両性具有的な妖しさの溢れるピーターの楽曲群のなかでもその妖しさが攻撃的に前面に出た、僕のなかでは(彼=彼女の)最大の名曲。
この曲が異質なのはそれまで、もしくはその後にしても静的なイメージの楽曲の多かった彼(彼女?)の歌のなかで、その過剰とも言える動と静の対比、ドラマティックな展開は、タイトルの強烈さと共に無比のもので、ピーターの歌手としてのイメージ、魅力を遺憾なく見せつけたものに仕上がっています。
タイトルの強烈さに比例する圧倒的な歌詞と楽曲。導入部で妖しく唸るシンセの音がまた素晴らしく響き、人間狩りへと向わせる迫力を増加。
夜が来て 鏡を見て
髪をとかし 爪をみがき
唇にルージュを ひいたなら
さあ出かけよう |
そして人間狩りへと出かける訳ですが、この部分のピーターの低音を活かした情感とピリピリ来るほどの緊張感に溢れたボーカルがまた素晴らしい。
今の人が歌うと多分にパロディ的な物になってしまうのが、そうならないのはまさに実力の賜物なのでしょう。
最近、ラジオで和田アキ子が「越路吹雪を継ぐのは私」みたいな発言をしていましたが、そんなのは完全に無理。だって、ピーターがいるじゃないですか。和田に越路吹雪のあの色っぽさは歌、イメージにおいても出す事は不可能です。そこに来てピーターはまさにその要件を満たしています。歌の上手い大人の歌手が目立たない中、新曲をしっかり出して頑張って欲しいものです。
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