クラシック月歌

 近頃、癒し系ブームのせいかクラシックのその手のコンピレーション物が多いですね。その中にやっぱり有ります、「月」のコンピ物。手に入りやすいものを2つ並べてみました。

The music of nature VOL.1 月の音楽
POCL-4739(\2000)

ナイト・フィーリング  ムーン・ライト
POCG-3768(\2039)

 前者の方は、手に入れにくいクラシックの「月関係」まで入っているのがとても嬉しいです。(椎名誠の文章は御愛嬌)
 R・シュトラウスの歌劇「カプリッチョ」なんて2枚組な上に日本盤が無いため、手を出しづらいので、こういったものは非常に有り難いです。
 ただ、ピアノ関係は線がちょっと細め。微妙なラインが好きな人は良いかもしれません。例を出すとラヴェルの「夜のガスパール〜スカルボ」。ダイナミックな旋律の曲なんですが、少しこのアルバムにおいては優雅に聞こえます。気に入った方はアルゲリッチという女性ピアニストのものと聞き比べてみるとおもしろいと思います。

 後者の方はベートーヴェンの「月光」を筆頭に、ピアノ・ソナタを中心としたコンピレーション。しっかり「エリーゼのために」とか「皇帝」等の有名曲も入っているので非常に聴きやすいものとなっています。いわゆる「癒し」の方に重点をおいたアルバムです。ピアノは僕の好きなエミール・ギリレスが主で(僕としては)申し分ないです。

 やっぱ、タイトルに「月」が入ってるやつの方が、感じ方としてダイレクトに月が入ってくるのでいいですね。まぁ、タイトルに入って無くてもその曲に対して個人個人が月を感じてくれればいいんですけど。
 そうなってくるとベートーヴェンの「月光」は微妙な位置です。このタイトルはドイツの詩人、ルートヴィヒ・レルシュタープってのが第一楽章について「スイスのルツェルン湖の月光にきらめく波間に漂う小舟のようだ」といかにも詩人らしいとってつけたような、もったいぶった言い回しで言ったのでこの別名がついたと、要するに「後付け」なんですね。だからといってこの曲が月光で無いかと言われると、「なんとなく、そう言われれば似合ってる気もするなぁ」と思うし、みんな納得してるからいいんでないでしょうか。

 


上記2枚ともまだ廃盤になってないはずです。
クラシックのコンピレーション物の棚に行くと有ると思います。
月の音楽の方は他にも「森」「水」「空」「星」と
5種類出てまして、「
星の音楽」が結構オススメ。
5種類共に椎名誠の文章がついてます、これまた御愛嬌。

アルゲリッチのは
ラヴェル:夜のガスパール・ソナチネ・高貴で感傷的な円舞曲
POCG-1369(\2500)




次回予告
としては、「月の歌セレクション1」を考えてます。
僕が集めていて心に残った歌を紹介していきたいと思います。
好御期待!!