第三世界の曙
ON THE THIRD DAY

1973年 イギリス
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA


1. OCEAN BREAKUP/KING OF THE UNVERSE
2. BLUEBIRD IS DEAD
3. OH NO NOT SUSAN
4. NEW WORLD RISING
     /OCEAN BREAKUP REPRISE
5. SHOWDOWN
6. DAYBREAKER
7. MA-MA-MA BELLE
8. DREAMING OF 4000
9. IN THE HALL OF THE MOUNTAIN KING

  こちらは邦題。
1. 母なる大海の裂けし時〜宇宙の帝王
2. 青い鳥は絶えたのか
3. 絶望のスーザン
4. 新世界の曙〜母なる大海の裂けし時
5. ショウダウン
6. 大いなる夜明け
7. いとしのベル
8. 暗黒の夢魔
9. 山の大王の広間にて


 普通に一般的なELOのイメージとして、きらびやかでメロディアスなポップとかが上げられますが、その昔、黎明期と言われる頃はプログレッシブなポップとしての評価の方が高く、ポップ性よりも弦楽奏者をバンド内に内包していた事の方にその評価が当てられていました。ここで紹介する本作はその頃のELO、結成当初のアイデアの集大成かつ、次作「エルドラド」へつらなるポップス性の確立、次のステップへの足掛かりとなる重要な作品です。
 
 次作で展開される流麗さを求めるためにあえて切り捨てられた部分、ストリングスの中低音域ひっかかり感とそこから滲み出る官能的な空間が本作の核。これは1曲目から4曲目の組曲風にしたてあげられた作品から主に漂ってきます。
 また、そんな雰囲気を装飾するシンセサイザーも前作「ELO」とは比較にならないほど使用法が上手くなっています。そんな意味で、全盛期のあの素晴らしいストリングスとシンセアレンジの絶妙な結合の雛形的な所もあります。
 個々の作品もヒット曲「ショウダウン」「いとしのベル」は言わずもがな、それまでの「プログレッシブなポップ」という評価に飽きてきたのか、アイデアの未消化だった部分、そのために曲が長くなってしまった事を反省したのか、本作ではかなり開き直ってきていて、個々の曲を1曲としてしっかりと独立させ、その上で組曲風にしたてあげた1〜4曲目、その他の曲も難解さをポップさで内包し、聴きやすく仕上がっています。そんな前作よりも軽やかになったイメージは、リーダーでソングライターのジェフ・リンが自分の資質(ポップス大王)に素直になり、方向性が見えてきた証拠ともとれます。

 黎明期のELOは全盛期の作品からから聞き始めた人達(僕も含む)には、やはりあのイメージを期待してしまうのかとっつきにくい感があります。買う順番も最後の方だったりもします。けど、聴き込むほどに味が出てくるんですよね、このアルバム。モノシンセの暖かみのある音なんか最高です。1回聴いてからちょっとほっぽって置かれて、しだいに気になってきてはまってしまうアルバムかもしれません。