ホフ企画第5回公演
『悪い女』


場所 高円寺明石スタジオ(連絡先:03-3316-0400)

日時 2005年2月17日(木)18:30
          18日(金)13:00
                18:30
          19日(土)13:00
                18;30
          20日(日)12:00
                  17;30開演

              開場は開演の30分前となります

チケット価格 当日/¥2800
       前売/¥2500
              ペア/¥4200(男女問わず)
             団体/¥2000(4名以上)
       小中高校生・シニア・障害者割引(介助者含む)有り/¥1800 

                    

     メールにてチケットご購入の際には
      ■代表者のお名前 
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 ※本公演におきまして障害者席をご用意させて頂いております。当日受付または事前チケット購入時にて、お気軽にお問い合わせ下さい。

cast
梅子 坂之井千鈴 / 捨松 合谷木美記

staff
作・演出/末浪 伸二
演出補佐/芦沢 統人
照 明 /     
音響効果/大原明日香
     末浪 伸二
衣 裳 /山森佳容子
製作指揮/酒巻美由紀


高円寺明石スタジオ

明石スタジオ
東京都杉並区高円寺南4-10-6
Tel.03-3316-0400 ★JR中央線高円寺駅より徒歩5分

南口を出てすぐの三井住友銀行と花屋の間を直進。2つ目の十字路を左に約100メートル。


●高円寺駅は月〜金の間は快速停車駅、土日は快速通過駅。


概要

 1871年、舞台は長い鎖国から日本が開国し、外国文化と遅れた文明を取り返すかのごとく世界に羽ばたきはじめた頃。
 岩倉使節団に同行し、日本で初の女子海外留学生としてアメリカへ渡った少女たちがいた。そのうちの一人は、当時わずか7歳の津田梅子。後の津田塾大学となる女子英学塾の創設者であり「建学の祖」と謳われる津田梅子その人である。そしてもう一人、やはり梅子とともに渡米した山川捨松。「鹿鳴館の華」と語り継がれ、日米親善の先駆者、そして生涯に渡り、梅子を支え続けた後の大山捨松その人である。
 幼くして親元を離れ、アメリカ文化の中、互いに支え合いながら成長する二人の少女。そして11年後の帰国。故郷でありながらも、日本とアメリカその価値観の違いに戸惑い悩み苦しむ二人の思いを軸に、梅子が何故に女子教育の必要性と自らの使命を学びとっていったか。を描く精神史。
 現代のアメリカと日本。女性の自立とジェンダーによる問題。様々な差別問題。作者自身のセクシュアリティー。少女二人の永遠の友情を、コメディータッチで一つにつないだ二人芝居。
 タイトルの「悪い女」の「悪い」ということ、そして「女」とは?
 この芝居は、津田梅子、山川捨松という過去の人物を題材にしていますが、歴史の1頁でなく、現在にまで受け継がれている自分の隣、もしくは自分自身の物語です。

津田梅子

明治・大正の教育家。
1871年、7歳にして岩倉使節団に同行し渡米。1882年帰国。
日本語を忘れ、日本の生活、文化の適応に苦労した。
1885年、華族女学校(現学習院)にて教鞭をとるが、男尊女卑の日本に新しい女子教育の必要性を感じ、1889年、再渡米。
1992年に帰国すると、寄付金を集め、女子英学塾(現津田塾大学)を設立する。

山川(大山)捨松

津田梅子とともに日本初の女子留学生として渡米。
ヴァッサーカレッジにて学ぶ。卒業後、看護学の勉強、甲種看護婦の資格を日本で初めて取得。
帰国後、陸軍卿大山巌と結婚。
当時、外交の舞台だった鹿鳴館の華と謳われ、日米親善の先駆者となった。


1番右が津田梅子・左が山川捨松




2003年版公演パンフレットより

 ノンストップジェットコースターのようにガンガン飛び出してくる言葉のテンポのよさ。女の二人芝居とあってまるで漫才のよう。いくよねーさんくるよねーさん、あるいはオセロの二人にもやらせてみたい。今回の公演では坂之井千鈴ちゃんと、なんと性別では男性の末浪君が舞台に立つ。末浪君は作/演出/主演というわけ。どんな舞台になるかはまだまだ未知だけど、ホンの段階で既に私ははまりまくり。恐るべし末浪伸二の才能である。これまでにも多くの作品を手掛けてきたが「悪い女」は代表作といっていい。保父さんの仕事もし、大学にも通っている異色の劇作家だ。彼が公演を打つ時には「ホフ企画」と名乗っている。この言葉のセンスの冴えてることよ。
 さて、「悪い女」は津田梅子を題材としている。彼女を題材にすれば偉人伝はできる。しかし、単なる偉人伝ではない梅子を末浪君は「悪い女」で描ききることに成功した。遠い存在の「偉人」の梅子をグーッと引き寄せて「私自身の問題」という熱に置き換えているからだ。津田梅子という一人の女性とその生涯のドラマの核をつかみとり、作家として実感できることを見つけようともがき、つかみ取ったことが劇作として表出している。少女時代にアメリカに渡った梅子が女子教育に献身していく精神史を、社会背景と対峙させながら描いていて、とても魅力的だ。言葉遊びが紡がれる中で、梅子のエネルギーの根源が伝わってくる。自在に時空を越える柔軟さを持つ時、演劇はその特性において魅力を発するものだと思う。その特性を、憎いまでにこの作家は手に入れた。それは逞しい勉強量に支えられている。
 末浪伸二の仕事に目が離せなくなった!

2003年11月3日 加納豊美(衣裳家/多摩美術大学助教授)


2003年12月/初演時舞台写真

cast              
 ウメコ  坂之井千鈴     
  捨 松  末浪 伸二     

staff              
作・演出/末浪 伸二     
演出補佐/芦沢 統人     
美 術 /小川 信濃     
照 明 /田中 春佳     
音響効果/末浪 伸二     
音響オペ/芦沢 統人     
衣 裳 /末浪 伸二     
舞監補佐/酒巻美由紀     
舞台監督/小川 信濃     


(撮影:リッキー・ウォン)