読者は女性がメインなので、恋愛小説かミステリをお願いします」と言われたことが

「うちの読者は」と言われるのは、他の読者は違うという認識があるのでは?

》この変遷には興味があります。もう少し詳しくお教え願えませんか?

これは、ニフティの会議室で「すがやみつる」さんという漫画家から小説家に転向した方の発言で読みました。
時代小説というのは、若い頃は読みたいと思わないのに、その内大変良いもののような気がして来るそうです。(あたしは、まだその年齢になっていないので、正否は断言できないな……^^;;)

》>これは、「このミス型ミステリ」や「角川型ホラー」が成功したことの裏返しです。範囲が小さくなると、結果として傑作が減ることになり、「○○は面白い」という印象をジャンルを意識しない一般の読者に抱かせることができません。
》という三枝さんの意見に賛成なので、ジャンルを分割して小さくする梅原さんには賛同できません。

いや、今のSFは、自らジャンルを小さくしていると、私は思うのですよ。
つまり、純文学的、娯楽要素のない本があるため、それといっしょにされたくない、本来SFと名乗るべきヤングアダルト系異世界ものや、日常SFが、SFと名乗らない。そのため、外見上、SFのジャンル幅は大変小さくなっている。
つまり、娯楽のないSFがジャンルを小さくして、ジャンルの隆盛をさまたげているのではないか、と。
だから、娯楽性のない作品をはぶくというサイフィクト構想は、むしろジャンルの幅を広げる結果になり、ジャンルの隆盛に繋がるのではないでしょうか?

》「宇宙戦艦ヤマト」や「スター・ウオーズ」のあと、SF ブームだったような気がするのですが。

ああ、では、「SFアニメ人気」や「SF映画人気」が「SF小説」の隆盛に繋がらなくなったのは、ガンダム以降なのですね。
エヴァのヒット、サンダーバードやスタートレックの再評価、ガメラやゴジラの再映画化はなぜ、小説SFの再興に繋がらないのでしょうね?

2283//小説とマンガ (1999/05/22 03:47:44)
MAIL::
本論とどのように関わってくるかも判らないし、出典もいま一つたしかではありませんが、いつかどこかで聞いた話を。

女性は、年齢が上がるとともに、男性と比較すると、マンガを読まなくなってくるのだそうです。(もちろん個人差はありましょうし、いつの話であるのかも定かではありませんが(とはいっても、15年以上昔の話ではないはず))

このような話が頭にあったため、「おじさんは小説を読まない」という話題をみかけたときに、「おじさんは(比較的)マンガを読み、おばさんは(比較的)小説を読むのだな」と思いました。

以上の話は、マンガ雑誌の歴史を考えると、わりあい納得できるのではないかと思います。成人男性向けマンガ雑誌はけっこう古くからありますけど、成人女性向けマンガ雑誌は比較的最近出て来た気がいたしますから。

2282//P.S. (1999/05/22 02:56:53)
MAIL::小林泰三
ある方より、「宮部みゆきさんが『蒲生邸事件』で日本SF大賞を受賞
したとき、帯は掛け替えられて『日本SF大賞受賞』とでかでかと書か
れてたし、『理由』で直木賞を受賞したときに『蒲生邸事件』がカッパ
ノベルスで再刊され、全国紙の広告で恥ずかしくなるほどでかい字で『日本SF大賞受賞作』と銘打ってあった」とお教えいただきました。
出版社は受賞の効果はあると考えているようですね。

2281//質問は続く。 (1999/05/22 02:47:12)
MAIL::小林泰三
ご回答ありがとうございました。>三枝 様

>>(1) 「グィンサーガ」がSFだと考えられているのは本当でしょうか?
>
>この掲示板の過去ログを読んで下さい。
>
>>(2) 他のファンタジーがSFだと考えられない傾向にあるのは本当でしょうか?
>
>この掲示板の過去ログを読んで下さい。

探してみたのですが、SF だと思っている方と思っていない方の両方がお
られるようです。「ファンタジーの中で『グィンサーガ』のみが SF であ
り、他のファンタジーは SF でない」という発言はないように思えます。
該当発言の日付か番号をお教えいただけませんでしょうか?

>>(3) 本当だとして、それとSFマガジンとが関係しているのは本当でしょうか?
>
>だと、私は思いましたが、他の理由で思い当たるものがあれば、教えて頂きたいです。

例えば、宇宙船が出てくるとか?

>>(1) SFは他のジャンルよりジャンル論が激しいというのは本当でしょうか?
>
>私はそう思います。「そんなものSFではない」という発言を大変よく耳にするし、実際にこの掲示板でもたびたび目にするからです。

三枝さんが耳にされるということなら、そうなのでしょう。
ただし、僕自身は「この作品は実は SF だね」という発言をよく耳にし
ます。

>>#『言壷』は売れたのでしょうか?
>
>「ソリトンの悪魔」程は売れていないと聞いています。

ということはあまり影響はなかっということですね。

>「朝のガスパール」は新聞連載でもあり、大変話題になり、売れた本でもあり、SFジャンル内外で絶賛され、SF大賞もとった本でもあり、「SFとはつまらない」と広く国民に知らしめるに大貢献したとは思います。

つまらないのに、なぜ大変話題になり、売れたのでしょう? なぜ SF ジ
ャンル外で絶賛されたのでしょう? 新聞連載されたのなら、なおさら買う
前につまらないことはわかるはずなのに。
#僕自身はつまらないとは感じませんでした。

ところで、『朝のガスパール』は日常を出発点にするという「サイフィクト」
の条件を満たしているように思えます。これが「サイフィクト」に含まれな
い理由は何でしょう?

>>お二人の元々の知名度の差だとは考えられないでしょうか?
>
>その知名度の差は、レーベルの評価差に由来していないでしょうか?

由来していないでしょう。
例えば、森岡浩之さんはどこからみても、SF 畑出身ですが、ご著書の
「星界の紋章」は20万部以上売れています。

>>そもそもなぜ読者は梅原さんが「SF」出身の作家だと思ったのでしょう?
>
>デビューがSFだったからではないでしょうか?

読者が梅原さんのデビューがSFだったと判断した材料は何でしょう?

>ですから、「BRAIN VALLEY以外で」と、もうしているのです。
>たとえば、宮部みゆきさんの本は、「山本周五郎賞受賞」とか「直木賞受賞作家」の帯はつけられましたが、「SF大賞」の帯はつけられませんね?

「SF大賞」の帯はつけられてなかったのですか。だとすると、賞の効果が
出なかったとしても無理はありませんね。出版社自身が周知させなかったの
ですから。

>「おじさんは本を読まなくなる」というお話でしたが。漫画はおじさんになっても読むのに、本だけ、読まなくなるのですか?

ありえることだと思います。

>一時、今時の子供は本は読まない、小説は滅びて漫画だけになるだろうという粗雑な物言いがはやりましが、

一時的なことではなく、僕が物心ついたときから、今日までずっと行われて
いる論議だと思います。
その間、漫画は着実に売り上げを伸ばしているのに対し、小説の売り上げは
減少傾向にあります。
ただし、ここ数年は漫画の売り上げも頭打ちになっています。

>その直後に少女小説ブームが起こったりしましたね。

少女小説ブームが起こったのですか。その直後とはどの直後?

>漫画と小説は同じ場所で売っていて、極めて形が似ているのです。

読書に費やす時間が限られているとすれば、両者の売れ行きに負の相関関係
があると考えても不思議ではありません。

>最近の東野圭吾の「秘密」は、中年男の情けなさを見事に描いたと評判になりましたが、感情移入して盛り上がったのは、やはり中年男性だったのでは? もちろん時代小説の愛好家とか、ミステリマニアというと、昔から大人の男性ですね。

この辺りはよくわかりません。ただ、ある雑誌の編集者に「うちの読者は女
性がメインなので、恋愛小説かミステリをお願いします」と言われたことが
あります。三国志ファンに女性が多いという話も聞いたことがあります。

>「ヤングアダルト」→「ミステリ」→「時代小説」と、年齢にそって流れるそうです。

この変遷には興味があります。もう少し詳しくお教え願えませんか?

>>宇宙ものがいっぱい読めて、書ける状況になれば。
>
>梅原さんは、旧来型のSFとスペオペが別れることになると、そういう状況が来るのではないかと考えているようですが。その意味では、小林さんと考えは同じではないですか?

いえ。僕としてはむしろ、

>これは、「このミス型ミステリ」や「角川型ホラー」が成功したことの裏返しです。範囲が小さくなると、結果として傑作が減ることになり、「○○は面白い」という印象をジャンルを意識しない一般の読者に抱かせることができません。

という三枝さんの意見に賛成なので、ジャンルを分割して小さくする梅原さ
んには賛同できません。

>「宇宙戦艦ヤマト」や前回の「スター・ウオーズ」のブーム、「エヴァ」の大ヒットなど、アニメ人気や映画人気が、「小説のSF」の繁栄に繋がらなかった過去の理由を考えてみるべきでしょう。
>「純文学的な作品」「娯楽性のない作品」が、じゃまをしていませんか?

「宇宙戦艦ヤマト」や「スター・ウオーズ」のあと、SF ブームだったよ
うな気がするのですが。
『SF アドベンチャー』とか、『SF 宝石』とか、『奇想天外』とか、
『SF イズム』とか、『サンリオ SF 文庫』とか、『角川 SF ジュブ
ナイル』とか。

2280//Anyone Question? (1999/05/21 09:30:46)
MAIL::三枝
》(1) 「グィンサーガ」がSFだと考えられているのは本当でしょうか?

この掲示板の過去ログを読んで下さい。

》(2) 他のファンタジーがSFだと考えられない傾向にあるのは本当でしょうか?

この掲示板の過去ログを読んで下さい。

》(3) 本当だとして、それとSFマガジンとが関係しているのは本当でしょうか?

だと、私は思いましたが、他の理由で思い当たるものがあれば、教えて頂きたいです。

》(1) SFは他のジャンルよりジャンル論が激しいというのは本当でしょうか?

私はそう思います。「そんなものSFではない」という発言を大変よく耳にするし、実際にこの掲示板でもたびたび目にするからです。

》(2) ジャンル論が激しいとなぜ冬を迎えるのでしょう?

これは、「このミス型ミステリ」や「角川型ホラー」が成功したことの裏返しです。範囲が小さくなると、結果として傑作が減ることになり、「○○は面白い」という印象をジャンルを意識しない一般の読者に抱かせることができません。

》#『言壷』は売れたのでしょうか?

「ソリトンの悪魔」程は売れていないと聞いています。
「朝のガスパール」は新聞連載でもあり、大変話題になり、売れた本でもあり、SFジャンル内外で絶賛され、SF大賞もとった本でもあり、「SFとはつまらない」と広く国民に知らしめるに大貢献したとは思います。

》お二人の元々の知名度の差だとは考えられないでしょうか?

その知名度の差は、レーベルの評価差に由来していないでしょうか?

》そもそもなぜ読者は梅原さんが「SF」出身の作家だと思ったのでしょう?

デビューがSFだったからではないでしょうか?
山田正紀さんが、なかなかミステリ作家と認められなかったのと同じ理由だと思います。

》2つの賞の効果を比較するためには両賞をとる前後での売り上げの変化をできるだけ、多くの作品について、検討しなければなんとも言えないですね。少なくとも、「ソリトンの悪魔」と「BRAIN VALLEY」では初期条件が違いすぎて、比較にはならない。

ですから、「BRAIN VALLEY以外で」と、もうしているのです。
たとえば、宮部みゆきさんの本は、「山本周五郎賞受賞」とか「直木賞受賞作家」の帯はつけられましたが、「SF大賞」の帯はつけられませんね?

》漫画雑誌を例にとって、小説本の話をしていたのですか? それはちょっと僕には受け入れ難い論理展開なので別の例をお願いします。

「おじさんは本を読まなくなる」というお話でしたが。漫画はおじさんになっても読むのに、本だけ、読まなくなるのですか?
一時、今時の子供は本は読まない、小説は滅びて漫画だけになるだろうという粗雑な物言いがはやりましが、その直後に少女小説ブームが起こったりしましたね。
漫画と小説は同じ場所で売っていて、極めて形が似ているのです。
しかしまあ、ご要望があれば。
最近の東野圭吾の「秘密」は、中年男の情けなさを見事に描いたと評判になりましたが、感情移入して盛り上がったのは、やはり中年男性だったのでは? もちろん時代小説の愛好家とか、ミステリマニアというと、昔から大人の男性ですね。

》ヤングアダルトを読んだ世代が時代小説に逃げているというのは本当でしょうか? ミステリはありえると思いますが。

「ヤングアダルト」→「ミステリ」→「時代小説」と、年齢にそって流れるそうです。
しかしSFと違ってミステリの偉いところは、ミステリの位置で踏み止まる人が、けっこうな数いることでしょうね。つまりは、老齢になっても読むに耐えるものがあるということです。

》宇宙ものがいっぱい読めて、書ける状況になれば。

梅原さんは、旧来型のSFとスペオペが別れることになると、そういう状況が来るのではないかと考えているようですが。その意味では、小林さんと考えは同じではないですか?

》でも、『スター・ウォーズ』のヒットでまたSFブームが来そうな予感もしている昨今です。

「宇宙戦艦ヤマト」や前回の「スター・ウオーズ」のブーム、「エヴァ」の大ヒットなど、アニメ人気や映画人気が、「小説のSF」の繁栄に繋がらなかった過去の理由を考えてみるべきでしょう。
「純文学的な作品」「娯楽性のない作品」が、じゃまをしていませんか?

2279//今回は質問が多いです。 (1999/05/21 08:00:02)
MAIL::小林泰三
>「グィンサーガ」がSFだと考えられているのに対し、他のファンタジーがSFだと考えられない傾向にある理由はそれだと思います。

(1) 「グィンサーガ」がSFだと考えられているのは本当でしょうか?
(2) 他のファンタジーがSFだと考えられない傾向にあるのは本当でしょうか?
(3) 本当だとして、それとSFマガジンとが関係しているのは本当でしょうか?

>まさに小林さんのおっしゃる男女の身長差と同じく、傾向の問題です。そういったジャンル論というのは、SFは他のジャンルより激しいのではないのか? だから冬を迎えたのではないか?と、思うのです。

(1) SFは他のジャンルよりジャンル論が激しいというのは本当でしょうか?
(2) ジャンル論が激しいとなぜ冬を迎えるのでしょう?

>れでしたら、すでに私の見解は述べていると思います。「朝のガスパール」や「言壷」。典型だと思いますよ。

了解しました。この2以外にも例があったら、教えてください。
#『言壷』は売れたのでしょうか?

》「BRAIN VALLEY」はすでに30万部という相応しい部数に達してい
》たので、SF大賞をとってもたいして影響はなかった。
》一方、「ソリトンの悪魔」は対象者の目に留まっていなかったのが、協会賞
》をとったことにより、2,3万部以上ばらまかれ、相応しい部数である8万2千部
》に達した。

>その通りです。つまり、「SF」出身の作家の作品は、現在のところ、本来の読書家の元に届いてはいないのです。しかし、ホラー畑から出た「Brain Valley」は、ちゃんと届いていた。
>これが、SFとホラーとのラベルの評価差です。

お二人の元々の知名度の差だとは考えられないでしょうか?
そもそもなぜ読者は梅原さんが「SF」出身の作家だと思ったのでしょう?

