乳の詫び状

Last update 1998/05/16

 ここには、過去の「乳の詫び状」が溜めてあります。ほとんど日記みたいなものですね。

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乳の詫び状(1998/03/26)

 植木さんのところ、http:がなかったのを直しました。Thanks 関根さん、大塚さん。

乳の詫び状(1998/03/25)

 ソフトバンクの植木章夫という人からメール。

 Oh!Xの編集をしておりました植木と申します。
先日,うちの掲示板に,

>・「Oh!X」とはどんな雑誌だったか
>PC WEEK OnlineJapanの中村正三郎のコラム「筆刀両断!! マイクロソフト
>問題(On The Move #49)」でOh!Xについて言及しているのですが...。
>筆者いわく「気に入らなければ反論を自分のウェブページででもやっても
>らえれば、ここからリンクして紹介します。」だそうです。

というメッセージがあり,それに関連して反論ではありませんが,
www.softbank.co.jp/dosvstart/zat18.htm#0324
あたりに疑問点を書いておりますのでお答えよろしくお願いします。
                           植木章夫

 これに答えません。これは、誰が書いたのかぼくにはわからなかったのですが、植木さんが書いたものでしょうか。まず匿名で書いたものには、答える必要は認めません。仮に植木さんが書いたものだとしてもわざわざ答える気はありません。すでに書いたように、ぼくとしてはとっくに話は終わってるし、反論を書けばリンクするというのは、質問に答えることではないからです。ちゃんと昨日書いたものを読んで送ってきたメールとは到底思えませんが、ちゃんと読みました?>植木さん

 実は、昨日書いた「気に入らなければ反論を自分のウェブページででもやってもらえれば」というのは、この話の発端になったメールをくれた(もう名前を出しますけど)浅野さんの反論だけを考えていました。しかしそこまで限定した書き方じゃなかったので、ほかの人の反論にもリンクをします。ですから、あれを書いたのが植木さんだとしたら、あなたも書いているように、「反論ではありませんが」というものをメールしてくるのではなく、ちゃんと反論を書くようにしてください。なお、リンクをしませんといいつつ、URLを紹介したのは、悪い見本としてですから、お間違えなきように。

 (あれを植木さんが書いたとして)あの中で植木さんが誤解していることについては、指摘しておかねばなりません。「中村満氏がちゃんとOh!MZ/Xをお読みになっていたうえで, このような発言をされているのであれば」と書いていますが、現実の中村満が読むわけがないし、あんな発言をするわけがありません。全部ぼくの創作なんですよ。だから、現実の中村満に発言の責任はありません。

 あんな対談は創作で現実にあり得ないことは、冒頭を読めばわかりそうなもんですけどね。関門トンネルの真ん中にコタツをおいて対談なんて、タモリ倶楽部でもやりませんしね(笑)。しかも、寝ている二人の魂を呼んで対談させるなんてことまで書いてるんだから、対談は創作で、中村満は現実とは別の仮想人格として登場していることぐらい、すぐ気づいてほしいものです。

 メールといい、この誤読といい、両方とも植木さんが書いたものなら、ぼくはその読解力を疑うし、編集者としての職業的能力さえ疑いたくなるのですが、どうでしょう。もうちょっとちゃんとしてもらわないと、こういう編集者が作っていた雑誌はやはりと思われるんじゃないかと。老婆心ながら。

 てなこと書いていると、その浅野さんから。

  本日の「ホットコーナー」で話題になってましたので、またメールさせて
頂きました。

  私自身は、中村さんの態度は実に正当なものであると考えています。私は、
また藤枝さんという方もおそらく、MZ/X1/X68000というシャープのマニア向け
パソコンと、Oh!MZ/Oh!Xという雑誌にかなりの思い入れを持っており、On The
Moveでの評価が正当なものではないと感じます。しかしそれは、その思い入れ
のない他の人にはわからないものであり、くどくど説明しても理解できるはず
のないことです。

  中村さんは、私のメールを単なる狂信的マニアのたわごととして黙殺しても
良かったはずです。なのに「ホットコーナー」の中で私のメールを公開した
ことは、著者としての充分な誠実さの現れであろうと感じています。

#「公開されるとわかってればもっとちゃんと書いとけばよかったなぁ」とか
#少々後悔してますけど(^^;)。

  ”「なんといっても青春の思い出ですから」の一言でかたずけた事”も、
事情を知らない者として、それ以上の事を言うことはできないと思います。
事実、確かに「青春の思い出」であるわけですから(^^;)。

 このあと、浅野さんは謝っておられるんですが、浅野さんが謝る必要は全然ありませんよ。元々のメールでも明らかなように、浅野さんは訂正を求めるものでもく、あの雑誌に思い入れがある人間がいるんだということを世間に知らせてほしいというそれだけのことだったのに、紹介したら、浅野さんの尻馬に乗ってあれこれメールしてくる人がいたということですから。

 本日夜10時からNHK総合で「山下洋輔のクルド音楽紀行」があります。ロケに行ってたのは、ちょうどアメリカがイラクを空爆するかどうかで一触即発の時期で、みんな心配してましたが、無事に帰ってらしてよかったです。いまは、パリで大活躍です。その模様は、ご本人がASAHIネットのtti/salon(筒井情報局)にリアルタイムでお書きになってますが、引用できないので、ボレロの初演会場でオーケストラとの共演コンサート大成功。アンコールが鳴り止まず、楽団員を座らせたまま、ソロでボレロをかまして大ウケとだけ書いておきましょう。それにしても、かっこいいっすね。

 tti/salonでアナウンスがあったんで知ってはいたんですが、沼津で山下+渡辺+筒井といったコンサートがあることをメールで教えてくださった方がいらっしゃいました。名前を失念しました。もうメールを探す気力もないので失礼しますが、ありがとうございました。結局、忙しくて行けず、tti/salonに行った人や山下さん、筒井さんなどが当日の模様を書き込んでいるのを読むにつけ、歯がみしてくやしがりました。当日の模様を見せてくるページがありますから、どうぞ。

