

| 1. 青空 2. 月がとっても青いから 3. 南の花嫁さん 4. アラビアの唄 5. ゴンドラの唄 6. 小さな喫茶店 7. 夜来香 8. 蘇州夜曲 9. 森の小径 |
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遊佐未森の全曲カバーアルバム。曲は大正〜戦前〜戦中〜戦後初期と現在の歌謡曲界の潮流からは(戦後初期以外は)見捨てられた感のある昭和歌謡第1期黄金時代の楽曲群がその主役です。 実際昭和19年位から終戦にかけては暗くはなるものの、それ以前、このアルバムで例えれば3曲目「南の花嫁さん」は昭和17年、大平洋戦争まっただ中。その中、こんな明るい内容の曲が作られていた事を考えると、現在の戦中のイメージがいかに軍歌(=軍国主義)だけに偏っているのかが聴いてとれ、このあたりはもっと日本の歌謡史で指摘、見直されても良い所だと思います。 まぁ、これを論ずると異常に長くなるので本題に戻します。遊佐未森、彼女のカバーはそんな事を抜きにして「歌」の魅力だけを抽出した作品になっている所が特徴で、この頃の歌の持つ「言葉の力」が非常に生きています。大量の小道具・物品名を使わなくてもその情景がヒシヒシとあらわれる、想像力豊かな豊潤な歌詞、そしてそれを最大限に膨らませる楽曲が、彼女の力でこの時代にまた新しく再構成されています。2曲目「月がとっても青いから」の「アカペラ1人多重コーラス」はとても好きな感じ、やられました。 興味のある方は「ゲルニカ」のアルバムも合わせて聴いてみる事もオススメ。こちらの方では、より昭和歌謡第1期黄金時代の拡大解釈気味なイメージ、この当時の国策的な匂いや雰囲気がカリカチュア、真面目かつ過激な戯画として楽しめます。 |