2丁目の上のタンコブ日記


96.02.01 土
 
 今日はタックスノットの展示替え。イズミ君と彼(クマちゃん)が仲良く搬入にやってきた。

 彼が実際に山歩きをしながら手に入れた植物を構成した作品はタックスノットの空間にうまくマッチして、なかなかいい雰囲気を醸し出していた。作品写真はタックスノットのHP「GreenTomato」に載ってますから、見てみてください。

 イマーゴが「奥様は魔女」のビデオを持ってきた。多分次は彼自身がエンドラの格好をしてカウンターに入るんだわ。

 みんなで食べ物の好き嫌いの話をしているうちに、変わったもので好きなものがあるかという話になった。
 アケピーは子供の頃、病院でノドに塗って貰う「ルゴール」の味が好きで、おかあさんに頼んで「ルゴール」を手に入れ、綿につけてチューチュー吸っていたんだそうな。それを聞いて全員気持ち悪くなった。
 おまけにオブラートも大好きで、機会を見つけては、オブラートを一枚一枚指にくっつけては口に入れ、溶けていく感触を楽しんでいたそうな。それを聞いて、やっぱりアケピーって昔から変わった子だったのねと一同納得。
 アケピーのトドメの話は、先日の夜におなかが空いてご飯を炊いたのだけど、おかずになるものが何にもなかったので、白いご飯の上にただ味の素をかけて食べたんだそうな。聞いてるみんなの顔が歪むのを不思議そうに見ながら、「えぇ? だって美味しいじゃない!」と涼しい顔。

97.02.02 日

 割と静かな日曜日だった。

 中野の「K」のマスターが店の営業中にバースデーケーキを焼いて、それを持ってきてくれた。見かけは笑ってる子供が泣き出しそうな雰囲気だが、ホントは優しい人なのでした。なんか「泣いた赤鬼」みたいな言い方だな。

97.02.03 月

 ちょっと早起きして銀座松屋の遊びのギャラリーでやっている赤岩さんの作品展を見に行く。風呂先屏風や掛け軸がメインの展示。次々と作品展を開いているあのエネルギーにはホントに頭が下がる。

 夜は10月の個展用の作品作りのウォーミングアップを兼ねて、ドラッグトランプの制作に入る。60枚近い写真を300dpiから600dpiでスキャンするのは結構大仕事だった。僕のスキャナはちょっと古いタイプで取り込む度に設定をやり直さなければならないので、余計に時間がかかる。結局5時間くらいかかった。

97.02.04 火

 今日は、昨日スキャンしたドラァグ写真を色調整した後、いよいよ切り抜きにかかる。写真の背景がそれぞれ雰囲気が違うので、切り抜いて使おうと思っているのだ。やってみると、これが気が遠くなるほど手間がかかる。みんなやたらとオストリッチや羽根のショールをまとっているんだもの。7時間でやっと33人分切り抜いた。あと少なくとも4時間はかかる計算。

 明日も一日フォトショップ作業だわ。なんか退屈な日記でゴメンナサイね。でも、これからしばらくはこんな感じの日記が多くなると思うので覚悟していてね。

97.02.05 水

 「セルロイド・クローゼット」がいよいよ8日から始まるが、この映画についての取材の申し込みが産経新聞からあり、タックスノットで1時間ほど話す。まぁ見るからにノンケといった感じの記者であったが、「セルロイド・クローゼット」がとても面白かったのでぜひ記事にしたいと言っていた。ノンケからこの映画が面白かったと言われると、ホントなの?!とつい思ってしまう。
 僕はどうもノンケを端から信用してないんだなぁ。自分の中にあるヘテロフォビアをどうしたらいいんだろう…。年々強くなる傾向にある。

 夜はドラァグトランプのための写真から人物を切り抜く作業に終始する。どうも集中しきれず、6時間ほどかかって一応53枚分を終わらす。め、目が痛い。

97.02.06 木

 店でアケピーの味の素かけご飯の話をしたら結構盛り上がってしまった。そのうち金がないときに何を食べるかという話になってきた。みんなそれぞれに工夫を凝らしていたのに驚きもしたが、エイヂ君の友達が学生時代にお金がなくて、前の日の冷やごはんを食べるのに新しいご飯を炊いて、そのご飯をおかずにして食べたという話が一番笑えた。 なんだか落話の梅干しを見るだけでご飯を食べるケチの話に近いものがあるなぁ。
 しかし炊き立てのご飯をおかずにすべきか、冷やご飯の方をおかずにすべきかに関しては意見の分かれるところとなった。

