|
ここのところ、若いメンバーが次々とやめていって、ついにおっさんだけが残ってしまったYES。(しかもキーボードのメンバー不在)
今回のアルバムにおいては、4人編成と言うYES史上最小の人数で望むアルバムだけにどんなことになるのかなぁと思っていたら、オーケストラ(指揮、アレンジ:ラリー・グルーペ)との共演(競演)という技に出ました。オーケストラもメンバーに入れたら「YES」史上最大人数か・・・。
アルバムの詞は、いつもの天然夢想ポジティブのアンダーソン節(VOCALのジョン・アンダーソン)が炸裂。まぁ、これは毎度の事なんで。一時期よりも自分の好きな事が出来てるせいか、声の伸びが結構イイです。
最近のYESの長尺物作品(10分以上)での(僕の)基準は「いかにメロディックで聴かせる展開をこころがけているか」というのがあって、それを基準すると、9曲目「IN
THE PRESENCE OF」は多少叙情的すぎる部分があるものの、まとまりがあって良く出来ています。これはこのアルバムにおけるオーケストラアレンジの成功例ですね。
ただ、前作において軽く聴こえていた展開の物がオーケストラのせいで重めに聴こえるものもあります。メロディは悪くないし、重厚になったと言えばいいのだけど、逆に重過ぎる印象も。もう少しオーケストラが軽めでもいいんじゃないかなぁ。
それとやはりキーボードの不在は痛い。ピアノの音はするものの、色々な楽器(生ブラス以外)の音色が一曲の中で渾然一体と混ざりあった音がいわゆる「YES」の曲の魅力のひとつだと僕は思うので、その意味では寂しいですね。
僕は最近の軽快でPOPなYESも結構好きだったのですが(コーラスパートが前2作は結構充実していたし、リズムも跳ねていたしね)、僕の周りのファンの方に評判を聴くと、あまり好きじゃなかったようです。
1969年の2作目「TIME AND A WORD」(邦題:時間と言葉)でもオーケストラを導入してるんだけど、本作の方が音のバランスは確実にいいです。まぁ、それは時代の違い、オーケストラ導入の目的の違いで、しょうがないのですが、空気性と言う点においては当時の空気、混沌からの新しい物の創成というものを2作目は未熟ながらも、捕らえていて、好感は持てます。それに演奏の方も当時の方が暴走気味の部分もあったので、バンドが若い頃なりの面白さがあります。
クリス・スクワイア(Bass)とアラン・ホワイト(Drums)のリズム隊はあまり派手な展開はないものの、ミックスのせいか前作よりもタイトに聴こえます。
堅実に、それでいて自己主張がなされていて(もう少し動きまくってくれたらもっと良かったけど)、オーケストラのもったりした部分をしっかりと締めています。これが無かったらアンダーソンのソロっぽくなっちゃいます。
ただ、ギターのスティーブ・ハウのプレイが少し心配。アコースティックギターの響きは相変わらず良いものの、エレクトリックな方がもう少しキレ味が欲しい気がします。自分のスタイルに固執し過ぎかな、それが個性、円熟と言えばそれまでだけど、若手が居た方が彼にとってもいい刺激になってホントはいいんじゃないかな。(でも、他の評を見ると割とギターの評判いいんだよね)
しかし、これからの「YES」としての方法論がちょっと心配。このパターンでいっても2回が限度だと思うし、まぁ、彼らの事だからまた以前のメンバー、もしくは適当な若手をどっかから入れるのかもしれないしね。このバンドは常に新陳代謝が必要なバンドだと思うので、早めの決断をお願いしたいです。
|