BRAINWASHED
TOCP-67074

GEORGE HARRISON
2002年

1. Any Road
2. P2 Vatican Blues (Last Saturday Night)
3. Pieces Wish(邦題:魚座)
4. Looking For My Life
5. Rising Sun(邦題:悠久の輝き)
6. Marwa Blues
7. Stuck Inside A Cloud
    (邦題:あの空の彼方へ)
8.Run So Far
9. Never get Over You
10. Between The Devil And
   The Deep Blue Sea(邦題:絶体絶命)
11. Rocking Chair In Hawaii
12. Brainwashed


 

 ジョージ・ハリスンの遺作。遺作というと湿っぽい感じで聴いてしまいがちなんですが、一聴してもう、彼の到達した明るさが伝わって来る様な内容に仕上がっています。悲しむのはもうよそう。

 一曲目の「ANY ROAD」のウクレレのイントロがこの作品を象徴しているかの様。明るい太陽の陽光が降り注いで来る様な穏やかな感覚。
 そして彼の作品に必ず出て来る「神」の存在がこのアルバムの中心。降り注いで来る様な「神」の感覚が彼の脳裏にはあったのだろう。
 ガンの手術をしてから自分の寿命、天命を知っていたのだろうか、彼にとってその「神」のという存在は家族とともに最も身近に感じられたモノだったろう。そして前にも増して「神」を感じる事によって生じるある意味、汚れの落ちた様な無垢の状態。それがこのアルバムに見事に反映されています。
 彼のスライドギターの音色も極めて素晴らしいプレイを聴かせていて、透明感の中に渋みが加わり、流麗な調べの中に多少ひっかっかるような技術だけで無いとても感覚的な人間臭いプレイがとても印象的。
 今回もプロデュースに名を連ねるELOのジェフ・リンも最近は昔の様なオーバー・プロデュースは影を潜め、歌そのものの質感を表現することに全力を傾けていて、このアルバムもそんな見事なプロデュースワークで製作されています。

 ただ、残念な事はジョージがもうこの世にいない事。彼の作品が発掘という手段でしか聴けなくなってしまった事がとても悲しい。あ、前に「悲しむのはもうよそう」って言っっちゃたなぁ。御冥福をお祈りいたします。