#14

月影のワヤン
月凪
月夜のユカラ

東京エスムジカ
2004年/World Scratchに収録

1.月影のワヤン
2.月凪 
3.泥の花
4.Standing On the Ground
5.オレンジの実る頃
6.Vida
7.World Strut
8.レンガ通り
9.邂逅
10.百万年の愛の歌
11.月夜のユカラ
12.始まりに向けて


 2004中秋の名月〜十三夜記念第2弾

 女性2人ヴォーカルと男1人裏方の3人ユニット。「東京」という世界でも稀に見る無国籍が溢れる都市を冠につけ、民族色を取り入れた、ワールドミュージックとはひと味も二味も違う無国籍ミュージック。それが東京の国籍なのでしょうか。

 概して、近年はこの手の音は打ち込みが主体で、固有のノリが体現は出来るもののやはり借り物感が強く、妙に大陸的なノリもあるせいなのか馴染めないものが多かったのですが、彼、いや彼女らはリズムが基本は生音。打ち込み曲もあるものの、ノリは良いんですよ。
 電子音で類型化されない微妙なリズムのズレが逆に、血や肉になる前のインチキ臭さ(良い意味)を醸し出して、僕の身体に伝わってきます。一時期の歌謡曲にあった感じですかね。

 さて、月です。1.月影のワヤン 2.月凪 11.月夜のユカラと3曲あります。
このように民族的なモノを打ち出した曲って、たいてい月の対象が「個人の恋愛」より、「みんなの愛」に変わって来る度合いが高いんですよね。所謂ポップスバラード系が個人的な想いをのせるのに対し、より大らかな想いと言えばいいのでしょうか。沖縄モノにもその傾向が見られます。
 
 新時代無国籍民謡?「月」の歌だけを聞くと 歌詞だけならシャーマン的というか伝承民謡っぽいイメージも。

 「月モノ」以外の曲はちょっとすかし気味である様にも取られますけどね、 90年代から続く所謂「自分探しちゃん」が多少入ってはいますが「頑張ろうちゃん」な歌詞よりかはよほど好き。言葉の力が少しは甦ってきたのかな、まぁ、その言葉が僕のどう心に作用するってものではないですが。このページにおいては「月」が評価対象なのであえて濃く言及はいたしません。