【10月6日(火)】

 あちこち掲示板と日記を読んでるうちにすぐ2時間ぐらいたっちゃって全然仕事ができないなり。

 しょうがないので映画を見にいく。15:30からヘラルドで「ロスト・イン・スペース」。宇宙家族ロビンソンがこうなるとわ。いや、去年サンフランシスコで予告編見てひっくりかえったんですけど。未来描写はすごくオッケー。漂流後の展開は詰め込みすぎ。超光速ドライブ、ロボット、バイオ、タイムトラベル……と主要なSFネタがみんな入ってるもんな。さらに家族ドラマだし。ここまで欲張りな脚本にしなくてもよかった気がしますが、無理やりまとめて一応つじつまが合ってる(というか、つじつまの合う理屈をあとから考えてひねりだせなくはない)のは立派。
 シリコン・グラフィクスが宇宙を支配してたりするのは笑えますね。字幕はSGIになってて惜しい。あと、ゲイリー・オールドマンのドク・スミスは異様にハマってる。ちゃんと子供だますし。

 終わったあと、向かいのシネパトスで時間見たら、ちょうど「リバース」の最終回に間に合うので、お茶飲んでからハシゴ。添野くんの採点は星三つですが、オレは「ザ・グリード」(星五つ)より面白いと思いました。今年のSF映画では「ダークシティ」に次ぐ出来。いや、タイムトラベル物の映画が好きだっていう事情はあるんだけど。やっぱりサイエンス・アクションだよな(笑)



【10月7日(水)】

 だらだらと仕事。インターネット・アスキーの映画原稿とか。

 トム・ホルト『疾風魔法大戦』(ハヤカワ文庫FT)をやっと読む。おもしろいじゃん。オレ的にはアスプリンより好み。
 書評用の本を消化したので、森博嗣『有限と微小のパン』(講談社ノベルス)を一気読み。オレにはめずらしく、ミステリ的なネタは途中で割れました。ま、ああなるしかないでしょう。『封印再度』的なオチがなかったのはちょっと残念だけど、このシリーズの締めくくりにはふさわしいのか。しかし、この本はやっぱり12月に出してほしかったな。



【10月8日(木)】

 みのうら×u-ki論争はけっきょく文化摩擦ですね。両者サポーターが摩擦を拡大してたり。「すれ違いはしょうがない」と思わずSMAPの歌を歌っちゃう感じ。育ってきた環境の問題なので、オレの常識はあなたの非常識と思わないと。
 しかしパソ通論争と違って、あちこちに飛ぶのでフォローするのがめんどくさい。望まれるのはbattlewatch.comか。

 本の雑誌の原稿をだいたい仕上げてから、日記者オフの吉祥寺へ。メトロカードで入っちゃったからと、いったん中野で改札を出たついでに、ブロードウェイへ足を向ける。
 いやもうたいへんなことになっちゃってますね。物欲系のおたくの人は一日つぶれるだろう。オレはフィギュアもLDもマンガも買わないことにしてるので比較的平和。主に古着屋を見てたり(笑) けっきょく買ったのはナイトメアのTシャツ4点。1点1500円はお得でしょう。ゼロ柄ははじめて見たな。サイズが小さいのしか残ってないのが難。まあ着られそうだけど。

 はっと気がつくと2時間ぐらいたってたので、あわてて吉祥寺に急ぐ。日記猿人系のオフに出るのは初めてなので知らない人がほとんど。とりあえず、会うのは高知以来の静岡の助教授に挨拶してまわりを見わたすと、待ち合わせの輪から隠れている人がひとり。いや、細田さんらしいけど。でもべつに隠れて観察しなくてもいいと思いますね、大人なんだから

 裏日刊文藝事情の米田淳一さんとは今日が初対面。10月2日の日記のあと読んでなかったので、オフ参加メンバーに米田さんの名前を見つけたときは目が点になりましたが、鬱は脱した模様で、今日は全然こわくない。というかすごくハイ。とてもあの日記書いている人とは思えない。いや、思えるか。
 細田さんが寄ってきて、「ねえねえ、米田くんってどんな人?」とたずねるので、目の前にいた本人を紹介してあげる。しかし、赤尾、細田、米田と並ぶとかなりこわい。それぞれこわいさが違いますが。ゴシックホラーとスプラッタとサイコサスペンス、みたいな。
 男ばっかりだったので、みのうらさんがほしいと思ったことである。

