SWEET SILENCE
(甘美のハード・ロッカー)
MR.BIG

1975年 イギリス



1. TIME BASE
  異次元の感触
2. WONDERFUL CREATION
  ワンダフル・クリエイション
3. GOLDEN LIGHTS
  愛は心の燈火
4. UNCLE JOHN B
  アンクル・ジョン・B
5. I AIN'T BIN A MAN
  恋に焦がれて
6. SWEET SILENCE
  甘美のハード・ロッカー
7. ZANBIA
  麗しのザンビア
8. ENJOY IT
  香しき人生
9. VIOLET MAY
  愛しのバイオレット・メイ
10. FOR THE FUN TO FIND
  青春の甘き日々
11. APPEARED A SHINING THRONE
  輝ける王座
12. THRONE SECOND AMENDMENT
  永遠の光

 

 今日では、「ミスター・ビッグ」と言えば米国生まれのバンド「MR.BIG」が有名です。
しかし、70年代の英国にも「MR.BIG」が存在しました。(だからこっちがオリジナル)ここでの話は勿論(笑)英国の方です。

 本作は彼らのファーストアルバム。ハードロック的なものをベースにしながらも、一風変わったポップセンス、そしてブリティッシュならではの「いかがわしさ」も兼ね備えています。
 その上、ユニークなのは彼らの編成で、ドラマーが2人もいます。レコードにおいてもその辺が成功している曲、う〜んっぽいのもありますが(でも好き!)きっとライブにおいては凄かったんでしょうね。なお、次作の収録後3人目のドラマーを加入させますが、さすがにそれは上手く行かず短期間で2人に戻ります。

 当時の彼らは「クイーンの次に来るバンド」と言った感じの期待や売り方(日本盤邦題はモロですね)をされていました。随所にそれっぽい曲展開、コーラスのそれっぽさがその理由にあるのですが、それが模倣になっていない上、そんな曲に囲まれながらも隠し味的に登場するアメリカへの情景が聴いてとれる曲のある事が彼らを単なるハードロックバンドにしていません。
 事実、次作においてはその傾向が顕著となって、コーラスを多様したウエスト・コーストっぽい作風に変化していきます。
 そんな意味ではハードロックに納まらない、様々なものを彼らは内包していました。前述のクイーンっぽいもの、アメリカへの情景やその他に(1)のスペース・グラムロック(?)の様な曲、(7)の「ザンビア」と歌いながら中華風のメロの曲とか正統派のハードロック等。
 しかし、こうして書いていくと何か焦点が定まりません。そう、この本作、1曲1曲を聴くと良い曲なのですが、全体にまとまりが無いんです。ただ、その事は僕にとっては大好きな点。ファーストアルバムで自分を全てさらけだしちゃう彼らの人間性と僕は取ります。もうたまらないほど素敵。
 ただ周囲の期待ほどこのアルバムが売れませんでした。何ででしょう?こうして後年、聴いてみると良いアルバムなんですけどね、当時はグラムも終焉、レッド・ツェッペリンやクイーンとかの大物が相次いで名作と言われるアルバムをだし、良く言えば雑多な音楽性、悪く言えばどっちつかず的な印象を与えてしまうような彼らの入り込む余地は無かったのでしょうか?う〜ん、ニッチ!