a.SOLARIZATION b.SECOND PHASE c.CRESCENT SUN d.VOYAGE e.SORARIZATION-RECAPITULATION 2.LUNARPTIANS 3.TOTAL ECLIPSE 4.BANDITS 5.MOON GERMS 6.THE MOON AIN'T MADE OF GREEN CHEESE 7.SEA OF TRANQUILLITY 8.LAST FRONTIER |
(現在日本盤出ていません) 1.ソラリ現象 a.色彩現象の変化 b.第二次現象のはじまり c.三日月状の太陽 d.宇宙旅行 e.ソラリ現象全体の再現 2.月人の登場 3.皆既食 4.暗黒に活躍する悪人 5.月の起源 6.月にうさぎはいない 7.静穏なる月海 8.宇宙フロンティア |
そのドラミングの見事さから千手観音、もしくはタコ足配線などとも言われるジャズ/フュージョンドラマーのソロ3作目。 いや、これはホント偶然見つけた「月もの」です。月関連のインスト物って地上からの月を見上げる視点だったり宇宙空間物だったりしても、ピアノやストリングス主体の幻想的なものが多いのですが、70年代からのスペース・ジャズ的な感じなのかなぁ?この作品はアグレッシブかつムードも満点という要素を持った希有な作品に仕上がっています。 所謂フュージョンがまさにロックとジャズの邂逅だった緊張感のある頃の作品で、ロック的な耳のニュアンスで聴いてもその演奏のダイナミクスと繊細さの融合性は楽しめると思います。全編彼のドラミングの魅力が満載、ドラマーのアルバムなのでどうしてもリズム方面に耳がいっちゃいますが、それで正解だと思います。けどちょっと視点(聴き点)を変えて曲やアレンジを聴いてもこれがさらりと聴こえちゃう割に良く練られている(とてもドラマーのソロ・アルバムとは思えないくらいです)ので、その辺も聴き所。 タイトルはズバリそのもの、月があってこその皆既食現象です。印象的なテーマの提示〜切れ味ビシバシのドラムで始まる1曲目の組曲「ソラリ現象」は露出過度での反転現象の意味で、太陽が月に覆いかぶさった時に起った様子をそう印象表現したのでしょう、これもまさに月の作用。 邦題は結構いっちゃってるのが多くてどれも好きなのですが、注目すべきはビリー・コブハムのピアノがフューチャー?された小品6の邦題。原題と比較すると、これは西洋人と日本人の印象表現の差で日本では月に兎がいることになっていますが、原題は16世紀のヨーロッパで良く用いられた表現として「月はグリーンチーズで出来ている」というものがありまして、チーズを切った感じが月の表面ぽく見えるからなのですが、その辺の言い回しで出てきたタイトルなのでしょうけど、これを日本っぽく言い換えるとこうなるのかぁ? わざわざ言い換える必然があるか無いか別にして、うんちくがあってなかなかの名(迷)訳だと僕は思います。 |