 だいたい全員集合したので、一次会場のミス・サイゴンに移動して自己紹介とか。わたしはWeb日記草創期の歴史を語る係だったらしい。デジカメ率が異様に高く、みんな写真撮ってるので、わたしは持参したカメラを出し損ねました。SF者オフにくらべると平均年齢は高めで、共通の話題は日記界とコンピュータ。

 二次会は鳥良。細田さん、ぴょん太さんが帰るのと入れ違いにさいとうよしこが合流する。赤尾さんとは初対面。助教授は爆発してましたね。でもネクタイがピカチュウなので怒っても説得力がない。お嬢さんの写真を見せてくれたのでいい人である。
「諸星さんてどんなひと?」とかそういう話題が出たので教える。「日記は一重瞼系なのに実物は二重瞼」といったのはオレじゃないので。



【10月9日(金)】

 宮部さんの『クロスファイア』の表4原稿と、さんざんひっぱった《本の雑誌》の原稿を送ってから、青山一丁目。シーアイプラザの《ブラッセリー1933》で、柳下毅一郎&滝本誠の映画評論集出版記念宴会。
 定刻の8時に到着すると、全然ひとがいない。主賓コンビは奥のVIPルームに落ち着いてて、そうか映画評論家ってこんなにえらかったのか(笑)。出席者はほとんど映画配給会社宣伝部の人たちらしくて、顔は見たことあるような気がするけどよく知らない人が多い。

 柳下日記と大森日記を併読している(うちの弟もお世話になっている)アスミックのT氏に取材したところ、15社ぐらい集まってたそうです。「大森さん、試写行ってないんじゃないの?」って言われたけど、宣伝部の人とあんまり話しないからなあ。見てる映画が違うという話もある。

 よくいっしょになるけどちゃんと挨拶したことがなかった中原昌也、滝本誠、佐川一政の各氏とVIPルーム(笑)で同席したのであらためて挨拶。中原さんはいきなり新刊の短篇集をくれたのでいい人に違いない。しかも『逆襲の〈野獣館〉』を買って読んでるとか。つくづくいい人である。柳下の「出来の悪い弟」ってことはないでしょう。でも「ロスト・イン・スペース」はほとんど寝てたらしい(笑)←試写の時いっしょだった。
 佐川一政氏からは、島田荘司事件の話と「神様の愛い奴」の話を聞く。なるほど、そういうことですか。
 乾杯が行われたのは定刻を一時間過ぎた午後9時。段取りでたらめな感じがなかなか。
 時のひと・山形浩生登場。例の文章は、諸般の事情で消してしまったらしい。けっこう情けないかも。まあ山形らしいとは言えよう。

 そのうち柳下・滝本・中原のトークショウがはじまり、奥で高橋良平、堺三保とうだうだ。10月新番のアニメと最近の映画の話。
「蒸気探偵団」は、作画も動きもいいのに、どうしてあんなにだるいのか。Aパートの戦闘シーンをビデオで見てて、オレは一瞬、べつのチャンネルとかMDとかの音が鳴ってるんじゃないかと思って配線確認しちゃいました。あれだけ合ってないBGMも珍しい。
「バブルガム・クライシス」は、可もなく不可もなくってところ。「FEATUREING」はないだろうと思いますが。OLドラマっぽくはじめるのは意表をついてて悪くないけど、「ショムニ」とかとくらべるとOL描写に工夫がなさすぎ。しかし小中さんは仕事してるなあ。
 いちばん期待できそうなのはやっぱり「ガサラキ」ですか。ほとんど山田正紀。今年は山田正紀復活の年かも。



【10月10日(土)】

 風邪気味なので薬飲んで寝たら、睡眠時間が12時間を越えていた。
 ミストラルで食事してから、SFインターセクションの高野史緒インタビュー原稿のまとめ。帰宅して、休日出勤している塩澤編集長にメール。

 週明けがスニーカー大賞二次の締切なので、猛然と原稿を読みはじめる。


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