 爆笑だったのは、女性がお履きになっているハイヒールをお借りして、それにビールを注いで飲み干す趣味の人の話。筒井夫人のハイヒールで実際これをやってしまった人がいたそうです(爆笑)。やはり、ドンバの宴会は、何が飛び出すか予想がつかず、怖いですね。おれ、だれのハイヒールならビールを飲めるかを考えると、眠れなくなったりして。指折り数えてみたら、数人より多いけど、10人以下でした。これ、ノーマルなのか変態なのか。

 山下さん、筒井さんのスケジュールは、MINちゃんの「おっかけカレンダー」で知ることができます。ご参考までに。

 九大病院のことを紹介したせいで、実はうちのところでもというメールが来ているんですが、ぼくに垂れ込んでも、てんでダメですよ。垂れ込むのなら、日経コンピュータに垂れ込んでください。そうすれば、綿密な取材と分析によってなぜ失敗したかが明らかになると思います。

 Unauthorized Windows 95のことも書かないとね。いろいろメールもらってるのに。MS WatchのほうもIE4.01のセキュリティホールのこと、なぜ、書いてないの?とか、ゲイツをモデルにしたアニメの話とかいろいろあるんですが、なかなか手が回りません。そういえば、NTのプリインストールの話もまだまとめてないですね。もう、みんな忘れましょう(苦笑)。月末まではLinux Japanの締切があるし、ほんとは次のOn The Moveを書きたかったんだけど、ここで現実逃避している以上無理ですね。

 とかいいつつ、今日、横浜は無理でも、国立にJリーグの試合見に行けたらなあなどと思っている自分が怖いです。

乳の詫び状(1998/03/24)

 九大病院の件について、松本さんから、日経BizTechに記事があると教わりました。日経ウォッチャーにはさらに詳しい記事があるそうです。

 BizTechの記事を読むと、失敗する典型ですね。ユーザ側も、自分たちが何がしたいのかわかってなくて、しかも組織をまとめるリーダシップもなかったわけで、日経コンピュータがずーっと言い続けてる失敗例そのものですね。どういう失敗のパターンがあるかは、On The Move #42「動かないコンピュータ」でも読んでください。組織自体に自らを変革していけるだけの力がなければ、システム化なんてできるわけないですよね。コンピュータを使ったシステム化なんて、変革の付属品だもんね。

 国立大学の病院なんだから、この20億円って、税金でしょう? トップが経営責任もとらず、私財も投げ出さず、保有不動産も売りに出さず、高給取りの給料を少し下げただけでリストラなどといい、それでいて30兆円も税金を注ぎ込んで、盗人に追い銭の金融機関の連中に比べればマシかもしれないけど、頭に来ますね。

 管理工学研究所時代の後輩、藤枝君からメール。あれこれ書いてあったけど、「Oh! X」の部分。

 某氏のメールの中でも触れられていたように、Oh!Xという雑誌
は、SHARPと若干のサードパーティ、販売店が出す極めて少ない
広告で成り立っているにもかかわらず、製品批評記事ではメーカーサ
イドに対して全く遠慮がありませんでした。X68Kが全盛期を過ぎ
てからもその調子を崩さず、僕は「おいおい大丈夫かよ?」と毎号ハ
ラハラさせられ、結局そのサスペンスが引導力となって最終号までつ
きあわされました。
 そういう僕の目から見ると、某氏のメールに書かれている時系列に
沿った説明は、全く妥当で、反論の趣旨も十分うなずけます。それだけ
でなく、このメールの中で、某氏がかなり遠慮というか配慮している気
配も感じました。その全盛期ですらマイノリティに過ぎなかったOh!
XやX68Kという事物について事細かに具体事例を挙げて反論するの
は、多忙な中村さんに対して失礼だし、意味の無い事だ ... というニュ
アンスの配慮です。

 この件で一番残念だったのは、この某氏のメールに対して、中村さ
んが「なんといっても青春の思い出ですから」の一言でかたずけた事
です。問題の対象が何であれ、「こうこうだから、こうである」とい
う、一応の筋道を立てた意見に対しては、やはり同様の筋道を立てる
のが礼儀だと思います。

 ぼくの態度は、たしかに失礼なことでしょうけど、ぼくの歴史的評価としてはあれ以上なくて、あなたはあなたの青春の思い出として取っておいてくださいという以外ないんです。だから、On The Moveのほうを書き直す気もさらさらないし、ここで「Oh! X」ファンの声を紹介したのが、ぼくとしては最大限の譲歩だと考えてください。それが気に入る気に入らないはそちらの自由ですし、気に入らなければ反論を自分のウェブページででもやってもらえれば、ここからリンクして紹介します。繰り返しますが、この件でぼくがやるのは、やってもそこまでです。それ以上、この件に時間を割いて説明する気はないのです。不快な態度かもしれませんが、悪しからずご了承いただきたいと思います。

 ところで、藤枝君は、「僕個人の印象では、IBMは極一部の優秀な技術者が作った物を、大勢の無能なSE(セールスエンジニア)がよってたかって台無しにしている企業です」と書いていて同感ですね。ってゆーかー、富士通、日立、NECなどといった国産コンピュータメーカも全部これ、DEC、HP、Sunにしろ同じ、ソフトだって、オラクルもマイクロソフトもこうですよね。そう思いませんか? セールスエンジニアにも優秀な人はいるけど、やっぱり極少数で、システムエンジニアだって、使える人はほんの一握りというのが、ぼく個人の経験則です。

