【3月9日(日)】

 昼夜が完全に逆転しちゃったので、徹夜のままハイパーアリーナのタイプIIトーナメント「混沌の宝珠杯」に出る。スイスドロー5回戦。VISIONSが入ったばかりってことで、トーナメントの様子見が主目的。賞品はCaos Orbだし(笑)
 今回は、パリ予選の反省を踏まえて、ふたたび黒単に復帰。Kaervek's Spite(土地も手札も、なにもかもすべて捨てて、相手はlose 5 life。防御円でも防げない)があるので、序盤にフライングウィニーでちくちく削り、トリスケリオンのロケットパンチと生命吸収で追いつめてから、Vampiric Tutorで引いたSpiteを打つ計画。クリーチャーはトリスケ3枚のほか、Vampire Bat、Skulking Ghost、Hypnotic Specter、隠し味にNightmare1枚、Necrosavant1枚。コウモリに稲妻打つのを相手が躊躇してるうちにちくちく。打ってくれたら本命ヒッピー登場、みたいな。

 しかし、一戦めに当たった相手は白青パーミッションのライブラリ破壊デッキ。コウモリ、幽霊は剣鋤、ヒッピーはコントロール、トリスケはDessertionもしくはDissipateされてどうしようもない感じ。
 いいところなく0勝2敗で敗退し、こりゃだめかー、眠いしなあと思ってたんだけど、その後、青赤(カウンター相手に根性Spiteで逆転勝ち)、青白(1戦めは惨敗したけど、2戦めは相手に島しか出ず、3戦めは平地しか出なかった)、赤緑を撃破、マッチで3勝1敗まで持ち直し、最終ラウンドはなんと2番テーブルで2位の人と激突。そしたら相手は黒かった(笑) 敵の主力はセンギアでけっこう苦労はしたんですが、なんとか1勝1敗。3戦めも優勢のうちにデュエルを進め、もうちょっと……というところまで来て、相手が一言。
「あの、すいませんけど、そこに置いてある3枚は何ですか?」
 くー、2戦めにEbony Charmでremoveされたカードをデッキに入れるの忘れてるぢゃん。勝負はそのままつづけて最終戦は勝ったんですが、デッキ枚数が足りないってことで反則負け(;_;) まあいいや、実質4勝1敗で80人中の3位ぐらいに入ってたんだから、と慰めつつ帰宅。教訓:徹夜でトーナメントに出てはいけません。


【3月10日(月)】

 元SFマガジン編集部、現・扶桑社ミステリー文庫編集部の富田くんがミストラルにレイモンの原稿とりにやってくる。いまどきフロッピー受け渡しはないよな。TP535はFDドライブ外付けなのでディスクに落とすのはめんどくさいのである。
 タイトルは『鬼畜館』がいいと主張する――が難色を示された(笑) 解説は村崎百郎がいいとゆったけど、これも難色(笑) いいと思うんだけどなあ、鬼畜館。


【3月11日(火)】

 頼まれていたのをすっかり忘れていた、ホラー・アンソロジー用のエド・ブライアントの短編に着手。PMSじゃなくてPXMSよ、とかギャグを言うシーンが冒頭にあってしばらく悩んだけど、考えてみたらプレクリスマスシンドロームなのだった。
「生理中」を俗語でon the ragって言うんだけど、これを「座布団引いてるから」と訳したくてしょうがない(笑) 「お客様なの」でも可。ってダメか。


【3月12日(水)】

 ケンタで仕事してたらさいとうよしこがやってきて、今から野間美由紀さんとビッグエコーでカラオケだと言うので二時間だけ合流。野間さんとはこれが初対面。アイドル系の曲は抜群ですね。
 しかしさいとうは、二時でビッグエコーが閉店になったあと、野間さんの仕事場で8時間以上もしゃべっていたらしい。いやはや。


【3月13日(木)】

 WOWOWの映画ネットワーク会議。もう5年以上つづいていたこの会議もリストラの一環で(JSBは9割減資を実行したばかり)ついに解散。今月末をもってクビになるらしい。年間200万近い不労所得(笑)が消えるのはちょっと痛いかも。仕事しなきゃねえ。しかし雑誌連載五本分以上じゃないか。ううむ。まあ来る仕事をぜんぶ受ければいいんだけど。

 会議のあと、銀座に出て『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の完成披露劇場試写……にはまだ時間があるので、向かいの喫茶店で仕事をしつつ行列する人々を観察(笑) そのうち水玉さんとかやってきたので列に並んで会場を待つ。当然のことながら、庵野さんはじめ主要スタッフの姿はなく、ガイナックスは佐藤店長と武田さんと広報関係の人とかに会ったくらいでしたね。
 角川映画ってことで、角川の文芸系編集者も多数登場。昨年、中央公論社から角川に移籍した新名さん(中公でSF担当だった人)まで来てて、「いやあ、どうですか、うちのアニメは」とか明るいギャグを飛ばしてましたね。
 びっくりしたのは瀬名秀明氏が来てたこと。
「瀬名さん、エヴァとか見てるんですか?」
「いや、仙台じゃやってないもんで、一回も見たことがないんです」
 うーん、この試写にも三人ぐらいはそういう人がいるかもしれない。珍しい人と言えば、SF映画評論の大御所、石上三登志氏の姿もありました。石上さんはちゃんとTVのエヴァ見てるんだそうで、さすがですね。
 スタジオ雄の小黒くんからは劇場版のパンフをもらう。おたく用と一般用の二冊セットなのね……と思ったらとくにそういうわけではないそうです。

