【1月15日(水)】

 麻雀明けでふらふらになりつつ家に帰ると寺島令子先生から、「明日ハイパーアリーナのトーナメントに出るっす」のファックス。ハイパーアリーナ行くときは必ず声かけてくださいね、と先週電話でお願いしてたので、これは行かないわけにはいかない。
 2時ごろ泣きながら起きて新宿三丁目へ。なにしろトーナメント予選出場用デッキがまったくできてない状態なので、なにが強いのかさっぱりわからない。猫デッキでデュエル中の寺島さんのとなりで、初対面の若者とデッキ調整デュエル。どのデッキを出しても全然勝てない。新しく組んだやつはほとんどダメダメな感じ。相手は赤白緑のアーニゲバーン。City of BlassとThawing Glacierでマナのまわりがめちゃくちゃはやいタイプ。ランド破壊ないとどうしようもない感じ。
 最後に出した黒単色ヘビークリーチャーデッキ(Mana Vault4枚にSoldevi ArdnateとトリスケリオンでShade呼んできて殴る、あとはみんな飛行クリーチャー)でようやく一矢報いたけど、前途は多難。寺島さんと外でタバコ吸ってひと休みしつつ反省する。
 夕方のタイプIIトーナメントは毎日やってる参加者8人とかのやつで、申し込みにいったら直前で締め切られてアウト。デッキ調整中の日本代表・五十嵐さんにしばらく相手をしてもらう。アーニーバーンなデッキ相手にはけっこう強いことが判明。トーナメントレベルでは黒デッキは絶滅しているため、だれも黒対策を組んでないみたい。やっぱり初心にもどって黒なのか。
 腹ぺこ状態の宮地さん@ログイン編集部が登場、寺島さん出場のトーナメントが終わったところでハイパーアリーナを出て、向かいの焼肉屋で食事。値段は高めだけど量と質は水準以上でした。
 全身が焼肉くさくなった四人でタクシーに乗り、五十嵐・寺島邸へ。宮地千里がじつはKjierdlan Outpostを3枚所持している事実が判明し(「あ、なんかそのランドだったら3枚持ってるよ。アライアンスはコンプリートだし。ねえ、それっていいカードなの?」)、全員のカードを出し合ってトーナメント用宮地アウトポストデッキを構築する。それまでの宮地さんの青単クリーチャーデッキはカウンター系呪文を残して徹底的に解体され、アウトポスト4枚に神の怒り4枚、Thawing Glacier3枚の青白クリーチャーレス・アウトポストデッキに変身する。これがまたけっこう強い。あーおれの黒デッキは青白には対抗不能かも。暗黒儀式+魔力の櫃でShade呼んでもカウンター一発じゃあねえ。ついでにハルマゲドンにも弱いことが判明したので戦略練り直しかも。
 なんだかんだで午前四時まで五十嵐・寺島邸にお邪魔し、トーナメント対策を伝授されて帰宅。