 犬丸のページがあることを教わりました(Thanks > 坂口さん)。http://www.aero.kyushu-u.ac.jp/psl/inumaru/です。読んだ感想をいうと、おじちゃん・おばちゃんにちょっとビビりすぎじゃないですかね。おれなんか、飯を小といっておきながら、後から中にしていって、おばちゃんから怒られたり、やっぱり、モモ焼き食べたいといって後から注文して怒られたりしたけど、困ったガキだねという怒り方だから、そんなにビビるようなもんじゃなかったですけどね。ほんとに怖くなったら、もう行かないしね(笑)。

乳の詫び状(1998/03/23)

 「紺屋の白袴」をあの文脈で使うのはおかしくないかというメールが来てますが、おかしいですかね。ぼくはおかしくないと思っているんですけど。そんだけ。

 On The Move #49に、まだ間違いがありました。「武田鉄也」は「武田鉄矢」です。一度直したつもりだったのに。Thanks > 村井さん

 DECがいま出している「gigahit」の広告。映画「タイタニック」でDECのAlphaサーバが大活躍したという広告ですが、実際に大活躍したのは、フリーソフトのLinux for Alphaなのね。詳しくは、本日のMS Watchをみてください。

 ここんとこ、IBMをほめすぎているんで、水をかけてみますね。九大病院のシステムが全然だめという話です。小林さんからのメール。

さて、最近、Hot cornerでIBMのことが話題になっています。九大病院
もIBMと95年にOOPな病院内情報システムを作ろうという契約を結んで
20億円という巨額をつっこんだプロジェクトを立ち上げています。
データベースをSmalltalkで開発するという、構想自体は画期的な
システムだったのです。96年の5月くらいから機械自体が入り始めました。
1500台ものIBM PC350(Pentium 166MHz)がATMで結ばれ、クライアント
OSとしてWindowsNT workstationが使われていました。しかし、肝腎の
システム自体は現在もWindowsNTのDOS窓を開いてそれまでDOSで動いていた
端末の情報検索システムを動かしているだけです。いろいろあって97年の4月
には完成して動き出す予定の新システムが98年3月現在テスト段階もいいところで、
Smalltalkによる開発がいつのまにかVisual Basicでの開発になっていました。
この間変化があったといえば、WindowsNT3.51が4.0になって入っていた
Officeが95から97になっているくらいです。端末として使っているWinNT
も最初は全員Administratorでno passwordでlogonというお粗末な設定でした。
最近ようやく個々人にIDを配るようになりましたが、現場がついていっていません。
ディスプレイやビデオカードの設定がおかしくてちらつきまくったり画面がゆがんで
いるままの端末がごろごろしていますし、電源が入れられた形跡がほとんどない機械が
いっぱい転がっています。(全体の1/3はそうです)
 どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが、長野シフトの割を食ってしまった
ような気もします。この間、システムをアップグレードすると言ってはクライアントに
残していた文書データなどを平気で消しまくったり色々トラブルはつきません。
アップデートに来た技術者に「なんでNTなの?OS/2でLotus notesでしょ?
IBMさんなら。」ときいたら、「使っている人が少ないんで知られてませんが、
OS/2やNotesのほうがもっと穴が大きくて落ちまくります」って言われました。
 今、ようやく完成しつつあるオーダリングシステムの講習をやっていますが、
講習中にもシステムが落ちて一時中断になったりしています。VBじゃそんな
もんですよね。せめてVC++ぐらい使える技術者がいないのでしょうか。IBMには。
長野オリンピックはIBMにとって大事な事業だったのでしょうが、人の命を
あずかる病院のシステムで20億円もふんだくっておいて機械だけ売ってシステムは
放ったらかしというIBMは信用できません。せめて私の身の回りのパソコンだけは
遊ばせないで活用しようとRC5-64のトライアルプログラムを走らせています。(^^;

 一言付け加えておくと、ぼくは、IBM Watchをやるつもりはありません。とても追いきれないからです。したがって、IBMの暗黒面のネタを送ってもらっても、ほぼ100%無駄に捨てられます。今回、出身校の九大病院ネタだったので、思わず採用してしまっただけです。九大病院というと、近くの犬丸だっけな。鶏のもも肉焼と水炊きの店で、おばちゃんによく怒られながら、食べてました。いまでもあるのかな。

乳の詫び状(1998/03/22)

 電脳曼陀羅ページのゴミを消しました。Thanks > 長谷川さん。

 昨日はご近所の人たちと、久々に多摩動物公園に行きました。おそらく1年ぶり以上ですね。以前は数ヶ月に1度は行ってたんですけど。

 動物が減ったところがあって、淋しかったです。ほかの動物園にもらわれて行ったのかな。それとも、寒いから出してなかったのか。大体みんな、寝ていて動いてなかったからなあ。猛禽類の大きな鳥舎の中も鳥が少なかったし。あれ、殺し合いでもして減ったのかな。

 入ってすぐのウオッチングセンターでは、展示はヒグマの特集でした。床にヒグマが歩行するときの足跡が描いてあるんですが、床に自分の両手両足をついて足跡に合わせてみると、そのでかさが実感できます。実感できるといえば、北海道登別温泉のクマ牧場。ヒグマが飼われている場所のど真ん中に人間のオリというオリが作られていて、その中からみると、周り全部ヒグマなんですよね。でかいでかい。ヒグマが窓にフガフガ鼻こすりつけたり、手でひっかいたりするだけで、ガキはわめき、妻は悲鳴を上げ、おれは座り小便でしたもんね。

