【4月28日(日)】

 なんだかんだでけっきょく3時間くらいしか寝ないで全逓会館@水道橋。去年につづいてまたしても遠い方の出口で降りてしまう。ああ情けない。

 プログラム開始時間をまちがえてて、着いてみると朝イチの企画はすでにはじまっていた。大野典宏×中村融の「ターボリアリズム」。前半は中村融がえんえん演説していたらしい。ぼくが着いたときには大野さんがえんえんしゃべってました。ロシアSFは守備範囲外なんだけど、けっこう異常な小説が書かれている模様。
 大野さんとは初対面なので、企画終了後、SFM阿部編集長に紹介してもらって挨拶。ロシアSFページの『蝸牛地帯』は見てるんですけど。
 考えてみると、去年のSFセミナーでインターネット企画やったときは、SF系ページなんてほとんどなかったから、この一年でずいぶん増えたわけですね。ってあたりまえか。

 今日は梅原克文氏とも初対面。ソノラマを退社してフリーになった上岡さんを交えて控え室で雑談。SF原理主義を掲げて「ヴェルヌ、ウェルズに帰れ」と説く梅原理論とは鋭く対立する大森ですが、『ソリトンの悪魔』は面白いからいいのさ。SFイデア主義撲滅を叫ぶ梅原講演には、山岸真とか真剣にむっとしてたみたいだけど、立論の危うさとか歴史認識の過ちはともかく、二極分解する日本SFの現状に対する警鐘としては、聞くべき点がなくはないでしょ。ただし、大森の考える「新本格SF」と北上次郎提唱の「日本クーンツ派」とは、ジャンル認識においてまったく正反対のものである、ということだけは強調しておきたい。やっぱりSFは魂です。そりゃ売れないよりは売れたほうがいいけど、まあ3万部〜5万部くらいでいいや。

 梅原講演を半分聞いたところで、岡田斗司夫氏がやってきたのでふたたび控え室であいさつ。SFセミナーとゼネプロっていうと、15年前にはファンダムの両極っていうか、ほとんど対立概念だったんですけどね。サーコン(SERious&CONstructive)対ファニッシュ(Fanish)、真面目系vsお笑い系で。TOKON VIII 対 DAICON IIIともいう(笑)
 そのセミナーに岡田さんがゲストで来て、TOKON VIIIの実行委員長だかをつとめた大宮さんと対談するんだから時代の変化とはおそろしい。おまけにアニメの企画まであるしなあ(笑)
 もっとも、大森の所属グループはサーコン系とはいっても関西なので、ゼネプロとは人脈的にはけっこう近い関係だったりして、あんまり違和感はないっす。
 大宮×岡田は「オウムとSF的想像力」とかそういうありがちなテーマで、思ったよりは(あれでも)噛み合っていた気がする。

 企画の途中でアニメのえらいひと、小黒くんがやってきたのでふたたび控え室。だらだらしていると庵野監督も登場。庵野さん、控え室では異常に無口でどうなることかと思われたが、ステージで席につき、幕が上がったとたん、ガンガンしゃべりはじめてびっくり。おかげで時間がぜんぜん足りず、用意したネタは3分の1も消化できなかったんですが、とりあえず無事に終わってめでたしめでたし。詳細は来月末に出るSFマガジンを参照してね。

 エヴァ企画終了後はずっと控え室でしゃべっていたので伊藤さんのアインシュタイン交点講演はろくに見てなくてすいません。ってこれじゃ三村美衣といっしょだ(笑) なお、その三村美衣のセミナーレポートはここ。山岸真による非公式レポートは……と某所の記事を転載しようと思ったが、ちょっとさしさわりがあるかもなのでやめておこう。転載してよければメールするように(笑)>山岸真さま。

