プロ野球観戦記(番外編)

第1回日米女子野球大会(2000年5月1日 西武ドーム)


厳密にはプロ野球の試合ではありませんが、米国側からはプロ契約している選手も出場しているということで....



米 300 040 001 = 7
日 001 730 78x = 26


硬式球、標準サイズのグラウンドを使用しての日米女子野球大会。大会とは言っても、この1試合のみ。一発勝負です。女子野球自体観るのははじめてなので、結構楽しみにしておりました。インターネット上でこの試合の開催を知ることが出来たのは幸いです。

試合会場の西武ドームは本日入場無料。今回は初めて車で行ってみました。約2時間で到着。混雑した電車に何度も乗り換えることを考えたら、多少渋滞しても車の方が便利かもしれない。今度から公式戦とか観るときは車にしよう。問題は駐車場か。今回は球場の公式駐車場に停められました。1100円。公式戦でここに停めるのは苦しいかな?

試合は、イニングスコアに見るとおりの結果です。何故このような結果になったのか。それは21人がベンチ入りしていた日本に対し、米国チームは総勢でも12人。DH制を採用した試合であるにもかかわらず、最初から投手を打順に入れていました。さらに、投手交代は野手との交代が多く、例えば最後に2イニングを投げたニコルス投手はそれまで一塁手として出場していた選手です。見るからに本職の投手ではなく、案の定2イニングで大量14点を奪われてしまいました。

これだけの条件が違っていては、「第1回日米女子野球大会」とい名称にふさわしくないのは明らかです。試合は同等の条件で行わなくては。ですから、日本チームの大勝という結果は、勝負の結果ではなく、単なるスコア(記録)です。

女子野球自体で感じたことは....。標準サイズのグラウンドは荷が重いのではないか、ということ。金属バットを使用しているとはいえ、打球の飛距離はやはり男子のようにはいかない。ということは、外野手の守備位置は当然前に出てきている。ということは、外野手の間や頭上を抜けてしまったら、打球がフェンス止まった打球に外野手が追いつくのに時間がかかりすぎてしまいます。この試合で三塁打やランニング本塁打が両チームに飛び出したのはこういった事情があります。もう少し狭いグラウンドで試合をした方が良い試合ができそうな気がしました。

走力に関しては、守備力(特に肩の力)と見合っているので、まあ良いのではないのでしょうか。つまり塁間の距離などは、現状でOK。あまりにも走力だけがずば抜けて良い場合、守備力と比較してゲームにならなくなってしまいそうですが、この点に関しては大丈夫だったように思います。

投手のスタミナ。3回が限度に見えました。日本チーム2番手の八木も良いテンポで投げていたのに、3イニング目の途中からスタミナが切れたように見えます。交代のタイミングを見極めるベンチワークが大切なのでしょう。


ここからが本当の観戦記。試合前のセレモニーは、両国国歌吹奏の後で、アイラ=ボーダーズ投手(米国マイナーリーグに所属、今回はコーチとして来日)と広瀬哲朗(元日本ハムファイターズ)が1打席真剣勝負。フルカウントの末、ボーダーズが広瀬をショートゴロに打ち取りました。始球式は近藤信子さん。三共製薬の女子野球チームで活躍した、かつての看板選手だそうです。また、本日の責任審判を努めた二塁塁審は冨沢さん。元セリーグ審判部長です。

得点経過ですが、初回にいきなり米国が3得点。ハースのタイムリーヒット、内野ゴロの間の得点、重盗(ディレイドスチール?)による得点です。この時点では、パワーに勝る米国チームが圧勝するのではないかと思っていました。

1回、2回と走者を出しながらも無得点だった日本チームは、3回裏に上林の一死満塁からショートゴロの間に1点を返す。そして4回裏、長野がショートの頭を越えるタイムリーヒット、新井がセンター前タイムリーヒット、さらに満塁のチャンスで4番黒田がレフト前へ詰まりながらも2点タイムリーヒット。これで勝ち越し。さらに森井がセンター前へこれも詰まりながらタイムリーヒット、さらに相手エラーの間に2点。この回一挙7点をあげて逆転に成功する。

その直後の5回表、守備の乱れで出塁した走者をアイビイが2点タイムリーヒットで返す。さらにリンが2点タイムリー三塁打。これで米国は1点差に追い上げる。

5回裏、出塁した鈴木慶子が牽制球で帰塁したときに負傷。肩を押さえていましたが、大丈夫だったでしょうか。すぐに代走が起用されました。この回、パスボールと上林のレフト前2点タイムリーヒットで3点。7回裏には黒田のタイムリーヒット、森井のランニング満塁本塁打、長野の2点タイムリー三塁打で7点、8回裏には三木が押し出しの四球、上田が3点タイムリー三塁打、小峰が犠飛、柴田がタイムリーヒット、中山がタイムリーヒットで計8点。

9回表米国の4番マレーが意地の犠飛で1点を返す。しかし、反撃はそこまで。

米国の登板投手は、スロチンスキー、ハース、アムンゼン、ニコルス。ニコルスは冒頭に書いたとおり、本職の投手ではないようです。ベンチ入り投手が3人では苦しい。日本チームは坂下、八木、山元、松本、飯沼、小川とリレー。小川が最後のバッターを打ち取ったのは、ピッチャーライナー。ファインプレーでした。

印象に残った選手、日本のショート上田。堅実な守備が光りました。鈴木に代わってファーストには行った小峰。こちらも危なげないファースト守備。と思っていたら最終回に送球をポロリ。4番打者黒田。第一打席こそプレッシャーのためか凡退しましたが、それ以降はチャンスにヒットを打てる貫禄。4番ですね。米国のセンターを守ったチン(背番号32)。あの走力は魅力。


試合進行上気に入らなかったこと。日米両国語でアナウンスされているわけですが、英語アナウンスでは「All Japan」なのに日本語アナウンスでは「チームエネルゲン」だったこと。スポンサーである大塚製薬のおかげでこの大会が運営されているのはわかりますが、国際試合、それも「日米女子野球大会」を名乗る試合で「チームエネルゲン」は無いでしょう。ユニフォームももちろん「チームエネルゲン」でした。米国側の「U.S.A」と書いたユニフォームと対称的でした。やっぱり「JAPAN」のユニフォームにしなくちゃ。

試合時間は4時間程度。1回表が終わった時点で30分近くかかっていたので、どうなることかと心配しましたが、何とか許容範囲内(?)で収まりました。

せっかくの野球日和だったのに屋根付き球場での開催だったのが最も残念だったことです。これで、雨でも降っていればせめてもの慰めだったのですが。

と、いろいろ文句を書いている割には、長文の観戦記を書いているわけで、それだけ楽しめたということです。両チームの監督、コーチ、選手のみなさん、お疲れさまでした。第2回があるのかどうかわかりませんが、次は必ず同じ条件で戦える試合にしてください。

今日の買い物。ウーロン茶、焼きそば。


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