>で、「Brain Valley」ほど売れていない作品でSF大賞をとったもの、元々SF畑の作品でSF大賞をとったもの、それらの中に、SF大賞をとったことで売り上げが伸びたものはあるでしょうか? SF大賞という名は、推理作家協会賞のように、いままで知られていなかった作家を本来の読者に一気に知らしめるような効果はあるでしょうか?

2つの賞の効果を比較するためには両賞をとる前後での売り上げの変化をで
きるだけ、多くの作品について、検討しなければなんとも言えないですね。
少なくとも、「ソリトンの悪魔」と「BRAIN VALLEY」では初期
条件が違いすぎて、比較にはならない。

>えーと、すりかえないで下さい。漫画雑誌を例にとって、小説本の話をしたのですが。

漫画雑誌を例にとって、小説本の話をしていたのですか? それはちょっと
僕には受け入れ難い論理展開なので別の例をお願いします。

>海外SFの部数はヤングアダルトの部数と比べてあまりに少ないですね。

これは知りませんでした。

>やはりミステリとか時代小説に逃げている可能性は否定しがたいものがあるでしょう。

ヤングアダルトを読んだ世代が時代小説に逃げているというのは本当
でしょうか? ミステリはありえると思いますが。

>では、「SF」という名前、今の枠組みに固執する必要もないのでは?

宇宙ものがいっぱい読めて、書ける状況になれば。
でも、『スター・ウォーズ』のヒットでまたSFブームが来そうな予感もしている
昨今です。

2278//「おっさんは小説を読まない」について (1999/05/21 02:25:12)
MAIL::zin
老眼になって読むのが億劫になった。
っつのが、あります。
(サンプル数1<うちの親父殿)

2277//現状を維持しなくても良いでしょ? (1999/05/20 22:43:16)
MAIL::三枝
》思われてるんでしょうか?

「グィンサーガ」がSFだと考えられているのに対し、他のファンタジーがSFだと考えられない傾向にある理由はそれだと思います。

》ジャンルの境界についての論議はホラーやミステリでも行なわれていますから、

まさに小林さんのおっしゃる男女の身長差と同じく、傾向の問題です。そういったジャンル論というのは、SFは他のジャンルより激しいのではないのか? だから冬を迎えたのではないか?と、思うのです。

》でも、どれが「超メタ言語的」なのかわからないということでしたら、別にかまいません。

それでしたら、すでに私の見解は述べていると思います。「朝のガスパール」や「言壷」。典型だと思いますよ。

》「BRAIN VALLEY」はすでに30万部という相応しい部数に達してい
》たので、SF大賞をとってもたいして影響はなかった。
》一方、「ソリトンの悪魔」は対象者の目に留まっていなかったのが、協会賞
》をとったことにより、2,3万部以上ばらまかれ、相応しい部数である8万2千部
》に達した。

その通りです。つまり、「SF」出身の作家の作品は、現在のところ、本来の読書家の元に届いてはいないのです。しかし、ホラー畑から出た「Brain Valley」は、ちゃんと届いていた。
これが、SFとホラーとのラベルの評価差です。
で、「Brain Valley」ほど売れていない作品でSF大賞をとったもの、元々SF畑の作品でSF大賞をとったもの、それらの中に、SF大賞をとったことで売り上げが伸びたものはあるでしょうか? SF大賞という名は、推理作家協会賞のように、いままで知られていなかった作家を本来の読者に一気に知らしめるような効果はあるでしょうか?

》それに対して、小説雑誌はSFマガジンの1〜2万部というのが良いほうで、たいてい数千部どまりだということです。

えーと、すりかえないで下さい。漫画雑誌を例にとって、小説本の話をしたのですが。小説本は、数万部単位ででますね? 「スレイヤーズ」などの売れるヤングアダルト小説は、初版で軒並み10万部を越えていたはずです。なら、成人した大人向けの異世界ものSFで、安定して数万部くらい出る本が何冊かあっても不思議はないだろうという話です。
少年ジャンプの部数と比べて、ビックコミックスピリッツの部数は、その程度の比ではないでしょうか?

》ヤングアダルトに留まる。本を読まなくなる。海外SFに走る。など選択支は他にもありそうですね。

海外SFの部数はヤングアダルトの部数と比べてあまりに少ないですね。
やはりミステリとか時代小説に逃げている可能性は否定しがたいものがあるでしょう。
私の友人の男性は、筒井康隆マニアから、西村京太郎時刻表ミステリおたくへと見事な変貌を遂げましたが。本人は、筒井先生と西村先生の素晴らしさについて、同じ様な熱心さで私に説明してくれました。(かわいかった……*^-^*)

》#僕は現状を維持する必要性をあまり感じていないのですが。

では、「SF」という名前、今の枠組みに固執する必要もないのでは?

2276//成人女性が少年ジャンプを読むとき (1999/05/20 18:38:10)
MAIL::小林泰三
#2263:
>SFの最大の問題(悲劇)は、「SFMに載るような話がSFだ」と、一般に(場合に
よればSFファンに
>も)思われているところではないでしょうか。

思われてるんでしょうか?

>だから、ヤングアダルト系の話「ヤマモトヨーコ」とか「スレイヤーズ」などの売れる
SFがあまりSFだ
>と思われていなかったり、「グィン・サーガ」がSFで「吸血鬼ハンターD」がSFで
ないとかいう、わけ
>わからん基準になっているのだと思います。

「スレイヤーズ」はよく知らないのですが、「ヤマモトヨーコ」がSFでない
という意見は奇妙ですね。ひょっとすると、「「キューティーハニーF」なんか
「キューティハニー」じゃない」というような、あるいは、「福田明日香のいな
いモーニング娘。なんかモーニング娘。じゃない」というような文脈で言われた
可能性はありませんか?
いずれにしろ、ジャンルの境界についての論議はホラーやミステリでも行なわれ
ていますから、このことが即「冬の時代」の原因とは考えられません。

>>日本人作家十数人が書いていたので、どれが「超メタ言語的」なのか、お訊きできるの
ではと思ったので
す。

>ああ、それなら梅原さんのおたずねしたら? 質問にはいつでも答えて下さるそうですか
ら、大森掲示板で転
>載して良いですか?と訊ねると、きっと許可がいただけますよ。

梅原さんに聞いてもいいのですが、僕は三枝さんの意見が聞きたいのです。
共通認識をもっておかないと、議論が噛み合わない可能性がありますので。
でも、どれが「超メタ言語的」なのかわからないということでしたら、別に
かまいません。

>「ホラー」出身の作家や、「ミステリ」出身の作家の方が注目されやすいので、面白い
話は出版してすぐに
>評価されるんです。SF出身の作家は、どんなにSFの人たちが面白いと思っていても
、推理作家協会賞と
>してミステリ畑から評価を受けない限り、ミステリ読みに注目されるに至らなかった。
>みんな、SFというラベルを信じていないのではないか、という話です。また、その証
拠に「SF大賞」と
>いうラベルで売り上げが伸びるという話もきかない。

このことと次の三枝さんの意見との整合性がよくわからないのですが...

#2141:
>本は、その本にふさわしい冊数売れるのです。
>
>もちろん、その本の存在が読者に気づかれないことによって、その本にふさわしい冊数
売れないことはあり
>ます。
>ハードカバーで出た時の「リング」や、文庫本で出た時の「六番目の小夜子」、ノベル
ズで出た時の「女囮
>捜査官」のように。
>要は、本来その本を買うような人たちにきづかれるようになることが、売れなかった本
が売れるようになる
>きっかけなのです。
>ですから、対象者の目に留まる場所にちゃんと出るのならば、2,3万部ばらまけば充
分なんです。「リン
>グ」は、その数字に、文庫本になって初めて到達して、本来の売り上げに至るきっかけ
をつかみました。

上の意見を素直に受け入れるなら、

「BRAIN VALLEY」はすでに30万部という相応しい部数に達してい
たので、SF大賞をとってもたいして影響はなかった。
一方、「ソリトンの悪魔」は対象者の目に留まっていなかったのが、協会賞
をとったことにより、2,3万部以上ばらまかれ、相応しい部数である8万2千部
に達した。

と取るのが、自然な気がするのですが。

>うーん。そうなのかなあ。漫画などでは、年齢に応じて読者が減っているようには思え
ないんですよ。少年
>漫画誌と同様に、成人向けの漫画が大量に出ているんで。

漫画雑誌にもぴんからきりまでありますが、メジャーなもので、5〜600万部
出ています。それに対して、小説雑誌はSFマガジンの1〜2万部というのが
良いほうで、たいてい数千部どまりだということです。
同列には論じられないでしょう。

ところで、「おっさんは小説を読まない」という言説の傍証もしくは反証
となるような統計データを持っているか、ありかを知っている方はおられま
せんでしょうか?
#編集者から聞いた話だけなでは心もとないので。

>で、ヤングアダルトからどこに行くのか?(以前にも発言しましたように、「伝奇小説
に行く」というコー
>スは、あります。)

ヤングアダルトに留まる。本を読まなくなる。海外SFに走る。など選択支
は他にもありそうですね。

#2264:
>できたら、そういうくどい説明は「私には」しないでいただきたいなあ。殴ってやりた
くなりますんで。

まあ、掲示板は三枝さん以外のいろいろな方にも読まれてますので。(^^;)

#2272:
>だってそれ、「レディ・コミ」の読者(成人女性)が「少年漫画」の読者(青少年男子
)になるのを期待す
>るようなものだと思うので。

期待してはいけないのでしょうか?
#僕は現状を維持する必要性をあまり感じていないのですが。

2275//おっさんが本を読まない? (1999/05/20 15:16:08)
http://www04.u-page.so-net.ne.jp/gc4/snowtree/ MAIL::雪樹@Snowtree
はじめまして。
書物の帝国からリンクを辿ってやってまいりました。
このようなハードなSF読みの方々のところへ書き込みするのは少々恐い…
最近までSFは難しいと敬遠していた者です。
少々気になる発言があったもので。
私は一般企業に勤める派遣です。
色んな部署で働かせてもらっているのですがおっさんの方が本読んでます。
このおっさんの年齢はいくつぐらいの感覚なのでしょうか?
(40歳以降でよろしいですか?30歳代も含めます?)
で、読んでいるのは言わずとしれた歴史小説、もしくはいわゆるスパイ物のたぐい
をかなりの割合で読んでいらっしゃいますよ。
よく出る作家の名前は真保裕一、佐々木譲、逢坂剛、浅田次郎、フォーサイス、クィネルなどなど。
私の知っているおっさん達は話題収集という観点から読んでいるのかもとも思いますが
20歳代でこの話題についていける人間は少ないです。
ここの書き込みの方の年齢は20歳代が多いように思いますが
私の感覚でいうとここの方々はみなさん少数派。
ちなみに、私の周りにはSFを語れる人はいません。
(今現在は技術部で理系の人間が多いのに)
自分のいる環境だけに照らし合わせるとなかなか一般論にはなりにくいような気がします。

すいません、本当はここで皆さんの最近のお薦めの日本のSFを聞きたかったのですが。
よろしければ教えてくださいませ。

2274//こらこら、どうしてそうこっちの発言をころころ忘れる?) (1999/05/20 14:55:43)
MAIL::三枝
》既に「日常SF」で話が通じているのに、

やぶにらみさーん、勘弁してよお。
これは私と小林さんとの間では、すでに共通の了解事項として成立していることなんですがね。
「日常SF」は、本屋の店先で「日常SF」というラベルとつけて並んではいないでしょ? 店に行っても、個々の本の内容を知らないと、どれが「日常SF」だかわからない状態でしょ? それで不便だって話をしているんですよ。
だからじゃあ、「SF」というラベルをつけて下さいって頼んでも、「SF」とつけると売れないってことでいやがられる。
じゃあ、何か、サイフィクトでもサイファイでも良いから、共通のラベルをつけることは良いことではないでしょうか?ってことですね。

2273//#2270の返事 (1999/05/20 14:46:14)
MAIL::やぶにらみ
三枝さんの<私には、その方が便利なんで><面倒がなくて良いっすよ>という<正直な感想>については、「サイファイ」を用意しなくとも、既に「日常SF」で話が通じているのに、と思いました。営業論も含めるというのなら、話はまた別でしょうが。
2272//一点、矛盾の指摘を>小林さん (1999/05/20 13:40:38)
MAIL::三枝
2262で小林さんが挙げた仮説、「宇宙(未来)もの」と「日常もの」では、読者の性別(と年齢)が違うという話が、もし正しいのならば、2245の

》だからこそ、「日常もの」と「宇宙(未来)もの」を分離することには賛成
》できないのです。両方を纏めて「SF」と読んでいれば、「日常もの」から
》入って「宇宙(未来)もの」に移ってくる人も出てくるのではないでしょう
》か?

というご意見は成立し得ないのでは?
だってそれ、「レディ・コミ」の読者(成人女性)が「少年漫画」の読者(青少年男子)になるのを期待するようなものだと思うので。

「日常もの」の読者と「宇宙(未来)もの」の読者が、最初から性別などが異なっているのならば、やはり「サイフィクト構想」にあるように、それぞれでジャンルわけした方が親切だと思うのですが。

2271//名前の名乗れない臆病者、といって別に名はない (1999/05/20 13:37:30)
MAIL::観衆B
たしかに縄田氏の仰るとおり、イデア系評論家をも含めればSF評論家の自己顕示欲は凄まじいですね。それもあろうことか、売れない方、売れない方へと引っ張ってゆくんですから酷いもんです。
私はノン・イデア系だけを比べれば、最近のミステリ評論家の自己顕示欲(絶賛のキーワードは、「家族の絆」、「人間の醜さ」、「泣き」、「暗黒」...−どれもせいぜい高度経済成長期までの純文学の必須テーマ)が勝っているかもしれないと思ったのですが。まあ、梅原氏の仰るように書評の誘導する先に読者がいれば問題はありませんけど。(でも、やっぱり赤川・内田・西村三氏だけでなく、書評界・文学賞界からはほとんど無視されている森博嗣氏などは売れ続ける。)
本当は、小説家を書評家が評するように、書評家も評されなければいけないんですが、(どの書評家を使うかという立場から)その役割を担っている媒体(メディア)が宮部氏の作品を北村氏に評させる世界ですから。それにしても自己顕示欲はおろか、自己の感情むき出しで書評をするような某ミステリ評論家があのA新聞の夕刊で書評をするというのはいくらなんでもという気はしますが。
最後に三枝さん。仰るとおりです。文系の世界(その中では一応ましと言われている経済学)を不注意に一般化してしまいました。すみません。

2270//RE:それなら (1999/05/20 13:32:09)
MAIL::三枝
》既に「すべてがSF」という区分が成立していると思いますが。

いや。純文学的な作品を省きたいのね。で、日常SFを一つにまとめたいの。
それにしてもやぶにらみさん。私が今まで延々「すでにSFというレッテルの信用はなくなっている」という話をして来た努力を、軽く無視しちゃわないでくださいよぉ。

2269//細田様 (1999/05/20 13:10:30)
MAIL::均一蝋hosoda
どうしていつも彼女のあとに投稿されるのでしょうかー!!!
細田様がいると議論にならないってどういうことでしょうかー???
つまり「SFマガジン」に作品を発表している日本人の作家の作品が疲れるくらいつまらないとか、ひどすぎなのでしょうか??それならすぐに「SFマガジン」が新人賞とか募集すればよいのではないのでしょうかー??そんなことを今さらしても選考委員の文章のほうが面白い「文学界新人賞」みたいになってしまうのでしょうかー作家は発行部数の少ない現状に満足をしているのでしょうかー売れる作家を作家が排除したいのでしょうかーどうして読者が少数でも読者に面白い作品を書こうとか考えないのでしょうかー??どうして作家が「休刊の危機を感じる」ほどくだらない作品を書いたら編集の方は書きなおしてもらわないのでしょうかー??よくわかりません人に歓迎されないすごい迷惑投稿ですが??失礼しましたー。

2268//それなら (1999/05/20 12:36:35)
MAIL::やぶにらみ
>三枝さま
下記のような区分(#2267)で良いのであれば、
既に「すべてがSF」という区分が成立していると思いますが。

2267//つまりね (1999/05/20 11:52:14)
MAIL::三枝
すでにSFの大部分、特に売れている本は、もう「SF」の名では出ていないんですよ。
ですから、「サイフィクト構想」などで、新たに別の名前を付けて、その際、多少枠組みも違えてしまって、それのどこが悪いの?ってのが、私の正直な感想なんですね。
私には、その方が便利なんで。「Y」が中間小説で、「秘密」と「蒲生邸事件」がミステリ、「オルガニスト」がファンタジーで、「天使の囀り」がホラーって世界よりも、全部「サイファイ」の方が、面倒がなくて良いっすよ。

2266//おっさんだが本を読む人(いや、例外だと知っていますよ>小林さん)が出た。 (1999/05/20 10:57:38)
MAIL::三枝
「サイフィクト構想」に腹立てている人ってのは、まあ、ヤングアダルト系のSF読みではないんでしょうね。
ヤングアダルト系の読者ってのは、自己がSF読みだという自覚はあるのでしょうか? それともかなりの割合でバーバラ片桐している(「え!? 銀英伝って、SFなんですか?」ですね)なんだろうか?

