【5月13日(火)】

 喘息発作の後遺症でお昼に寝て夜に起きる人になってしまった。  まだ原稿を書く気力があんまり起きないので、ファンタジーノベル大賞の原稿を猛然と読む。マルは一個だけ。うーん、最近全然あたりを引かない。
 ひさしぶりにWWWめぐり。gooで「SFクズ」とか「クズSF」とか「大森望」とかで検索し、知らないサイトがヒットすると覗きにいくパターン。「SF」検索だと結果が膨大すぎるので、適当に絞るのがポイント。ちなみに「大森望」検索では409件ヒットしましたね。ありがちな名前の割に同姓同名はいないのでわかりやすい。それをもとに発見したページと、メールで報告のあったページと、ふだん見てるのに追加を忘れてたページとか、随時うちのリンク集に入れてるので、ときどきチェックしてね。
 新しく見つけたSF系日記では、福岡の学生の人のまぐらな日記が面白かったな(なんか喘息のひとらしい(笑))。あとはお茶大SF研・野田令子嬢ののだなのだとか。

 午後は六本木に出てGAGAで「タービュランス〜乱気流〜」の試写。冒頭15分はどうしようもない駄作を予感させるが、後半は破天荒なエスカレーションで、全体的にはまあまあでしょう。
 アスキーからメディアワークスに移籍した宮野さんとばったり。「タイム・リープ」の試写予定を教えてもらってラッキー。


【5月14日(水)】

 ファンタジーノベル大賞の箱を送り返し、小説すばるの二次の箱を開ける。耽美系が二本。一本は絵に描いたようなやつで、一次では満点の5点がついている。ううむ、こういうのって初めて読んだ人にはアピールするんだろうか。同人誌の水準作ぐらいな気がするけどなあ。

 メールボックスを覗いたら、なんか見おぼえのある名前の人からベロテックについての問い合わせが来ている。をを、この日高顕一郎って、昨日見た「まぐらな日記」の人じゃん。すごい偶然。シンクロニシティってやつですかね。しかもベロテック・エロゾル使用者だったという。ベロテック問題に関しては、なんかテレビで報道があったとかで、ナース知世嬢からメールを頂き、さらにその後、日本における販売元の日本ベーリンガーインゲルハイムが各病院にまわしたプレスリリース(適切な使用法を守ってるかぎり心配ありませんとか、そういうやつ)も送ってもらったんですが、まあそりゃ、心配する人は心配するわね。
 中身は臭化水素酸フェノテロールで、いわゆる喘息スプレーっていうか、吸入薬なんですが(ほら、「MOTHER」とか「IT」にも出てくるやつ。「IT」のは偽物だけど)、めちゃめちゃ効くので頼り切ってる喘息患者は多いんですね。正確に言うと、「交感神経β2受容体刺激性の気管支拡張剤(β刺激剤)で、気管支喘息、慢性気管支炎などの疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難などの諸症状の緩解を適応症とする薬剤」。吸入薬市場におけるベロテックのシェアは二割くらいで、まわりのSF者にも愛用者はけっこういるっす。創元SF文庫の小浜くんとか。
 ベロテック使用者で死んだ人が7人いるって話はその後朝日新聞にも載ってたし、トーレンに聞いた話では、去年ヨーロッパで、今年の春にはアメリカでも、ニュースネタになってたとか。経験から言うと、死にそうな状態になってしまうとすでに気管支拡張剤なんか全然効かないので、すみやかに病院に行かないとダメでしょう。
 わたしの場合、ベロテックは心の支えだから(発作の初期には劇的な効果がある)、何人死んだって使うのをやめる気はないですが。だいたい、それで吸入薬をすみやかに使用しなくなった場合のほうが被害が大きいと思うぞ。心臓に悪いとかって話もあるけど、これは喘息用の錠剤一般(テオドールとかメプチとか)のほうがもっと悪い気がするし。


【5月15日(木)】

 ひさしぶりに秋葉原。書泉ブックタワーでヤングアダルト系の文庫を数冊。野尻ホームページで話題の巌宏士『炎の鞭』とか、荻野目悠樹『シインの毒』とか。どっちも三村美衣推薦作。近所の本屋に新刊があんまり入らないので買い損ねることが多いんだけど、もうすぐ書泉西葛西がオープンするから、馬場や秋葉に買い出しにいく必要もなくなるというものである。しかしグランデ、ブックマート、ブックタワーにつづく4軒目の書泉がなぜ西葛西にできるのか。謎。(ちなみに書泉西葛西は来週末オープンらしい)

 パソコン関係では、TP535のバックアップ用になにを購入するか検討中。230MのMOか、でなきゃ2ギガ級のHDか。と思ってたら、SCSIカードつきのPDを売ってて、ちょっと心が動く。うちにあるCD-ROMドライブは2倍速までだから、もうちょっと速いのが欲しいんだけど、それだけのために10倍速ドライブを買うほどじゃないから、PDなら一石二鳥かも。さいとうのMACのバックアップにも使えるしなあ。
 ……と考えつつ、とりあえず535のメモリ32メガ(メルコ製)をソフマップで購入。こんなことなら最初から32メガにしとけばよかった。でも、値段は一年前の16メガとほぼ同じ(笑)

