IMAGINED OCEANS/KARL JENKINS
イマジンド・オーシャンズ
〜幻想の海/カール・ジェンキンズ
1998年
1.危難の海〜序章
 Mare Crisium (Sea of Crisis)
2.晴の海
 Lacus Serenitatis (Lake of Serenity)
3.蒸気の海
 Mare Vaporum (Sea of Vapours)
4.南の海
 Mare Australis (Southern Sea)
5.夢の湖
 Lacus Somniorum (Lake of Dreams)
6.忍耐の湖
 Lacus Pereverantiae (Lake of Perseverance)
7.嘆きの湖
 Lacus Doloris (Lake of Grief)
8.波の海
 Mare Undarum (Sea of Waves)
9.霧の浅瀬
 Palus Nebularum (Marsh of Clouds)
10.虹の入江
  Sinus Iridium (Bay of Rainbows)
11.雨の海
  Mare Imbrium (Sea of Showers)
12.時の湖
  Lacus Temporis (Lake of Time)
13.優しさの湖
  Lacus Lenitatis (Lake of Tenderness)
14.危難の海
  Mare Crisium (Sea of Crisis)


 いまや「元ソフト・マシーン」と言うよりか「アディエマス」のと言った方が分かりやすい、カール・ジェンキンズの「月もの」。
 僕自身は「アディエマス」は持ってないので比較対象がありませんが、解説書だけで行くと(無責任!)割合と雰囲気は似てそうです。分かりやすい例で言うと、梶浦由記的(よけい分かりにくいとの噂あり)なサウンドと言えばイメージはつかめると思います。
 音像はイメージを喚起させる様なサウンドで壮大さ、静けさ、繊細さを感じさせます。そしてこのアルバムを特徴づけているのが3人の女性による声。あえてヴォーカルとここで使わないのは、その声が完全に言語的に情景をイメージを喚起させる物ではなく、声色で情景をイメージさせる物になっているからです。声がフロント、演奏がバックではない、全ての音が渾然一体となって耳に洪水のように押し寄せて来ます。
 こう言った類いの音楽はあまり器楽的な事を言わない方がいいかもしれませんね、イメージを感じさせる音が出来ているか出来ていないか、個人の好みですけどそれに合うか合わないかだと思います。それにしても月の大地にも色々な表現の仕方があるものです。
 曲のタイトルは全て月の地名。上記では邦題、その下がラテン語。カッコ内が英語になっています。前述の声もラテン語の題名を繰り返し歌っています。
 

 実際の月面はこんなイメージ溢れる物でなく、写真で見ると酷く荒涼としたものなんだけど、そんな事実を嘘のように思えさせる位の曲の想像力。
 科学の進歩により、月に対する様々な期待を裏切る様な事実が出て来ても、人間はまだまだ月に対する想いを忘れられません。いまだに映像や音楽、文学においても月の存在は重要です。人が月に自由に行ける様になった時、はじめてその認識が変わる事になるのかもしれませんね。


SRCS-8705
(¥2,520)

レコード店での置き場所は
イージーリスニング系の場所に
置いてあると思います。


次回予告
どうしましょう?
現在考え中です。