パチパチの
ニューヨーク便り
 


「ラスト・エンパレス」    98.09.04

ゲイのフリー・ペーパーを見ているとお芝居やミュージカルのページにリンカーン・センターでやっている「ラスト・エンパレス」というミュージカルの広告が出ていました。お客さんいるのかなーと思って日曜のマチネに行ってみると、ほとんど満席。お客さんは東洋人6割、白人4割位。黒人はみかけなかった。韓国企業の大宇が後援していて、大宇の自動車が展示してあった。

ストーリーは、日本人に暗殺される朝鮮李王朝の王妃ミンピの文字どおり波乱の生涯です。衣装はすっごいきれいで、舞台装置も本格的。もともと、アメリカでの公演のために作られたものなんだそうだ。ただし使用言語は韓国語で、舞台の上に字幕がでます。踊りも歌もうまいよ。だけど、ずーとに耳に残るようなミュージカル・ナンパーみたいな曲はなかった。

で、もちろん、日本人が悪者なんだけど、なんか日本刀で、どんどん斬り殺しちゃったりしてる。いくらなんでも、そのころは、毒殺とか、ピストルとかなんじやないの、と思って、新潮文庫から出ている「ミンピ暗殺」という本を読んだら、それは本当だったのでした。だれもミンピの顔を知らなかったので、衣装と顔が美しい女性を三人斬り殺したら、そのうちの一人がミンピだったんだって。(朝鮮では、王妃はほとんど人に顔を見せない。御簾の影からお話する。)

細かくは、義理のお父さん(国王の父)との対立とか(義理のお父さんは、反乱がおきたとき、ミンピの正否がはっきりしてないのに{国葬」にしちゃったりしてる。また、ミンピも義理のお父さんを清国に追い払ったりしてる。)宮廷内の陰謀とか、ミンピも他の側室を陥れてどんどん処刑してることとか、贅沢三昧(真珠の粉でお化粧している。不眠症で、昼間は寝ていて朝まで宴会するのが好き。それにあわせて、宮廷に仕える人たちは、夕方から出廷)とか、そういうところははっしょってるし、他のヨーロッパ列強の人たちはいい人ってことになってるとか、いろいろあるんだけど、でも、王妃を殺すなんて大事件なのに、実行した日本人の人たちは全然罰せられてないんだよ。

しかも、歴史的にどう考えても重要なのに、日本では、あんまり知られていない。今は、教科書にのってるのかな。

で、学校の韓国人の人とか、ルームメートの韓国系の友達に、「ラスト・エンパレス」見たって聞くと、結構みてるんだよね。ていうか、白人の人もいっぱい見てるわけ。

こうゆうのって日本で知られてるのかな。


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