 6時、「タイム・リープ」の試写を見に徳間ホールへ。着いてみると、6時半開場、7時から舞台挨拶だそうで、まだ一時間もあるじゃないの。しょうがないのでとなりの徳間本社9階、アニメージュ編集部に遊びにゆく。
 担当の渡辺季子嬢に、Charaの大野編集長を紹介される。
「10年ぐらい前のSFセミナーで、たしかちらっとお目にかかったことがあります」と言われてびっくり。ここにもいたSF者(笑)。「SFクズ」関連の話題で妙に盛り上がる。
 はっと気がつくと試写の開場時間。席の確保にあわててホールにもどる途中、つまづいた拍子に左足がグキ。思いきり捻挫して足を引きずる人になってしまう。間抜けすぎ。

 映画のほうは、基本的には原作に忠実。殺人事件とかバリ島とか蕁麻疹とか、多少新しい要素が加わってますが、まあそれはなくてもよかったかな、程度。テンポの速い「タイム・トラベラー」って感じで、よくできている。日本のSF映画の王道でしょう。佐藤藍子ってあんまり好きじゃなかったんだけど、この映画の芝居は許せたもんな。
 今関さんはあいかわらず、映画的な絵づくりにあんまり興味がない感じで、このへんは清水監督版「ねらわれた学園」とは好対照。

 クレジット見てたら、インドネシア・ロケのコーディネーターに今関夫人の名前があって、をを、あいかわらずインドネシアが好きなのか。今関夫人ももとSF者で、『SFの本』の編集とか手伝ってた人で、そもそも「グリーン・レクイエム」のとき、『SFの本』で今関監督インタビューに行ったのが縁で結婚するに至ったんですね。もう10年ぐらい会ってないけど。

 映画のあと、SFオンライン映画担当の添野知生、山岸真といっしょに近くの中華料理屋で食事。山岸真は佐藤藍子ファンであることが発覚。「ま、『火星転移』誉めるような人間は、ああいう耳の大きい女が好きなんだよな」とか、さんざんいじめる(笑)。しかし、あとで聞くとSFファンには佐藤藍子派がけっこう多いらしい。わたしは「クラインの壺」のときに、ちょっと勘弁してほしいと思ったんですけど。

 食事のあいだに捻挫の痛みがひどくなり、タクシーで帰ればいいものをケチって地下鉄を使ったばかりに死にそうな目に遭いました。我孫子さんを笑えない(笑)。

 すっかり忘れてたけど、定期購読者の白石朗氏の報告によると、ずいぶん前にライターが仕事場へ取材にやってきた日経パソコンの掲載号が出ているらしい。が、掲載誌は送られてこない。店頭売りがないので確認もできないし、どんな記事になっていることやら。取材謝礼の支払いがないのはともかく(このへんは媒体次第)、せめて掲載誌ぐらいは送っていただきたいものである。取材時にも見本誌持ってこなかったしなあ。


【5月16日(金)】

「スター・ウォーズ」特別編の一回こっきりの劇場試写が中野サンプラザ(!)である日なんだけど、足が痛くて歩けない。あきらめて寝つづける。
 夜は特殊メイク座談会の原稿整理。


【5月17日(土)】

 足首の腫れがかなり引いたので、夕方から高田馬場。今日はギャザることもなくSFの話など。山岸、添野は欠席で、三村美衣、高橋良平、雑破業、川崎昭博、藤元直樹、大森英司etc.

 そういえば、トーレンから、末広雅里氏のホームページがあるよんと言われてgooで検索して見に行ったところ、日記に爆笑の一節が。えーと、リバースの例のシーンの話なんですが、
「やはり右手でホトバシリを受け止めた点が注目される。私(右利き)はよく左手を使うので親近感を覚えたのだが、雑破業氏は右の掌で亀頭を包むようにしてイジっていたのではないかという説を出した。あるいは雑破説プラス根元を左手でしごくという合わせ技かもしれない。だとすると齢14にしてはエレガントなテクである。チェロ奏者の面目躍如といったところか。機会があれば私の愚息もシンジ君の手で奏でていただきたいものだ。」
 だって。詳細はここを見てね。というわけで、雑破業氏本人にも教えてあげました(笑)

 その末広さんは、高橋誠氏@BNNの大学の後輩だったりして、世間は狭い。ちなみに末広日記にはうちのトーレン社長も登場してます。でも会ったことはない(はず)。
 プロテウス仕事では、現在、NewMenさんの「Secret Plot」の件で版元と交渉中なんだけど、原作強力は雑破業。手元に本がなくてすっかり忘れてたけど、たまたまNewMenの名前が出たので、背景事情を取材し協力を要請する(笑)。


【5月18日(日)】

 12時、新宿三丁目の老辺餃子館でSFセミナーの打ち上げ。なんか20人近く集まって、よく知らない人もちらほら。もっぱら牧眞司と昔の話をする。小浜がいなくてよかった、かもしれない(笑)
 食事のあとは14人でカラオケ。けっこう邪悪。しかし岩田恵はうまいね。高すぎだけど。そういえば岩田恵と最初に会った17年ぐらい前のSF大会もアニソンを歌っていた気がする。あのときは高校生だったのになあ。っておれも大学生だったのか。
 とか書いてると意味ありげですが、菅浩江がリンクページでオレのことを「彼とは長い付き合いだから」と書いてるようなもんですね。古いSFの人はみんな長いつきあいなのである。


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