「月想」アーティストの系譜1

 
 このシリーズは僕が(勝手に)月に対して自覚的なアーティストを認定し(なんておこがましい!)、紹介して行くシリーズです。
 皆様と「ずれ」が生じるかもしれませんが、まぁ、大目に見てやって下さい。

 第一回目はいきなり渋い所で「松井常松」を御紹介します。元ボウイのベーシストって言っても顔が思い浮かばない人の方が大多数ではないかと思います。
 アルバムもベスト盤含め9枚出ており、しっかりと活動しています。でも、フロントの光り輝く2人、氷室と布袋に対し、地味な印象です。自らが輝くのに比較して、月的とでもいうのでしょうか、そんなポジションです。

タイトルに「月」の言葉が付いているのは
月のない夜/アルバム「月下氷人」1992
Delirious Moon /アルバム「月下氷人」
月のしずく/アルバム「GLACIER」1994
SHADOW OF THE MOON /アルバム「HEAVEN」1996

 となっているのですが、タイトルに「月」が入っていないのだけれど、歌詞に入っている曲が多いこと多いこと、以下タイトルです。(「月」「MOON」といった言葉が一つ以上で検索)

SILVER WHITE GODDESS/アルバム「よろこびのうた」1989
Memories /アルバム「月下氷人」1992
瞳の中のマリア/アルバム「月下氷人」
優しい風/アルバム「月下氷人」
VOICE /アルバム「あの頃僕らは」1993
あの頃僕らは/アルバム「あの頃僕らは」
眠れない夜に/アルバム「あの頃僕らは」
時の渚/アルバム「あの頃僕らは」
CITY /アルバム「GLACIER」1994
HEROINE /アルバム「GLACIER」
COWBOY /アルバム「GLACIER」
LOVE ME /アルバム「GLACIER」
DEEP SKY /アルバム「DEEP SKY」1995
BE QUIET /アルバム「DEEP SKY」
DNA /アルバム「HEAVEN」1996
So Funny /アルバム「BYE-BYE EXTREMER」1998
TONIGHT /アルバム「BYE-BYE EXTREMER」

 ここに上げたほとんどの曲で「月」が印象的に使用されています。完全に意識的に使っているとしか思えません。本人作詞でない曲もありますが、それについても作詞家が彼の趣向、意向を理解して歌詞を提供したのではないでしょうか。(森雪之丞の作詞に関しては、彼自身も「月」が好きそうな気配でもありますので、なんとも言えない所ではあります。松井常松の趣向と森雪之丞との趣向が合致したという所でしょうか。)

 特に1992年の「月下氷人」1993年の「あの頃僕らは」1994年の「GRACIER」では色々な「月」が聴く事が出来ます。「月下氷人」までは、ボウイ時代とは違うイメージを出そうと模索していた様で、洋楽的、80年代のブリティッシュ・ロック的な曲調でした。「あの頃僕らは」以降は自分でヴォーカルもとって、何か開き直った感のあるビート・ロックに戻ってます。個人的にはどっちの路線も好きなので、甲乙つけがたいですね。
 サウンド的な面白さでは「月下氷人」を押しますが、彼の本領発揮的な「あの頃僕らは」「GRACIER」もおすすめ。曲のイチ押しって言うのは、これだけあると一概には決めにくいのですが、シングルカットもされた「HEAVEN」収録の(ベスト盤にも収録されています)「SHADOW OF THE MOON」(作詞:森雪之丞/作曲:尾崎亜美←って、松井のオリジナルじゃないじゃん!)が良いですね、「緩やかな打込み沖縄風味」って感じで、月の光と漂いに身をまかす様な感覚が、とても心地よいです。

 現在、オリジナルでの最新作「BYE-BYE EXTREMER」(1998)以降、活動が滞っていて哀しい所ではありましたが、ついこの間2枚組のBEST盤が出まして、一端はそちらで知る事が出来ます。興味のある方はぜひ。
 


松井常松アルバムリスト

よろこびのうた:1989
SONG OF JOY:1991
月下氷人:1992
あの頃僕らは:1993
GRACIER:1994
DEEP SKY:1995
HEAVEN:1996
BYE-BYE EXTREMER:1998
すべて現在、廃盤になってる可能性が高いと思われます
中古レコード店を捜索すると
案外見つかりやすいと思います。

後、ベスト盤が1枚、2002年初頭に(だったかな?)に出ました
普通に買うなら現在はこちらが入手しやすいです。


次回予告
突然、予定を変更致しました、すいません。
てなわけで、ちょっと次回も解りません。