2丁目の上のタンコブ日記
97.01.21 火
10月末に個展をやることになった原宿ギャラリーで、2月11日から「第1回 アートグッズ・カリスマ宣言」と題した展示会が開かれるのだが、そこに参加してほしいと依頼されたので、過去に作った作品を出展することにした。
別冊宝島ゲイシリーズの表紙のために作った作品3点とガラス絵1点、ほかに立体額絵を1点の合計5点を出す予定。まだ僕の作品を実際に見たことのない人で興味のある人は見に来てください。
「原宿ギャラリー」 渋谷区神宮前3-6-8-1F Tel3401-4025
イマーゴと「LAZYBAR」で食事をする。その後、イマーゴ宅へ行き、預かってもらっていた立体額絵を家まで運んでもらった。
97.01.22 水
バディに連載を始めた「ゲイ・ファースト・ディクショナリー」の2回目の原稿とグラフィックを仕上げる。今回はレインボウ・フラッグがテーマ。モノクロ頁でレインボウカラーのグラフィックは辛いものがあった。
レキとケイちゃんに誘われたので、中野の「K」に初めて行ってみる。 ここは水曜担当のユキヤ君のお気に入りの店でもある。前から一度遊びに行ってみたかったのだが、やっと実現した。
ここは基本はノンケ客を主体としてやっている居酒屋なので、いつもゲイ風味出しまくりとはいかないのだが、今日はたまたま客が全員ゲイだったので、とてもリラックスした愉快な時間を持てた。
そこに居合わせたAさんから仕入れた面白い話。
ゲイのAさんには姉と兄と弟がいる。ある日、お袋さんから電話が入った。「兄さんが結婚しないのは実は男が好きだからなんだって言うのよ…」という話だった。
Aさんが兄さんもゲイだということをそうやって知った。
ある日、Aさんと兄さんはそれぞれの恋人(もち男よ)を連れてハワイ旅行に行くことになった。そうしたら、弟が「えぇいいなぁ。僕も友達と行くから一緒に連れてってよ」と言い出した。むげに断ることもできず、ま、いいかと連れていくことにした。
ハワイ旅行に連れてきた弟の友人というのは誰が見ても分かるおネェさんタイプだったのだ。Aさんは兄さんと顔を見合わせた。「じゃ、やっぱり弟のやつも…」 確かめはしなかったが、二人ともその可能性は高いと直観した。
後日、Aさんがパラゴン(ハッテン場よ!)に行った。ほとんど真っ暗闇の中で出会った男を撫で回してみるとけっこういい身体だ。おチンチンもかなり大きい。それにビンビンだ。突然、その男がAさんの顔を引き寄せ、確かめたとたんに言った。「兄貴、俺だよ!」
Aさんの兄弟は3人ともゲイだったことが判明した。
97.01.23 木
個展のアイディアを練る。
弦ちゃんが無事に帰ってきた。これで一安心。大阪行くのに、行きも帰りも飛行機というのはどうもわからん。
店はヒマ。終わり頃から歯が痛くなった。
97.01.24 金
歯医者に行く。応急処置はしてもらったが、結局、月曜に親シラズを抜くことになった。フェラチオの女王へまた一歩近づくことになったのね。はー。
日本皿回し協会の東京支部長の山本さんからメールが来て、その中に面白い話があったのでご紹介。
山本さんは10何年も前から手話を始め、一時期手話通訳を本格的にやっていたことがあったそうな。
選挙の立ち会い演説会では手話通訳がつくのだが、その昔東京都知事選に東郷健さんが立候補していたときにも、山本さんは手話通訳として働いていた。
東郷健さんは演説の中でかなり過激なことを言う。「入れて入れて入れて」とか「園遊会で天皇を後ろから犯す」とか。
他の手話通訳は女性が多く、東郷健さんの通訳は何となく敬遠されがちなので、いつも山本さんが担当になっていたのだそうだ。
かくして、山本さんは何度も真顔で「後ろから犯す」と手話をしていたそうな。
シンちゃんから三笠山を貰う。
コウイチからチューリップを貰う。チューリップは花の中で一番好きな花だわん。
97.01.25 土
久々に忙しい土曜日だった。
サトシがデートに東京タワーに行ったとかで、東京タワー饅頭を買ってきてくれた。最近はお土産菓子はかなりおいしくなってきたけど、この東京タワー饅頭は久しぶりに誰もがまずいというほどひどい味だった。
風邪の具合がよくない。辛い。
97.01.26 日
弦ちゃんに買ってきて貰った薬を飲んで、5時まで寝ていた。
よっぽど休もうかととも思ったが、起きたら、それほどひどい状態でもないので店を開けた。
けっこう忙しく、ひとりでキリキリ働いていたら、いつの間にか身体も元気になっていた。気の持ちようだったのかしら。
「大豆」のマスターが初めて来てくれた。彼は「ぺんぺん草」の芝居にずっと出ているメンバーの一人で、なかなかの芸達者。きれいな若い子を連れてきてくれて、バンバン飛ばして、さっと帰っていった。ウーン、元気な人だ。
サトーさんが北海道から彼を連れてやってきた。お土産にとうきびチョコを貰った。これはなかなか美味だったわ。
97.01.27 月
親シラズを抜いた。弦ちゃんが「40過ぎて歯を抜くと命取りになることもあるんだから…」と脅すので、痛み止めを飲んでずっと寝てた。
夜中に目が覚めたら、あーら元気、元気。デニーズに出かけて、個展のアイディアを練る。
97.01.28 火
久々のオトメ・シネマクラブで「秘密と嘘」を見に行く。うーん、イギリス映画を見た!って感じ。
最後の「人生っていいわね」のセリフがホントに心地よかった。これはお勧め!
