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(衆議院公報)

委員会経過 今25日の委員会議事経過は、次のとおりである。

△環境委員会(第7回)

 環境影響評価法案(内閣提出第78号)

   右案は、附帯決議を付して、原案のとおり可決した。

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環境影響評価法案に対する附帯決議

 

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 

1 環境影響評価に関する手続が適切かつ円滑に行われ、事業の実施に際し環境保全 について適正な配慮がなされるよう、本委員会での論議等を踏まえ、事業者、地方公 共団体及び国民に対し、あらゆる手段、機会を通じて本法の趣旨の周知、徹底を図る こと。

 

2 第二種事業に係る判定は、科学的かつ客観的な基準に基づき、法の趣旨を踏まえ 、適切に行われるよう努めること。この場合、地域の特性を踏まえた運用が行われる よう、都道府県知事が意見を述べるに際して必要に応じ市長村長の意見を求めること ができるなど法の趣旨の徹底に努めること。

 

3 準備書及び評価書に複数案の検討状況、実施すべき事後調査事項等をわかりやす く記載されるようにすること。

 また、評価書へ記載された環境保全措置、事後調査措置が法律に違反して実行され なかった場合には適切な措置を講ずること。

 

4 事業者が実施する環境影響評価の結果を的確に審査し、制度の信頼性を高めるた め、環境庁における審査体制の充実・強化を図ること。  また、環境庁長官の意見形成に当たっては、当該事業について専門的な知識、科学 的知見等を有する学識経験者及び審議会等を積極的に活用して環境保全に万全を期す るとともに、その過程及び結果の透明性の確保に努めること。

 

5 免許等を行う者等が審査を行うに際しては、環境庁長官の意見を十分反映させる こと。

 

6 本法による環境影響評価の実効ある運用を確保するためには、関連する法律の適 正な運用と十分な情報公開が必要であることにかんがみ、環境影響評価のそれぞれの 段階に係る情報の公開に努めること。

 

7 地方公共団体において定着し、相応の効果をあげている環境影響評価制度の運用 の実績を尊重し、知事意見の形成に際し公聴会や審査会の活用が可能であることなど 法の趣旨を徹底し、地方公共団体の意見が十分に反映され、地域の実情に即した環境 影響評価が行われるよう、地方公共団体との適正な役割分担による総合的な環境影響 評価制度の運用に万全を期すこと。

 

8 環境庁長官が定める基本的事項及び主務省令で定める指針については国民に理解 されやすい内容となるように作成するとともに、技術の進展に即応して最新の科学的 知見を踏まえた環境影響評価が実施されるよう、基本的事項及び指針を柔軟に見直し ていくこと。また、本制度全般に関して、その実施状況を見ながら、法施行後10年以 内であっても、適宜適切に制度の改善を図ること。

 

9 上位計画や政策における環境配慮を徹底するため、戦略的環境影響評価について の調査・研究を推進し、国際的動向や我が国の現状を踏まえて、制度化に向けて早急 に具体的な検討を進めること。

 

10 環境影響評価の適切かつ円滑な実施には、技術手法、過去の事例、地域環境の現 状などの情報の活用が極めて重要であることにかんがみ、電子媒体の活用等、環境影 響評価に関する情報の収集・整理・提供に努めること。

 

11 我が国の事業者が海外において実施する事業については、環境基本法及び本法の 趣旨を尊重しつつ適切な環境配慮がなされるよう指導するとともに、政府開発援助に 係る事業など海外における事業についても、国際協力事業団等が策定したガイドライ ンに沿ってなお一層的確な環境影響評価を実施し、適正な環境配慮がなされるように 努めること。

 

12 本決議事項及び本委員会での議論を十分踏まえて、政令、省令及び基本的事項を 制定すること。

 

13 地球温暖化の防止に関し、西暦2000年以降に先進国が講ずべき政策等について国 際合意を目指す地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組条約第三回締約国会議)が実質 的な成果を収めるよう、政府は国内での取組及び国際合意形成に最大限努めること。