 ずっと歩き回ってへとへとになりましたが、ガキ連中はみんな平気です。情けない(万歩計の表示によると、約9000歩でした)。ライオンバスのライオンたち、寒くて元気がないかと思ったら、さにあらず。けっこう元気にバスに飛びかかってきました。降りて喧嘩する元気はありません(爆笑)。

 オランウータンのところ、すごく人気あるのね。以前は、人がいなかったけど、昨日は、すごい人だかりでした。コアラは相変わらずの人気ですが(眠ったままなのも相変わらず)、以前ほどの爆発的人気はないですね。ぼくはウォンバットが大好きなんですが、コアラ館の上にあるエミューやウォンバットがいるところに見に行ったら、やっぱり小屋の中で寝てました。

 時間の都合で昆虫館に行けなかったのが、ちょっと残念。あそこでたくさんの蝶々に囲まれて、ぼーっとほんわかしているのって好きなんですよね。天国って、こんなだったらいいのになあって。蝶々がきれいなおネーチャンだったらもっといいのになあとかね(笑)。

 ズーストック計画(希少動物を繁殖させる計画)のこともあるし、帰りにゲートのところにあるパンダに小銭を寄付しました(たったの20円!!)。動物園っていまや動物を見せるところじゃなくて、希少遺伝子を保存するところなんだなあと思います。また暖かくなったら、行くつもりです。

 AS/400の反響は、まだまだ続いています。

 濱里さんから、

 私は日本IBMの製造システム事業部の「e-InfoBits」というメール
による情報提供サービスを受けているのですが、Vol3 #9において
「Hot Corner」で AS400について取り上げられたことが書かれてまし
た。 引用はなく、中村さんの紹介と「Hot Corner」の URLだけでし
たが。

 弘田さんからは、こんな傑作ネタも。

Hot Corner 楽しく観させて頂いてます。最近の AS/400 の話題につられてつい
ついメールを書いている次第です。
私も AS/400 を使い初めてかれこれ9年になります。その間3世代マシンを更新
しましたが、ハードや OS が原因となったシステムダウンは皆無です。本当に信
頼のおけるマシンです。

さて、本題ですが MS が AS/400 のユーザーであることはご存じでしょうか?
ここでも昨年話題になっていてこれ自体は結構有名な話なんですが、

http://www5.tomio.com/board/msg-winqa/560.html

昨年12月に IBM の営業マンと話しておもしろい話を聞きました。

私 :MS の基幹系もかなり NT 化が進んだんじゃないんですかね
営業:そうですね詳しい情報は入ってませんが MS 本体はかなり進んでるでしょ
うね。でも海外戦略はやっぱり AS/400 ですって。
私 :何で?
営業:NTだと現地サポートが出来ないんですって。
私 :じゃ、笹塚に AS/400 が入ってるの?
営業:あるとししても米国調達だから詳しく知らないけど、たぶんね。

事の真偽は定かではありませんが、本当だったら笑えますよね。

 こういう話があると、AS/400だったら簡単に話が済むシステムを、NTを売り込んでいるMSだって怖くてやってないのに、だまされてシコシコNTで組んでいるところなんて、馬鹿みたいだなあと思いますね。自分たちが怖くて使えないものを、うまいこといって売りつけるのは、いかにもMSらしいエピソードに思えますが、これはこの業界の伝統であって、MSだけじゃありませんから。

 紺屋の白袴体質は、たしかにあって、もう10年以上前になりますか。似たような話がSunでもあって、生産管理をIBMのシステムでやってたんだよね。それがトラブってSunは損失を被ったんですけど、それで初めてぼくは、SunがIBMのシステムを使っているのを知りました。「あんなに目の敵にしている癖に、なんだよ、Sunも結局IBM頼りかよ。UNIXなんてきっと怖くて使えないだろうね」と思いました。

 10年前、UNIXが基幹系に使えるOSだとは、企業のITマネージャは思ってませんでした。地道な改良があって、ようやく使えるようになってきたわけですが、ぼくは、信頼性はやはりメインフレームのほうが上だと思ってます。NTはいまUNIXがたどった歴史をようやく追いかけはじめたところですから、ITマネージャの信頼を得て、フツーに考えて基幹系に使えるようになるのは、まあ、10年とはいわないけど、これから5年はかかるでしょう。MSの人間は、昨年(1997年)の雑誌のインタビューで、「NTは3年でメインフレームを駆逐する」とほざいてましたが、「帰って寝てろ」で終わりですね。

 ということで、AS/400って、UNIXユーザやパソコンユーザの層とは全然違う層で、すごくファンが多くて、広く支持があるのがわかりました。ほんとに基幹ビジネスを支えているのは、こういう層ですからね。UNIXかぶれの延長のSunなどUNIX系の雑誌、パソコンかぶれの延長のNT系雑誌しか読んでない奴、そんな雑誌しか編集してない連中には、決して見えて来ない層ですよね。それでいて、SOHO市場を攻略するなんていうんだから、お笑いですね。

 それから、なんだかんだいっても、最後はIBM頼みってのは、多いなあと思いますね。JavaだっていまやIBMが頼りで、IBMが手を引くと終わっちゃいますからね。IBMがいまみたいに、黒幕として機能していて、ユーザにとって都合よく機能している分にはいいんですけど、いつまた牙を向くかわからんわけで、IBMは常に監視して警戒しておかないとまずいと思ってます。動物園にたとえると、猛獣IBMは、いまはオリの中でおとなしくしてるけど、やはり野生は野生ですから、オリから出られないようにしておかないといけないし、飼育係(ユーザ)のいうことはよく聞くようにしてないといけません。

