2丁目の上のタンコブ日記
97.05.12 月
友人から貰うメールに添付してある画像が文字列に化けてしまうことがよくあるとぽやいたら「それってユードラの只のやつ使ってるでしょ。ユードラプロに変えるとほとんど開けるよ」とエイジ君が教えてくれたので、今日それを買ってきた。今まで只だったものに金を払うのってなんか気に入らないけど、ま、仕方ないか。
「聖遺物箱」の2つ目の制作に入ろうとしているのだが、なんかいいアイディアが浮かばない。そこで、ちょっと横になったらグッスリ眠ってしまった。
起きたら、弦ちゃんが帰ってくる時間。ああ、今日も一人の時間を有効に使わなかった…。
97.05.13 火
今日はブルちゃん出張のためお休み。その代わりにシンチャが入ってくれることになっている。
さてさて、初ミセコはどんな感じになるのかしら…。
針金とビーズを使っての作業を一日中やる。
QueerNetCafeの福田君からのメールで、このホームページがしばらくお休みをとり、リニューアルしてから再開する予定とか。そのために、この日記も5月の20日までの分のアップでしばらくお休みということになる。
さてどうしましょう。休みの間も、日記は書き続けるべきかどうか。一度休んでしまったら、もう書く気がしなくなってしまうのでは…という心配もあるし…。
そうでなくても作品制作のために時間がないのだから、これを機会に思い切って休んで、再開に関しては、その時期が来たときに考えればいいのだわん。…という気もするし…。
ま、20日までは書き続けましょう、とにかく。
ニューヨークのQPちゃんから電話。今週末に日本に来るそうな。ちょっと前に道でホールドアップにあってしまった話などを聞く。お金は50ドルくらいしか持っていなかったので被害は少なかったと言っていたけど、やっぱり怖い話よね。
97.05.14 水
岡田屋にビーズを買いに行く。この「聖遺物筺」シリーズは材料代がかさむ傾向にあるなぁ。
家に帰ってから、買ってきたビーズを繋いでいく作業に入る。
弦ちゃんは芝居の稽古に。
夜はバディの連載の原稿とビジュアルをやる。今回のテーマは「ドラァグ・クイーン」。
「Life Sign」の方は禁煙時間が4時間半になり、これじゃほとんど禁煙しているのと変わらない。
「一本くらい吸っても構わないじゃないの」としきりに悪魔がささやく。ああ、この感覚、まさに禁煙をしているって感じ。ま、かろうじて誘惑には負けずに済んだが。ふー。
あと4日で完全禁煙に入るワケね。すでに体重が増える傾向にあるけど、今は体重管理より禁煙の方を優先させましょう。
97.05.15 木
原稿をバディに届ける。来月号の特集はハッテン場だそうで、編集員の多くがハッテン場取材に出かけているとかで、編集室はいつもより静かだった。
どうせ木曜日はヒマなんだし、休んじゃおうかなとか出掛けにかなり真剣に考えたが、わが身にむち打って店に出た。そしたら、けっこう忙しくて一人でてんてこ舞いだった。
ミツオが交通事故に巻き込まれて、この月曜お休みしたんだけど、今日の電話ではまだめまいがするので入院したとのこと。声は元気なので少しは安心したけど、ホントにダイジョウブなのかしら。
97.05.16 金
渋谷の東急ハンズに木材、ガラス板などを買いに行く。
昨日今日と櫻田宗久の「愛の奴隷」のプロモーションビデオをかけまくる。5月20日近辺にCDデビュー
するそうだが、「ムネトピア」とタイトルされたこのビデオにすっかりハマってしまった。見てると気恥ずかしさにお尻の穴がムズムズするような感じがたまらない。豹柄の超ミニパンツ、素肌にきたレースのベスト、白いジャケット羽織って、黒いテンガロンハット、黒の短ブーツとくるとなんじゃこれはと目を見張る。一度聞いたら忘れられない、やたらと覚えやすいメロディに合わせて、振りもゴーカに腰をクネクネ。
ピンクナルシスを意識した映像で、全体がとにかくゲイテイストに溢れていますわ。見て! 聞いて! そして一緒に踊って!!
