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i(ザ・ストーリー・オブ・アイ)

PATRICK MORAZ

パトリック・モラーツ
1976年 イギリス



1. IMPACT
2. WARMER HANDS
3. THE STORM
4. CACHACA(BAIAO)
5. INTERMEZZO
6. INDOORS
7. BEST YEARS OF UR LIVES
8. DESCENT
9. INCANTATION(PROCESSION)
10. DANCING NOW
11. IMPRESSIONS(THE DREAM)
12. LIKE A CHILD IN DISGUISE
13. RISE AND FALL
14. SYMPHONY IN THE SPACE


 
 バンドのメンバーが出したソロアルバムで面白い物(あくまで僕の基準)というのは、自分のエゴの外部への発散、つまりは欲求不満と自己のの表現力への挑戦、どこまで自分が出来るか等の気合いが上手く絡まったモノ、もしくはそれが空回りし過ぎてメチャクチャになったモノ、そして趣味性に走り過ぎ地味になりまくったモノが上げられます。(ほんと偏ってます)
 ここで御紹介する作品は最初に記した上手く絡まった物の部類に入ります。イエスで大活躍した彼(パトリック・モラーツ:キーボード)が初めて出すソロアルバムとして世間的にも注目されてます、イエス加入後初の(といってもそのアルバム一枚だけに参加して脱退)アルバムにおいて自分の力量を見せつけられるだけの実力もあり、鼻っ柱も強いです。つまるところ
内外共に油の乗りまくった時期のアルバムなので気合いが入りまくっています。
 
 彼のキーボードプレイとそこから生み出されるサウンドの特徴はパーカッシブで躍動的かつ流麗な所と静寂な所の絶妙なバランス感覚、それを支える多彩な音色にあり、本作ではその要素が非常に表れています。
 ラテン・パーカッションの導入等、リズム面でも面白い要素があり、一般的なキーボード奏者の陥る道からは見事にはずれていて、その事もこのアルバムを面白いもの、完成度の高いものにしています。
 アルバム自体はトータルアルバムとして製作されており、難解なお話があるらしいのだけれども、曲・サウンド自体はそんなに難解な事はありません。静と寂の対比がバランスよくイイ具合に耳に入って来て聴きやすい位です。
 
哀しいのは、このアルバムが一番出来が良い事(笑)。2作目以降はちょっとインパクトに欠けてしまいます。
 プログレ系のアルバム(特にメンバーのソロ・アルバム)ってマニア以外は割合敬遠されがちになるんだけど、カテゴライズという変な垣根はとっぱらって聴いてみて下さい。美しく躍動的かつ繊細な世界が目の前に写し出されると思います。