 こんな話で盛り上がれるのも平和ってことでしょう。

97.02.07 金

 バディの連載の来月分にピンク・トライアングルについて書こうと思っていると担当のブンちゃん(西野浩司さん)に話したら、パンドラ/現代書館から「ピンクトライアングルの男たち」という本が刊行されたと教えてくれた。さっそく紀伊国屋で買ってきて、読み始める。

 人間が持っている暗く恐ろしい部分を正視しなければならない辛い作業だった。自分もいつこの恐ろしい部分の犠牲者にならないとも限らないし、自分の中にもこの恐ろしい部分が確実に存在している。そんなことを考えると重苦しい気分になってくる。
 でも、この重苦しい気分を避けてはいけないのだという思いが、最後まで読み続けさせてくれた。
 ナチスがやったことは、今でも世界のどこかで繰り返されている…。これだけは忘れないようにしよう。

 5月に開かれる東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のPRのためのポストカードが刷り上がったということで、映画祭のスタッフが持ってきてくれた。これがその完成品。


 

97.02.08 土

 アイランドのラクちゃんから今日は店を休むという 電話が入る。
 なんでも、昨日の営業中にビルの貯水槽が故障してしまい、他から水を運んだりして大変な営業だったそうだが、その時にトイレに入った誰かが水が出ないのを不思議がって、予備の水道栓を開けてしまったらしい。それに気づかずに店を閉め帰宅したところ、今日の朝貯水槽が直り、水が出るようになったので、予備の蛇口から水が出っぱなしになり、それで店が水浸しになってしまったとか。下の店にも水漏れがあったようで、とんだ災難を被ってしまったようだ。

 うちも店も過去に何度か水を下の店に出してしまい、大変な思いをしたことがあるが、こういう商売では水はホントに怖いのよね。

 人によっては4連休の初日となる今日はけっこう忙しい日だった。

 今日も色々お土産を頂く。フユヒコはバリに行ったとかで、チョコレート(ホント、全世界にあるのね)と白檀で作った象さんを。ソーニャとユウジは新婚旅行のシンガポールから海老のスナックと石彫の象さんを。ヨコイは大阪土産、タコ焼き饅頭を。前にタコ焼きキャンデーってのを貰ったら、ホントにタコ焼きの味がしたので、タコ焼き饅頭には恐れをなしたが、単にタコの形をした人形焼き系の饅頭だった。ほっ。
 キタヤマ君はおずおずと包みをバッグから出すと、「お土産あげると日記に登場できるようなので…」と言いながら 神楽坂は「紀の善」のうすやき煎餅をくれた。なんかこういう展開も困るなぁ。でもありがとね。

 今月タックスノットの展示を担当してくれたイズミがかわいい生け花を持ってきてくれた。その生け花に、オカビーとサエキがくれたガラスのオブジェがぴったりだったので並べてみると、双方引き立てあってなかなかいい感じ。これがその写真。


97.02.09 日

 原宿ギャラリーに作品搬入。イマーゴとケンちゃん夫夫が車で運んでくれる。前にも書いたけど、立体レリーフ作品を4点、ガラス絵を1点出してあるので、まだ僕の作品を実際に見たことのない人はよかったら見に行ってください。原宿ギャラリー/電話03-3401-4025

 いつものように(全く反省の色がないわね)15分くらい遅刻して店に行くと、なんと店の明かりがついている。ドアを開けると、カウンターの中にはオカビーがいて、店は立ち飲み状態の混雑! 
 ゲイ・メンズ・コーラスの「クワイヤー・ボーイズ」の面々が練習の帰りに寄ってくれていたのだった。オカビーは本番で彼らの伴奏を担当するとかで今日が初顔合わせだったそうな。
 大勢でやってきてくれたのに店が開いてなかったので、勝手知ったるオカビーが気を利かせてくれたという顛末。

 喜ぶべきか、恥じ入るべきか…、それが問題ね。

97.02.10 月

 ドラァグ・トランプ作成のため、MD-2300Sを買った。早速、色々試してみたが、フォトカラーはびっくりするくらいに高品位な印刷ができる。だけど高いトランプになりそう…。
  
 ここまできれいに印刷できるとなると、張り合いがでてくる。いよいよトランプの形に仕立て始める作業をスタート。

 プロバイダーを変えようかと思い、一月使い放題980円というアルファ・ネットというのに申し込んでみた。さて設定をしようとしたところMacTCPが使えない。開こうとするとシステムエラーが起きてしまう。

 こうなると手も足も出ない僕は、いつものようにヨウくんにメールを出して救出を待つ。

 これが解決するまでは、今までのプロバイダーを使うしかない。今までのプロバイダーは従量制をとっているので、早く980円の方に切り替えたいんだけど、そっちの方が信頼できるかどうか結果が出るまでは、前の方も解約しないでいこうという作戦。

 




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