以前に見たイギリスのドキュメンタリーで、未婚の母となった若い娘が教会の施設で子供を産み、教会の機構を通じて子供を海外へ養子に出された人が、最近その自分の子供探しをする話があったが、それを思い出した。
映画の後、僕の誕生日を祝って、ラクちゃんとマチューがイタリア料理をご馳走してくれた。かわいいシャツのプレゼント付きで。30日で僕も49歳。うーーーーむ。
新宿に出て、まだ行ったことのないバーに行こうということになり、「マンモス」と「オリエント・クラブ」に行ってみた。僕は基本的に飲まないので、休みにバーにいくことはない。しかし、たまに客になってみると色々学ぶところは多いのねぇと痛感した。
ところで、前にも書いたが、僕の日記の中のビデオタイトル名が間違いが多いとマサオ君から指摘があった。今日、彼から正誤表がメールで届いたので、それをここに載せ、訂正します。
誤 正
溜息をつかせて ため息つかせて
君が寝てる間に あなたが寝てる間に・・・
彼女と彼の第2章 彼と彼女の第2章
恋愛に部屋貸します ロマンスに部屋貸します
かなり、いい加減に書いてたのね。スミマセンでした。そして、マサオ君ありがとう。
97.01.29 水
弦ちゃんと一緒に叔母が出ている芸術座1月公演「恋忘れ草」を見に行く。回りでは年齢層の高い主婦の方々が泣いたり笑ったりしながら楽しんでいた。ま、こういう公演は叔母が出てなければネバー見ることはなかったでしょう。
叔母の役は、どうしてこうなるの?という設定だったけど、決して手を抜かない叔母のやり方に感心もし、こんな風にしか使わない商業演劇のありように悲しさも感じてしまった。
久しぶりに叔母を交えて3人で食事。芝居の裏話がホントに楽しかった。
家に帰って、ゲンパパのG-Men用広告を作る。
97.01.30 木
今日は僕の49回目!の誕生日。お祝いに来てくれた人も多く、結構忙しい木曜だった。
貰ったケーキやシャンパンをみんなで楽しみながら、ハッピーバースデーなんか歌って貰うと、いくつになっても誕生日はいいものね。プレゼントもたくさん貰ってしまった。う、嬉しい!
お花はみんなにもお裾分けの気持ちでお見せしますわ。
キシピーから聞いた話。
ユタカはタックスノットではシュワちゃんと呼ばれるほど身体を作った人。その後、その身体には十分脂肪の乗って、かなりの体格だ。胸なんて盛り上がっている。
彼には5歳の甥っこがいるのだが、その子と遊んでいたら「ねぇ、おじちゃんは何で男なのにオッパイがあるのぉ? おばちゃんみたい! わーい、おじちゃんおばちゃん! おじちゃんおばちゃん!」とはしゃぎだしたそうな。
「あの時は、あわてたわぁ」とはユタカの弁。
97.01.31 金
広島に長期出張に行っているウィタがやってきた。お土産はなんといっても「もみじ饅頭」。ウィタに言わせれば、「もみじ饅頭」はいろんなメーカーが出しているけど、この「もみじ饅頭」は「にしき堂」のもので、「もみじ饅頭」界におけるルイ・ヴィトンに匹敵するのだそうな。
居合わせたお客さん共々ありがたがりながら頂きました。
北丸さん(*1)がニューヨークからやってきた。お土産はなんと「無着色たらこ極上品」。北丸さんに言わせれば、ニューヨークにはろくなお土産がないそうで、東京に来る前に寄ってきた北海道のたらこにしたとのこと。貰った直後は、最近ではニューヨーカーの間ではキャビアを食べるよりたらこを食べる方がおしゃれにでもなったのかと思った。(んなワケないわな)
昨日来れなかったからと今日僕の誕生日のお祝いに来てくれた人もいたりして、プレゼントまで頂く。二日続けていい気分。
(*1)北丸さん/北丸雄二さん。「フロント・ランナー」の訳者でもあるジャーナリスト。4月には「フロント・ランナー」の続編「ハーランズ・レース」も彼の翻訳で上梓される。今はバディにも「北丸雄二のN.Y.日記」を連載してるので読んでみてください。