 昨夜のズームイン朝の特番で、妻の出身高校、大里高校が出るというので、妻の実家から電話。体育館を使って、CDケースでドミノ倒しをやっていた。妻が体育館を懐かしがることしきり。校長が最後にぶっ倒れる演出はグー。

 昨夜のテレビ東京、アド街ック天国は小倉。あの番組、東京かその周辺だけを採り上げるのかと思ったら、そうでもないのか。競輪は知ってたけど、パンチパーマや焼きうどんの発祥の地だったとは。合馬の筍なんて、知らなかった。有名になったの、最近? 関西の料亭で、高級筍として珍重されているそうですけど。

 以前どこで書いたはずだけど、平尾台の千仏鍾乳洞は夏行くとサイコー。地下水が冷たくて気持ちいいし、生きて帰れないかもという恐怖がどこかあって、涼しくなる。照明がなくなった先には、数メートルだけ入ったことがあって、真の闇を初めて体験したのね。すごいんだよ。ほんとに闇でさ。真っ暗ということすらわからないくらいに真っ暗なの。「なになになになに、これなに」ってパニックになって逃げ出したいんだけど、ずっとここにいたいという、あれは甘美な経験でした。

 上でメールをくださった濱里さんは、下関出身で関門ネタもお願いしますということなので、門司の話題を。

 門司港レトロのところ、はね橋ブルーウィングのすぐそばに、門司港ホテルがオープンしたそうです。なぜかパンフがあったりするんですが、9階建てのシックなホテルです。これで素通りするだけじゃなくて、遅くまで飲んでも泊まれるということですね。部屋から眺める関門の夜景はきれいでしょう(海側の部屋は少し高くなってるみたい)。めかり公園の展望台に上るか、下関側なら火の山に上ると、夜景はきれいですよね。まあ、山に上るより、門司側なら199号線沿いに高層のラブホテルがあるし、火の山にもラブホテルがあるから、そこの部屋から見た方がいいですね。

 関門の夜景は、明け方がまたいいんですよ。幻想的で。ぼくみたいな霊能力者になると、壇之浦の合戦や、英国艦隊が下関に砲撃している様が見えますからね(おいおい)。

 門司港レトロの写真は、魚住さんのページにある。レトロタウン門司港の景色達をみるといいでしょう。そういえば、魚住さんからは、MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発その2(1997/07/08)の後日談が送られてきていて、MSKKはあれでも良心的だったなという目に遭ったとかいう話だったような。もうメール探す元気もないです。すみません > 魚住さん

 それから、北九州ウォッチャーというページがあるんですね。平成20年までの予定がわかるなんて、びっくり。4月1日にAIM(Asia Import Mart)オープンと書いてあるけど、テナントとして入る予定だったヤオハンが倒産したから、どうなるんでしょうね。テナントが入らず、がらがらのままオープンするんだろうか。北九州ウォッチャーを提供しているのは、「北九州市立医療センター・周産期センター」なんですね。意外な提供者に2度びっくり。

 PHP研究所の「The 21」3月特別増刊号として、「北九州市21世紀の挑戦」という雑誌が出ていて、いかにもPHP的チョウチン記事のオンパレードではあるんですが、年表やら開発計画やらが載っていて、資料としては手軽です。興味深いエピソードもあったし。

 無添加石鹸として有名な「シャボン玉石けん」の本社が若松にあるとは知らなかった。安川電機、TOTO、三井ハイテック、ゼンリンあたりは全国的にも有名だし、知ってたけど。

 「シャボン玉石けん」については、gooで「シャボン玉石けん」で検索すると、いっぱい出てきます。合成洗剤をやめようという人たちの間で、流行っているのがわかります。この会社が1997年5月に「洗剤を使っている人への、質問状。」という新聞広告を出したら、日本石鹸洗剤工業会から圧力がかかったけど、第37回「消費者のためになった広告コンクール」で金賞を受賞したというエピソードには、情けないやらほっとするやらですね。

 北九州市は新日鉄があって鉄の街だから、鉄に関する技術レベルは世界トップクラスだけど、でも、それは、世界にはちっとも知られてない。だから、鉄を使った芸術作品を制作するイベントをやって、世界各地からやって来た芸術家が、職人に加工を依頼したら技術レベルの高さに驚嘆したというエピソードには、なるほどなあと納得。

乳の詫び状(1998/03/21)

 <A>タグを閉じていないところを直しました。Thanks > 松岡さん。

 やっぱ、石野さんのAnother HTML-Lintをかけるべきなんだろうなあ。自分で作ったJavaベースのSGMLパーサにさえ、かけませんからね。この前、試しにあるHTML文書をHTML4.0の厳密なDTD(strict.dtd)でチェックしたらエラーだらけでした。^^; もはやエラーを直す気にもならないほどで、困ったものです。ちなみに制限が緩い(loose.dtd)を使うとエラーなしです(苦笑)。

 いま、Another HTMLLintでチェックしたら、15点でした。まだプラスの点だからいいか(おいおい)。だってMicrorsoftは、 -3000点くらいで、調べた中で世界最低点という世界最悪のページでしたからね。石野さんもあきれてましたけど。まあ、でも、MSだもん、やっぱりねと思いました。

 とかいいつつ、いま、http://www.microsoft.com/をチェックしたら、79点でした。おお、MSめ、少しは反省したか。うっ、MSよりも点数が低いおれって。。。