ところで、俺がいると議論にならないという話はどうしたんだい? おっさん。

2265//マガジンと読者 (1999/05/20 10:46:39)
MAIL::細田
「SFマガジンって何ですか」って言うSF読みは何人も知っているが、これはSFファンじゃないんだろうなぁ。ヤングアダルト系の読者ですが。

「ミステリマガジンって何ですか」って言うミステリ読みの数のほうが多いとは思うが。

2264//あのう……余談ですが (1999/05/20 10:35:15)
MAIL::三枝
》#以下に SF に対する男女の好みの差について書きますが、これはもちろ
》#ん個人差より優先する話ではありません。
》#「男は女より背が高い」と言った場合、特定の個人の間の比較 (例えば、
》#和田アキ子さんと池乃めだかさん) をしているのではなく、男性の身長
》#の平均は女性の身長の平均より、有意に大きいという意味です。

できたら、そういうくどい説明は「私には」しないでいただきたいなあ。殴ってやりたくなりますんで。
もちろん、ほかの人にはした方が良いのかもしれませんが。私もその手のくどーい説明を省略したために、海法さんに、ひつこーく「SFファンは一つじゃない」と、絡まれちゃったので。気持ちはわからなくはないんですがね。

2263//SFMに載っているような話がSFだと思われているのが問題? (1999/05/20 10:05:31)
MAIL::三枝
》なぜでしょうか? 唯一の専門誌が面白くなければ、ジャンル全体が面白くなくなるのでしょうか?

SFの最大の問題(悲劇)は、「SFMに載るような話がSFだ」と、一般に(場合によればSFファンにも)思われているところではないでしょうか。
だから、ヤングアダルト系の話「ヤマモトヨーコ」とか「スレイヤーズ」などの売れるSFがあまりSFだと思われていなかったり、「グィン・サーガ」がSFで「吸血鬼ハンターD」がSFでないとかいう、わけわからん基準になっているのだと思います。
どうしてそんなことになったのか、SFで声の大きい人が全員イデア主義者であったのか、その辺りはSF歴史(笑)に詳しくないのでわからないですけどね。

》日本人作家十数人が書いていたので、どれが「超メタ言語的」なのか、お訊きできるのではと思ったのです。

ああ、それなら梅原さんのおたずねしたら? 質問にはいつでも答えて下さるそうですから、大森掲示板で転載して良いですか?と訊ねると、きっと許可がいただけますよ。

》「SF大賞」をとった「BRAIN VALLEY」は出版の時点で人に知られていて、「推理作家協会賞」をとった「ソリトンの悪魔」知られていなかったのですが、そこからどうして上の結論が出てくるのでしょう?

「ホラー」出身の作家や、「ミステリ」出身の作家の方が注目されやすいので、面白い話は出版してすぐに評価されるんです。SF出身の作家は、どんなにSFの人たちが面白いと思っていても、推理作家協会賞としてミステリ畑から評価を受けない限り、ミステリ読みに注目されるに至らなかった。
みんな、SFというラベルを信じていないのではないか、という話です。また、その証拠に「SF大賞」というラベルで売り上げが伸びるという話もきかない。

》つまり、かつての「宇宙(未来)もの」読者たちは「日常もの」に移ったのではなく、本自体を読まなくなったのでは?

うーん。そうなのかなあ。漫画などでは、年齢に応じて読者が減っているようには思えないんですよ。少年漫画誌と同様に、成人向けの漫画が大量に出ているんで。

》「宇宙(未来)もの」読者はどうなったのかというと、「ヤングアダルトに吸収された」というのが、僕の考えです。

いや、私はそのヤングアダルトのことを、「宇宙(未来)もの」だと言っていたのです。今、ヤングアダルト以外の「宇宙(未来)もの」は、そんなに数が出ているようには思えませんので。
で、ヤングアダルトからどこに行くのか?(以前にも発言しましたように、「伝奇小説に行く」というコースは、あります。)


2262//おっさんは本を読まない。 (1999/05/20 08:05:41)
MAIL::小林泰三
>>しかし、いずれにしても、SF マガジンがつまらないから、日本 SF
>>が読者から見放されたということは考えにくいと思います。

>いや、SFマガジンがつまらないのに、日本SFが面白いという状況ってのは、考えにくいのでは? 唯一の専門誌ですからねぇ。

なぜでしょうか? 唯一の専門誌が面白くなければ、ジャンル全体が面白く
なくなるのでしょうか? ホラー全体の面白さは「ホラーウェイヴ」で規定
できたということでしょうか?

>>#500号は読まれました?

>それは、読んでいません。時間がある時に抜き取り検査的にしか見ませんので。普段と格違いに面白かったですか?

普段よりおもしろかったどうかはわかりませんが、日本人作家十数人が書いて
いたので、どれが「超メタ言語的」なのか、お訊きできるのではと思ったの
です。

>>受賞によってブレイクしたということで
>>「BRAIN VALLAY」は、すでに知るべきひとは知っていたとも考えられ
>>ますし、

>ええ(笑)。ですから、「SF」じゃあ、人に知られることすらできないってことなんです。対して、「ホラー」や「ミステリ」なら出版の時点で人に知られている。面白い本は、受賞の前にちゃんと売れている。「SF」はそうじゃない。「SF」の名称としての値段は、そこまで落ちているのだ。
>そういう話をしていたのですが。

すみません。論理の筋がよく見えないのですが。 ???
「SF大賞」をとった「BRAIN VALLEY」は出版の時点で人に知
られていて、「推理作家協会賞」をとった「ソリトンの悪魔」知られていな
かったのですが、そこからどうして上の結論が出てくるのでしょう?

>>ベストセラーの約半分が「日常もの」SFであることを考えると少なくとも一般読者は面白いと考えているのではないでしょうか?

>いや。一般読者は、あれをSFだという認識がないんですよ。
>あれらは面白いのに対して、「SF」と書かれてある本はつまらない、だからますます「SF」と書くと本は売れないということで、面白い本が「SF」とは名乗らない。
>循環構造なんですね。

>じゃあなぜ、大人向けの「宇宙(未来)もの」のシリーズが組まれないのでしょう? ヤングアダルト向けのレーベルがあそこまで沢山あり、売れているのに。
>彼らは、作家に大人向けの物を書いてくれと要望しないまま、しぶしぶ「読むものがないので」日常ものへと逃げているのでしょうかね?

#以下に SF に対する男女の好みの差について書きますが、これはもちろ
#ん個人差より優先する話ではありません。
#「男は女より背が高い」と言った場合、特定の個人の間の比較 (例えば、
#和田アキ子さんと池乃めだかさん) をしているのではなく、男性の身長
#の平均は女性の身長の平均より、有意に大きいという意味です。

ある出版社の編集者によりますと、ホラー文庫のメインターゲットは女性だ
そうです。つまり、「日常もの」は女性に好まれる。
それに対し、「宇宙(未来)もの」は男性に好まれる。
#そうでないと、SF大会の男女比のアンバランスが説明つかない。

で、男性はある年齢以上になると、読書自体をしなくなる傾向があるそうで
す。
#これは編集者の人たちの話を鵜呑みにしているだけですが。

つまり、かつての「宇宙(未来)もの」読者たちは「日常もの」に移ったの
ではなく、本自体を読まなくなったのでは?
#もちろん、例外は多々あるでしょうが。

で、本来供給されるべき、新しい世代の「宇宙(未来)もの」読者はどうなっ
たのかというと、「ヤングアダルトに吸収された」というのが、僕の考えです。

2261//ベストセラーってのは、相対値ですよ。 (1999/05/20 03:33:18)
MAIL::三枝
》それはいつ頃のことでしょう? たまたま1回読んだ時だけつまらなかったということではありませんね。確率的に考えて駄目な号はありそうですから。

そうですね。前にも書きましたが、「ヴィーナス・シティ」の連載は全部雑誌で読みましたから、その頃が一番連続して読んだはずですね。一年くらい購読しました。あとは、その前後に、切れ切れ。最近も数冊目を通しましたね。
で、当時は私は「ヴィーナス・シティ」を毎号一番楽しみにしていたのですが、まさかSF大賞、星雲賞の両方をとっていたとは……。うー……日本のSFって、そのレベルなんかいな。

》しかし、いずれにしても、SF マガジンがつまらないから、日本 SF
が読者から見放されたということは考えにくいと思います。

いや、SFマガジンがつまらないのに、日本SFが面白いという状況ってのは、考えにくいのでは? 唯一の専門誌ですからねぇ。

》#500号は読まれました?

それは、読んでいません。時間がある時に抜き取り検査的にしか見ませんので。普段と格違いに面白かったですか?

》ベストセラーの約半分が「日常もの」SFであることを考えると少なくとも一般読者は面白いと考えているのではないでしょうか?

いや。一般読者は、あれをSFだという認識がないんですよ。
あれらは面白いのに対して、「SF」と書かれてある本はつまらない、だからますます「SF」と書くと本は売れないということで、面白い本が「SF」とは名乗らない。
循環構造なんですね。

》受賞によってブレイクしたということで
》「BRAIN VALLAY」は、すでに知るべきひとは知っていたとも考えられ
ますし、

ええ(笑)。ですから、「SF」じゃあ、人に知られることすらできないってことなんです。対して、「ホラー」や「ミステリ」なら出版の時点で人に知られている。面白い本は、受賞の前にちゃんと売れている。「SF」はそうじゃない。「SF」の名称としての値段は、そこまで落ちているのだ。
そういう話をしていたのですが。

》それは本当でしょうか? 過去の「宇宙(未来)もの」の読者は自ら好んでミステリや「日常もの」の読者になったのでしょうか?

じゃあなぜ、大人向けの「宇宙(未来)もの」のシリーズが組まれないのでしょう? ヤングアダルト向けのレーベルがあそこまで沢山あり、売れているのに。
彼らは、作家に大人向けの物を書いてくれと要望しないまま、しぶしぶ「読むものがないので」日常ものへと逃げているのでしょうかね?

2260//ベストセラーって何部から? (1999/05/20 01:40:18)
MAIL::小林泰三
>三枝 様

>翻訳SFばかり読んでいたあと、SFMを初めて読んだ時のあの衝撃的なつまらなさは、未だに脳裏から拭いがたいものがあります。あれはいったいなんだったのか。あの違和感。
>一つは、映画スターシップ・トゥルーバーズと同様、作家の未熟さによるメッセージの混乱があるのでしょう。良くも悪くも、翻訳される作品は選ばれたものだけでしょうが、SFMを読まされれば選択前の生の状態を見せられることになります。

それはいつ頃のことでしょう? たまたま1回読んだ時だけつまらなかった
ということではありませんね。確率的に考えて駄目な号はありそうですから。
しかし、いずれにしても、SF マガジンがつまらないから、日本 SF
が読者から見放されたということは考えにくいと思います。SF マガジン
の発行部数は1〜2万部と言われています。そのほとんどは固定読者ですか
ら、三枝さんのようにショックを受ける「いちげんさん」さらに少ないはず
です。SF マガジンにいくら権威があるといっても、現在 SF を読みた
がらない読者が全員 SF マガジンの洗礼を受けることは物理的に無理が
あります。
#500号は読まれました?

>いずれにせよ、現実に、日本のSFは、そんなに高い割合で(十冊読んで、七冊くらいの割)で面白いと、小林さんはお考えになってらっしゃいますか?

ベストセラーの約半分が「日常もの」SFであることを考えると少なくとも
一般読者は面白いと考えているのではないでしょうか?

》読者はその作家を見限るだけで、SF を見限ることはないと思います。

>(実際、彼の作品は推理作家協会賞の受賞後、飛躍的に売り上げが伸びたらしいです。その逆、SF大賞の受賞によって「蒲生邸事件」や「異形コレクション」「Brain Valley」の売り上げが飛躍的に伸びたという話は聞きません。
>日本には、SFという名の本は読まないけれど、ミステリやホラーなら読むという方がいかに多いかを表していると思うのです。)

「ソリトンの悪魔」と「蒲生邸事件」「異形コレクション」「Brain Valley」を
比較するのは無理があるのではないでしょうか?
「蒲生邸事件」のデータは持っていませんが、「Brain Valley」はSF大賞をとる
前の段階で30万部を越えています。つまり、元々ベストセラーだったわけです。
#「異形コレクション」のデータは発表していいのかどうかわかりませんので、割愛
#しますが、ベストセラー級のものには違いありません。

それに対し、「ソリトンの悪魔」は梅原さん自身がSFマガジン1998年
2月号の読者欄で、受賞後かなりたった1997年10月の時点で8万2千部
であったと発表されています。受賞によって、飛躍的に売り上げが伸び
たとすると、受賞前はこれよりもかなり低い数字だったということにな
ります。つまり、受賞によってブレイクしたということでだいぶ意味合
いが変わってきます。

「BRAIN VALLAY」は、すでに知るべきひとは知っていたとも考えられ
ますし、増加分は市場に流通している分だけで吸収できたのかもしれま
せん。

>小林さんは、現実が逆に展開していることについては、どう、お考えなのでしょうか?
>多くの人が、子供の頃は「宇宙(未来)もの」を読んでいるのにかかわらず、成人するにともなってそれを捨て、ミステリなどの読者になり、SFを再び読んだとしても、せいぜいがところ「日常もの」であるという現実です。

それは本当でしょうか? 過去の「宇宙(未来)もの」の読者は自ら好んでミステリ
や「日常もの」の読者になったのでしょうか?