 さて、映画に関してはすでにあちこちに原稿書いちゃったので、SFオンラインの新作映画評コーナーとか、たこあしコンセプトの連載第三回とかを見ていただくとして、幕が下りたあとは裏通りの居酒屋にどどどどっと流れる。武田さん、てんちょさんとはじめガイナックス勢が5,6人。あとは伊東岳彦、樋口シンジ……じゃなくて真嗣、るりあ046、鈴木雅久ほか各氏というメンツ。エヴァのくらだらないギャグでえんえん二時間。
「あの中はぜんぶカヲルくんが入ってるわけですよね。ということはシンジが教室に入っていくと転校生30人ぜんぶカヲルくんとか」
「シンジがネルフの大浴場に入ってくと、裸のカヲルくんだらけで目のやりばに困るとか」
 しかしいちばん驚いたのは、るりあ046先生に名刺渡したら、いきなり、
「いやあ、『女王天使』誉めちゃいかんでしょ」と意見された事件なんだけど、そのネタはもうアニメージュに書いちゃったからいいや。あとはルリルリを恋愛対象として見ることに対して強く憤る堺三保とか。ナデシコ関係ではずいぶん鬱憤がたまってるみたいね。いや、おれはルリちゃん好きだけど。綾波より好きかも(笑)
 で、居酒屋は12時で閉店になり、路上にたまるおたく集団。ガイナックス勢は武田さんのクルマ(「をを、これがあの、『噂の真相』で有名になったベンツですか」「だからちゃうて言うてるやんか」)で吉祥寺方面にすばやく去り、残されたのは、樋口真嗣、るりあ046、水玉螢之丞、堺三保、さいとうよしこ、大森望という謎のメンツ。
 んじゃまあカラオケでも……という話になり、四丁目付近のボックスに突入。当然のごとく「魂のルフラン」で開幕し、わたしは接待カラオケのために「You Get Burning」を歌いました――って堺を接待してどうする。二曲目に「そら」を入れたら、「それは嫌がらせですか」と樋口さんに言われたんだけど、いや樋口さんはカラオケ濃いっすね。一発めは筋少の「蜘蛛の糸」だし。ポケットビスケッツとかもフォローしてるしなあ。
 わけのわからん人々の集まりだったわりになかなか面白かったすね。堺の「アニメ業界で殴ってやりたいやつベスト3」(笑)の発表とかもあって。

 ……なんぞと書いてるから、岡田斗司夫さんに、


 ついでに日本SFが滅びる、ということは海外SF翻訳家も滅びるんだから、大森
氏もいろんなとこに唾つけて生き残ろうとせず、見事な最期を見せてくれるように要
望する。ああいう「毎日、僕はSFとかサブカルの仲間と遊んでいるんだ。えへへ」
っていうのは昭和と一緒に終わったかと思っていたんだけどね。

 とか言われちゃうんだな(NIFTY-Serve FMVTHEME mes4 #109参照)。しかし「サブカルの仲間」ってだれ(笑) 新本格の仲間とMTGの仲間はいるけどさ。そうか、きっと柳下毅一郎のことにちがいない。もう遊ばないことにしよう(笑)
 って、それはおれのサブカル理解がまちがっているのかも。まあしかし、昭和の伝統を保存している日記だとすれば、それはそれで価値があるような気がしないでもない。

 岡田さんのこの発言はけっこう強烈で、「みんなクズ」事件についても触れてるんですが、

 「本の雑誌」の”この10年のSFはクズだ!」特集ですか、はぁ・・。本当にこの
人達はオバカさんですね。
 70年代〜80年代の映像SFブームのおかげで喰えていたくせに、自分のポジション
を徹底的に誤解してたのが日本のSF関係者。SFで獲得した膨大な人数の信者達が
いたからこそ、あのクソつまらん文芸もどき作品を書いていても筒井康隆は喰えたわ
けだ。SFアドベンチャーなんていう勘違い雑誌も発行できたわけだ。SF仲間で褒
めあっていれば、若手SF作家は本が売れたわけだ。
 でもそれはヤマトやガンダムや、メカンダーロボとか六神合体ゴッドマーズとかの
ファン層が「いつまでもアニメだけでなく、ちゃんとしたSFも読まなきゃイケナイ
らしいから」って、そいつらの本を買ったからなんだぞ。彼らはアニメを愛するがゆ
えに、SFを勉強しようと頑張ってくれたんだ。で、そいつらに日本SF界は何をし
たか?「SFってつまんない」事を教えてしまったんだな、これが。とほほのほ、だ
よまったく。