 ちくしょうと思って、http://www.sun.com/をチェックしたら、-26点でした。わーい、Sunはマイナスでやんの。さらに、http://www.oracle.com/をチェックしたら、-88点でした。わーい、Oracleはもっとひどいマイナスでやんの。さらに、http://www.ibm.com/をチェックしたら、-110点でした。わーい、IBMはもっともっとひどいマイナスでやんの。さらに、http://www.novell.com/をチェックしたら、-149点でした。わーい、Novellはもっともっともっとひどいマイナスでやんの。

 これじゃ、連中、MSには勝てんわな(笑)。ついでに、http://www.apple.com/をチェックしたら、62点でした。なるほど、MSが資本参加しただけあるわな(爆笑)。

 付け加えておきますと、Another-HTMLの検査基準は絶対的なものでもなんでもないし、あくまで目安です。気に入らない基準だってあるだろうし、これで100点取るのが自己目的化するようなのは、本末転倒です。中学生・高校生から石野さんのところにメールがくるんですって。「どうしたら100点取れるんでしょうか」「100点取らないと、ウェブページを公開してはダメなんでしょうか」といった感じで、なんか、試験でいい成績に取ることに追われる学生さんの悲哀すら感じます。

 昨夜、チーズフォンデュというものを食べました。この人生で2度目の経験です。いやあ、「この人生で」という言い回しが意味深でいいですね。

乳の詫び状(1998/03/20)

 On The Moveページで、リンクが間違っていたので、直しました。>Thanks 相澤さん

 元MIXのHOGE!さんが、ASAHIネットのjouwa/salonにこんなことを。

標題: AS/400
---
ホットコーナーでshowさんがAS/400のヨイショ(?)。
いやぁAS/400ファンとしては嬉しいなぁ。\(^_^)/
いつでもいぢりに来てくださいね。:-)
なんでもお教えいたしましょう。\(^_^)/ <-いいのか大口^^;
               HOGE!

 HOGE!さんに教えてもらえるなら、光栄ですね。でも、HOGE!さん、AS/400、ばらしまくって、原型とどめてないんじゃないかと(苦笑)。実際に動いているのは、自分で設計・開発した、HOGE!製カスタムAS/400だったりしてね(笑)。

 実は、HOGE!さんが、AS/400大好き人間なんて、1997/12/02まで知りませんでした(ASAHIネットで過去を検索した結果)。そのときHOGE!さんは、「DB/2DBエンジンとしてのAS/400は、特にオラクルとかの「俗称」RDBシステムと格闘するにつけ「やっぱりよく出来ているなぁ」と思うことしきりです。:-)」と書いてますね。その前に、アドレッシングの話になっていて(それは岩谷宏「パソコンを疑う」には、おかしなことがいろいろあるねという話から来てるんですが)、Multicsの仮想記憶やAS/400の単一レベル記憶の話になって、AS/400となると黙っていられなくなってHOGE!さん登場だったんですね。で、いま、いろいろ検索してみると、すでに1997/11/23には大内さんから、「Inside AS/400」を紹介されていて、ぼくも「今度探してみます」なんて答えているのね。おれって、いい加減な奴だな、相変わらず。

 白田さんご紹介のInside AS/400」の訳。ちらっと読みましたけど、AS/400がユニークなアークテクチャになったのは、MIT卒の奴がいなかったから、というのには笑いましたね。いい話ですね。

 元MIXといえば、いま、N-MIXが活動しています。ほとんど中は昔のMIXと一緒なんだけど、なかなか行かないから、申し訳ないっす。一応、ID申し込んで何度かTelnetしたし、tryにも書き込みもしたんだけどね。

乳の詫び状(1998/03/19)

 03/14にAS/400のこと書きましたが、大反響のようです。なんと、日本IBMのAS/400の拡販部隊から、全文を引用したメールが社内に流れたそうです。それを教えてくださった方のメールから。

中村さんのホーム・ページ上では「リンクは自由に張って下さい」と書かれて
いますが、”文書をすべて引用”してしまって、しかもかなり多くの人に
社内メールを出してしまうとは.....
事前に承認を得ているのか心配になりました (^o^;;
(中村さんへの承認だけではなく、その人の上司の承認もです。
  弊社は、それ程細かい事は言わない会社だと思っていますが、
  個人のホームページ上の文書を社内で”宣伝用”に送ってしまう
  勇気にびっくりしました)

内容を簡単に言うと「中村正三郎さんという、かなり業界やコンピューターを
知っている人がいて、その方がAS/400を誉めています」という前書きの後に、
全文を引用しておりました。(引用元のURLは付いていませんでした)

 「かなり多くの人」というのがどの程度かわかりませんが、何千人・何万人というオーダーでもないでしょうから、その程度のことなら別にいいです。社内で回覧するから転載を認めてくれという依頼はなかったけど、「転載ではなく、あくまで引用です」というだろうし(笑)、黙っていればわからない分まで追求する気もないですしね。だから、「天下のIBMともあろうものが、引用元のURLも書かないの?」なんてのは、皮肉でもイヤミでもなくて、書いてくれたほうがうれしい程度のことです。

 日本IBMは以前にも、電脳騒乱節のコピーをよく読むようにと社員に配ったことがあって、それやったのけっこう偉い人だったなあというところまでは憶えています(西川さんが教えてくれたんだけど、その人がだれか忘れちゃいました。西川さん、ここ読んでいて思い出したらメールください)。そのときも、別にどうこういう気はなくて、「へえ、天下のIBMが、おれの文章を社員に読ませたりするのか」って、えらく奇妙な感じがして、おかしかったです。