2259//ミステリの書評 (1999/05/19 22:34:09)
MAIL::細田

それがうらやましいのは、イデアを話す(苦笑)書評家・批評家、面白い本(普通の感性で面白がる一般読者を対象にした本)を話す書評家・時評家、のどちらにも、発言の場がある、ということですか。でもって、後者が話す場のほうが新聞・雑誌というメディア的規模でスケールが大きいところもいいかな。オレはイデアな人(例:笠井潔・巽孝之など)を否定しはしませんが、その発言の影響力が大きいのは嫌かな、と。

SF系の面白い本、ってのはイラストつき小説が多いんですが、そういうのって発行部数の多い新聞・雑誌じゃ取り扱わないんだよね。だから面白いし、実際に売れていても「書評」の面では目立たない。読者が買っていくのを見て、書店員でそういうの好きな人間が棚を作っている、という…。まぁ、ミステリーだと西村・赤川・内田の、実質上ミステリー市場を支えている3人の本に関する書評が目立たないんだから、あちらもあちら、かな。

2258//「ねじの回転」は (1999/05/19 13:58:57)
MAIL::三枝
私も読みましたけど、つまらないですね(笑)。
今では怪談というより、精神分析学者が大変熱心に研究した作品として有名でしょう。私もその関連の文献からの孫引き的に読みました。高校生くらいの時かな?

しかし倉阪さんの「怪奇十三夜」の中の「地球儀」や「階段(だったかなー? ごめんうろ覚え)」なんかは説明しない怪談でしたが、面白いし、怖いですよ。一般ウケしないかもしれませんけど。
上田秋成の話でも、死体を描写せずに、壁に一面に血しぶきがかかっていて、庭の松の木(だったかな)に男のもとどりが引っかかっていた。男の行方はようとしてしれないといった表現がありまして。これ、はっきり見せないことで、ものすごく怖くなっている。

で、はっきり書くモダンホラーは、ホラーというより、グロやスプラッタ趣味ではないかと思うのですが。うーん? どんなものかな?

いずれにせよ、そういった超自然的な恐怖は現実感がないがゆえに、ニーズが減って、死体を見せる(死体自身は現実的な恐怖)といった悪趣味な方角に活路を見いだすしかないかもしれません。
で、恐怖譚は、「サイコな隣人」とか「科学の副作用」といった現実味のあるものがより「ニーズのある恐怖」として求められているような気がしてならないのですが。

2257//だぶってしまった。すみません (1999/05/19 13:29:47)
MAIL::餅屋見習い
こんにちは

ああ、2回おくっちゃった。すみません、大森さん。二度読んだ人すみません。何だかどうやればいいのかまだよくわからないのです。

えーと、三枝さん、何という反応の速さでしょうか(といいいながら私も会社で書いてたりするが)。

「つまり、実話怪談は、小説怪談より、「現実との乖離が小さいので」残ったのではないか?ってこ
となんですが。どこが現実との乖離の小ささかというと、奇妙な現象を、幽霊、妖怪とは説明しない、ただ奇妙であったとだけ言うといった部分ですね。」

ってことですね。すごくよく解りました。
でも、それだったら中島さんがヘンリー・ジェイムズの名前をあげたのはわたし的にはけっこう納得 していますです。あの人が書いたのはほんとに「説明しない、ただ奇妙であったとだけ言う」というふうな怪談だったんですよ。でも、それはいまはあんまり主流じゃないですよね。
ロバート・エイクマンって人がいて、やっぱりそういうの書いてましたけど、批評家の風間賢二さんなんか「お上品な怪談」とかいって露骨に嫌ってますよね。まあそれはいいや。
実話怪談が残ってて、小説怪談が残ってるってのもじつは少し疑問なんですよ。あと、幽霊や妖怪にもう力がないってのも。
貞子ってあれ妖怪ですよね。テレビから出てくる貞子って髪ざんばらでけっこう日本の幽霊の典型みたいだし。
わたしやっぱり幽霊や妖怪っているような気がするんですよ。
いやこういうと気味悪がられると思んだけど、心理的にって意味です。
昔テレビで「腕の毛は剃ったら濃くなる」っていうのを検証するってやってて、先生が出てきて、「いやあ、それは妄説である、ただ単に剃ると切り口の太い部分がみえてそのように思うだけである」って答えてたんですよ。それにたいしてアイドルが(誰だ忘れた)がぼそっと「それがいやなのよ」って言ったんですよ。わたししびれましたね。その言葉に。「濃くなる」と「濃くなるように思う」って同じなんですよ。で、「幽霊がいるかもしれないから恐い」と「幽霊がいるから恐い」はきっと同じなんですよ。わたし物理的には信じてないですけど、死の報せみたいな話を聞くと「幽霊がいない」とは断言できないし。
ああ、もう滅茶苦茶話がずれてますね。
みなさん、すみません。
貞子はいるんですよ。
たぶん、そうじゃないかな。
電脳世界のなかにはいっぱいいそうだな、とくに。はははは。


2256//説明がたりないかな? (1999/05/19 12:26:27)
MAIL::三枝
つまり、実話怪談は、小説怪談より、「現実との乖離が小さいので」残ったのではないか?ってことなんですが。
どこが現実との乖離の小ささかというと、奇妙な現象を、幽霊、妖怪とは説明しない、ただ奇妙であったとだけ言うといった部分ですね。
(この現実への近さ、妖怪を心理学的問題であると理解させる点で、京極夏彦は妖怪や怪談に対して、極めて現代的なアプローチをとっていると言えます。)

2255//こんにちわ (1999/05/19 12:21:27)
MAIL::三枝
》三枝さんは噂とか都市伝説みたいなものと怪談を混同してませんか? ミミズのハンバーグってどう考えても怪談じゃないですよね。

いや、だって(笑)、「純ホラー」より角川的ホラー「サイコミステリ」とか「サイエンスパニック」の方がニーズがあるという話をしていたんですもん。
都市伝説は角川ホラー文庫的にはホラーでしょう。一般には、もちろんホラーではありません。(いくらなんでも、それが判別できていない人はいないでしょう。)

》「現実と乖離するから」というのと「現実と極めて近いのです」とが矛盾するような気もするんですけど、これってわたしが頭が悪いせい???

えーと、ですね。「実話怪談は、現実と極めて近いので(現象を幽霊や妖怪であると説明するのではなく、ただ奇妙なことがあったと投げ出すだけなので)純ホラー小説(原因を幽霊、妖怪だと説明してしまう)と比べて残ったのだ」という意味なのですが。
どこかおかしいですか?
意味がとりにくいのは、文章を読むときに先入観があるからではないでしょうか? たとえば、「実話怪談は現実と乖離があるはずだ」とか思いこんでいる、とか。


2254//楽しく読んでます (1999/05/19 12:16:56)
MAIL::餅屋見習い
こんにちは

すみません、わたし卑劣なんで匿名で書かせて貰います。
中島さんと三枝さんのやりとり、興味深くみてます。
いまのところの感想ですけど、確かに中島さんの答えは三枝さんの言ったこととは
ずれているような気もします。でも、三枝さんは中島さんの言っていることには
あんまり答える気はないようですね。その意味では三枝さんも微妙に外れていると思い
ました。ていうか、意図的にスライドさせているというか。
なんか頭からばかにしてるようでもあるし。

三枝さんは噂とか都市伝説みたいなものと怪談を混同してませんか?
ミミズのハンバーグってどう考えても怪談じゃないですよね。怪談に関する知識
では中島さんのほうが上なのかなと思いました。知識がうえだから正しいってわけで
はないかもしれないけど。あと三枝さんの2224発言の

「実話怪談だけが残るってことこそが、その、現実との乖離ではないのでしょうか?
つまり、実話怪談では説明はあくまで推測で、原因、理由を説明しないまま投げ出されて物
語が終わる場合が多いのです。奇妙なことがあった。それは幽霊のようでもあるし、そうで
もないようでもある、と。そういったことは、現実にあるのです。多くの人が経験していま
す。現実と極めて近いのです。 」

は「現実と乖離するから」というのと「現実と極めて近いのです」とが矛盾するような気
もするんですけど、これってわたしが頭が悪いせい???
中島さんの答えのずれは三枝さんの書くことが解釈しにくいせいもあるんじゃのないかな。

ここ2日くらい三枝さんの発言があんまりなくてさびしかったですが復活したようでよかったです。何といっても面白いことはまちがいないんで。

おじゃましました

2253//楽しく読んでます (1999/05/19 12:12:32)
MAIL::餅屋見習い
こんにちは

すみません、わたし卑劣なんで匿名で書かせて貰います。
中島さんと三枝さんのやりとり、興味深くみてます。
いまのところの感想ですけど、確かに中島さんの答えは三枝さんの言ったこととは
ずれているような気もします。でも、三枝さんは中島さんの言っていることには
あんまり答える気はないようですね。その意味では三枝さんも微妙に外れていると思い
ました。ていうか、意図的にスライドさせているというか。
なんか頭からばかにしてるようでもあるし。

三枝さんは噂とか都市伝説みたいなものと怪談を混同してませんか?
ミミズのハンバーグってどう考えても怪談じゃないですよね。怪談に関する知識
では中島さんのほうが上なのかなと思いました。知識がうえだから正しいってわけで
はないかもしれないけど。あと三枝さんの2224発言の

「実話怪談だけが残るってことこそが、その、現実との乖離ではないのでしょうか?
つまり、実話怪談では説明はあくまで推測で、原因、理由を説明しないまま投げ出されて物
語が終わる場合が多いのです。奇妙なことがあった。それは幽霊のようでもあるし、そうで
もないようでもある、と。そういったことは、現実にあるのです。多くの人が経験していま
す。現実と極めて近いのです。 」

は「現実と乖離するから」というのと「現実と極めて近いのです」とが矛盾するような気
もするんですけど、これってわたしが頭が悪いせい???
中島さんの答えのずれは三枝さんの書くことが解釈しにくいせいもあるんじゃのないかな。

ここ2日くらい三枝さんの発言があんまりなくてさびしかったですが復活したようでよかったです。何といっても面白いことはまちがいないんで。

おじゃましました

2252//念のため(学術誌での論文採択について) (1999/05/19 11:31:46)
MAIL::三枝
》学術論文の審査などにもそのまま当てはまります。

私の理解では、それはどうも文系の学問に顕著な現象ではないかと思うのです。

理系では、良くも悪くも、結果を追試して確認をとることが可能ですので、人間関係で採否を決めるのには、かなりの困難がともなうのです。
一方、欧米の雑誌での採否で、国籍、研究グループ間の影響を受けた話は日常よく耳にします。
つまりは、学術誌での採否基準が、日米で差が大きいようには、私には思えないのです。
日本の学術誌でも、中立の立場のレフリーを複数立てますしね。(少なくとも、私の投稿対象である雑誌では。)
また、論文数をそのまま業績と考えるのも、理系ではもう古い感覚でしょう。われわれはインパクトファクターを業績評価につなげようと努力している最中です。(それはそれで、多少面倒なことにもなるのですが。)

ということで、まあ、少なくとも瀬名さんの専門分野近辺の事情は、私の方が観衆Bさんよりは、いくぶんか詳しいはずだと思うのですが。

2251//書評家の自己顕示欲 (1999/05/19 11:12:50)
MAIL::三枝
》第二は書評家の自己顕示欲。この点はSF書評家よりミステリ書評家により当てはまると思いますが、どうも日本の書評家は、書評を通じて自分の趣味の高尚さ(?)をアピールしようとする傾向があるのではないでしょうか。

私は、これがSFをダメにしたと考えていたのですが。
つまり、ミステリの書評家よりも、SFの書評家に顕著な行動ではないのかと。

2250//反論は、相手の発言を読んでからやって下さい>中島さん (1999/05/19 11:05:46)
MAIL::三枝
》人口に膾炙している怪談のほとんどは、相も変わらず因縁話と疑似科学的オカルトばかりですよ。

中島さん。私が言っているのは、怪談話が「幽霊、妖怪の話」ではなく、「疑似科学的オカルトとか、単純に気持ち悪い話」に転換しているということです。だから、疑似科学的話(ピアス穴から白い糸など)が多いのは良いのです。

》まもなく怪談の季節がやってきますし、テレビの心霊番組やら書店に溢れる通俗怪談本に目を通されることをお勧めします

ええ(笑)。おすすめされるまでもなく、大量に読んでいるのです。時間つぶしと頭を休めるのに、あれ以上最適な読み物はありません。

》因縁を排した怪談を集めた『新耳袋』が怪談通の間で話題になったりしているのでしょ? (2246)

は、私の発言、

》実話怪談では説明はあくまで推測で、原因、理由を説明しないまま投げ出されて物語が終わる場合が多いのです。(2224)

を、ちゃんと読まれた上での御発言ですか?
こちらが「Aである」と言っているのに対して、中島さんが「Aでしょう?」と仰るわけですから、もちろん返事はイエスなのですが。

》説明を排したモダン・ホラーもしくは近代怪談は廃れてしまって、説明過剰なモダンホラーが流行しているのが現状ですのでねえ。
》気のせいなのか幽霊なのかどっちか判らないのでますます怖いというホラーで

私が話していたのは、「どちらが怖いか(怖くないから売れないのだ)」という話ではなかったと思いますが。
そっちの方がずっと怖いが、そういったもの(純ホラー)はニーズがないという話をしていたという記憶があります。
私が言っていたのは、「幽霊や妖怪では、納得しないのだ」ということなのです。だから「サイコキラーの話などの方が売れるのだ」と。

》怪談のモチーフごとに伝播力を比較研究したデータがあるのですか? ぜひ読んでみたいので出典をご教示くださいませんか。

数値的比較はなされていませんが、伝播過程を調査している本は多いですよ。「チョーキング・ドーベルマン」とか「消えるヒッチハイカー」とか、あのたぐいは読まれませんか?
日本でも「膝の骨の裏にフジヅボ」「目の裏側に溜まったまつげ」などという話の方が、「○○トンネルで幽霊」より、よほど熱心に語られているように思えるのですが。


2249//宇宙からの帰還(RE:2245) (1999/05/19 10:20:11)
MAIL::三枝
》僕の印象ではそのような作品はむしろ例外的に感じます。

私の印象では、なぜだか梅原さんの言うとおりのように思えたのです。
翻訳SFばかり読んでいたあと、SFMを初めて読んだ時のあの衝撃的なつまらなさは、未だに脳裏から拭いがたいものがあります。あれはいったいなんだったのか。あの違和感。
一つは、映画スターシップ・トゥルーバーズと同様、作家の未熟さによるメッセージの混乱があるのでしょう。良くも悪くも、翻訳される作品は選ばれたものだけでしょうが、SFMを読まされれば選択前の生の状態を見せられることになります。
しかし、作家自身がメッセージの混乱を、対象について深く考えていることだとか、哲学的深さであるとかの誤解を抱いているような気もするのです。安易でない、といったような。けれども物事への考え方を、その過程ごと混乱のまま提示して良いのは、エンターテインメントではなく純文学であろうとも、私は思います。

いずれにせよ、現実に、日本のSFは、そんなに高い割合で(十冊読んで、七冊くらいの割)で面白いと、小林さんはお考えになってらっしゃいますか?

