GENGHIS KHAN
GENGHIS KAHN

1979年 ドイツ



1. MOSKAU
  めざせモスクワ
2. KOMM DOCH HEIM
  家に帰って
3. SAMURAI
  サムライ(邦題:雨に微笑みを)
4. ROCKING SON OF DSCHINGHIS KHAN
  ロッキング・サン
5. PASS AUF,DER DRACHE KOMMT
  ディスコ・ドラゴン
6. DSCHINGHIS KHAN
  ジンギスカン
7. ISRAEL, ISRAEL
  イスラエル
8. CHINA BOY
  チャイナ・ボーイ
9. SAHARA
  砂漠の国サハラ
10. PUSTA
  プスタ
11. DER VERRATER
  密告者のテーマ
12. HADSCHI HALEF OMAR
  ハッチ大作戦
12はCDボーナストラック

 

 僕にとっての「ディスコ」は最近のパパイヤ鈴木系統のアフロ/ソウル的なディスコものでないので、今の流行りにはどうしても違和感があるんですよ。僕はやっぱりミュンヘン・ディスコですね。もちろん当時はそんな言葉は知りませんでしたが、自分が好きなのを思い返してみると、そっちの系統ばかりなんですよね。
 幼年期の刷り込みに加えて、ジャストなリズムの気持ち良さと色物っぽさの同居感覚がたまらなくいいんです。その中でも「ジンギスカン」はその条件をすべて満たしています。
 ヨーロッパ的な偏ったイメージによる独特のオリエンタリズムとエキゾシズム、僕の大好きな「いかがわしさ」「色物っぽさ」が満載、それがディスコビートに乗って攻めて来るんですよ、サビは連呼で分かりやすいメロディと単語。身体が動きます、歌い出します、車が暴走します。
 
 深くつっこめば、これってディスコによる世界制覇戦略なのではとも思う訳です。
 アフロ/ソウルでは多少ながら演奏者の肉体性が感じられ、「生来のモノがないと・・・」って感じだったものが、ミュンヘンディスコの重要人物のジョルジオ・モロダー一派のおかげで全世界的に同じビート、演奏者が何国人でも同じリズムをマシン(シンセサイザー)を通して共有し、自分達のメロディを乗せれば自分達のモノと出来る事、ロック後の音楽のグローバル化です。そんなものに乗っかってしまった僕。

 彼らの本領はシングルなので、ベスト盤も良いのですが、ここで紹介する1stアルバムは1枚目にして集大成、彼らの魅力が全て出ています。
 このジンギスカン、景気や経済の専門家で作詞を担当するベルント・マイヌンガー博士と作曲家のラルフ・ジーゼルJr.の2人がこれまた怪し気なディスコグループ「ボニーM」を見て自分達でもいっちょこんなグループを作ってみようと考えたのが始まり。
 そしてここから博士の本領発揮。曲のコンセプト作り、レコードが売れる要因やら購買層調査等のマーケティングをして、これなら売れると確信し、そのコンセプトを元に曲を作りました。それが名曲「ジンギスカン」です。
 これをヨーロッパの有名コンテスト、ユーロヴィジョン・コンテストに送って最終審査まで進んでしまい、人前で演奏しなきゃいけなくなったからさぁ大変。急遽メンバーをオーディションで集めました。それがあの踊り歌ってる怪し気な扮装の人達です。
 コンテストで優勝はしなっかたものの、シングルが発売されるや大ヒットをします。そして彼らの快進撃が始まります。

 満を持してこの作品です。タイトルを見ると解る通り怪し気な魅力満載(特に3曲目)。曲もそのタイトルから想像出来る通りの曲調。シングルになっている1,6そしてCDボーナストラックの12曲目は皆さん一回は耳にした事があると思います。 彼らの凄い所は世界的(アメリカ以外)に「独語」でヒットさせたこと。その発音のおかげか逆に魅力が増している様に思います。これ、多分英語で歌っていたらヒットはしただろうけれども、それほど面白く無かったんじゃないかと感じるんですよね。アルバムも4曲目の一部を除き全部が独語。
 内容は全てディスコ一辺倒と言う事はなく、割と多彩。タイトルがアジアな曲はそんな感じに、1曲目はスラブ的な匂いまで感じさせる、レコードによる世界博覧会、いや世界旅行の感。
 その他に4曲目や8曲目(リフがめちゃカッコいい!)のロックっぽいのもオススメ。 アップテンポの作品に共通するジャストな「ドン・ツ、ドン・ツ」のリズムがとても気持ち良いです。
 オリジナル最終曲の11は彼らの中でもプログレッシブ(笑)でドラマティックな曲。ちょっと展開は単調だけど。

 あまりに色物色が強いせいか、正当な評価がされてなかったと思う今日この頃。今だからこそ冷静にそのポップ性を評価出来る時期に来ているのではないでしょうか。ディスコという枠組みが彼らの評価を落している、また最近のパパイア現象からアフロ/ソウル的なものがホントのディスコの様な考えも生まれて来ています。これはちょっとうがった見方かな?
 「踊る」だけでない「いかがわしさとポップ性」「企画性」から言えばこちらの方が何倍も面白いのに・・・。(その上踊れるんだからねぇ)