 日本サンも、この前のセミナーで、ここのURLやぼくが書いたものを紹介したそうです。「宣伝とは裏腹に、NTの実態がいかにひどいか、導入したところが悲惨な目に遭っているか」という話だったそうですけど。これについては、セミナー資料まで送ってくださった方がいて、ASAHIネットにはちょっと書いたんですが、そのうち、こちらに転載しましょうね。空約束ばっかり。

 学生時代の友人なんかは、おれが先生扱いされているのがおかしくて、げらげら笑ってます。新人や後輩にいるんだって。「えっ、中村正三郎先生と同級生だったんですか」といって敬礼しちゃう奴が。「正三郎にイカレるなんて、大丈夫か、こいつ」と思うそうだけど、おれもマジでそう思うよ(爆笑)。この程度の奴にイカレてたら、ほんとにすごい世界ってのはなかなか見えてこないですよ。ハイレベルな世界への地ならし程度に思って、何かを自分でつかんでもらえるなら、こっちとしてもうれしいです。

 それで思い出したんだけど、成毛が朝日新聞で講演したとき、「改訂新版 電脳曼陀羅」やらこのページやらを読み込んでいる正三郎シンパの朝日社員がいて、あれこれ質問したみたいなのね。成毛が嫌がっちゃって、「あそこら辺の人たち、ちょっと別にしてもらえませんか」と嘆いたそうです。

 てなこと書いてたら、なんと、あなた、当のAS/400部隊の人からメールが来ました。

中村さん、初めてお便りいたします。
私は、日本IBMでAS/400を担当しております、白田と申します。
日経コンピューター3・16号の「話題の製品」にIBMよりコメントし
た者です。

中村さんのホットコーナーのコラムを読み、大変感激いたしました。
私事になりますが、私は1988年6月 AS/400発表以来、ずっと
AS/400の製品企画を担当しておりまして、この製品に対する思い入
れは人一倍あります。中村さんが、AS/400の良さを、正確にご理解
され、さらに的確な文章で執筆されているのを拝読し、ただただ同胞を得
た気持ちでいっぱいです。

ご存知の通り、AS/400のアーキテクチャーは、その前身のS/38
から数えて20年間、脈々と続いているものです。そのアーキテクチャー
の創案者であるフランク ソルティス博士が着手してからは四半世紀以上
になります。

実は、このフランク ソルティス博士が執筆した「Inside the
AS/400」という市販本がありまして、その一部を翻訳したものを、
AS/400ホームページに掲載いたしました。
 AS/400誕生秘話や、将来構想について、ご一読していただければ
幸いと存じます。

http://www.ibm.co.jp/as400/inside400/index.html

今後ともよろしくお願いいたします。

                           日本アイ・ビー・エム株式会社
                            AS/400製品事業部       白田 守寛

 白田さんには申し訳ないけど、ぼくをあまり買いかぶらないでください。そのうち、「AS/400ってクズだよね。よくIBM、あんなの売りつけてるよなあ」って言い出すかもしれませんから。何しろぼくは、AS/400のよさはちっとも理解してないんです(苦笑)。ぼくのAS/400に関する知識は、昔、「bit」で紹介されていたときに読んだときからほとんど進化してません。たしか栗田昭平さんの記事だったかな。そもそも、フランク・ソルティス博士が生みの親なんてのもいま知りました(少なくとも記憶から抜け落ちていました)。

 そんなぼくですが、それでも想像できるのは、AS/400はソリューション(問題解決策)を提供することを前面に出して売っていて、しかも実際に解決策になってるから伸びているんだろうということです。テクノロジーの先進性なんて本来ならあくまで舞台裏のことで、問題がちゃんと解決できるなら、ユーザには関係ないんですよね。問題が解決できないハイテクより問題が解決できるローテクのほうが、絶対優れているし、偉いんだから。
 AS/400の場合は、水戸黄門というか、スーパーマンというか、普段はしょぼくれたイメージなんだけど、ほんとはすごいって感じですけどね。パソコン(PC+NT)はおろか、そこらのUNIXマシンよりも先進的なアーキテクチャなのに、パソコンしか知らない奴は、オフコンというジャンルに分類されているだけで、過去の遺物だと思ってますよね。それが損といえば損だけど、技術の先進性なんて、隠しても売れるんだったら表に出す必要もないですからね。

 パソコン業界は、先進技術を追いかけて(でも、パソコンでいう先進技術なんて、実は、メインフレーム時代に作られた技術の焼き直しに過ぎないのが多い)、ハイテク技術用語に酔って、ソリーションをないがしろにしてきた傾向が特にあると思うんです。それを痛感したのは、2年前1995年2月2日に、シャープのザウルスの取材に行ったときです(この模様は、「改訂新版 電脳曼陀羅」に入ってます。自分でいうのもなんですが、いま読んでもなかなか面白いです)。

 パソコンのカタログだと、先進のMMXテクノロジー搭載とか、あれこれオタッキーな技術用語が氾濫しているけど、ザウルスのカタログには、CPUがどうのこうのは一切ないわけ。代わりに用意されているのが、ザウルスで保険のおばちゃんの業務をどう改善するか、拠点営業をどう活性化するかといった提案や実例集。これでいくら金が節約できて、いくら儲かるようになるかといった実践的な資料があれこれ用意してあるんです。うわべの話じゃなく、正味の話ばっかりなんです。スペックだけ比べれば、パソコンからすればザウルスなんてオモチャですよね。でも、ザウルスでここまで問題解決ができるんだということを、真面目にやってるんですよ。こりゃ、パソコン業界、かなわないなと思いましたもん。

 それに当時のザウルスはPI-6000が出ていたころで、CPUもパソコンからすると貧弱極まりない安いものですが、手書き文字認識用には別にCPUを用意してスピード稼いで操作感を上げているわけです。こうやって安くてもしっかりしたいいものを作っているわけ。いってみれば、ローテクの配分の妙ですよね。