》読者はその作家を見限るだけで、SF を見限ることはないと思います。

私は幸い、ガキの頃に名作と呼ばれるSFを大量に読めたおかげで、SFを見限るのではなく、日本のSFを見限っただけですみましたが。日本のSFしか読んでいない人ってのは、いったい、どうするのでしょうか?
おそらく、日本推理作家協会賞が出なかったなら、私は梅原さんのことも「日本のSF作家」ということで、その存在を知ることは、まずなかっただろうとも思います。
(実際、彼の作品は推理作家協会賞の受賞後、飛躍的に売り上げが伸びたらしいです。その逆、SF大賞の受賞によって「蒲生邸事件」や「異形コレクション」「Brain Valley」の売り上げが飛躍的に伸びたという話は聞きません。
日本には、SFという名の本は読まないけれど、ミステリやホラーなら読むという方がいかに多いかを表していると思うのです。)

》両方を纏めて「SF」と読んでいれば、「日常もの」から入って「宇宙(未来)もの」に移ってくる人も出てくるのではないでしょう
か?

小林さんは、現実が逆に展開していることについては、どう、お考えなのでしょうか?
多くの人が、子供の頃は「宇宙(未来)もの」を読んでいるのにかかわらず、成人するにともなってそれを捨て、ミステリなどの読者になり、SFを再び読んだとしても、せいぜいがところ「日常もの」であるという現実です。

2248//書評の問題 (1999/05/19 09:53:28)
MAIL::細田
書評の問題を話すと、SFが悪いのじゃなくてSF業界の書評家(売れ行きと関係なくメタなSFを褒める人とか、あんまり本を読んでいないで、本の話のかわりに自分のイデアを話す人)とかが悪い、ということになって、さらに、そういった書評家を使う編集者が悪い、ということになりますか。まぁ、売れているSFの実質的な売り上げと、アカデミズム系書評家による売れないSFに対する賞賛との乖離は、単にSFに限らずたくさん本読んでる奴がSFの書評してない、ってことにあると思ってます。目黒〜茶木的な、「泣かせに弱い」書評家がいないのも難でしょう。参考意見として、

http://www2c.biglobe.ne.jp/~hosoda/umaatama/sfkuzu02.html(「SFクズ」問題と批評家の責任意識(97.3.26))

とか、

http://www2c.biglobe.ne.jp/~hosoda/umaatama/sfkuzu05.html(「SFクズ」問題西葛西系(97.4.1))

なんてのも、オレの意見としてありましたか。2年以上前だけど、多分今発言しても同じようなことを言うと思います。

2247//中島さん (1999/05/19 09:49:11)
MAIL::三枝
当事者であるなら、なおさら、角川の成功を宣伝のせいにしてはいけないと思うのですよ。それは現実に対するある種のごまかしでしょう。

》それは三枝さんのような外部の人間にのみ可能なことで、

ならば、東さんが出て来るのはルール違反でしょう。
たとえば、インターネット上の書評に対して手紙を出す作者のようなものです。(松本楽志さんのところがやられたようですね。)

それを正当な行為と考えるか、事実を自分の思い通りに曲げたいのだと考えるかは、個々人のとらえかたでしょうが。

2246//ちょっと長いですが (1999/05/19 02:37:10)
MAIL::中島晶也
>三枝様

>>角川に関しては東さんが当事者であったようには、どう事情を伺っても思えな
>>いのです。

三枝さんは東さんが当事者であることすら、認識できていなかったのですね。
非常に残念です……。三枝さんはずっと角川ホラーの話だけをしていましたか?
#2128などで角川ホラーと学研、ぶんか社を比較して論じていたではありません
か。だから東さんが出てこられたのでしょう? 東さんは三枝さんの議論の対
象の当事者に他なりませんよ。

また、ホラー業界という広い視野で括ると、ずうっと端っこの崖っぷちのとこ
ろですが(笑)、私も当事者の一人です。そんなに範囲を広げちゃ切りがない
だろうと言われそうですが、それは違います。現に三枝さんとのやり取りの中
で、私は正直に自分の見解と持っている情報を提示した結果、たった2つしか
ないクライアントの両方の仕事についてケチを付けるような格好になってしま
ったでしょ? 業界のしがらみは、私のような末端の者までしっかり絡め取っ
ているのです。

三枝さんが議論の対象にしているのは、このような生身の人間たちが現実に生
活をしている場なんです。純粋な議論を展開するには、三枝さんが何度もおっ
しゃられている通り、人間関係を切り離す必要があります。だけど、それは三
枝さんのような外部の人間にのみ可能なことで、当事者にとっては事実上不可
能なんです。いちばん端っこの私のような者ですら、こうも簡単にヤバイ事態
に陥ってしまうのですから、東さんのような真ん真ん中の方にとっては、公開
の場で経営論なんぞやるのは自殺行為に近いことです。

当事者は人間関係のしがらみがあるから、オープンな情報の提示や議論はでき
ない。部外者はしがらみとは無縁だけど、当事者に頼らなければ議論に必要な
情報を得ることができない。ギョーカイの経営論というやつは、そういうジレ
ンマを必然的に抱えるものなんですね。結局、部外者による経営論は断片的な
情報を元にした推測の積み重ねにしかならない。論じる対象は他人の生活が掛
かっている大問題なのに、一歩間違えれば無責任な噂話の応酬に堕する恐れが
ある危険な行為なんです。だから、私は部外者による経営論は嫌いで、自分が
そういうものに参加するのはご免です。

でも、それを理由に三枝さんに対し「お前は部外者なんだから経営論なんか止
めろ」と言うつもりはありません。困難とはいえ、断片的な情報から正しい推
測ができることもあるかも知れないですし、部外者が自由な立場から当事者に
とって有益な議論を展開できる可能性もあるとは思うからです。ただ、やるの
であれば、前記のような限界と危険性をきっちり認識した上でやって欲しいん
です。他人の台所事情を勝手に推測している立場なのに、危険を犯して情報提
供に現れた本人に向かっていきなり「餅屋の言い訳か……」なんて言い方をす
るのはどうでしょうね? あえてご返答していただかなくても結構ですから、
じっくりご自分で考えてみて下さい。

……と終わった方がまとまりが良いのだけど(またかよ)、

>>つまり、実話怪談では説明はあくまで推測で、原因、理由を説明しないまま投
>>げ出されて物語が終わる場合が多いのです。

とんでもない。人口に膾炙している怪談のほとんどは、相も変わらず因縁話と
疑似科学的オカルトばかりですよ。そういう事態に対する危機感から京極夏彦
氏が妖怪小説を書き始めたのですし、因縁を排した怪談を集めた『新耳袋』が
怪談通の間で話題になったりしているのでしょ? まもなく怪談の季節がやっ
てきますし、テレビの心霊番組やら書店に溢れる通俗怪談本に目を通されるこ
とをお勧めします(つまらなくて頭に来るでしょうけど……)。和製ホラーの
中で『リング』が飛び抜けた支持と広がりを見せているのは、そういう基盤が
あるからでしょう。

ちなみに、怪談の因縁を読み解く作業を続けているのが気鋭の怪談研究家小池
壮彦氏で、彼の著書はどれもまっとうな怪談本としてはピカイチです。こちら
はマジでお勧め。
現代人、特に若い世代のオカルト指向(減るどころか増えてるそうです)につ
いては『不思議現象 なぜ信じるのか――こころの科学入門』(菊池聡他・北
大路書房)という本が面白かったです。三枝さんが関心をお持ちの、有効な議
論手続きの模索の参考にもなるはずですよ。

>>対して、小説の場合、どうしても、事情や過程を説明するようになります。そ
>>の時、幽霊や妖怪では、もはや多くの人は納得しないのではないでしょうか?

説明を排したモダン・ホラーもしくは近代怪談は廃れてしまって、説明過剰
なモダンホラーが流行しているのが現状ですのでねえ。大雑把に説明しますと、
英米の怪奇小説では三枝さんが提示されたような疑問が今世紀の始めぐらいか
ら問題にされておりまして、一旦は説明を排する方向に進化したんですよ。超
有名なところではヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』なんかがそうですが、
気のせいなのか幽霊なのかどっちか判らないのでますます怖いというホラーで、
小説の技巧の限界を行くような凄いものもある反面、「どこが怖いんだか判ら
ん」と広い支持は得られず廃れてしまったんです。その反動のような感じで、
キング以降のモダンホラーはあからさまに幽霊や妖怪が出て来ちゃう先祖帰り
になっているんです。

そんなわけで、どうも一般には、お化けならばっちりお化けの方が好まれる
みたいですよ。

>>また、実話の怪談でも、最近は、都市伝説のような(香港の更衣室から消えた
>>OLとか、ミミズのハンバーガー、ピアスの穴から白い糸など)、幽霊、妖怪
>>から遠い話の方が熱心に語られ、より強い伝播力があることを指摘しておきた
>>いと思います。

怪談のモチーフごとに伝播力を比較研究したデータがあるのですか? ぜひ読
んでみたいので出典をご教示くださいませんか。

2245//宇宙――それは最後の開拓地である。 (1999/05/19 00:50:56)
MAIL::小林泰三
>私の場合は、梅原さんの言う「超メタ言語的な作品」を、娯楽性を二の次にして、文体や用語、新規な設定、構成にこだわった、文学的実験作品のことだろうと解釈したのです。
>つまり「純文学的作品」のことではないのかと。(これは私個人の解釈なので、梅原さん自身の解釈とずれている可能性も高いと思います。)

僕の印象ではそのような作品はむしろ例外的に感じます。もし、梅原さんの
主張するように「超メタ言語的な作品」を読んでしまったことが読者の S
F 離れの原因になったのだとしたら、SF 出版部数のかなりの部分を占め
ていなければ、辻褄が合いません。面白い SF を10冊読んだ後で、面白
くない SF を1冊読んだからといって、SF を読まなくなるというのは
不自然です。ということは最初かせいぜい2,3冊目に読んだ SF が「超メ
タ言語的」ということになるのですが、そのようなことが頻繁に起きるとし
たら、「超メタ言語的」ベストセラーが無数に出ていなければならないので
すが、具体的に例があげられるでしょうか?
それよりも面白くない作品は売れ行きも思わしくなく、読者の目に触れるこ
ともなく、影響力もないと考えるのが普通ではないでしょうか?
過去にエンターテイメント性の強いものを書いて人気を持っている作家が突
如「超メタ言語的」を書き始めたため、偶然ベストセラーになってしまった
としても、読者はその作家を見限るだけで、SF を見限ることはないと思
います。
したがって、「超メタ言語的」はあくまで例外的なものであり、影響も少な
いと考えます。

>「宇宙(未来)もの」の最大の欠点は、それに相当するもので成人した大人が読む本がほとんどないということだと思います。
>一部の読者は成人後伝奇小説を読むのでしょうが、残りの読者はミステリや、最終的には時代小説などに逃げているのが現状ではないでしょうか。
>SFとしては、結構もったいない部分ですね。

だからこそ、「日常もの」と「宇宙(未来)もの」を分離することには賛成
できないのです。両方を纏めて「SF」と読んでいれば、「日常もの」から
入って「宇宙(未来)もの」に移ってくる人も出てくるのではないでしょう
か?

2244//書評に関する日米格差について (1999/05/19 00:19:01)
MAIL::観衆B
観衆A氏と同様アメリカに在住する者から、書評の影響度の彼我格差について。
どうも今までの議論においては書評の頻度と影響度とが混同されているようですが、影響度という観点からすればアメリカの方が高いことは間違いありません。大森氏や瀬名氏などより詳しいかと思いますが、アメリカでは、「この人にNYTBRで誉められれば間違いなくベストセラーリスト入りする」という書評家が数人は少なくともいます。これに比べ、朝日の書評の影響度は年々落ち続け、最近では載ってもプラス効果はせいぜい数千部だと聞いています。
それでは、(三枝氏の仰るとおり量的(頻度)面で日本がアメリカに劣っていないのなら尚更)なぜこれだけの影響度の差が出るのでしょうか。観衆A氏の仰るように書店の扱いも一因でしょう。ただ、日本の書店も、書評の読者に対する影響度が高いと思えば書評に載った本を大々的に扱うはずであり、この点は本質的な理由付けとはなり得ません。
やはり問題なのは、書評の質ではないでしょうか。経済学者の端くれの観点から言えば、書評というものは、読者と作品との間にある情報の非対称性を解消するためにあるものであり(−−要は、書店にいる数十分間だけで、読者は、手に取った作品が購入するに値するものか否かを判断する情報を得ることは難しい。したがって、その情報を与え、読者の情報収集の労を省かせるのが書評であるということ)、読者が書評の情報仲介機能が当てにならないと思えば、書評の読者に対する影響度は落ちるのです。
なぜ日本の書評の情報仲介機能がアメリカに比べ劣るのかについては何点か理由が考えられます。まず第一は客観性。作家と編集者と書評家とが日々一緒に飲み歩いているような世界で、書評家の情報仲介が中立的・客観的に行われていると読者が果たして信じるでしょうか。中立性・客観性の喪われた書評の情報仲介機能は、当然のことながら極めて低くなります。もちろん、この点に関しては、中立性・客観性に疑問を抱かせるような書評家の人選を行う媒体サイドの問題もあります。以前、宮部みゆき氏の「理由」の書評を北村薫氏が日経新聞紙上で担当しているのを見かけましたが、あのような人選はアメリカにおいては考えられません。第二は書評家の自己顕示欲。この点はSF書評家よりミステリ書評家により当てはまると思いますが、どうも日本の書評家は、書評を通じて自分の趣味の高尚さ(?)をアピールしようとする傾向があるのではないでしょうか。純文学コンプレックスのなせる業かは知りませんが、とりあえず「家族の絆」とか「人間のサガ」とかいったテーマに(ミステリの本論と関係なくても)取り組んだ作品には、面白さが若干劣っていても高い評価を与える傾向があるように私には思われます。その結果が、直木賞にリーチのかかったような作家によるやたらと重苦しい(けど高尚な?)小説の乱造なのではないでしょうか。第三は...といくらでも続くのですが、ここら辺でうち切ることにします。
なお、研究者としての瀬名氏も良くご存じと思いますが、こうした問題は何も文芸評論の分野に限らず、学術論文の審査などにもそのまま当てはまります。日本は、良い悪いは別として「仲良し社会」、「内輪社会」でやってきた国で、アメリカのように何でも格付けしてきた国に比べ、どうしても書評など、いわゆる客観審査ではアメリカに劣ってしまう面があるように思えます。学問の世界で言うと、アメリカにおいては、学術誌は投稿された論文を掲載するか否かで厳正な審査を(匿名の委員により)行うため、掲載された論文の数により研究者の評価が定まります。それに対し日本の学術誌は、「〜先生の紹介だから断れない」といった理由で掲載・不掲載が決まるため、そこに載ったか否かだけ何ら研究者としての評価を下すことができません。その結果、日本の研究者の評価もアメリカの学術誌に頼っているのが現状です。小説の世界ではアメリカの書評家に格付けを依頼する訳にはいかないので、何とかしなければいけないのですが...

