ディスクレビュウ・ライト #22




光のシルエット
詞・曲/rino 編曲/鈴木雅也
c/w
メロトロン
詞・曲/rino 編曲/大久保薫

CooRie

2005年
 

 1曲目はBSアニメ「絶対少年」のOP。流れるストリングスと軽妙なシンセが絡み合う、所謂アップテンポなCooRie節(なんだそりゃ)全開の魅力溢れる佳曲。もうちょっと冒険欲しいトコなんだけど、主題歌じゃしょうがないかなんて思ったりもします。
 注目すべきはカップリング。そのタイトルを見て僕の感想。

「ん?メロトロン?もしかしたら…」

 そしてレジへと走り、封を開けて聴いたらもう笑っちゃいました。ビートルズとその周辺のテイスト溢れるメロトロンがバックで鳴ってるんですよ!!!。
 ここでこのサイトをご覧の洋楽ファンの皆様であれば知っておられると思いますがここでメロトロンの説明。



 図版を見ていただくとお解りですが、キーボードの類いです。現在で言うところのサンプリング・キーボードで、鍵盤1つ1つに対して磁気テープ3種と再生ヘッドが連動される様になっており、鍵盤を押せばモーターが回り、テープが再生され音が出ると言う究極のアナログサンプラー楽器。機構上の問題から再生時間が7〜8秒程度だったり、音の立ち上がりが悪い、音程が不安定だったりと演奏者泣かせのとこもあったのですが、その事が逆にこの楽器のキャラクターになっちゃって、今でもマニアライクなファンが世界中に沢山います。ちなみに僕もその1人です(笑)。
 有名な使用例はビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」でのイントロのフルートっぽい音、キング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」で全編で鳴ってるストリングスっぽい音が上げられ、その他60年代後半から70年代にかけ、様々な場所でこの楽器が鳴ってます。
 現在ではパソコンの音源ソフト、デスクトップ上での音源もあります。


 話は戻りますが、まさかアニメ関連の音楽で「メロトロン」なんて言葉が出てくるとは思いませんでした。よしもとよしとものマンガで「ギズモトロン」が出た時以来の衝撃です。まぁ、それはともかく、CooRieとしてのメロの良さも失わずに'60風味をよく消化した落ち着いたアレンジがなされていて、典型的なメロトロンの使用法がそれを盛り上げてますね。CooRieの中ではプログレッシブな出来なので、引く人も多いかな?インストヴァージョンで聴くとよりいっそう面白いと思われます。

愛しい思い出は メロトロン
心でそっと 奏でていよう

 いい歌詞ですねぇ、たまりませんねぇ。僕にもメロトロンで奏でられるそんな思いであったかなぁ。