 ザウルスは、ローテクでも、ハイテクだ先進技術だといってうわべだけ騒ぐパソコンより、よっぽど安くて使いやすくてユーザの問題解決に役立っているわけで、偉いなあと思いました。「紙の手帳という超難敵がいるのに、金を払って買ってもらって使ってもらうには、何が必要か」。朝から晩までそればっかり考えて開発したほうも偉いし、それを支持したユーザも偉いし、さらにまたそんなユーザの願いに応えたのも偉いなあと思ったんです。

 ついでにいうと、ぼくはカラーザウルスは嫌いで、あれじゃ、ザウルスじゃないよと思いました。いま、アクセスザウルス系が昔ながらのザウルスですが、ぼくが好きなのは、その系統になります。パワーザウルスは、カラーザウルスよりずいぶんとよくなったと思うけど、動くのが8時間とか、そんなのはPDAじゃないですよ。普通100時間、せめて50時間は動いてほしいですよね。じゃないとわざわざ持ち歩く気にならない。なにせ紙の手帳は、電池要らないんだもん。

 パソコン業界、真剣に考えないとだめだねと書いてから、もう2年経ちます。でも、いまでさえ、パソコン業界は、これを全然といっていいほどやってないですね。結局、ユーザの問題解決策を提示するということを真剣にやってこなかったら、パソコン売れなくなっちゃいましたけど、地道に真面目にやってきた人から見れば、ざまあみろですよね。浮かれたイメージ広告や目先だけちょっと変えるマーケティングばかりやって、地道なことを真面目にやってこなかったんだもん。自業自得ですよね。

 UNIXにそして最近ではPCにやられて消滅するなどと、この10年言われ続けながら、最近では復権してきているメインフレームや、そしてAS/400のようなオフコンがあることを見るにつけ、パソコン業界は、同じことを企業市場でまた繰り返しているなあと思うわけです。

乳の詫び状(1998/03/18)

 今日は、MS Watchをだいぶ書きました。

 On The Move情報もアップデートしました。

 Schulmanの本がらみで、いろいろ情報頂戴して、おもしろい展開になってるんですけど、まだまとめる時間がないのですみません。後日やります。

 土曜日に浅間山公園に行きました。帰りに小さなケーキ屋さんに寄って、ホワイトデーのケーキやチョコを買いました。以前から近所の奥様たちの間で評判だったのですが、こういう機会にようやく買いに行った次第。たしかにここの生チョコはおいしいですわ。

 先週から今週にかけて、いろいろ楽しいことがあった・あるはずなんだけど、年度末で仕事が忙しくて、余韻にひたっていられないのが悲しいですね。でも、幸せな1週間でした。感謝、感謝。

乳の詫び状(1998/03/14)

 長野オリンピックのシステムに関しては、WIDEの連中もがんばっていたことを知らせてくださいなどというメールが来ていました。

 それから、AS/400がらみ。奥野さんという方からのメールでは、「ボーランドには、JBuilder/400 や Delphi/400 という製品がありIBMとの親和性を高めていますね。JBuilder/400 の日本語版は開発中のようですが、Delphi/400 の日本語版も期待されているのではないかなと思います」だそうです。
 「日経コンピュータ」1998/03/16の「検証! 話題の製品 AS/400 運用の容易さに高い評価,「オール・イン・ワン」は柔軟性欠く」をみても、AS/400はすごく顧客満足度が高いのね。他社のオフコンが、PCサーバ + NTに駆逐されつつある状況で、AS/400だけは、どんどん伸びているのは、信頼性、拡張性、運用の容易さなどが高く評価されているからだそうです。PCサーバ + NT、あるいはUNIXサーバなんて、調子いいこといってても、「ごちゃごちゃいわんと、正味の話はどうなっとんじゃ」と考えたら、やっぱAS/400と考える企業も多いということですね。
 それに、他社のオフコンって、UNIXマシンを化粧直ししたようなもんばっかりだけど、AS/400って、昔からあるのに、ハードもソフトも野心的な設計で、すごいんだよね。本物の仮想記憶というべき、単一レベル記憶が実装されてるし、アプリからみたOS、OSからみたCPUなどのハードが仮想化されているから、CPUが、CISCからRISCになっても、あるいは48ビットから64ビットになっても、それまでのアプリケーションがそのまま動いちゃうんだよね。OSやCPUが違うものに変わっても、ソフト資産がすんなり移行できるというのは、企業としては安心して長く使えるということだからね。OSの中心部がころころ変わってバグがとれず、しかもバージョン間の互換性が低いNTじゃ、こうはいかないですよ。Javaのスローガンは、「Write Once, Run Anywhere」だけど、AS/400はさしずめ「Write Once, Run Anytime」ですね。
 最近、ぼくにとって、AS/400がすごく魅力に見えるのは、Java環境があることが大きいんですが(ちなみに宣伝しておくと、ソフトヴィジョンでは、Javaの開発もずっとやっていますから、お仕事のご依頼もどうぞ)、企業にとっては、ハードもクラスタモデルもあるから拡張性十分だし、Notes/DominoもAS/400ネイティブ版が出るし、事務系だと、UNIXやPCサーバ + NTを入れる理由がほとんど見つからないんじゃないかと思うんですよね。リソースをいくつか紹介しておきますので、あとは自分で考えてみてください。最近来たIBMの開発者向けニュースレター「DevDomain」読んでびっくりしたのが、Visual AgeシリーズにRPGがあるのね。RPGといってもロールプレイングゲームじゃなくて、プログラミング言語のRPGです。


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