2243//フライングかな? (1999/05/19 00:13:12)
MAIL::まき
今日は、本屋さんで“ファントム・メナース”の文庫が平積みに。

禁を破って買ってしまいましたが、まだ読んでません。本編早く見たいよぉ。


2242//トリコーダまでもう少し (1999/05/19 00:10:45)
MAIL::まき
>さいとうさん、やなしたさん、小林さん

お返事ありがとうございました。お勉強させていただきました。先日、計測器メーカのカスタマーサポート部を取材させていただいた身としては、可能性がいろいろと見えてきたような気がします。

おまけ情報)
巨大携帯企業では、JAVAでじゃばじゃばと携帯電話のソフトを書きはじめているようです。

2241//なんか、妙にウケた。 (1999/05/18 13:39:58)
MAIL::三枝
》でもバラードの目的というかテーマは、そんなところには無い。逆にこちらの常識的な価値観を逆撫でしてくるのだから。

それって、「スターシップ・トゥルーバーズ」がSF者に歓迎されるわりに、一般的には少しもヒットしない理由を端的に表しているような……。
一般人の感覚では、やはり「アルマゲドン」の方が客が入るのは当然じゃないっしょか。

2240//RE:サブジャンルの分類と現状 (1999/05/18 13:31:31)
MAIL::三枝
》「超メタ言語的」は入っていません。これって、正体不明なんですが、本当にサブジャンルを形成してるんでしょうか?

私の場合は、梅原さんの言う「超メタ言語的な作品」を、娯楽性を二の次にして、文体や用語、新規な設定、構成にこだわった、文学的実験作品のことだろうと解釈したのです。
つまり「純文学的作品」のことではないのかと。(これは私個人の解釈なので、梅原さん自身の解釈とずれている可能性も高いと思います。)
サブジャンルを構成しているというより、SFを娯楽小説のジャンルとするのには「じゃまになる作品群」のことなのではないでしょうか?
それらが面白くないということはないでしょうが(面白がる人も多いと思います)、しかしそれは、たとえば笙野頼子の「二百回忌」、高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」、山上弘美の「蛇を踏む」と同じようなおもしろさであって、要は娯楽小説の中に紛れ込んでいると、ちょっと困ってしまうタイプの作品群なのではないか、と、いったような気がするのです。
読者を選びすぎますし、本を開くまでまずは予想がつかないので、ジャンル的安心感がないのです。

》「宇宙(未来)もの」は「ヤングアダルト」に、「日常もの」はホラー
(一部はミステリー) に組み入れられているのが現状でしょう。

確かに、作品の形としては、小林さんのおっしゃるように、「サイフィクト構想」のようなものは、一部実行されているのだと思います。
しかし、現状には、まだかなりの欠点があるのではないでしょうか。

「宇宙(未来)もの」の最大の欠点は、それに相当するもので成人した大人が読む本がほとんどないということだと思います。
一部の読者は成人後伝奇小説を読むのでしょうが、残りの読者はミステリや、最終的には時代小説などに逃げているのが現状ではないでしょうか。
SFとしては、結構もったいない部分ですね。

「日常もの」の欠点は、以前も書きましたように、本屋の店先で見ているだけでは、どれがそれであるのかわかりかねるということだと思います。
一冊読んで面白くても、同じジャンルであるという共通認識がないので、同じく日常ものSFである別の作家の別の本へとつながりにくい状況にあるのだと思います。
それを「梅原構想」などで(別の構想でも良いですけど)一つのジャンルにまとめることができたなら、ジャンル自体に客がついて、もっと盛り上がるでしょうし、SF出身の作家さんも、自己の年齢に応じて書きたい物が書けたり、書く場所が増える結果につながるのではないかと思うのです。
もちろん、読者も、年齢に応じて、読みたいような本が、その都度簡単に手に入るような状況にならないでしょうか?

2239//たかはしさんへ(また返事になっていないような) (1999/05/18 12:53:41)
MAIL::やぶにらみ
サイフェクトの定義ですが、「生頼義範さんが装丁を手がけた本」というのはどうでしょうか。『復活の日』から『エンディミオン』まで、フォローできます。

冗談はさておき、
SFの場合、物語の結構(パターン)だけ取り出して、あれこれ言うのに、どれほど意味があるのかなあ、と思います。映画で例を挙げると、西部劇とかロマンティック・コメディは、そのジャンルに特有の結構(スタイル)がありますけど、SFの場合、『エイリアン』はホラーだし、『ブレードランナー』はハードボイルドだし、SFに固有の語り口が存在しない、少なくとも他のジャンルに置き換えが可能と言いますか。
問題は、借りてきた語り口で、何を表現したか、という点に尽きるわけですよね。
『結晶世界』の場合、主人公の不倫とか、鰐との格闘とか、娯楽性もふんだんにあるし、形だけ見れば「お約束」の冒険物語なわけで、そこでヒューマニズムを高らかに謳いあげたりしてくれれば、立派なサイフェクトでしょう。でもバラードの目的というかテーマは、そんなところには無い。逆にこちらの常識的な価値観を逆撫でしてくるのだから。
#梅原さんが神林さんを嫌うのも、実はそうした思想的部分に理由があるのでは?

TVの時代劇で言えば、最大の「お約束」とは、チャンバラがどうのこうのでなく、人情とか勧善懲悪といった部分なのではないか。

北村薫さんの場合、精緻なプロットに加えて、あの優しい世界観というか人間観に魅力を感じる読者にとって、推理小説かSF小説かというのは、二次的要素になるのではないでしょうか。「お約束」というより、何を書いても楽しませてくれるだろうという「安心感」。村上春樹さんも同じ事が言えるのかな。ダニエル・キイスなど、『アルジャーノン』がSFで『ビリー・ミリガン』がノンフィクションであるという事さえ、あまり大した区別ではないように思えます。キング、鈴木光司さんは言わずもがな。

梅原さんも初めからそういう一人一派を目指せば良かったのに。
『パラサイト・イヴ』がSFかホラーかといった論議は、大部分の読者にとってはどうでもよいことであり、そうした「些末」な点に固執するSFファンは、SFから多数の読者を忌避させかねない−−という主張は、肯ける部分もあるので、その意味でも、サイフェクトとSFの区分という、別のジャンル闘争を産むのは、戦略としては不適切なのではないでしょうか。
#単に、SFファンが足を引っ張っているだけかな?




2238//サブジャンルの分類と現状 (1999/05/18 12:45:18)
MAIL::小林泰三
梅原仮説による分類ーー「サイフィクト」「スペースオペラ」「超メタ言語的」
はどうも僕の実感とフィットしてくれません。

僕なら、「宇宙(未来)もの」「日常もの」ぐらいの分類にしておきます。
「宇宙(未来)もの」が「スペースオペラ」に、「日常もの」が「サイフィクト」
にほぼ対応しますが、「超メタ言語的」は入っていません。これって、正体不明
なんですが、本当にサブジャンルを形成してるんでしょうか?

「宇宙(未来)もの」は「ヤングアダルト」に、「日常もの」はホラー
(一部はミステリー) に組み入れられているのが現状でしょう。

「宇宙(未来)もの」は今でも帯に SF の文字があることもあります。
それに対し、「日常もの」は SF でないかのように扱われています。

つまり、

「日常もの」に SF の文字を使うと、「宇宙(未来)もの」だと思われて
売れなくなると考えられてるのではないか。

というのが僕の推定なのですが、いかがでしょうか?

この場合、サイフィクトを待つまでもなく、すでに梅原構想は実行されて
いることになります。

2237//京セラの (1999/05/18 12:38:14)
http://www.asahi.com/0517/news/business17012.html MAIL::さいとうよしこ
見た目はこんな感じでした。うーーむ。
やや困り気味(笑)。

2236//「サイフィクト」の定義 (1999/05/18 07:57:55)
MAIL::三枝
「売れるSFでる」「設定がお約束のSFである」「普段SFを読まない人でも読みやすい(敷居が低い)SFである」など以外に、「純分学的作品(純SF)を除いたSF、要は娯楽SFである」という分類もとれる可能性があるかもしれません。
現実に、純文学と娯楽小説、中間小説との違いを正確に述べることができる人はいないでしょうが、たいていの人がその区別をつけることができるはずです。
どんなに売れていても「家族シネマ」を娯楽小説だと言う人はいませんし、つれない恋人が自分以外の人を愛したり行方不明になったりして放浪の挙げ句戻ってきてハッピーエンドになるという、超お約束のストーリー展開でも、誰も「スプートニクの恋人」を娯楽小説だとは言わないでしょう。

2235//携帯 TV 電話 (1999/05/18 07:36:25)
MAIL::小林泰三
原稿システムでは下に書かれているように PHS で実現できます。
1秒間に2コマ程度です。
再来年以降 NTT で導入される予定の IMT-2000 の容量は 2
Mbps なので、滑らかな映像になるはずです。

どちらも現行機種とほぼ同じ大きさではないでしょうか。

2234//カメラつきPHS (1999/05/18 04:03:14)
http://news.yahoo.co.jp/headlines/bcn/990518/cpt/00000000_bcncpt001.html MAIL::やなした
京セラ製だとか。くわしくはリンク参照
2233//カメラ付きPHSとは (1999/05/18 02:39:18)
http://www.i-love-epson.co.jp/products/category/locatio/index.htm MAIL::さいとうよしこ
エプソンのロカティオのことでしょうか?
上のリンクからニュースのとこにいきます。
明日から有明でビショウなので、出てるかも。見て来まーす。

2232//RE:カタカナ (1999/05/18 00:33:20)
MAIL::三枝
》Vリゾ。(←カタカナじゃないじゃないか)

良いんじゃないですか。綴りになっていないアルファベット状態くらいには、もう日本人耐性ができてるっし。

それにしても、語源って、みんな気になるものなんでしょうかね。
あたしゃ、SFの語源について初めて知ったのは8歳くらいの時だったけれど、もうその瞬間「アホか(←関西人だったので)」と思った記憶があるんっすが。

2231//カタカナ (1999/05/18 00:04:10)
MAIL::Δ
Vリゾ。(←カタカナじゃないじゃないか)

「ハイレゾ」と音が似ているので、レゾルーションがバリアブルかと一瞬
思うものの「?綴りが違う…」と延々気になってるところで、何の略なのか
を知らされて「それはあまりにあんまりだ!」とやり場のない憤りが中古
ゲーム台の”XEVIUS”のごとく彼の脳裏に焼きつく仕組み…。

で、語源を知った方は「ヴィライズ」と呼ぶようになって、若い人に不思
議がられる世代交代〜。

2230//やぶにらみさんへ (1999/05/17 23:40:10)
MAIL::たかはし
週末は過去ログと戦ってました。お返事が遅くなってすみません。

#大森掲示板の過去ログ(#1000〜#2200まで)をmamimiで読みこめるように
#変換したりしてました。名前順にソートできるのはちょっと便利。

やぶにらみさん(#2186):
>そもそも梅原氏の考えるサイフィクトも「お約束」を目指すものだと考えます。

なるほど、そっちの方でまとめるわけですね。納得です。
で、そうだとすると、

>要するに「売れるSF」「売れないSF」って事なんでしょうけれど。

ということでは、「スキップ」「ターン」とかのジャンルを越えて読まれるSFな小説についても「お約束」と括ってしまうことになりますよね? でも、それって普通に言う「お約束」とはちょっと違うものじゃないでしょうか。だから、やっぱり良い区分ではないんじゃないかなと思うわけです。

>『結晶世界』だって、日常に始まって非日常へと読者を誘う秘境探検物ですが、
>梅原さんは、絶対サイフィクトの仲間には入れてくれないでしょう。

確かに。先日某所では「『言壷』も形から言えばサイフィクトだよね」という話になってしまいましたし。
やっぱ「日常から非日常へ」という形による定義だけだと有意義な言葉にならないんでしょうかね>サイフィクト

2229//携帯テレビ電話 (1999/05/17 23:11:16)
MAIL::まき
が発売の運びとか。どなたか大きさ知りませんか?

ウルトラ警備隊サイズだといいなぁ。ダイヤルしにくいけど。あ、ヴォイスタグ付きなのか。

2228//ご存知の方いませんか? (1999/05/17 22:37:21)
MAIL::康・彦・臣
某週刊誌に掲載された蓮實重彦・東大総長の日録の中に「1993年7月イタリアの山で遭難したオーストリア大使・小野寺竜二氏のための東大同窓会誌への追悼文を書く。」とあり、この東大同窓会誌を探しているのですが、実のところ、仏文学科で出されているものなのか、あるいは文学部で出されているものか、それともそのどちらでもないかもしれませんが、全く事情が判っておりません。
前述の追悼文を発見できましたら、これ以上の喜びはないのですが、東京大学文学部仏文学科卒業生の方が関係する東大同窓会誌にはどのようなものがあるのかだけでも知りたく、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらご一報下さいお願いします。

2227//よくわからないけど (1999/05/17 16:25:41)
MAIL::タカアキラ ウ
詩のパロディだと思います。
http://www.meta-earth.com/sfever.html
冬樹さんあたり気に入るかなっておもって。
大森さん初めまして。

2226//謝罪 (1999/05/17 07:48:10)
MAIL::小林泰三
昨日はどうも。

ところで、#2202では、僕としたことがとり返しがつかない大変
失礼なことをしてしまいました。
以後このようなことがないよう気をつけますので、どうかご容赦
ください。
#『密室・殺人』とかもあれですね。


2225//奇跡のアウェイ初勝利 (1999/05/17 01:40:05)
http://www.ltokyo.com/ohmori/ MAIL::大森 望
いや、今日は中田もよかったね。
これでペルージャもセリエA残留の目が復活。最終節が楽しみ。

>>小林泰三様
昼間はどうも。
うっかりしてましたが、#2202は警告対象です。気をつけてください。

2224//中島さんへ (1999/05/17 01:37:02)
MAIL::三枝
》どうもお二人の事情が呑み込めないし、

どうも、私もあれに関してはずいぶんと気味の悪いことだと思っていて、理解しがたいのです。
私は彼に対しては、過去、出来うる限りのことはしてあげたつもりですし、ずいぶんと譲ってきました。で、これ以上はもうダメだというところですっぱり切り捨てたので、それでもう終わりだと思っていたのですがね。

》炎のホラー編集者東雅夫氏の暴発は、

一応、暴発状態だとは、おわかりだったのですね。ほっとしました。

》それは三枝さんの方ですって

私はちゃんと、東さんの編集者としての仕事は評価していますが。そういった部分は見なかったふりをするってのは、やはり雑ではないですかね。

》私はできる限り中立の立場で三枝さんに接しようとしているつもりですよ。

その点は評価しています。しかし、いかにも早急な判断には、くらくらすることがあるのです。そんなふうに、ぽんと一点にひっかかった状況でまわりも見ずに応答するってのは、何らかの先入観とか、思い込みがるのではと思ったのですが。