 昼間の企画終了後はジローで飯食って、だらだら歩いて合宿所のふたき旅館……じゃなくて大栄館だっけ。すでによく覚えていない。
 合宿企画は、北上次郎おやぢが特別ゲスト。小説すばるの「現代エンターテンメントの新しい波」をサカナに袋叩きにしようという計画だったのにテキもさすがに老獪である。梅原克文が参加したこともあって戦略の立て直しがままならず、敵陣にひきずりこまれるばかり。高橋良平は戦力にならないしなあ。まあ、戦後大衆小説史の講義を拝聴できたという意味では貴重な企画だったかも。
 合宿バージョンのエヴァ企画は小浜徹也が乱入、いきなり司会を乗っ取って仕切る仕切る仕切る。とても先週、二日で一気に全話見たばかりの人とは思えません。しかしSF者のコンベンションだけあってあんまり濃い人がいなかったのはやや残念。
 京極企画は人がすくなくてなんかほのぼのしてたみたい。あとなにを見たんだっけ。星野講師によるマジック・ザ・ギャザリング講座とか(笑)

 疲れたので朝帰って死んだように眠りました。


【4月29日(月)】

 だから寝てたのよ。


【4月30日(火)】

 連休だと思ったのに、コヨミ通りの会社が多いらしく、原稿催促の嵐。しょうがないので仕事をする。インターネット・ライフとかインターネット@アスキーとか。水鏡子先生はお帰りあそばされていた。


【5月1日(水)〜3日(金)】

 このへんも仕事。とはいえ、体調がぼろぼろですぐ喘息発作が出るからわりとだらだら仕事してたような。
 あ、そうか、小説すばる新人賞原稿を読んでたんですね。5段階評価したうえで、評価表にいちいちコメントを書かないといけないので超めんどくさい。
 ◎○×の3段階しかなくて、50本読んでもコメント書くのは1本か2本、原稿の封筒に貼ってある紙にチェックするだけで評価表を書く必要もないファンタジーノベル大賞の一次選考システムはやっぱりすげえ簡単なのである。それについで楽なのがホラーノベル大賞かな。とにかく、応募者の名前・性別・年齢・タイトルその他を選考者がいちいち紙に書いて提出するというシステムは絶滅してほしい。
 あとはだらだらビデオとマンガ。ガンダムWとガンダムGをいまごろまとめて見るまぬけなわたし。エヴァ後遺症ってやつですか。Wの前半はそれなりに出来がいい。登場人物背番号制は覚えやすくていいよね(笑) しかしあの設定はやはり根本的に無理があるなあ。コロニー側のレジスタンスという単純な図式をそこまで忌避しなくてもいいと思うけど。Gはもうちょっと見ないとよくわかんない。
『帯ギュ』一気読みは燃えました。おれやっぱり、サンデー系のラブコメ入りスポーツ物が基本的に好きみたいね。あだちみつる・小山ゆう路線ですか。


【5月4日(土)】

 三村美衣日記既報のとおり、コミックスーパーシティ@東京ビッグサイト。門前仲町からタクシー2K円は、晴海よりちょい遠いか。あしか書房ブースに寄ったら、麻耶雄嵩おたくの濃いおねえちゃんを紹介され、写真を撮られる。謎。
 今日は3時半でおしまいってことで、もうほとんど買うものが残ってない。狂骨野夢子さんとこの新刊買って、シャレードの麻耶本もらったくらいかな。しかし篠田真由美さんが来てたのには驚いた。
 三村夫妻、小江さんとビッグサイトで飯食って、馬場にまわり、上京中の渡辺睦夫から、森博嗣=森むくだという衝撃のニュースを聞く。そうだったのかあ。佐々木すばるの挿画入りとかそういう本を出してほしい(笑) って年寄りにしかわからないネタですみません。でもドガってぼくがほとんど最初に買ったマンガ同人誌かもね。あとオーディンとか。あのころ買った同人誌はいったいどこに行ってしまったんだろう……高知で発掘してみるか。
 ユタのあとは例によっててんやで飯、それからボウリング。さいとう絶好調、大森絶不調。やれやれ。


【5月5日(日)〜6日(月)】

 小説すばる新人賞の下読みを完了した勢いでファンタジーノベル大賞の箱を三個まとめてかたづける。近未来SFでけっこういいのがあったけど、たぶん最終候補には残るまい。
 あとはマンガとビデオ(笑) というわけでゴールデンウィークもおしまい。さて、ぼちぼち『ハッカーと蟻』をかたづけないとね。


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