【1月16日(木)】

 1時に起きてWOWOW@赤坂見附。3時に終わって近所の喫茶店でダカーポの取材。ライターのひとも、あとからやってきた編集者の女性も、どっちかっていうとパソコンおたく系だったので、わりとくだらない話で盛り上がる。最近のダカーポって妙におやじ雑誌なイメージがあるけど、それは上のほうだけなんすかね。
 取材が6時に終わって丸の内線で新宿三丁目。なんかしょっちゅう新宿三丁目に来ている気がするが(笑)今日の目的地はハイパーアリーナじゃなくてその向かいの池林房。本日は直木賞の選考会で、デビュー作(ほんとはちがうけど)がいきなり直木賞候補になってしまった馳『不夜城』星周の結果発表待機宴会。6時ごろから集まってる――という話で6時15分ぐらいに着いてみると、すでに30人ぐらいが座敷側を埋めつくしている。角川、講談社、集英社、アスキーを中心に編集者の山。座敷の奧は北上次郎おやぢと馳星周。我孫子武丸が怒りそうな構図だ(笑)
 家庭問題で意気消沈して妙に腰が低い茶木則雄が登場したところで、タイミングよく(?)「ごった日記」のプリントアウトのコピーがまわってくる。どうやら吉野仁氏が馳星周に頼まれて印刷したものらしいですが、WWW日記が縦書き印字のプリントアウトで出回ってるのはどうもなあ。って自分のじゃないからいいんだけどさ(このプリントアウトはまわりまわって関口苑生大兄のところにもファックスされたらしい)。
 話題の的は当然、月刊カドカワの北上書評に我孫子さんが噛みついた箇所。
「こういうのはおれは腹は立たないんだよ。だってべつに悪意がないもん」
 と鷹揚なところを見せる北上おやぢ。しかし意外なところに伏兵が。PANjA事件のさいに「ごった日記」上で批判されたことについて、茶木則雄がじつはかなりむっとしていた事実が判明する。
「だからちゃんと活字の媒体で批判してくれるんならいいんだけどさあ、こういうところに書かれても対応に困るんだよね。どうしろっていうのよ。まったくムカつくなあ」
 と、ひとりで批判のメートルを上げる茶木りん。夫婦喧嘩は相当深刻だったらしい(家庭の問題にはここでは立ち入らないものとする)。とうとう「敵は」発言まで飛び出して爆笑でしたが、ネット歴の長い馳星周がWWW日記の性格についておやぢ軍団相手に説明につとめていた事実は記録にとどめておこう。要は、「責任の所在がはっきりしてるだけパソ通よりまし。読みたくなけりゃ読まなきゃいいんだから」。
 まあしかし活字にならないと話がはじまらないと思ってる人はほかにもけっこう多いみたいだったな。そういう人にかぎって創元推理誌上で批判されても頬かむりしてたり――ってことはないか(笑)
 活字媒体での発言についてWWW上で言及するのはあたりまえなんだから、WWW上の発言について活字媒体で反論したってかまわないと思うけど。雑誌のコラムでテレビやパーティでの発言を話題にしたりするのといっしょでしょ。WWW上の発言は(そういう環境にある人なら)すぐに元発言を参照できるわけだし、活字畑の人の無根拠な活字信仰は活字の寿命を縮めるだけかも。
 なんてことはいいから、我孫子‐北上戦争はきっちり火蓋を落としてもらいたいもんです。あーちなみにわたしの場合、北上発言に文句があるときは本の雑誌にファックス投稿してます。掲載してくれるとはかぎらないけど、まあ本人の目には確実に触れるからさ。

 なんだかんだで盛り上がる宴席を抜けて向かいのハイパーアリーナでカード買ったりしてるうちに文春・永嶋くんのところに直木賞決定の第一報が入る。受賞したのは坂東は坂東でも眞砂子さんの「山妣」のほう。宮部さんもまたしてもハズレでしたか。まあ眞砂子さんは高校の先輩だからめでたいことはめでたいんですけど。
 馳陣営のほうも、なにしろデビュー作ってことなので、直木賞を逃してもさほどのショックはなく、さっそく北上おやぢの音頭で「今後に期待しましょう」乾杯。さすがに人生経験長いだけあってこのへんの呼吸はソツがないっていうか。コメント取材にやってきた報知新聞の記者の人の前で、馳星周のコメントをどんどん作文したり。
 でもやっぱり、落選の弁は「売れてるからいいです」で決まりだと思ったけどな。

 二次会は例によってルル。霜月蒼こと永嶋くんの華麗な女性遍歴が本人の口から自慢されていたらしいが、わたしは京大ミステリ研出身じゃないので、いくらなんでも社内で××した×の×を××したりするのはまずいんじゃないのとか、そういう批判は口にしないわけである。若い人はいいねえ。
 一方、カウンター席のおやぢたちは茶木家庭問題で盛り上がってましたが、三次会はまたしても麻雀。北上おやぢの卓をやっと免れた、ラッキーと思ったら山田さん@集英社がノンストップ状態でトップ5連発。魅入られたようにダマテンに振り続け、気がつくとトビ2回でチップはゼロ。その後、1万ガバス札がとびかう北上・茶木の卓に移って多少盛り返したものの、最初のダメージが大きすぎて4万ガバスのマイナス。うーん小説すばるの原稿一回分以上の打撃(精神的な打撃ね、あくまでも(笑))だな。ああやっぱりギャザってるほうがしあわせかも。
 さすがに累積疲労も著しく、馳星周の引き上げ宣言に便乗して、池上さんと途中までタクシー相乗りで帰宅午前5時。


