「二丁目からウロコ」より

あとがき

1995年9月

 表紙に使った作品は、僕が以前ゲイのパートナーシップを祝福する大きなエンブレムを作った時のキャラクターです。

  チュチュを着てチョウチョの羽を生やしているのには「愛の妖精」(フェアリーはゲイという意味もある)、ハードゲイ風にハーネスを付けて翼を持っているのには「欲望の天使」と名付けました。


  ロマンティックな女の子のような妖精は幸せになるのをいつも夢見ています。また、天使の方はいつも男を求めて欲情していて辺りをクルージングしています。この妖精と天使が何かの拍子に力を合わせた時に恋愛が生まれ、この天使と妖精の協力関係がビジョンに導かれた時に素晴らしいパートナーシップが生まれるというイメージでエンブレムを作りました。


  二丁目の本の表紙には何がいいかなと考えた時に、そうだ、この天使と妖精を使おうと思い付きました。僕には、二丁目が無数の愛の妖精と欲望の天使が飛び回っている場所に思えたのです。この街にやって来る人は誰もが幸せになりたいと思っているし、男を求めてもいるのだから

  僕のイメージの中では、みんなこの街を舞台にビジョンクエストの最終ステージを目指しているのです。


  大好きな二丁目について書いてはみたものの、この街のダイナミックな多様性を表すのは僕一人の力ではとうてい無理でした。好きなあまりに贔屓の引き倒しみたいなこともやってしまったかなという思いもあります。それにずいぶん理屈っぽいこともたくさん書いてしまい、読んでくださった方をウンザリさせたのではないかと反省もしています。どうか率直なご意見やご感想を聞かせてください。


  これを読んで、こんなの二丁目じゃないわ!と腹を立て、それじゃいっちょ私が書いてやるかと誰かが思ってくれたら、これほど嬉しいことはないです。

  僕としては、もっといろいろな人がその人なりの観点からこの街を語ってくれることを願っているのです。


  二丁目に限らず、今までにゲイが歩んできた歴史をゲイ自身のことばでちゃんと残しておくことが必要です。僕たちゲイは今の時点ではそういったものをほとんど持っていないのです。このままでは、知りたいと思った時には語れる人が誰もいなくなってしまうかもしれません。このことに関してはゲイメディアは真剣に考えなくてはいけない時期だという気がします。(自分の力量不足をいつのまにかゲイメディア批判にすりかえたな)


  最後に、この本が生まれるためにいろいろと力をつくしてくださった佐藤享さんに心から感謝します。そして今まで二丁目で知り合った人々と、この本を読んでくださった方々全てにありがとうを贈ります。


  ゲンちゃん、やっと終ったわ! この本は君に捧げるね。

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