パチパチの
ニューヨーク便り
 


MOMAで草間弥生展    98.09.13

MOMAで開催された、草間弥生の回顧展”Love Forever: Yayoi kusama, 1958-1968"を見て来ました。すごいよー。
水玉とか、薩摩芋状のぬいぐるみ(前はうんこかと思っていたが、男根らしい。そう思ってみると、突然はずかしくなる)がフロアにいっぱい。特にすごいのは、小さな部屋に、白地に赤い水玉のそのぬいぐるみがいっぱい敷き詰められていて、壁が鏡張りになっている、という作品でした。

あと、映画(?)もあって、彼女が馬や木や人間や猫や、水面やらに水玉をいいっぱいかいたり、果ては、摩天楼や自由の女神にもつける(これはフィルムでの合成)というもので、最後は、ボディ・ペインティングの男女の乱交っぽい映像でしめていました。ビバ、シックスティーズって感じ。お客さんもいっぱいいたよ。なんか、こんなむちゃくちゃなもの(悪口じゃないよ)をなんで、みんなしずかーに〔鑑賞」してるんでしょうね。自分もだけど。

他の作品も、なんか、モチーフはやばい感じですが、色や形が洗練されていて(回顧展のためにそういう物が選び抜かれたのかもしれませんが)、素直にきれいと思えます。

ということで、結構いい気持ちでいたのですが、帰りにミュージアム・ショップで読んだ彼女の小説を読んだら、ちょっと幻滅。自伝的なものらしいんですが、ニューヨークに来た美人アーティストで、男にはもてもて。で、ちょっとロリコンの伝説的大物老男性アーティストの恋人となり、おこずかいなんかももらってる。そもそもの出会いも、彼と取引したい画商が人身御供的に送り込んだため。ただ、この男は超変人なので、ゆわゆる愛人ぽいのとは、ちょっと違うんだけど。まあ、彼女は美貌を利用してニューヨークでキャリアを作ったかのような印象も与えかねない内容なのです。

ただ、普通そういうことって周りの人が書くんであって、自分でさらけだすのって結構すごいよね。
MOMAにおいてあるパンフレットは、広げると裏がポスターになるようになってる、かっこいいものです。
他にも、この夏、アップタウンとダウンタウンのギャラリーで、彼女の作品が展示され、TIME OUTという情報誌でも、カラー1ページで彼女の紹介があったよ。

一緒にやっていたロシア・アバンギャルドの展示もかっこよかった。


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