写真は「ワッツイン6月号」に載ってた櫻田宗久デビューの広告。初めのが袋とじになっていて、それをハサミで切り開くと次の写真になるという仕組み。ずいぶん凝った広告打ってるじゃないの!
「愛の奴隷」でハイになっていたので気がつかなかったけど、今日はけっこう忙しかったのだった。
伏見君の紹介で画家を目指す男の子と知り合う。作品を見せて貰い、タックスノットでの展示を決める。
11月が彼の作品展示。今から楽しみ。
97.05.17 土
今日も今日とて「ムネトピア」かけまくりで、客によってはもう何度も見てるのも多くなってきた。確かに初めての客は面白がるけど、そう何度も見せられては苦痛になるかもねぇ。それに何度も見て振りが入ってきた僕やイマーゴが一緒に踊るのを見るのが何よりも辛いみたい。
きっと来週あたりから客足が遠のくかも。
ニューヨークからQPがやってきた。明日早朝に新宿駅で待ち合わせがあるとのことでうちに泊まる。
「英国生活」は日本人のアンティークディーラーとやらが紹介されていたが、あまりの退屈さに途中で切った。ずっと見てきたけどこんなの初めて。
97.05.18 日
弦ちゃん芝居の稽古へ。僕はカレーを仕込んでから、また寝ておく。
「ムネトピア」の効果がもう出てきたのか、とってもヒマになってしまった。
97.05.19 月
QPと食事。その後、家に来てもらい、ドラァグ・トランプを見せる。なにせQPはダイヤの女王様なのですもの。なんやかやと話題は多岐に渡り、あっと言う間に終電タイム。また明日会う約束。
ミツオがまだ入院しているので、今日は休むつもりだったのだけれど、オカビーが開けてくれることになり、9時過ぎからタックスノットは営業。ミツオが休みなのを知っている人が多いので、店はかなりヒマだったそうな。
97.05.20 火
「百合の伝説」の試写を見に行く。監督のジョン・グレイソンはカナダ人で、HIV感染者の第一号の話をミュージカルに仕立てた「ゼロ・ペイシェンス」の監督でもある。
「今世紀の初頭のカナダ/ケベック。花々は輝き、小鳥がさえずる田園の中、それぞれの人生を背負った3人の少年たちが出会った。少年ヴァリエの一途な愛を受け入れながらも、年上の女性に惹かれる少年シモン。そんな彼を想う、もう一人の少年ビロドー。そして、ある日、想像もしない事件が3人の運命を狂わせていく…」てのが宣伝コピー。
解説を読むと、女性役を含め出演者は全て男性。
こりゃ行くしかないなと出かけていったが、果たしてこれが大正解。実に楽しめる映画でした。
というのも主人公の一人、美少年のシモン役のジェイソン・カデューがモロシュミだったからなのだー。
ま、それは置いても、演劇的な手法を活かしたかなり凝った作りになっている映画で、なぜ全員が男性によって演じられるかというのも納得できる仕掛けがしてある。だだしノンケ感覚の強い人にはとても我慢ができない映画だと言えるだろう。8月には恵比寿ガーデンシネマでロードショーの予定だそうだから、ぜひ見に行ってくださいませ。
映画って金がかかるメディアだけど、金をかけないなりにでも面白い映画を作ることは可能なんだといつも思わせてくれる、独特な個性を持った面白い監督だ、このジョン・グレイソンという人は。
映画の後、QPと会って、あちこち散歩。
ギャラリー・コヤナギでやっている「森万里子展 MIKO NO INORI」を見る。もっと沢山のイメージを見られるのかと思っていったのだけど、今回の展示ではビデオインスタレーションのみだったので、少し物足りない感じがした。
さて、今日でタンコブ日記はしばらくお休みします。近々また再開させますので、それまで皆様ごきげんよう。
結局、再開はなく、このタンコブ日記はここで終わりました。