 なんだそうで。けっこう目からウロコが落ちたっていうか。わたしは「いつまでもSFだけでなく、ちゃんとしたアニメも見なきゃイケナイらしいから」と思って、いっしょうけんめいアニメ見てたからこれでおあいこだな(笑)ってちがうか。ちなみに岡田さんは細田さんの「編集者が悪い(関・村山原因説)に全面的に連帯を表明してます。
 この会議室はつい最近、山岸真に教えてもらうまで全然知らなかったんだけど、ほかにも、「大森望が目障りで目障りで・・・。お願い誰かあの人なんとかして。」という豪快な発言もあってすげえ面白かったな。

 ……という話はともかく、カラオケが終わって外に出たのが午前二時。じゃ、タクシー乗って帰りましょ――ってところで、ひとりぽつんとたちつくするりあさん。
「どうしたんですか?」
「いや、うち横浜なんです」
「それはそれは……」
 ってことで、そのままなしくずし的にうちの仕事場にお泊めすることになり、堺、さいとうと四人で西葛西。いきなりMacの前にすわってフォルダを開きはじめるるりあ先生(笑)
 結局、後藤寿庵先生のページとか見せて、最近のSFの話とかして、4時半ぐらいに自宅に帰って寝ました。不思議な夜だったな、しかし。


【3月14日(金)】

 夕方起き出して確定申告の計算開始。領収証の山と格闘する。


【3月15日(土)】

 ユタで三村美衣とデュエル。三村美衣はなんかトークンデッキをつくってて、まわりはじめるとけっこう強いかも。星野師範代、野口誠もやってきたので、ウィニーに行ってミラージュのスターター(1200円)4個買ってきて、ヴィジョンのブースター8パックとあわせてシールド戦。赤緑中心の黒散らしな地べたクリーチャーデッキで三村、星野を撃破して勝利。
 4月のニューヨーク予選と5月の東京大会に向けて、しばらくミラージュ/ビジョンのシールド環境の特訓を積まないとね。


【3月16日(日)】

 なんか仕事をしてたような気がする。あと確定申告用紙記入。


【3月17日(月)】

 江戸川区葛西事務所に行って申告を済ませてから、新宿三丁目ハイパーアリーナに行ってタイプIIミニトーナメントにちょっと出る。でも赤白デッキ(ミシュラとライオンで殴り、クリーチャー除去で持ちこたえてX火力)一回戦負け。
 失意のままてくてく歩いて中央口の滝沢別館。例によって綾辻迎撃宴会の集合場所。綾辻さんは最近、NIFTY-Serve某所で「白薔薇の君」と称する女性から「人格がクズ」と呼ばれてショックを受けてるんですけど、すっかり持ちネタ状態。
 滝沢出てから、食事どうしましょうねって話になり、「うーん、ぼくは鍋がいいなあ」
 鍋ですか。鍋ねえ。そうだ、アルタの上に行けばなんかあるかも――ってことでぞろぞろアルタまで歩き、エレベーターで上がって、和食屋を見つけ、「鍋関係は8時までって書いてあるなあ。でも頼めばなんとか」「じゃあわたし交渉してきますっ」とC嬢が店に突入。
「しゃぶしゃぶオッケーだそうですっ。入りましょう」ってことでぞろぞろ中に入り、座敷に腰を据えたところで、
「じゃあぼく天ぷら定食」と言い放つ綾辻。「ふっふっふ、人間のクズだからね」
 いやあ、芸域が広がってよかったす。
 まあなんだかんだで結局全員でしゃぶしゃぶをむさぼり食い、あ、全員というのは、綾辻行人・遅塚久美子・喜国雅彦・京極夏彦・さいとうよしこに大森の六人ね、それからシダックスにGO。
 一階にプリクラの機械が導入されてたんで、「これは撮るしか」とか言いつつ新本格プリクラ(笑)を撮影、喜国さんが突然、「オレ、ハサミ買ってくるよ」と深夜の新宿の町に飛び出していく事件があったり。京極プリクラはKGな人に高く売れそうな気もするな(笑)
 カラオケはいつものカラオケですが、わたしには京極夏彦が歌った歌を報告する使命が課せられているのだった。えーとなんだっけ。一曲めが「ナオミの夢」で、これが異常にハマってたのは覚えてるな。あとは「銃爪」と、「さらば宇宙戦艦ヤマト」。まだなんかアニソンがあった気がするけど忘れました。すみません>こぐまさま。

 午前2時にシダックスを出てとなりの珈琲貴族で二時間ほどしゃべって解散。


【3月18日(火)〜20日(木)】

 ブライアントの短編仕上げて、SFオンラインと論座のエヴァ原稿。論座読者にはほぼわからない原稿を書いたんだけど、朝日の編集の人にはなぜかウケがよかったり。最初に「エヴァンゲリオン」やりますって言ったときの応答からすると、エヴァ知らないみたいだったけどなあ。
 しかしID4の原稿よりたくさんエヴァの原稿を書いている気がする(笑)。


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