【1月17日(金)】

 2時に起きて3時半ワーナーブラザース@浜松町で「マーズ・アタック!」の試写。爆笑ですが、柳下が誉めるほどは買わないな。やっぱり大きさでID4の勝ちでしょう。ビッグバジェット版「キラートマト」ですね。
 6時、ウェイン町山の送別宴会のために恵比寿へ。キネ旬討ち入りパイ投げ事件の責任をとって国外追放――と言ったほうが面白いけど、奥さんがアメリカに留学するのでくっついていくっていうのが真相でわ。デルモンテ平山(平山夢明)氏とかケーブルホーグの根岸さんとか初対面の人に挨拶。切通理作を目撃(笑) 元朝日ソノラマの上岡さんが来てたので、森下さんのページで仕入れた「小松左京は『虚無廻廊』続編執筆を梅原克文に許可したつもりはなかった!」情報を伝達する。とっても驚いてました。そりゃそうだろうなあ。
 さわりだけしか見てなかった「レザボア2」完全版をようやくビデオで見る。パイ投げ後、クルマに乗ってからのやりとりがめちゃくちゃおかしい。しかしやっぱりここまでやるなら打ち合わせ場面を追加撮影してほしかったな、アンナ・ミラーズとかでさ。
 河崎実監督が持ってきたらしい怪しいビデオも傑作でしたが、詳細を書くとまずいかも。岡田斗司夫氏ともひさしぶりに会った気がする。あとは大林千茱美夫妻とか三留まゆみ嬢とか映画関係多数、宝島関係少数。大林一家集合プリクラをもらったのが収穫か。
 あとは柳下ちょっぴり殺人日記……じゃなくてちょっぴり映画日記既報の通り、ウェイン町山にシェービングクリームをぶつけまくるイベント。いやもうべとべとっす。6枚もぶつけたおれが悪いんだけど。


【1月18日(土)】

 時ならぬ宴会5連チャンの締めくくりはトーキングヘッズ最新号打ち上げ兼アトリエ・サード発足記念宴会@高田馬場。
 なんだけど、例のユタの会の日なので3時ぐらいから出かけてって星野師範代に揉んでもらう。赤緑なんだけど全然勝てない。やっぱPillage強いっす。PillageとStone RainにやられてなにもできないうちにEronくんとか蟻んこに殴り倒される。ランド破壊重要かも。
 三村美衣はとうとうサイをあきらめて白緑ハルマゲドンデッキにするらしい。柳下Helm of Obedienceデッキも完成の域に近づいてて、うちのヘビークリーチャーデッキでは対抗しようがない感じ。向こうに4マナ出る前になんとかするしかないんだから、やっぱChoking Sandだよな。邪悪の気配もぶちこむんだろうか。

 とかやってるうちに時間になったのでパーティ会場に移動。星野師範代が去り、朱鷺田祐介師範が登場する。きのう電話した三村美衣は、
「じゃあデッキ一個持ってくから。そのデッキに勝てないようだったらトーナメント出ても無駄だよ」
 とか言われたそうですが、とりあえず大森、柳下、三村とも出場権は確保する(笑)

 10時にパーティがお開きになってから、マリンカでデュエルの人と歌広場でカラオケの人に分かれ、終電帰宅。やれやれ、仕事だ。


【1月19日(日)】

 と思ったら疲れが出たのか風邪を引き込んでダウン。どうも週末はよくないね。寝てるあいだに喘息も出てて、体力の消耗が激しく、飯食っただけで帰ってきてずっとベッド。アニメージュと小説すばるの書評用の本を黙々と読みつつ、頭の中でデッキを構築してたり(笑)
 しかし仕事はどうする。とほほ。


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