》当事者はすべてを明け透けに語ることはできない」という根本的な問題を認識した上で議論を交わしているのか、疑問に思ったからです。

私が東さんの発言で問題にしているのはただ一点です。「角川の本が売れたのは宣伝が巧いからだ」という粗雑な言い切りはおかしいのではないか、と。角川に関しては東さんが当事者であったようには、どう事情を伺っても思えないのです。
私は、売れたこと、成功したことを、そういった表現に還元してしまう言い方に、どうしても馴染めません。
「パラサイト・イブ」が売れたのは、本当に帯が良かったからでしょうか? メディア・ミックスのおかげでしょうか? それだけでしょうか? 私にはとてもそうだとは思えないのです。

》その説が正しければ、まず実話怪談が姿を消して、その後に小説の怪談が姿を消すはずではないですか。現状は逆ですよ。

実話怪談だけが残るってことこそが、その、現実との乖離ではないのでしょうか?
つまり、実話怪談では説明はあくまで推測で、原因、理由を説明しないまま投げ出されて物語が終わる場合が多いのです。奇妙なことがあった。それは幽霊のようでもあるし、そうでもないようでもある、と。そういったことは、現実にあるのです。多くの人が経験しています。現実と極めて近いのです。
対して、小説の場合、どうしても、事情や過程を説明するようになります。その時、幽霊や妖怪では、もはや多くの人は納得しないのではないでしょうか?
また、実話の怪談でも、最近は、都市伝説のような(香港の更衣室から消えたOLとか、ミミズのハンバーガー、ピアスの穴から白い糸など)、幽霊、妖怪から遠い話の方が熱心に語られ、より強い伝播力があることを指摘しておきたいと思います。

2223//RE:ジャンル名(さらに不正確に) (1999/05/17 00:55:25)
MAIL::三枝
英語で綴ったままは良くないです(笑)。
後に「――アニメ」と続けられるようにするのは重要(わはは)だと、確かに思いますけど。

以前大森さんが(冗談で)仰った「スキッフィー」がなぜいけないかと言うと、日本人がすぐに覚えられるような語感ではないからですね。年寄りは絶対に覚えられない。もっとガコっとつまずくか、ひっかかる音じゃないと。
音としては「イージー・タイプ」の方が良いんです。
「SF」も多くの日本人は、「えすえふ」と言った感じ(←どんな感じや ^^;;)で、べたーっと音の上下強弱もなく発音していると思いますし、子音の次にはちゃんと母音を置いた日本語音調の疑似英語だと、そういった日本語音になりやすい。
サイファイとかの「サイ」の音は、がこっとつまずくし、言いやすくて良いんですけどね。(もちろんその時の「サイ」の発音は、「SCI」でも「PSY」でもなく、ローマ字の「SA・I」だったりするという。)

2222//またもやごめんなさい (1999/05/17 00:28:15)
MAIL::中島晶也
>三枝様

>>営業論を幻想的掲示板に持ち込んだのは、細田氏です。私はあれを掲示板の性
>>質をわきまえない、大変失礼な行動だと考えました。そこで、彼がそれ以上や
>>らないように、処置もとりましたし、私は彼の保護者でもないのに、あなたに
>>謝ったはずです。
>>なのに、蒸し返したのは東さんです。

大元の発端はそうですね。
細田さんの件については、あれが何だったのか私にはいまだによく判らない
のですが、とにかく三枝さんのお陰で終息していました。どうもお二人の事情
が呑み込めないし、管理人でもない私がお礼を言うのも何か変なので黙ってい
ましたが、内心はありがたく思っていましたよ(そうか、メールを送れば良か
ったんだ)。
その次の炎のホラー編集者東雅夫氏の暴発は、あの掲示板の常連はみな慣れ
っこになっていることなので、あのまま置いておけばそれで終わるところだっ
たんですよ。それを三枝さんが本格的に受けてしまった(こういう空気を常連
でない三枝さんに読めというのは、もちろん無理な話です)ので続いちゃった
わけです。
そういう複雑な経過の要約を「三枝さんが持ち込んだ」としたのでは、確か
に雑ですね。申し訳ないです。

>>大変失礼な濡れ衣を、なぜこうたびたび中島さんから着せられるのか、わかり
>>かねます。

私の性格が雑なんですよ。謝ればいいと言うものではないですが、気を付け
ます。

>>誤読が多いのは、意見を意見ではなく人間関係ととらえているからでは?

それは三枝さんの方ですって(笑)。私がお金を貰って批評の仕事をしてい
るたった2つのクライアント(東雅夫&ぶんか社)の本や営業力について、具
体的な難点まで挙げてお話しているのに、その言い方はないでしょう? 私は
できる限り中立の立場で三枝さんに接しようとしているつもりですよ。

>>中島さんの仰っていることと、私の言っていることが、そんなに大きく食い違
>>っているとは思えないんですがね。「誤解がある、誤解がある」といきなり言
>>い出されるので、当惑しています。何が問題なんでしょうかね?

ええーっ? そもそも私の前信は、三枝さんの問い掛けに対して自分の見解
を述べているだけで、三枝さんを論難しようとしているわけでもなんでもない
ので、そういう言い方をされるとこちらも当惑してしまいます(笑)。

それはともかく、「何が問題か」とずばり聞いて下さったので、こちらも「問
題かも」と思っていたことを率直にお答えします。そもそも私が今回三枝さん
と東さんのやり取りに口を挟んだのは、三枝さんが「部外者がある業界なり企
業なりの経営論・営業論に踏み込むことは、どうせ断片的な情報を元にした推
測の積み重ねにしかならない。そして当事者にとってはシャレにならない大問
題なのに、当事者はすべてを明け透けに語ることはできない」という根本的な
問題を認識した上で議論を交わしているのか、疑問に思ったからです。その点
はどうです、三枝さん?

……と終わった方がまとまりが良いのだけど、

>>かつて怪談が成立したのは、その時代、いわゆる幽霊や妖怪が真実であったか
>>らだと思います。当時、それらは現実からそれほどへだたった事象ではなく、
>>多くの人にとって「納得のゆく」ものだったのでしょう。しかし現在では、そ
>>れらは現実との乖離が大きくすぎて、素直に恐怖を感じることが困難です。で
>>すから多くの人は、超自然とは別の納得できる恐怖を求めているのではないで
>>しょうか。たとえば、サイコキラー。

うう、こればかっりはホラーのイデアに関わる問題なので黙っていられない
(笑)。三枝さん、いかに世間に広く流布しているとはいえ、妄説に惑わされ
てはいけません。その説が正しければ、まず実話怪談が姿を消して、その後に
小説の怪談が姿を消すはずではないですか。現状は逆ですよ。幽霊や妖怪は、
実話としては広く信じられているが、フィクションとしてはそれほど支持され
ていないのです。従って、その仮説は間違いです。

2221//日本の書評状況 (1999/05/17 00:22:04)
MAIL::三枝
ある程度より大きい(日本の)書店には、前日の新聞の書評欄で取り上げられた本を並べたコーナーがあります。
また、日本では「本の雑誌」「ダ・ヴィンチ」「ぱふ活字倶楽部」のように、一冊丸ごと書評といった雑誌が、かなりの刷り部数で出版されています。
また、(日本では)音楽雑誌、ファッション雑誌、グラフ雑誌にさえ、たいていは書評欄があるものです。
表面だけ見れば、日本の読書会も、あたかも書評を重視しているかのようにも見えます。

2220//ジャンル名(さらに不正確に) (1999/05/16 23:19:51)
MAIL::Δ
VarHorizon

V-rizo

ext-LOAD

eLOAD

「〜小説」「〜アニメ」と言いやすい長さになりました。
意味不明さも上昇するので「一体何の略?」と詮索を誘う戦略に?

2219//再び三枝さま (1999/05/16 21:51:45)
MAIL::観衆A
益々ご健勝のことと存じます。
念のために、私が三枝さまにお尋ねしたのは発言#2212で、
>シンドロームな人
とはどういう意味か、というものでした。そちらの方の回答を
頂ければ幸甚です。

なお、瀬名さまへのコメントについて、三枝さまがコメントを付けて
下さった件につきましては、今後三枝さまと「日米読書事情」について
論争する気はございませんことを予め申し上げます。

私の元発言について補足いたしますと
1)当然ながら私は日本にも書評欄があることは存じております。
三大新聞、文芸春秋、このミス、週刊文春などは眼を通しております。
大森掲示板の読者の方は日本の書評事情はご存知でしょうから
あえて「自分はこれを読んでいる!」を書かなくてもよいと判断した
までです。)

2)その上で、なぜ米国の方が書評の影響が強いと考えたか
米国の二大書店チェーンBarnes&NobleとBORDERSでは、店の入り口
近くの目立つところに主要紙(NY TIMESと地元紙)の書評にとりあげられた
本の書棚が設けられています。書評が出るとすぐに、書店の一番いい場所を
確保できるわけです。これは都市部だけでなく郊外店でも同じです。
また、最大のオンライン書店AMAZON COMでも書評にとりあげられた本
の検索が可能です。

私は日本では東京にしか住んだことがありませんので、地方の
書店事情は存じ上げません。東京では、神田や主要ターミナル駅に
ある大型書店でこそ「書評にとりあげられた本」などのコーナーは
ありましたが、いわゆる地元の小書店にはそのような陳列スペースが
必ずしもなかったように記憶しています。



2218//誤読が多いのは、意見を意見ではなく人間関係ととらえているからでは? (1999/05/16 20:17:07)
MAIL::三枝
中島さんの仰っていることと、私の言っていることが、そんなに大きく食い違っているとは思えないんですがね。
どうも、「誤解がある、誤解がある」といきなり言い出されるので、当惑しています。何が問題なんでしょうかね?

》と考える人だってあるかも知れませんし(笑)。

「かも知れません」では、ちょっと考慮しがたいものがあります(笑)。

》松本楽志さんのように、存在すら知らなかった方がいらっしゃるのも不思議ではないし、

これはやはり、日本では多くの人が書評などは読まないということを表しているのでしょう。私は三大新聞のいずれかの書評欄(購読者数は数百万人にものぼるはず)で、第一段「ノンセクシュアル」が取り上げられ記憶があります。たぶん朝日だったと思います。

》「HORROR WAVE」叢書は角川書店の長編ハードカバー・ホラーの売れっ子、鈴木光司、瀬名秀明、貴志祐介ほどには売れなかったと思います。

ええ、そうです。私が言っているのは、そのことだったのです。彼らが売れたことを宣伝のせいにするのは良くない。本の出来という意味ではなく、その質感が違うのです。
中島さんは、それをリーダビリティの差とお考えのようですが(森奈津子氏の作品のリーダビリティは、抜きん出て優れています。SFバカ本シリーズで、他の作家と混ぜて読むと、その読みやすさが良くわかります)、そうではなく、うまく言えないのですが、広範囲の人にウケる要素を、鈴木、瀬名、貴志という三人の作家は持っているように思うのです。コアなSFやコアなホラーがどうして持ってしまう、偏狭さ、オタク性、内にこもった感覚から、どこか一歩自由な感じとでも言いますか。
いずれにせよ、繰り返しますが、ぶんか社の叢書が角川のもの程売れなかったのは、宣伝のせいではなく、作家の資質であり、その意味で角川の作家さんたちは優れていたのだと、それは確認しておきたいのです。

》超自然的恐怖を楽しむ小説という意味であるならば、その潜在的需要はかなり大きいはずだと私は考えています。

この辺りは、私とは意見の異なるところですね。
かつて怪談が成立したのは、その時代、いわゆる幽霊や妖怪が真実であったからだと思います。当時、それらは現実からそれほどへだたった事象ではなく、多くの人にとって「納得のゆく」ものだったのでしょう。
しかし現在では、それらは現実との乖離が大きくすぎて、素直に恐怖を感じることが困難です。ですから多くの人は、超自然とは別の納得できる恐怖を求めているのではないでしょうか。たとえば、サイコキラー。

》何年間か継続して初めてその真価が問われる性質の叢書であって、

ええ、ですから「続かなくては意味がない。続く程度には売れないと」という話をしたのですが。
しかしながら東さんは、とにかく出しておけば、後世(何十、何百年後)に評価されることもあるから、それで良いのだというお返事をなさいました。

》英米の売れ筋ホラーの現状を模したものでしかないと、

結果としてそれが成功しましたね。

》単に長い物に巻かれただけと私は思いますよ。

長い物に巻かれることを選ぶことが、時としてできなくてはならないんです。
なぜなら、何であれ、続けることで生まれるものがあるのだから。続かなくては、作家を育てることも、ジャンル全体の市場を広げることもできないのだから。

2217//書評欄は (1999/05/16 19:36:27)
MAIL::三枝
日本の新聞や雑誌にも、たいていありますが。
もちろん、観衆Aさんがそういったものは読まない方であるということは充分考えられますが。
(朝日新聞の書評に取り上げられると、それなりに売り上げは伸びるらしいです。)

2216//中島さん (1999/05/16 19:15:34)
MAIL::三枝
まず、これだけは訂正して下さい。
営業論を幻想的掲示板に持ち込んだのは、細田氏です。私はあれを掲示板の性質をわきまえない、大変失礼な行動だと考えました。そこで、彼がそれ以上やらないように、処置もとりましたし、私は彼の保護者でもないのに、あなたに謝ったはずです。
なのに、蒸し返したのは東さんです。
反論があるのならば、大森さんの掲示板でやるべきでした。

大変失礼な濡れ衣を、なぜこうたびたび中島さんから着せられるのか、わかりかねます。
訂正、謝罪を求めます。

2215//借りを返します (1999/05/16 18:29:26)
http://www60.tcup.com/6011/gg9kskri.htm MAIL::中島晶也
以下は「幻想的掲示板」での話題を引き継いだものです。何の事やら判らな
くてご迷惑に感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、もともとがこちらで
の話題を三枝さんが向こうへ持ち込んだものなので、こちらにお返しします。
ご了承くださいませ。

>三枝様

>> で、私は思うのですが、ぶんか社のホラーの場合、角川ほど宣伝が
>> できなかったという話ですが、その角川があったからこそ、ほとん
>> ど宣伝がなくてもある程度売れる条件はあったのではないか、と。

なんとも言えないですね。ぜんぜん宣伝していないホラー本を店頭で見つけ
ても、「これは角川じゃないし宣伝もしてないから、しょうもないぱちもんに
違いない」と考える人だってあるかも知れませんし(笑)。念のため付け加え
ますが、これは読者全般を馬鹿にしているのではありません。そういう層まで
何とかして取り込まなくては、ベストセラーになどなれないという、やるせな
い現実を指摘しているまでです。
それより何より、「HORROR WAVE」叢書はスタート時にほとんど店頭に並んで
いなかった地方もあるのですからね。松本楽志さんのように、存在すら知らな
かった方がいらっしゃるのも不思議ではないし、これではベストセラーになど
なりようがないと思います。

それはそれとして、「HORROR WAVE」叢書が「宣伝してもそんなに売り上げは
伸びなかったのではないか」というご意見には、ある程度までは賛成です。「あ
る程度」というのは、まず第一に「そんなに」という曖昧な表現に三枝さんが
込めた意味と、私が想定している条件がどれぐらい一致しているのか自信がな
いからです。私の方の条件を明示しておきましょう。もっと宣伝していたとし
ても、「HORROR WAVE」叢書は角川書店の長編ハードカバー・ホラーの売れっ子、
鈴木光司、瀬名秀明、貴志祐介ほどには売れなかったと思います。「長編ハー
ドカバー」に限定しているのは、言うまでもなく「HORROR WAVE」叢書がそうだ
からで、著しく条件の異なるものを比較しても得られるものは少ないはずだか
らです。例えば、代替性はあるものの本来は市場が違う文庫本、即ち角川ホラ
ー文庫などと較べるのは、「宣伝しても」という仮定がその他の条件の違いに
埋もれてしまう可能性が大なので、私にはとうてい有効な答えが出せません。

さて第二に、こちらの方が遙かに重要なのですが、売り上げが伸びないと思
う理由が違うのです。冷酷無惨な批評家モードで忌憚のない意見を言いますと、
私は「HORROR WAVE」叢書の各作品は、鈴木、瀬名、貴志三氏の作品よりも小説
としてのリーダビリティの点で一歩譲るので、あそこまでは売れないだろうと
思っているのです(ホラーとしての評価はまた別)。

>> これは、本格ホラー的なものは、元々そんなにニーズがないってこ
>> とを表しているのじゃないかしらん?

三枝さんのおっしゃる「本格ホラー的なもの」が単に超自然的恐怖を楽しむ
小説という意味であるならば、その潜在的需要はかなり大きいはずだと私は考
えています。なぜなら、実話の怪談では、超自然的な話が古来より変わらぬ支
持を受けてきているからです。超自然的恐怖の醸成に重きを置いたホラーは、
洗練を目指すあまりリーダビリティが犠牲になりがち(実例としてエイクマン
の『奥の部屋』を読まれることをお勧めします)ですが、鮮烈な超自然的恐怖
とリーダビリティを両立しさえすれば、「売れる本格ホラー」は実現可能であ
り、『リング』こそその好例であると私は思うのです。

そうすると、角川の長編ハードカバー・ホラー路線は成功、「HORROR WAVE」
叢書は失敗という結論になってしまいそうですが、そう簡単にはいかないんで
す。この2つの企画は、市場は完全に一致するものの大元の狙いがぜんぜん違
うからです。角川の方は、日本ホラー小説大賞という狭き門を設定して、即大
ベストセラーになるスター作家をスカウトするシステムです。一方、「HORROR
WAVE」の方は東さんのこれまでのご発言からもうお判りでしょうが、できるだ
け多くの作家にホラーを出版する機会を継続的に与え、徐々に育てていこうと
するシステム、何年間か継続して初めてその真価が問われる性質の叢書であっ
て、売れれば売れるほど良いのはもちろんだけど、いきなりベストセラーが続
出するようなものではないんです(それに、角川の路線以上に版元の営業面で
のバックアップが必要と言えるかも知れませんね)。作品自体の力のみで今の
状況までじわじわと這い上がって来られたのは、そういうシステムに見合った
本作りは充分に出来ていたからだと言うべきでしょう。

つまり、売り上げの数字だけ比較すれば完全な敗北に見えてしまう「HORROR
WAVE」叢書も、本来の目的に添った成果をそれなりに上げつつあるところだっ
たと思うのです。逆に言うと、売り上げの数字だけを基準に角川の長編ハード
カバー・ホラー路線と「HORROR WAVE」叢書を比較して成功だの失敗だのと判
断してしまうのは、まったく見当外れなのではないでしょうか。

>> だから宍戸さんは、その誤解につけ込むという手を思いついたんで
>> はないかいな?と。つまり、サイコミステリとかサイエンスパニッ
>> クとかを、ホラーと称して売るという、詐欺ですね。
>> つまり私が言いたいのは、やっぱり角川ホラーがあれだけ売れたっ
>> てのは、その詐欺を考えてついた宍戸さん個人の才覚じゃないかな
>> あってことなんですよ。

角川のホラー出版がジャンルミックスで行く方針になった詳しい経緯は知り
ませんが(宍戸さん個人の発想だなんて、いったいどこで判ったのですか?)、
単に英米の売れ筋ホラーの現状を模したものでしかないと、私は捉えていまし
た。英米のブロックバスター系モダンホラーがジャンルミックスであるという
認識は、クーンツやマッキャモンなどの邦訳紹介と尾之上浩司氏らの評論活動
とで80年代末から90年代頭にかけてかなり広まっていましたからね(ちな
みに、英米のブロックバスター系モダンホラーがジャンルミックスな状況なの
は、そうすれば売れるという判断で誰かがジャンルを立ち上げたわけではなく
て、キングの登場をきっかけにホラーが売れるようになったので、何でもかん
でもホラーにされるようになったというだけです)。それをそのまんま日本に
持ち込んだのが角川ホラーで、その点に関しては別に独創的でも何でもなく、
単に長い物に巻かれただけと私は思いますよ。商業的にそれが大正解であった
ことは確かですが。

さて、以上で「幻想的掲示板」で三枝さんが発せられた問いにはほぼすべて
お答えできたかと思います。新たなご質問があればもちろん回答はしますが、
今回のような経営論・営業論に踏み込むことは、どうせ断片的な情報を元にし
た推測の積み重ねにしかならない(しかも、当事者にとってはシャレにならな
い大問題)ので私は大嫌いです。できれば、今後のご質問は事実関係の確認の
みに限っていただきたいです。

それでは。

2214//SFファンな人々 (1999/05/16 07:09:09)
MAIL::観衆A
因みに私および私の身近にSFファンを自称する人はいません。
が、スタートレックは観ていますし、ハイペリオンやあいどるは
書評を読んで買いました。

最近出席した仕事関係のセミナーで、私の業界の老ボスが
<自分は長年のSCI-FIファンでHUXLEYのBRAVE NEW WORLDを
愛読したものだ>と自己紹介していたのが印象的です。
あれもSFなんですかね。

2213//米国の読書事情:一般人の意見 (1999/05/16 07:05:17)
MAIL::観衆A
瀬名英明さま

私は米国に居住している一般人(つまり作家でも編集者でもない)です。
英語の本と日本語の本と両方購入しますが、やはり楽しみは日本語の
エンターテイメントなので、瀬名さんの本は大変楽しませていただきました。

私の知る限りでは、米国の書籍購入に関しては書評の影響が日本のそれ
よりも大きいと思います。たとえば、私の家庭の場合は(専門書と
常時購読している作家を除いては)NY TIMES BOOK REVIEWの
評を参考にしています。(ご存知かもしれませんが、同紙では
ミステリーとSFは一般の書評とわけたコーナーがありますが、特に
力を入れた評の場合は一般の方に評が出る場合もあります。)その他
主な雑誌にはーファッション誌でさえー書評欄がありますし、
新刊の抜粋が載ることもしばしばです。


米国でも出版は不況で、TVのトークショー(彼女が紹介すると
必ずベストセラーになるというOPRAH WINFREY女史のコーナー)や
ブッククラブといった新たなチャンネルを通じて本を売ろうとしている
ようです。

2212//三枝さま (1999/05/16 06:56:15)
MAIL::観衆A
申し訳ありません。

>シンドロームな人

とはどういう意味なのでしょうか?よろしかったらご教示ください。

2211//RE:ジャンル名 (1999/05/16 02:58:21)
MAIL::三枝
妙に正確な英語はやめた方が良いです。
そういうのは、商品名でもこけますから。

2210// (1999/05/15 18:25:38)
MAIL::あっぱっぱ
はあっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ハムレットじゃあるまいし世界を破壊してまで自我を守るっつー・・・。

2209//ネットで生き残るために (1999/05/15 07:50:17)
MAIL::三枝
大森さん。本題以外に反応するなというお話でしたが、以前の精神病発言と同様、これは一般のネット利用者にとって、知っておくべきことなので。

えーと(笑)。海牛さんの発言中に、

》常識に通じた大人が子供に目を覚まされるということは、ままあることです(童話が良い例でしょう)。

これがありますね。
こういうことを言い出すから、注意したんですが、やはり、シンドロームな人だったようで。(やれやれ)

ネットには「精神科医症候群」な人と「社会学症候群」な人がいます。人格のメタ化ですね。発言者の上に立って、発言者一般を分析する(精神科医的に、もしくは社会学者的に) ことを趣味としている人達。
彼らがプロと違うことは、精神科分析でありながら分析対象の名前がわかる状態で、もしくは社会学分析でありながら分析途中で分析対象がいる場所で、分析見解を書き込んでしまうことです。どちらもプロはしませんね。まあ、要は素人なんです。
そういった書き込みがあると「ああ、ごっこだ」と判断して、適当に読み流すことでしょう。
ネットは、聞いたこともないような精神科の新理論や、すっかり古くなった社会学分析が、得々と展開される奇妙な場です。
(海牛さんの問題は、それ以前に、心理学分析と社会学分析の区別がついていないってことなんだけど ^^;;)

2208//愛があっても生殖出来なきゃロボット達の未来は無いんしゃ? (1999/05/15 07:27:10)
MAIL::あっぱっぱ
・・・私にとってはSFとは『無機質なエグさ』という固定観念がノーミソ
にこびりついてるみたいです。
そういえば俳優座で上演される『R.U.R』もちとエグイかも。工場で生産
される生体組織達・・・・・なんか「エヴァ」を想像してしまった。(

2207//ジャンル名 (1999/05/15 01:13:43)
http://www.cc.rim.or.jp/~deltelta/cleanup/ MAIL::Δ
適度に意味がとれて、一見格好良く、純?系の人がワナワナと嫌がりそうな
ジャンル名を考えましょう。

*VarHorizon
*ext-LOAD

スペオペとホラーと近未来アクションその他を一緒にするのであれば、これら
がΔの精一杯。

2206//ジャンルの名称 (1999/05/14 22:51:07)
MAIL::SCOPE・CAT
…はじめまして…。
SFエンターテインメントっていうのは
いかがでしょう…?

すいません…。
それでは…。

2205//YHBさん、ありがとうございます(^-^)。 (1999/05/14 21:06:08)
MAIL::海牛
なるほど……!! 大変参考になりました。
私の質問に対する三枝さんのお返事から、@自己分析をしたことがない(しなくても生きていける人である)、Aしても他人には言いたくない、などなどと仮説を立てていたんですが、「前にも同様の質問を受けたことがある」「それに応えて自己分析をしたことがある」「他人にも言っている」わけですから、@Aは外れていたようです。
それがわかっただけでも大収穫でした。
ありがちな疑問でしたか……もしも私が最初に質問していたら、ああいうお答えがいただけたのかな。無論、あの発言以降、状況が変わっていれば多少の違いはあるでしょうが。
とてもおもしろい。大森さんに更なるご迷惑が……と思いながらも、つい質問してしまったのですが、聞いてみてよかった。

三枝さんにも。ありがとうございました。
「楽しませる意志などない」と言われそうですが、とても興味深く、事実楽しんだので、とりあえずお礼を言わせていただきます。
2163でのご忠告も、胸に命じましょう。ごく基本的な常識ですが、それだけに忘れがちなことです。常識に通じた大人が子供に目を覚まされるということは、ままあることです(童話が良い例でしょう)。

ところで、といいますね。
あ、三枝さん、↑は喩えです。嘘の内容にもよりけりですし、あくまで心情的なものにすぎませんから。三枝さんの場合、テキストの読み取り能力に若干問題があるようですので、老婆心ながら余計なことを付け加えているのですが、私は三枝さんが嘘をついているなどとはまったく思っていません。
ただ、どういうことでも最後まで徹底的にきっちりやってのければ、それなりに美しいかもしれない、と思います。無責任な他人だから言えることですが、三枝さんはどこまで行かれるのか……興味がありますね。
無論、義務などではありませんよ。こちらの勝手な願望です。
周囲(ネット的な周囲ですよ。私生活のことは存じ上げませんから)のことを考えると、ご自分の掲示板を持たれた方がいいんじゃないか、とも思いますが、これもただの意見に過ぎません。言われるのは初めてじゃないでしょう?金銭的な問題もありますし、聞き流してくださいね。私としては、ただ「いったい誰の伝言板なんだか……」と苦笑していればすむことですから。
しかし万が一、ご自分の掲示板を持たれるようならば、教えていただければ幸いです。
比喩が多くなってしまいました。わかりにくかったらすみません。
あなたの今後を楽しみにしています。

♯大森さん。すみません。三枝さんに向けて発言するためにこの場をお借りするのは、これで最後にしますので。
お邪魔しました。失礼します。

2204//RE:移動先など (1999/05/14 18:42:05)
MAIL::三枝
》三枝さんは、本筋以外のコメントにいちいち反応しないでください。

あーい。

2203//移動先など (1999/05/14 18:29:24)
http://www.ltokyo.com/ohmori/ MAIL::大森 望

三枝さんのプレイスタイルについてなにか言いたい人は、
こだまのあとだま(http://rental.virtualave.net/atodama.html)
をご利用ください。
細田さんの旧掲示板(http://web.topchoice.com/~ktsoft/bbs04/hosoda/)
でもいいかも。

自分にとっては看過できない問題でも、他人にとってはどうでもいいことだったり、もうわかりきってることだったりするわけで。
三枝さんは、本筋以外のコメントにいちいち反応しないでください。

2202//SF 嫌い (1999/05/14 18:07:49)
MAIL::小林泰三
>ただ、その前にSFM誌上では徒労に終わった(というのが俺の感想なんですけど)「SFが
冬と言われるよう
>になった原因」の議論が必要だと思います。

梅原仮説によると、現在読書好きなのに SF を読まない人は過去に
「超メタ言語的 SF」を読んで、酷い目にあって SF とは「超メタ
言語的 SF」だと思い込んでいるはずなんですが、僕の周囲にはあ
まりそんな人はいません。
#サンプル数がすくないので、信頼度は低いのですが。

そんな人達は実は SF を読だことがないのです。SF について
きいてみると、
「SF? 宇宙とかのやつやろ。スターウォーズみたいな。そんなん
おもろい?」というような答えが返ってきます。
むしろ、頭の中では SF ≒ スペースオペラ となっているようです。

じゃあ、昔 SF を読んでいた読者はどこに行ったの? という疑問
が出てきます。
それについては仮説を持っているのですが、詳細は別に。

2201//RE:ジャンルの名称 (1999/05/14 18:07:08)
MAIL::三枝
》みんなが使いたがらないため、普及しないようです。
》#「サイフィクト」もこの流れの中にあるのでしょうか?

おそらくそうだと思います。
実質的にはSFの中の一分野なのでしょうが、コアなSFファンには、あんなものSFじゃないと言われそうなものも含まれるのかもしれません。(「Y」とか、「ナイトヘッド」とか)

》僕自身は「SF」というレーベルが最適だと考えています。

「SFは難しい」と思う人たちには、その名称のままなら、ちょっと厳しいかもしれませんね。
実際に私は、日本のSFの新人の本は、最近はジュブナイル以外、よほどのことがないかぎり読みませんが(わけわからん観念的な作品を読まされるかもしれないので)、小林さんの「酔歩する男」は(SF以外のなにものでもありませんが)ちゃんとハードカバーの段階で読ませていただきました。
少なくとも今の私には、日本のホラーは、日本のSFより、ジャンル名として魅力的だってことですね。(これが翻訳小説なら逆転していると思います。)